安威川ダムは、淀川水系安威川の大阪府茨木市大字生保、大門寺地先に多目的ダムとして建設するものです。ダムは、ロックフィルダムとして高さ76.5m、総貯水容量1,800万m3で洪水調節を行うとともに、既得取水の安定化及び河川環境の保全のための流量を確保します。
※平成21年8月31日の大阪府戦略本部会議において、「今後の水需要予測に伴う水資源開発の見直しについて」審議され、安威川ダムからの利水撤退の方針がだされました。
1. 洪水調節
ダム地点の計画高水流量850m3/sのうち、690m3/sの洪水調節を行い、安威川沿川地域の水害を防ぎます。
2. 既得取水の安定化及び河川環境の保全
安威川ダム地点下流の安威川沿川の既得用水の安定した取水や河川環境の保全を図ります。
■洪水調節計画
■計画高水流量配分図
■全体計画図
安威川は大阪府の北摂地方に位置し、その源を京都府亀岡市竜ヶ尾山(標高413m)に発し、山地部を南流し、途中、茨木川、大正川などと合流しながら大阪府北部の高槻市、茨木市、摂津市、吹田市、大阪市を流下し、大阪市東淀川区相川、吹田市高浜地先で神崎川に合流する流域面積163km2、河川延長32kmの一級河川です。
安威川流域は、瀬戸内気候の東北端にあたり、降雨量は梅雨期・台風期に多く、過去たびたび被害が発生しています。流域のうち約70km2は山地であって、残り約90km2は丘陵地もしくは低平地となっています。
流域は、大阪市近郊で、東海道本線、東海道新幹線、名神高速道路等わが国の東西拠点を結ぶ交通基幹施設が横過しており、近年都市化の進展は著しいものがあります。
安威川中流部・下流部は、土地が低いために古くよりたびたび洪水被害を受けており、このため、河川改修工事等の治水事業が行われ、治水安全度の向上が図られてきましたが、その後、昭和42年の7月豪雨により茨木市野々宮地区で安威川左岸が破堤するなど、浸水家屋約2万5千戸、浸水農地約1,500ha、被害総額約1,000億円と大きな被害を生じました。
昭和42年豪雨 千歳橋 昭和42年豪雨 あけぼの橋流出状況
この水害を契機に、抜本的な治水対策として河道改修と上流のダム実施計画調査が順次進められ、ダムについては昭和63年度に新規建設採択されて「建設段階」に入りました。
安威川ダムの完成を前提とした河川改修が完了している近年においても、大雨により安威川の水位が高くなっています。このことからも安威川ダムによる洪水調節が急務となっています。
流域関係5市(茨木市、高槻市、摂津市、吹田市、大阪市)からはダム促進の要望書が出されているなど、安威川ダムへの期待は非常に大きなものがありますので、一刻も早く事業を完了する必要があります。
一級河川安威川に建設する安威川ダムは、昭和42年7月の北摂豪雨から約半世紀の時を経て平成26年11月2日に起工式を行いました。式典は、水没によって全戸移転した生保地区の旧生保集落跡地において、国・府・流域市及び議会の関係者や、車作、大岩、生保、大門寺、桑原、安威の地元6地区からも多数のご出席をいただき盛大に行われました。
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都市整備部 安威川ダム建設事務所 企画グループ
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