大阪府工業指数は、基準年次を平成17年(2005年)から平成22年(2010年)に改定しました。
工業指数の計算は、ラスパイレス算式(基準時の固定ウェイトで比較時の数量を評価する方式)を採用しており、基準時から遠ざかるにつれて、企業の生産活動の実態把握が難しくなってきます。
その要因のひとつが、品目間の相対価格の変化です。一般的に、成長品目は量産効果等により、相対価格が低下傾向であるのにもかかわらず、基準時の高い価格のまま過大に評価されてしまいます。加えて、採用する品目についても、産業構造の変化による動向を十分反映し得なくなり、バイアス(歪み)が生じ、経済活動の実態から乖離します。
それを解消するため、「指数の基準時は、原則として5年毎に更新することとし、西暦年の末尾が0または5の付く年とする」(昭和56年3月20日統計審議会答申)こととされており、大阪府においても、今回、平成22年を新たな基準年次とするとともに、価格体系や産業構造の変化を適切に反映させるため、ウェイトや採用品目の見直し等を行いました。
なお、経済産業省では、「鉱工業指数」として公表されていますが、大阪府においては、産業全体における鉱業の占めるウェイトが少ないため、従来より「工業指数」として公表しています。
平成22年基準に改定を行った指数は以下の4指数です。
(1)生産指数(付加価値額ウェイト)
(2)生産者出荷指数
(3)生産者製品在庫指数
(4)生産者製品在庫率指数
(1)基準時及びウェイト算定年次の変更
指数の基準時及びウェイト算定年次を、平成17 年(2005年)から平成22 年(2010年)へ変更しました。指数値は、平成22年の平均を100とした比率で示しています。
(2)業種分類の変更(資料1)
平成22年基準指数の業種分類は、日本標準産業分類(第12回改定)(平成21年3月統計基準設定)を基本として作成しており、旧「一般機械工業」を、「はん用機械工業」、「生産用機械工業」及び「業務用機械工業」に分割、旧「精密機械工業」を、「業務用機械工業」に統合、旧「皮革製品工業」を、「その他製品工業」に統合しましたので、次の通り、業種分類の組替えの変更を行っています。
なお、( )内は産業分類番号を示しています。
ア はん用・生産用・業務用機械工業=はん用機械器具製造業(中分類25)+生産用機械器具製造業(同26)+業務用機械器具製造業(同27)
イ 機械工業=はん用機械器具製造業(中分類25)+生産用機械器具製造業(同26)+業務用機械器具製造業(同27)+電気機械器具製造業(同29)+情報通信機械器具製造業(同30)+電子部品・デバイス・電子回路製造業(同28)+輸送用機械器具製造業(同31)
ウ その他工業= 木材・木製品製造業(家具を除く)(中分類12)+家具・装備品製造業(同13)+印刷・同関連業(同15)+ゴム製品製造業(同19)+なめし革・同製品・毛皮製造業(同20)+その他の製造業(同32)
エ その他製品工業=なめし革・同製品・毛皮製造業(中分類20)+その他の製造業(同32)
(3)採用品目の変更(資料2から資料5)
指数採用品目は、主に経済産業省が実施する生産動態統計調査から選定しています。業種別に代表性等の観点から品目選定を行うとともに、用途、単価の変動を考慮し、統合・分割などの見直しを行いました。このほか、生産動態統計調査の対象外の品目についても、採用の可否について検討しました。採用品目数の増減は以下のとおりです。なお、表中の(※)については、継続品目を含みます。(資料5)
指数の種類 | 平成22年基準 | 平成17年基準 | 差 | ||||
新規 | 廃止 | 統合 | 分割 | ||||
生産・出荷指数 | 304 | 351 | ▲47 | 24 | ▲71 | ▲1 | 1 |
在庫指数 | 211 | 235 | ▲24 | (※)12 | (※)▲36 | ▲1 | 1 |
在庫率指数 | 198 | 220 | ▲22 | (※)10 | (※)▲32 | ▲1 | 1 |
(4)ウェイトの見直し(資料6から資料8)
業種別のウェイトは、製造工業については平成22年工業統計調査を基礎データとして、指数の業種分類・概念に適合するように一部組替えを行った上で算定を行いました。
また、品目別のウェイトは、工業統計調査のほか生産動態統計調査等により単価・金額等を推計し、業種別のウェイトを採用品目の金額構成比により按分を行いました。
生産・出荷・在庫指数のウェイトが増減した主な業種は、以下のとおりです。
指数の種類 | ウェイト増加業種 | ウェイト減少業種 |
生産指数 | 化学工業 | 金属製品工業 情報通信機械工業 はん用・生産用・業務用機械工業 |
出荷指数 | 石油・石炭製品工業 その他工業 非鉄金属工業 | 金属製品工業 情報通信機械工業 電気機械工業 |
在庫指数 | はん用・生産用・業務用機械工業 (旧)電気機械工業 プラスチック製品工業 | 金属製品工業 輸送機械工業 石油・石炭製品工業 |
(5)季節調整法の見直し(資料9)
季節調整法は、米国センサス局のX-12-ARIMAを用い、ARIMA モデルやオプションの見直しを行いました。平成17 年基準からの主な変更点は、以下のとおりです。
ア 季節調整の対象期間を、7年間(84 か月)から8年間(96 か月)に延長
イ ARIMA モデルの選定方法を変更
1. (011)(011)モデルで仮外れ値を検出
2.仮外れ値を変数として設定した上で、BIC の小さいスペックを選定((011)(011)モデル)
3.このスペックで外れ値処理を実施(スペック選定後、実施:LS2009.Janを設定)
ウ 異常値の検出を毎年実施
将来の季節指数の安定化を図るため、異常値検出を毎年行う。
(6)新基準への切替え時期と改定結果(資料10−1、資料10−2、資料10−3)
平成22年基準指数への切り替えは、大阪府工業指数平成25 年12月月報速報と、第4四半期(10月から12月分)速報(平成26年2月28日公表)で行います。過去系列は、平成20 年1月以降について新基準による系列を作成しました。
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大阪府工業指数 平成22年(2010年)基準改定の概要 [PDFファイル/454KB]
平成22年(2010年)基準品目別ウェイト一覧表 [Excelファイル/110KB]
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総務部 統計課 分析・利活用促進グループ
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