大阪府では、平成30年度及び令和元年度に、ナッジを活用した啓発により、府民の省エネ行動の変容を検証する取組みを、吹田市及び大阪府地球温暖化防止活動推進センター(一般財団法人大阪府みどり公社)と連携して実施しました。
転入者数が府内トップレベルである吹田市において、ナッジの活用により、省エネ行動の促進について効果検証しました。
具体的には、省エネや光熱費など消費者のエネルギー消費への関心が高まるタイミングである引っ越し時に着目し、「実態調査アンケート」により、転入・転居者と在住者の省エネ行動の実態を把握した上で、啓発リーフレットを配付し、「後日アンケート」により、行動変容について検証しました。また、啓発リーフレットの配付の有無による差異を検証しました。
平成30年度は、引っ越しのタイミングの啓発が効果的であると予想される省エネ行動のうち、以下の4つの項目を設定し、行動科学の要素を入れた啓発リーフレットを作成しました。 ・LED照明への交換 ・冷蔵庫の設定温度調節 ・節水シャワーヘッドの取付け ・電気の切替え | ![]() |
また、令和元年度は、前年度に一定の効果が認められた2つの項目に加え、広く省エネ型ライフスタイルへの転換を促すという観点から、新たに2つの項目を設定しました。 ・LED照明に交換 ・電気の切り替え ・おでかけ・通勤は電車・バスで ・宅配事業者のウェブサービスに登録(再配達削減) | ![]() |
(1)実態調査アンケート
・転入・転居者と在住者の省エネ行動の実態を調査したところ、転入・転居時は、「家電(冷蔵庫・洗濯機・照明器具)の買替え」、「電気の切替え」についての関心が高まり行動する傾向にあることが確認されました。(平成30年度)
・転入・転居者と在住者のいずれについても、再生可能エネルギーなどエコな電気を選んだ割合は1割未満であること、宅配事業者のウェブサービスに登録している割合は4割未満であることなどが確認されました。(令和元年度)
(2)後日アンケート
・「照明・電球の買替え」、「電気の切替え」については、転入・転居者のほうが省エネ行動の実施率が高くなりました。( 「シャワーヘッドの買替え」 、「冷蔵庫の温度設定」については、統計上の有意差は認められませんでした。)また、特に「照明・電球の買替え」については、啓発リーフレットを配付した場合のほうが省エネ行動の実施率が高くなりました。(平成30年度)
・「LED照明に交換」、「宅配事業者のウェブサービス登録」については、転入・転居者のほうが省エネ行動の実施率が高くなりました。(「電気の切り替え」、「おでかけ・通勤は電車・バスで」については、統計上の有意差は認められませんでした。)(令和元年度)
⇒転入・転居のタイミングを捉えたナッジを活用した啓発を行うことにより、省エネ行動を効果的に促すことができると考えられます。全国の自治体において応用可能な取組みであり、省エネ行動変容の効果的な促進に広く活用されることが期待されます。
※より詳しい結果については、こちらをご覧ください。
・平成30年度の検証結果[PDFファイル/484KB]
・令和元年度の検証結果[PDFファイル/1.03MB]
このページの作成所属
環境農林水産部 脱炭素・エネルギー政策課 戦略企画グループ
ここまで本文です。