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更新日:2019年10月28日

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ヘルシーおおさか21(点字広報)第58号 音声読上げ用

ヘルシーおおさか21(点字広報)第58号【令和1年10月発行】

テーマ「大阪府第7次医療計画」-上手に医療を受けるために知っておきたいこと-

はじめに

大阪府第7次医療計画について説明します。
わが国では、世界に例のない高齢化が進んでおり、中でも大阪府は、高度成長期の人口流入の影響により、高齢者数の大幅な増加が見込まれています。団塊の世代のすべての方が75歳以上の後期高齢者となる2025年(令和7年)以降、入院患者の増加が見込まれています。特に肺炎、骨折などの高齢者に多い疾患による入院患者が増加する見込みです。
このような状況のもと、大阪府では2018年(平成30年)から2023年(令和5年)の6年間を計画期間とする「第7次医療計画」を策定しました。内容は、できる限り府民の皆様が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられる社会の実現をめざすため、介護などと連携した医療体制の充実を基本的方向性としています。
病院では、症状に応じた適切な医療を提供するために、入院治療中に病床を移っていただく場合もあります。退院後は住み慣れた生活の場で医療を受けることができるように医療と介護などの連携も必要です。
今回は、府民の皆様に、上手に医療を受けるために知っておいていただきたいこととして、1 かかりつけ医について、2 救急医療について、3 在宅医療について この3項目に分けて説明させていただきます。

1.かかりつけ医について

  • (1)かかりつけ医とは
    かかりつけ医とは、あなたにとって健康や病気のことについて、気軽に何でも相談でき、信頼できる、ご近所のお医者さんのことです。何でも気軽に相談できるので、病気の早期発見・早期治療ができ、必要な場合には他の診療科のお医者さんや病院を紹介してもらえます。特に高齢者は、複数の症状や疾患を併せ持つことが多いことから、病気の重症化の予防や再入院の防止、服薬管理などをしてくれる、かかりつけ医を持つことをお勧めします。
    平成28年度の大阪府の調査では、60歳以上の男性88.0%、女性92.9%がかかりつけ医を決めていると答えています。かかりつけ歯科医では男性80.2%、女性90.7%、かかりつけ薬局では、男性60.8%、女性58.8%がそれぞれ1か所に決めていると答えています。
  • (2)かかりつけ医を持ちましょう
    大学病院などの大きな病院にかかりつけ医の紹介状を持たずに受診すると、保険対象外の追加料金が生じます。かかりつけ医がいなくても特別料金を支払って大きな病院に行けば何でも診てもらえるという方もいらっしゃいますが、個人で直接大きな病院に行かれるより、かかりつけ医と相談して、病状に応じた適切な医療機関などを紹介してもらう方が、より効果的な治療が期待できます。また病状が安定したら紹介先の病院と連携の上、かかりつけ医のもとで継続的に治療を受けることもできます。
    今後、住み慣れた地域で安心して療養生活を送る上で、かかりつけ医は大切な存在です。普段受診している医療機関から「かかりつけ医」を見つけて、ちょっと体の調子がおかしいと感じたら、相談しましょう。

2 救急医療について

  • (1)救急医療とは
    救急医療は、3つに分類されます。
    • 1)入院が不要な軽症患者を診療する初期救急医療
    • 2)入院治療を必要とする中等症・重症救急患者の医療を担当する二次救急医療
    • 3)二次救急医療機関では対応できない重篤な救急患者に対し高度な医療を総合的に提供する三次救急医療(救命救急センター)
      の3つです。救急医療施策の目的として、救急患者の生存率向上が大きな目的となっています。
  • (2)救急医療体制について
    大阪府では市町村と連携・役割分担し、医療機関・消防機関などの協力を得ながら救急医療体制を確保しています。
    初期救急医療体制では、府内6病院、37診療所が休日・夜間における初期救急医療を実施しています。
    二次救急医療体制では、287か所の医療機関が救急医療に対応する受入体制を確保しています。
    三次救急医療体制では、8つの二次医療圏ごとに1か所以上を目標として救命救急センターの整備を進めてきましたが、平成27年に堺市立総合医療センターを認定したことにより、整備目標を達成しました。
  • (3)救急医療の現状と課題について
    年々、搬送件数が増加しており、高齢化の影響でさらに増加することが予想されているため、救急医療機関の質を維持しつつ、救急医療体制を確保する必要があります。また、救急搬送を要請する患者のなかで軽症患者の割合が高く、全国と大阪府を比較すると軽症患者の占める割合が全国の5割に比べて大阪府は6割と高くなっています。
    ほかにも、救急車をタクシー代わりに利用するなど、救急車をむやみに呼ぶことは、緊急を要する患者の対応を遅らせることになります。そのため、府民に対する救急医療の適正利用を啓発していくことが必要となっています。
  • (4)府民への情報提供・普及啓発の取り組みについて
    大阪府救急医療情報センターでは、府民に対して受診可能な医療機関の案内を行うことにより、適切な医療機関の受診を促しており、電話での照会件数は年間9万件となっています。府民による大阪府医療機関情報システムへのアクセス件数も年間約100万件となっています。他にも、府政だよりなどを通じて救急医療の適正利用を呼び掛けています。

