令和5年11月24日 福知山駅正面通り商店街 京都府福知山市
京都府のJR福知山駅北側すぐのところにある福知山駅正面通り商店街では、平成27年12月に商店街組織と商店街・地元関係者の有志らが「福知山フロント株式会社」を設立しました。
同社は、空き店舗を活用したテナントミックス事業等を手がける、民間出資100%のまちづくり会社です。設立から令和4年までに、JR福知山駅北側の駅正面エリアで14店舗を誘致されました。
さらに、中小企業庁の「地域商業機能複合化推進事業(地域の持続的発展のための中小商業者等の機能活性化事業)」(以下「国事業」という。)に採択され、元パチンコ店だった「銀鈴(ぎんれい)ビル」を複合施設にリノベーションする「銀鈴ビルプロジェクト」を実施し、令和5年5月にオープンしました。
こうした先進的な取り組みを学ぶため、令和5年10月31日、福知山フロント株式会社代表取締役の秋山保彦氏と事務局長の奥田友昭氏による講演会が開催されました。
秋山代表取締役からは、駅前活性化への“最後のチャンス”ととらえ、商店街エリアの30代から40代の若手事業者等の意欲ある有志と商店街組織の共同出資により、まちづくり会社の設立に至った経緯や、国と府市による支援体制があり、スピード感のあるテナントミックス事業が実現したことについて説明いただきました。
奥田事務局長からは、同社の取り組みについて、当時のエピソードも交えながら解説がありました。
・福知山市の中心市街地活性化基本計画の中核事業として、駅正面通りのリニューアル計画が持ち上がったことを契機に、まちづくり会社を設立することで、スピード感と機動力を発揮し事業を推進したこと。
・サブリース(同社が借りた物件をリノベーションしてテナントへ貸し出す)、紹介による出店、所有ビルへの出店という3パターンでテナントミックス事業を行っていること。
・「銀鈴ビルプロジェクト」では、現地見学会・事業説明会、事業計画書の提出による選考会を経て、テナントが決定してから補助金を申請。リスクを回避しつつ、確実な投資回収による経営の自立をめざしたこと。
・空き店舗を1軒ずつ回るなどの地道な活動、イベントの開催、SNSでの情報発信や若手事業者同士のネットワークによる情報交換、国・府・市の支援の活用に注力したこと。
・今後は役員交代を含め次世代メンバーの参加をはかり、新陳代謝を促していくこと。
などの現状分析や今後の課題も踏まえ、街の活性化への思いをお話いただきました。
講演後は、国事業に関心を寄せ参加をした大阪府内の市町村担当者より、各市の取り組みについて説明がありました。さらに京都府、福知山市、中丹広域振興局、大阪府の担当者を交えて質疑応答が行われ、商店街のベテランの方と若手事業者との連携の図り方、テナント選定をする際のポイント、インバウンド戦略などテーマは多岐にわたり、活発な意見交換がされました。
講演会の終了後は、出席者全員で商店街の視察を実施。店舗を訪れ、テナントミックスの実例を学ぶ貴重な機会となりました。
後編(同商店街の現地視察に関するレポート)はこちら
福知山フロント株式会社のHPはこちら(外部サイトを別ウインドウで開きます)
銀鈴ビルのHPはこちら(外部サイトを別ウインドウで開きます)
福知山フロント株式会社 秋山保彦 代表取締役の挨拶
現地およびリモートで実施された講演会風景
このページの作成所属
商工労働部 中小企業支援室商業振興課 商業振興グループ
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