2007シンポジウム寸劇

更新日:2009年8月5日

(6)落語風寸劇『大阪のもったいない精神』  【演者】桂 吉の丞さん、桂 雀太さん

【テーマ】食品の『もったいない』について

 
【役設定】A:おじいちゃん B:隣りに住む男性


落語風寸劇ステージ写真

 

A:もう日が暮れてしまったなあ。今日は桂男くん来てくれんのかなー。
B:ピンポーン!こんにちはおじいちゃん。体の調子はどう?
A:桂男さん、いつもすまんな。最近めっきり足腰が弱ってしもてなかなか外にも出れんのや。
B:近所なんやから、困ったときはいつでも言うてや。遠慮なんかせんでええねんで。
A:ありがとうな。
B:そうそう。この間田舎から送ってきた野菜、おじいちゃんが留守やったんで、玄関先に置いといたんやけど、もう食べたか?
うちで食べようとしたら中から虫が出て来てびっくりしたわ。
食べられへんから全部捨てたんやけど、おじいちゃんのほうは大丈夫 やったか?
A:なんや、全部捨てたんか?昔は野菜に虫が付くのは当たり前やったんや。
虫ぐらいとって食べたらええねん。もったいないことするなあ。
「かつおさんは、虫の付いた野菜を全部捨ててしまいました。」
B:そうやな。やっぱり捨ててしまうのはもったいないな・・・。
今度は虫だけとってちゃんと食べることにするわ。
あっそろそろ6時や。 おじいちゃんお腹すいてない?
A:そろそろ夕飯の時間やなー。年寄りの一人暮らしになると、食事の用意も面倒でな。
買い物にもなかなか行かれへんわ。
B:ちょっと冷蔵庫見てみるよ。あるもので、オレが作ってみようか!
A:桂男くん。何やってんの?
B:あらら・・・・。これ、ほとんど賞味期限が過ぎてるよ。おじいちゃんいつ頃買ったん?
これも、これも、賞味期限が過ぎてるから、 捨ててもええか?
A:でもこれはまだ食べられるじゃないか。全部捨ててしまうなんてもったいないな。
足を悪くしてるから、毎日買い物にも行けないし、 少しぐらい期限が過ぎるのはしょうがないよ。
B:あかんよ。賞味期限が過ぎたものはちゃんと捨てないと。お腹こわしたら困るよ。
A:まだばあさんがいるときは、少々賞味期限が過ぎていても匂ったりしながら、 これ大丈夫だから焼いたり、煮たりして食べましょね。っていつも工夫して作ってくれてたもんや。賞味期限が少し過ぎたぐらいで捨てるなんてもったいないなあ。
「桂男さんは、賞味期限が過ぎたものは捨ててしまったほうがいいと言っています。」
B:そうやね。なかなかそこまでできないから、安全のためにすぐに捨ててしまうことしか考えないよな。
やっぱり、まだまだ食べられ るのにもったいないかなー。ごはんができたよ。
冷蔵庫にあるもので、野菜たっぷりのお味噌汁と冷蔵庫に入っていた餃子を 焼いてみたよ。
袋を見たら賞味期限も大丈夫だったんで食べてみて。
A:美味しそうやな。じゃあ、いただきます。
B:テレビでもつけよか?
えっ?チリトテ共和国製の冷凍食品で食中毒やってニュース流れてるよ!
おじいちゃん! ちょっと待って!!
原産地までチェックしていなかったけど、これってチリトテ共和国産じゃないかな?
ちょっと袋の 表示を見てくるからおじいちゃんそのまま待ってて!
A:やっぱりこれもチリトテ共和国産やなー。
食べるのやめておいたほうがいいわ。間違えて食べるとあかんから全部捨てるよ。
おじいちゃんごめんね。他のもの作るからちょっと待っててや。
B:これもあかんわー。これも、これも・・・。
今まで気にしてなかったけど、こんなにチリトテ共和国産ってあるんやなー。
でも・・・いったいこれから何を食べたらいいんやろ?
A:でも、これは大丈夫ちゃうか?
そんなになんでもかんでも捨ててしまうのはもったいなくないか?
「食中毒とニュースで流れたチリトテ共和国と表示のある食材は全て捨ててしまいました。」
B:たしかにもったいないけどなあ。
でもどれが大丈夫でどれが大丈夫で無いのかわからんからなあ。
いったいどうすればいいんや・・・。

このページの作成所属
健康医療部 生活衛生室食の安全推進課 食品安全グループ

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