ここで、「病院へ行った方がいいのか、救急車を呼んだ方がいいのか」、突然の病気やケガで迷ったときの電話相談先を2つご紹介します。
先に注意点として、相談料は無料ですが、通話料は利用者負担となっております。そして、あくまで電話相談であり、診察などの医療行為は行うことはできません。予めご了承ください。

  • 「救急安心センターおおさか」について
    府内全市町村で共同運営している電話相談です。365日24時間対応です。
    #7119(プッシュ回線や携帯電話又はPHS)もしくは06-6582-7119(ダイヤル回線又はIP電話)に電話をしてください。
    相談の結果、緊急性が高い場合は救急車が出場します。
    なお、医薬品の使用方法などの相談、現在かかっている病気の治療方針に関する相談、健康相談、介護相談、育児相談はお受けすることができません。
  • 「小児救急電話相談」について
    夜間のこどもの急病時、病院へ行った方がよいかどうか、判断に迷ったときにご利用ください。小児科医の支援体制のもとに看護師が相談に応じます。365日 20時から翌朝8時までの対応です。
    #8000(NTTプッシュ回線又は携帯電話)もしくは06-6765-3650(ダイヤル回線又はIP電話)に電話をしてください。
    市外局番が0736、0743、075の場合、大阪府の#8000にはつながらないため、06-6765-3650をご利用ください。

3 在宅医療について

  • (1)在宅医療について
    在宅医療とは、寝たきり、またはそれに近い状態のため通院に支障がある方に対し、自宅などの生活の場において、医師、看護師、歯科医師、薬剤師などがチームとなって訪問し、継続的に医療行為を行うものです。
    在宅医療は外来医療に比べ、医療サービスが限られる場合があるものの、自宅など住み慣れた環境で、家族やペットと共に過ごすなど、自分のペースで生活できるというメリットがあります。在宅医療は、年齢や病気による制限はなく、通院が難しい状態であれば、誰でも受けることができます。人工呼吸器や酸素療法、経管栄養などの医療的ケアが必要な状態でも、症状が安定していれば自宅などで療養することができます。
    在宅医療を受ける場合、医療だけでなく、自身にあった暮らしについて考える必要があります。日頃から、地域包括支援センターやケアマネジャーなどと相談しましょう。地域包括支援センターとは、地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行い、高齢者の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とし、市町村が設置している機関です。
  • (2)在宅医療の準備について
    • 1)在宅医療を始める前に
      退院後の医療・暮らしについて、病院の担当者と相談しておきましょう。事前に在宅療養で利用できる医療、福祉サービスを調整してもらうことができます。在宅療養の継続には、家族などのサポートも大切です。
    • 2)病状が急変したとき慌てないために
      急変時の対応について、前もってかかりつけ医などと話し合っておきましょう。
    • 3)納得した人生の最期を迎えるために
      家族や医療・ケアチームと、最期をどのように迎えたいかよく相談しましょう。内容については、状況に応じて見直すことも大切です。
  • (3)人生会議をしましょう
    在宅医療は看取りを見据え、患者本人・家族による意思決定を尊重する対応が求められます。内閣府による「平成24年 高齢者の健康に関する意識調査」では、治る見込みがない病気になった場合、54.6%が自宅で最期を迎えたいと答えています。一方、厚生労働省による「平成28年 人口動態調査」によると、大阪府では自宅で死亡した人は15.4%であり、本人の意向とは異なる状況で最期を迎えています。
    容態の変化により、患者本人の意思を確認できないこともあるかもしれません。孤立死・孤独死を回避し、患者本人の意思に寄り添った最期を迎えられるよう、家族などや医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有すること(アドバンス・ケア・プランニング:愛称「人生会議」)が重要です。

おわりに

日本は、世界有数の長寿国です。人生100年時代の到来が叫ばれる中、誰もが心身ともに健康に生きる、健康長寿の社会づくりが求められています。
関係機関がお互いに連携して医療提供体制の充実にあわせ、健康寿命を延ばす取り組み、安心して暮らし続けることができる大阪の実現をめざします。引き続き、府民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

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