大阪府では、「豊かな大阪湾」の実現をめざし、多様な主体による大阪湾の環境保全・再生・創出活動を活性化し、府内各所で新たな取組が実施されるよう、ノウハウ集を作成しています。
このたび、「干潟等における生物多様性の保全活動」及び「府民参加型の藻場再生体験」をテーマとしたノウハウ集のモデル事例となる取組について、企画提案方式により実施団体を公募し、選定委員会による審査を行い、採択事業者を決定しましたので、お知らせします。
なお、本公募は、令和6年度「豊かな大阪湾」保全・再生・創出活動推進業務を委託している株式会社ダン計画研究所が実施しています。
1 活動内容
(1)干潟等における生物多様性の保全活動
(2)府民参加型の藻場再生体験
2 採択事業者(契約候補者)
(1)干潟等における生物多様性の保全活動
一般財団法人 環境事業協会
評価点85.7点(100点満点中) ※提案金額1,343,423円
(2)府民参加型の藻場再生体験
一般財団法人 環境事業協会
評価点70.0点(100点満点中) ※提案金額1,341,555円
3 選定結果の概要
(1)干潟等における生物多様性の保全活動
ア.提案事業者 全1者
一般財団法人 環境事業協会
イ.選定理由・講評
・干潟調査とマラソンを掛け合わせた「ガタソン」という取組は、生物多様性に関心が高い層以外に届けうる切り口である。
・汎用性が高く、将来的な取組の広がりが期待できる。
・体験型環境学習プログラムをビギナー向け、チャレンジャー向けと参加者対象者を分けて行うことでより広い層(知識や動機、年齢など)の参加が期待できるが、生物多様性の保全への関心が低い層にも興味や参加意欲を高めるためのもう一押しの工夫や働きかけを行うことが望ましい。
・協力を依頼する講師陣並びに講師の所属機関との連携を深め、当日の学習会のみならず、事業そのものの展開に関するアドバイスを得ることで、取組を発展・向上させることも考えられる。
・それらのプロセス自体をノウハウ集に掲載することにより、今後同様な環境学習を企画・実施する団体の参考となる。
(2)府民参加型の藻場再生体験
ア.提案事業者 全1者
一般財団法人 環境事業協会
イ.選定理由・講評
・各参加者がアマモについて学ぶ座学と、アマモの苗を各家庭で育てる発芽実験、年度末に実験結果を共有する振り返り会の開催というプログラム構成は、アマモの育成や藻場再生について学び体験するために有効な手法であると評価できる。
・家庭でのアマモの発芽実験は、日ごろ海に触れる機会が少なく、海から離れた地域に居住する人でも実施できるため、府内広域の学校や市民団体への広がりが期待できる。
・なお、アマモの育成や藻場再生の機運は高まりつつあるが、一朝一夕にできるものでは無く、実施には知識と経験が求められるが、提案内容からはその知識や経験が豊富であるとは言いがたく、実施までに専門家との連携を強め指導を受けるなど知識をより深めることが望まれる。
・アマモ以外に関するイベント(貝殻集めと壁飾り作り)は見直し、よりアマモについての理解を深める内容に見直すことが望まれる。
・それらのプロセス自体をノウハウ集に掲載することにより、専門家ばかりではない活動団体が今後同様な環境学習を企画・実施する際の参考となる。
4 選定委員会委員(敬称略・五十音順)
委員名・所属 |
選任理由 |
黒田 桂菜(大阪公立大学大学院現代システム科学研究科准教授) |
海洋環境修復や持続可能な海との関わり方について調査研究をしており、大阪湾の環境課題を踏まえて、イベント内容の適正性について審査いただくため。 |
田口 康大(東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター特任講師) |
海洋教育を専門としており、体験型環境学習にかかるターゲット層の設定の的確性やノウハウ集に反映することが適した学習プログラムの企画内容になっているかについて審査いただくため。 |
中西 敬(徳島大学環境防災研究センター客員教授)【議長】 |
海洋環境修復や自然再生手法について、調査研究をしており、大阪湾の環境課題を踏まえて、藻場・干潟の再生・創出手法の適正性について審査いただくため。 |
国連では、2030年までの国際目標として、「持続可能な開発目標(SDGs)」が2015年9月に策定されました。本事業は、SDGsに掲げる17のゴールのうち以下のゴールの達成に寄与するものです。

大阪府は「SDGs未来都市」として、SDGsの推進を図ってまいります。
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