これは、ケチャップとかソースの工場に消費者が直接行って、自分たちの目で確かめる風景です。 | |
次は、逆にメーカーの方が出向いて、組合員あるいは職員に商品の学習会をしています。 | |
その結果、こういった商品案内になります。ジュースもソースも両方とも有機認証を受けた野菜を原料にしています。「GM」とか「GMO不使用」と書いておりますが、これは原料の、しょうゆの大豆が遺伝子組み換えを使っていませんという表示です。 | |
国産小麦を使ってパンを焼くと、膨れなくて大変難しいのですが、国産小麦及び国産バターを原料にすることをこちらが指定し、パン工場の職人さんの大変な努力によって、とてもおいしいパンができました。 これは自然派オリジナル仕様で、その横に「GMO、えさの一部不分別」と書いてあるのはバターのことです。バターを絞ったミルク、その牛のえさの中にちょっと遺伝子組換えかどうかわからないものがあるという表示です。でも、ここまで表示をする必要は法的にはありません。 |
欧米比較で考えても、日本の企業の利益率は低く、国際競争力に負けてしまう。問題は、上げた利益を何に使っているかであって、そこをきっちりしないと、すべて製造メーカーが悪いという話になります。製造物責任法はありますが、販売物責任法はありません。定価が据え置きされて、開発経費と同じような異常なコストアップになっているわけです。 要するに「安全」というのは、コストがかかっても損をしても、企業はやらないとだめなんです。「安心」は営業戦略ですから、安心を担保するためには単価が上がってもいいわけです。その辺を消費者は考えていないんです。 | |
「ISO 」の現状についてですが、「ISO 22000」はフードチェーンに関係するすべての段階を対象とした食品安全マネジメントシステムの国際的な規格です。それと若干関係がある「ISO2 2005」のトレーサビリティーという部分があります。 | |
日佐: ISO の安全の概念というのは、「絶対安全の概念はない」ということです。 許容できるリスクの確保、受容できないリスクの排除、受容できるリスクの達成、費用対効果によるリスクアセスメント(リスクの査定)。 | |
その中で「HACCP (※)」は、「安全な衛生管理手法」と理解をしていただければいいと思います。この中の4つのキーワードとして、工場全体の整合性をとりなさい。不具合には対応を講じなさい。透明性というのはマニュアル、これは契約書等をきちんと作りなさい。記録というのはチェックリスト、品質保証書ですね。こういうことをきちっとやらなければならない。その背景に5S( 整理、整頓、清掃、清潔、躾)があると理解していただければいいと思います。 (※HACCP(ハセップまたはハサップ):食品の製造工程全般を通じて危害の発生原因を分析し、重要管理事項を定め、一層の安全確保を図る科学的な管理手法で、国際的に有用な衛生管理の手法と認められている。) | |
ファイナルチェック(最終製品の検査)をしたら、皆さん安全と考えておられますが、これは当てになりません。 ロット(まとめて同種の製品を生産する場合の生産単位)を代表しないファイナルチェックの現実というのは、例えば農薬です。野菜に対して農薬をまくときは、ある程度ばらつきがあります。ばらつきがある中で検査だけやって安心しているというのは非常に不安なんです。 検出不可能な検査の実施というのは、BSEです。 では、何をするのがいいのかというと、プロセスチェック(工程段階の検査)をきちっとして、それをモニタリングするということでのファイナルチェックをやらなければだめです。プロセスを論じずに、ファイナルチェックだけで安心しているのが問題だろうと思います。 | |
現状はどうなっているかを申し上げますと、ファイナルチェック(最終製品の検査)からプロセスチェック(工程段階の検査)へということで、HACCP、ISO22000、GAP(適正農業規範)などで規定があります。 しかし、現状はファイナルチェックプラスプロセスチェックで、ダブルでチェックすることによって、またコストかかることになります。 | |
これは北海道のHACCP対応のサケ漁船です。 | |
日佐: 船の船倉の中に氷を入れて、定置網でとったサケをそのまま入れています。 氷の容積の分、漁獲量が3割落ちます。 | |
この漁船では、高い台の上で作業をしています。普通、魚は長靴と一緒のレベルのコンクリートのところで作業しますが、安全のためにこういうシステムでやっている。これだけコストをかけても、まだ最終製品で検査をかけるために数千万のコストがかかる。それでも値段を上げるなと言っているわけですね。 こういったことを、少し考えなければならないでしょう。 | |
すべての輸入国に対して、ファイナルチェックとプロセスチェックを戦略的に考える必要があります。国産を振興するためには、輸入相手国に対してダブルでチェックをかけ、価格競争力をつける。こうしたことを政府は全くやっていない。 消費者、企業がチャイナフリー(中国産不使用)を求めることは、国際協定であるWT O協定やSPS協定を民間レベルが無視したことになります。消費者や企業自身がグローバル的なコンプライアンス(法令遵守)をやってないと考えられると思います。 |
このページの作成所属
健康医療部 生活衛生室食の安全推進課 食品安全グループ
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