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府民の声 公表(詳細)

テーマ 大阪・関西万博に関するもの
府民の声 私は、東京の大学院を修了して30年欧州で暮らす一邦人です。ここでは、吉村洋文知事が一部保存する意向を示された大阪万博の大屋根リングの保存について意見を申し上げます。私は、これが、藤本壮介氏という世界的な建築家が設計した世界最大の木造建築であり、その文化的遺産としての価値を考えれば、一部ではなく、その全体を文化遺産、世界的な観光名所として保存していくことが肝要だと思います。また、木造リングは、万博の普遍的価値感の観点からも、近い将来、ユネスコの世界遺産に登録されて然るべき建築物です。実際、世界的建築家による建造が理由で、豪州シドニーのオペラハウスや、ブラジルの人工首都ブラジリアは築わずか30数年で世界文化遺産に登録されています。保存費用の捻出についてですが、西欧の事例を踏まえれば、世界全体への民間義援金(クラウドファンディング)の呼びかけだけでなく、夢洲にできる統合リゾートを利用し高級ホテルに滞在する(海外及び日本の)超富裕層の入場者に「文化保存税」(夢洲と万博公園の太陽の塔の「万博文化遺産保存税」)なるものを徴収して、保全費を確保していくことは十分可能だと思います。1800年近い古い歴史と文化がありながら、残念ながら、大阪市は、コンクリで再建された大阪城を含めても、世界的な観光客を魅了したり圧倒する建築物や観光名所に決定的に欠けていると言われます。大阪が、パリ、ロンドン、バルセロナ、京都という国際観光ブランド都市に対抗し、魅力度を高めるため(例えば、○○旅行ガイドで都市として三つ星の獲得)には、世界中から訪れる人に圧倒的な感動を与える壮大な建築物が必要だと思います。西欧では、伝統的建築物の保存ばかりでなく世界的建築家の現代建築物についても、多額の保存費にもかかわらず、行政が積極的に支援して建築・保存しています。「全体保存」された夢洲の大屋根木造リングは、世界最大の木造建築物として、その文化的価値とともに、(ギリシャ、アテネのパルテノン神殿に匹敵するような)大阪の一大シンボルとなるのではないでしょうか。短期的・近視眼的な経済観点ではなく、国家100年以上の長期的視点に立てば、世界中からの来訪者に感激を与えられる建物を全体保存することが、結果として、大阪や我が国全体の将来世代への誇るべき遺産 になることと思われます。どうか、ご考慮お願い申し上げます。
カテゴリー 教育・文化・観光
受付日 2025年6月2日
公表日 2025年7月31日