病院・診療所・飼育動物診療施設における向精神薬取扱いの手引き

更新日:平成29年9月5日

−はじめに−
 麻薬及び向精神薬取締法は、麻薬及び向精神薬の輸入、輸出、製造、製剤、譲渡し、譲受け等について必要な規制等を行うことにより、麻薬及び向精神薬の乱用による保健衛生上の危害を防止し、もって公共の福祉の増進を図ることを目的としています。
 この法律では、向精神薬について「向精神薬製造製剤業者」「向精神薬卸売業者」「向精神薬小売業者」「向精神薬試験研究施設」など免許・登録を必要とする施設はもとより、病院・診療所に対しても、種々の規制を定めています。
 そこで、病院・診療所での向精神薬の取扱いについて、特に注意していただきたい事項を取りまとめましたので、業務にご活用下さい。

目 次
第1 向精神薬とは
第2 法の規制を受ける者
第3 譲受け
第4 譲渡し
第5 保管・管理
第6 廃棄
第7 事故の届出
第8 記録
第9 立入検査
第10 その他

第1 向精神薬とは

 中枢神経に作用して精神機能に影響を及ぼし、乱用のおそれ及び乱用された場合の有害性の程度が麻薬及び覚せい剤より低いもので、麻薬及び向精神薬取締法及び政令で定めるものをいいます。
 該当する医薬品としては、不眠症、不安神経症、心身症、てんかんの発作、抑うつ等、各種の適応症のものがあり、医療の分野で広く有用性が認められ使用されています。

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第2 法の規制を受ける者

法の規制を受ける者の一覧

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第3 譲受け(法第50条の16)

 向精神薬を譲り受けるときは、向精神薬製造製剤業者・向精神薬輸入業者・向精神薬卸売業者から譲り受けて下さい。このほか、次の場合も譲り受けることができます。

(1)同一法人の他の病院・診療所・飼育動物診療施設から譲り受ける場合
(2)患者若しくは患畜の所有者又は管理者に交付したものの返却を受ける場合
(3)臨床試験に用いる治験薬を、医薬品製造業者等が設置し登録を受けた向精神薬試験研究施設から譲り受ける場合

 注)塩酸メチルフェニデート製剤(販売名:リタリン錠「チバ」及び1%同散「チバ」、コンサータ錠18mg及び同錠27mg)は厚生労働省の指導に基づき、流通管理委員会に登録された医療機関・薬局においてのみ処方若しくはその調剤が可能となっており、流通がより厳しく規制されています。詳しくはそれぞれの製造販売業者にお問い合わせ下さい。

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第4 譲渡し(法第50条の16、施行規則第36条)

 向精神薬は次の場合、譲り渡すことができます。

(1)患者若しくは患畜の所有者又は管理者に施用のため交付する場合
(2)同一法人の他の病院・診療所・飼育動物診療施設に譲り渡す場合
(3)向精神薬卸売業者に返品する場合
(4)治験薬を向精神薬試験研究施設(又はその法人と同一法人の向精神薬卸売業者)に返却する場合

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第5 保管・管理(法第50条の21)

 譲り受けた向精神薬は、次により保管して下さい。(施行規則第40条)

(1)病院・診療所・飼育動物診療施設の施設内に保管すること。
(2)保管する場所は、医療従事者が盗難の防止に必要な注意をしている場合以外は、かぎをかけた設備内で行うこと。 


    近年、向精神薬については、盗難、詐取など社会的に問題となる事例が増加傾向にあるため、薬局調剤室だけでなく、
   病棟等院内の他の場所においても法律で定める保管のみならず、より以上の保管管理が望まれます。
    具体例をあげますと、

   1.調剤室や薬品倉庫に保管する場合夜間、休日で保管場所を注意する者がいない場合は、その出入口にかぎをかけること。
     日中、医療従事者が常時出入りする等必要な注意をしている場合以外は、出入口にかぎをかけること。

   2.ロッカーや引出しに入れて保管する場合夜間、休日で必要な注意をする者がいない場合は、同様に、ロッカーや引出しあるいは
    その部屋の出入口のいずれかにかぎをかけること。

