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府民の声 公表(詳細)

テーマ 教育施策に関するもの
府民の声 府立○○高校では、1、2年次の体育の授業において、一律に男子に対して柔道の履修を義務づけ、女子にはダンスなど他の種目を指導していると聞き及びました。このように、学習内容を(個々の生徒の希望や適性によらず、一律に)性別によって分けることは、憲法14条1項、26条1項、これらを受けた教育基本法4条1項に反し、すくなくとも公立の学校が行うことは、絶対に許されないと考えます。また、学習指導要領 「体力や技能の程度、性別や障がいの有無等にかかわらず、運動の多様な楽しみ方を社会で実践することができるよう留意すること」(第1部第3章第2節3)の趣旨に反することが明らかであると思いますので、ここに強く意見し、直ちに改善させるよう、府教委として適切に指導その他の対応をすることを強く求めます。男女で学習内容を分けることは、生徒の学ぶ権利を、性別によって不当に制限するものであるという意味で、上記のとおり憲法および教育基本法に反することはもとより、成長過程にある生徒らに対し、いわゆる性別役割分担意識を植え付け、「男性には武道の勇ましい精神を学ばせ、女性には華やかさや美しい身のこなしを身につけさせる」といった類いの有害なバイアスを押しつけるものであり、ジェンダーによる不当な差別的取り扱いのない社会を目指すという社会的要請に真っ向から反します。性教育すら、男女で一緒におこなうのが当然であるとの認識が広く共有されつつある現在、教育内容を男女によって一律に分けることが許される余地は、もはやものと思います。加えて、学校においてこのように男女によって一律に異なる取り扱いをすることは、性別違和を抱く生徒の尊厳を損ない、甚だしい精神的苦痛を与えます。したがって、同高校においては、男子がダンスなどを、女子が柔道を、それぞれ個々の希望によって選択できるよう、直ちに改善させてください。また、府内の各高校において同様の取り扱いがされていないか、直ちに調査・確認をし、そのような学校に対しては直ちに是正するよう、指導その他可能かつ必要なあらゆる措置を迅速に講じることを強く求めます。なお、そもそも柔道は危険性の高い競技であることから、生徒の安全確保のため、その指導をする教員にはきわめて高い専門性が要求されますが、その専門性の確保についても、重大な疑義があることも指摘しておきたいと思います。
カテゴリー 教育・文化・観光
受付日 2025年3月10日
公表日 2025年4月30日