創業者育成で新たなにぎわいを創出する、奈良もちいどのセンター街(1)

更新日:2023年10月12日

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令和5年10月12日 奈良もちいどのセンター街協同組合 奈良県奈良市
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 近鉄奈良駅から南へ約300mの場所にある奈良もちいどのセンター街は、奈良県で最も古い商店街のひとつといわれています。メインストリートや路地には、老舗や新しい店舗が軒を連ね、1日を通して地元のお客さまや観光客で賑わっています。

 
昭和40年代半ば頃、奈良市役所の移転や大型店の郊外出店などで人の流れが変わり、同商店街内の通行量や来店者数が減少していきました。平成16年には80店舗中11店舗が空き店舗になり、商店街の中心にあった大型パチンコ店も撤退するという事態に直面しました。このまま、空き店舗の放置や、周辺環境に馴染まない開発を危惧した奈良もちいどのセンター街協同組合では、臨時総会を開催し、パチンコ店の土地と建物の購入を決定しました。
 
当初は、商店街のイベントスペースとして活用していましたが、その後建物の老朽化が判明。専門家を交えて検討を重ね、インキュベーション施設「もちいどの夢CUBE」開設に向けた取り組みが始まりました。
 
「組合役員が全国のインキュベーション施設を巡って勉強を重ね、建物を一から作ること、そして行政ではなく商業者が主体的に取り組むことを重点に置きました」と振り返る、奈良もちいどのセンター街協同組合の魚谷和良理事長。
 
建築コスト削減のために、平屋でキューブ状の店舗が複数連なるデザインを採用。白壁や石畳、植栽、トイレなども整備し、誰もが訪れやすいよう動線にも工夫を凝らしています。資金面では、経済産業省や奈良市の補助金、地元銀行の融資を活用しました。

 
平成19年のグランドオープン時には、10店舗の入居募集に対して40件もの応募がありました。インキュベーション施設は、一般的に1年という期間設定が多いのですが、もちいどの夢CUBEでは3年としています。1年目は商品づくり、2年目は顧客づくり、3年目は卒業後の店舗づくりなど、経営のノウハウをしっかり学んで独立できるよう、創業者を育成します。その結果、卒業生たちが商店街や近隣に店を構え、空き店舗の減少や街の活性化につながるという嬉しい成果につながりました。さらに、卒業生が同商店街の組合員となり、新しくもちいどの夢CUBEに出店した事業者にノウハウを教える等の好循環も生まれています。
 
こうした取り組みは、商店街全体の通行量の増加や公示地価の上昇にもつながり、平成21年には経済産業省「新・がんばる商店街77選」に選出。全国の商店街から注目を集めるモデルケースとなりました。

 
「2025年大阪・関西万博に向けて、現在はリニューアルの準備を進めています。もちいどの夢CUBEが、全国から起業家が集まる魅力的な施設となるよう、さらなる成長をめざします」と魚谷理事長が思いを語ってくれました。


後編(奈良もちいどのセンター街の今後の取組み)はこちら(別ウインドウで開きます)


奈良もちいどのセンター街のHPはこちら(外部サイトを別ウインドウで開きます)

もちいどの夢CUBE
もちいどの夢CUBE

もちいどの夢CUBE正面に設置しているモニュメント 敷地内には出店者の発案のアートオブジェも飾られています
(左側)もちいどの夢CUBE正面に設置しているモニュメント
(右側)
敷地内には出店者の発案のアートオブジェも飾られています

 

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商工労働部 中小企業支援室商業振興課 商業振興グループ

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