   3.病棟の看護師詰所に保管する場合常時、看護師等が必要な注意をしている場合以外は、保管するロッカーや引出しにかぎをかけること。

   4.保管場所できるだけ部外者の目につきにくい所、又は施錠可能なロッカー等への保管を行うこと。

   5.病棟等への払出し交付数量は必要最小限にとどめること(適正在庫量)。病棟等において適切な責任者を定め、向精神薬の管理
    (譲受け、払出し、保管)を行うこと。


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第6 廃棄(法第50条の21、施行規則第40条)

 向精神薬を廃棄するときは、焼却、酸・アルカリ等による分解、希釈、他の薬剤との混合等、回収が困難な方法により行って下さい。
 この場合、届出は必要ありませんが、第一種及び第二種向精神薬の廃棄については、品名、数量並びにその年月日を記録し、2年間保存して下さい。(第8記録の項参照)

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第7 事故の届出(法第50条の22、施行規則第41条)

 次の数量以上の盗難、紛失等の事故が生じたときは、向精神薬事故届により、速やかに薬務課又は所管の府保健所に届け出て下さい。
 ただし、盗難、強奪、詐取等であることが明らかな場合は、数量に関係なく薬務課または所管の府保健所並びに警察署に届け出て下さい。

末、散剤、顆粒剤

100グラム(包)

錠剤、カプセル剤、坐剤

120個

注射剤

10アンプル(バイアル)

内用液剤

10容器

経皮吸収型製剤10枚

  * 向精神薬の在庫数量の把握など、日頃から保管管理に十分注意し、不審な点が生じた場合には必要な調査を行う等適切な管理を行って下さい。

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第8 記録(法第50条の23第2項、施行規則第42条)

 第一種及び第二種向精神薬を譲り受け、譲り渡し(患者、患畜の所有者又は管理者に交付したものは除く。)、又は廃棄したときは、次の事項を記録し、2年間保存して下さい。

(1)向精神薬の品名(販売名)・数量
(2)年月日
(3)譲受け又は譲渡しの相手方の営業所等の名称・所在地

 この記録については、帳簿を用意し記録するか、または、卸売業者からの納品伝票の保存をもって記録に代えることができますが、向精神薬が記録されていない伝票とは別に綴って下さい。

 注)・患者、患畜の所有者又は管理者へ向精神薬を交付したとき、施用したとき、患者、患畜の所有者又は管理者から向精神薬の返却を受けたとき、
    あるいは返却を受けたものを廃棄したときは、記録の必要はありません。
   ・同一法人の病院・診療所・飼育動物診療施設等との間で譲受け又は譲渡しがあった場合は、記録が必要です。

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第9 立入検査(法第50条の38)

 立入検査は、向精神薬による事故の未然防止等の目的で行われるもので、犯罪捜査のために行うものではありません。
 立入検査を行う職員は「身分証」を携帯していますので、必ず提示を求め、確認して下さい。

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第10 その他

〔容器等の表示〕(法第50条の19)

 病院、診療所等が向精神薬卸売業者等から譲り受ける向精神薬の外箱等には、「向(○の中に向の文字)」が表示されていますので、管理上の参考にして下さい。

〔製造・製剤・輸出・輸入の禁止〕(法第50条の8、法第50条の11、法第50条の15、施行規則第35条)

 1.調剤(予製を含む。)する場合及び試験検査のために製剤することはできますが、これ以外の目的で向精神薬を製造し、又は製剤することはできません。
 2.向精神薬を輸出又は輸入することはできません。

〔自己の疾病治療を目的とする向精神薬の携帯輸出入〕(施行規則第30条)

 向精神薬により自己の疾病の治療を受けている患者は、その治療の目的で約1カ月分の量の向精神薬を携帯して出国又は入国することができます。
 なお、処方せんの写し又は携帯する向精神薬の品名・数量について医師が証明する書面があれば、1カ月分以上の量を携帯して出入国することができます。

詳細については、下記あて個別に相談して下さい。

  相談先:厚生労働省 近畿厚生局麻薬取締部
        大阪市中央区大手前4丁目1番76号
        大阪合同庁舎第4号館3階
         電話 06-6949-6336

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このページの作成所属
健康医療部 薬務課 麻薬毒劇物グループ

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