クロスロード式来場者参加型ディスカッション 2

更新日:2009年8月5日

(5)クロスロード式来場者参加型ディスカッション 2

【テーマ】
(1)もったいない (2)肉の生食と食中毒 (3)エコと食品衛生
 
【パネリスト】
(1)林繁和 (食文化はやらし隊・パティシエ)
(2)今木雅英 (大阪府立大学総合リハビリテーション学部栄養療法学専攻長・教授)
(3)大阪府立大学学生2名
(4)淡野輝雄 (大阪府健康福祉部食の安全推進課長)

【コーディネーター】
小崎俊司(大阪府立大学生命環境科学部学部長・教授)

 肉の生食と食中毒に関する問題

問題2
あなたは、スタミナ重視の大学生です。
スポーツに熱中している大学生で、明日はいよいよ大切な試合がある。
景気づけに仲間と焼肉を食べに行った。
焼肉店では、ユッケや生レバーなどの生ものや、レアの肉をほおばる友人に、スタミナがつくからと生レバーをすすめられた。
今まで食中毒が心配で生ものは食べたことがないが、大事な試合前にスタミナがつくなら食べたい気もする。
あなたなら、食べる?食べない? 食べる→ 赤  食べない→ 青

■小崎氏

圧倒的に青(食べない)が多いですね。赤(食べる)という方に伺います。


○来場者(赤)

 美味しいから食べます。それと、この前どこかで、大人と子供でだいぶ違うと聞きましたので、これぐらいの歳なら大丈夫かなと。
   
■小崎氏

 大学生、若い方は「食べない」がほとんどですね。理由をお聞きしてみましょう。


○来場者(青)

食べません。大事な試合を目の前にして、お腹痛いから今日試合出れない、とかになったら仲間に冷ややかな目で見られると思うので、体調管理も自己責任ということで、私なら食べません。


○来場者(青)

 僕も食べません。店を信用する・しないというのもあると思うんですが、次の日のためにレバー・・・それは効くのか効かないのかもわからないですし、体調管理は自分自身でしないといけないので、危険性が少しでもあるのなら、それは除いたほうがいいかなと思うので、「食べない」にしました。
   
■小崎氏

府大生は非常に健康的ですね。それでは学生代表の南さん。


○学生代表


  南さん わたしは食べません。まず、今まで食べたことがないものだったら、食べないと思います。わたし自身は生ものは大丈夫なんで、普段であれば好きだから食べると思います。けど、今のような「大事な試合の前」という状況では食べないと思います。
   
■小崎氏

今まで食べ慣れていないものは食べない。


○学生代表
  南さん そうです。食べ慣れていないものは、食べないようにしています。
   
■小崎氏

例えば、先輩に「これはうまい」と言われたら食べますか?人に勧められたら食べますか?


○学生代表


  南さん 勧められて食べたくなったら、食べるかもしれません。
   
■小崎氏

微妙なところですね。林先生はいかがですか。


○林氏

 食べたい人は食べたらいいし、食べたくない人は食べないほうがいい。
 内臓関係は変化しやすいので、栄養のことはまた別にお伺いするとして、味の点でも非常に劣化が早いということですね。臓器はクセも強いですから、僕は匂いに非常に敏感でして、そういう血や臓器の匂いがあるという時点で絶対食べません。ただ、食べたことないのか?ていったら、食べました。但し用心をして、量をあまり食べ過ぎないようにします。
 食べる・食べないだけでなく、量をどれぐらい食べるのかという問題も大きいと思います。
   
■小崎氏

専門家の立場から言えば、以前、某芸能人の焼き肉屋で事故が起こったときに電話取材を受けまして、何が危ないんですかと。あれは生レバーですけど、カンピロバクターという菌は、肝臓で増殖するんです。本来なら肝臓にはない菌なんですが、臓器を処理するときに汚染して肝臓にうつってしまう。
 それからもう1つは、O157もそうなんですが、カンピロバクターという菌は、菌量が少なくても食中毒が発症します。外見上、きれいな肉でも、動物は発症していなくても、人間は食中毒を起こしやすい。
 こういうようなことがあるので、わたしは食べません。ところが最近、生の鶏肉を出す店が増えている。
 それで食中毒が起こっているんですね。今の質問では「食べない」という方が多かったですが、外へ行ったりすると食べるという方もいるかもしれません。
 では、行政の立場からということで、淡野課長、お願いします。
   
○淡野氏

パネラーの皆さんがわたしの言いたいことをお話されましたので、かいつまんでお話しします。
 今の赤・青で、ほとんどの方が青の「食べない」を上げていただき、行政としてはほっとしました。
 けれど、食中毒の被害者になる確率は、4割以上が9歳以下のお子さんです。お子さんが、O157とかカンピロバクターの食中毒になった場合、大人ですと、1日2日お腹痛いなで治るのがほとんどですが、お子さんの場合は、後遺症が残る場合があります。体調が悪い時には、不幸にして亡くなられる方もおられます。
 大人の方が自分の判断で食べていただくのは、無理矢理お止めいたしません。しかしながら、是非ともやめていただきたいのは、大人の判断で、精がつくからとか、元気になるとかで、小さいお子さんに絶対に勧めないでいただきたい。
 もう1つは、食べるときの取り箸ですね。生ものを触って、そのまま、例えば野菜サラダに同じ箸を使う。
 そうすると、肉を食べていないのに、野菜サラダで食中毒になる。こういう実態もあります。
 それからもう1つ、お子さん方の林間学校で、お昼にバーベキュー。お子さんは肉が焼けるのを待つ間、早く食べたくて思わず手を出して、生の肉を食べてしまった。楽しい林間学校なのに、ほとんどのお子さんが食中毒になられた、という事例もあります。
 また、先程林先生がおっしゃっておられたテレビで、美味しい料理番組で有名人が、生肝を美味しそうに食べる。ああいうのを見ると、一般の視聴者の方は、「生肝ってええんやな」と思う。高級なお店だから大丈夫、新鮮だからいいというのはまったく安心できません。
 鮮度は関係ございません。生肝はそれほどこわいものですので、くれぐれもよろしくお願いいたします。
   
■小崎氏

 どうもありがとうございます。食中毒の話になると、淡野課長は力が入るんです。
 ここにいらっしゃる方も、肉を食べる機会は多々あると思いますが、食べ方について、考えていただけれ
ばと思います。
 特に小さいお子さんは非常に危険性が高いので、十分に気をつけていただきたいと思います。

このページの作成所属
健康医療部 生活衛生室食の安全推進課 食品安全グループ

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