特定非営利活動法人大阪難病連 要望書(1)

更新日:2023年4月10日

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要望受理日令和3年12月21日(火曜日)
団体名特定非営利活動法人 大阪難病連
取りまとめ担当課府民文化部 府政情報室 広報広聴課
表題大阪府への要望書(2021年度)

要望書

令和3年12月21日

大阪府知事 吉村 洋文 様

特定非営利活動法人 大阪難病連
理事長

大阪府への要望書
(2021年度)

【共通重点項目】

1、大阪府の医療費助成制度について
 a)旧老人医療費助成制度を復活させ、福祉医療費助成制度の対象外となった方を改めて制度の対象としてください。
 b)2018年4月に福祉医療費助成制度が改定されて以降、経過措置が切れて対象外となった方のその後の生活実態について府として調査をし、福祉医療費助成制度の対象外となったことの影響を把握してください。
 c)重度障がい者医療費助成制度を見直し、難病患者・中軽度の障がい者にも対象を広げて制度を拡充して下さい。
 d)入院時食事療養費助成制度を大阪府の制度として創設して下さい。
 e)大阪府の乳幼児医療費助成制度は6歳までで、市町村の制度の補助となっていますが、地域格差をなくすために大阪府の対象年齢を18歳まで引き上げてください。
  ※河南町では、令和元年10月1日より、対象年齢が22歳までになりました。
 f)他県でも実施されている妊産婦医療費助成制度を大阪府でも実施してください。
  ※妊産婦が経済的な負担により、病気やケガの治療を断念することが無いよう医療費を助成してください。

2、消費税の使い道、社会保障制度については、国民が安心して生活ができるような施策を講じるよう国に強く要望して下さい。
 a)後期高齢者医療制度は早急に撤廃するよう国に要望してください。
  ※平成20年3月31日以前の老人保健制度にもどしてください。
 b)75歳以上の医療費窓口負担を2割に引上げないでください。
 c)外来受診時の定額負担上乗せを導入しないでください。
 d)薬剤費の自己負担を引き上げないでください。
 e)年金の支給開始年齢を引き上げないでください。
 f)生活保護費を引き下げないでください。
  ※難病患者、慢性疾患患者は、生涯治療が必要ですが、病気が原因で定職につけない人が多くいます。最悪の場合は治療中断につながりかねません。医療制度の改悪は反対です。

3、2015年1月、難病法が施行され、指定難病の助成予算が義務的経費になったこと。対象疾患が拡大されたことなど前進面はありますが、次の項目について、国と大阪府に要望します。
 a)指定難病以外の全ての難病を医療費助成の対象にしてください。
 b)指定難病・小児慢性特定疾病の自己負担額が大幅に増えました。自己負担額の減額をしてください。
 c)軽症患者登録制度及び登録証の発行を早急に取り組んでください。
 次の項目について大阪府に要望します。
 d)難病患者への総合的かつ適切な支援を図るため「難病対策地域協議会」を大阪府保健所単位に設置してください。また、地域協議会には必ず患者代表を加え意見反映できるようにしてください。
 e)軽症高額該当の基準と同等の医療費負担がある難病患者を、大阪府における単独事業として医療費助成してください。
  ※東京都は10疾患、北海道は5疾患、兵庫県では3疾患を行っています。

4、小児慢性特定疾病治療研究事業について、以下の項目について国に要望するとともに大阪府としても拡充してください。
 a)小児慢性特定疾病治療研究事業費の削減に伴い、医療費の一部負担が導入されました。2015年より4年連続で、「指定難病・小児慢性特定疾病の医療費助成事業における患者負担を解消するよう助成を講じてください」という府議会あて請願項目が採択されました。早急に助成措置を講じてください。
 b)小児慢性特定疾病について20歳までしか適用が延長されない現行制度を改善し、20歳以降も継続して治療を要する場合には、公費負担が継続される制度を創設するよう国に要望してください。実現するまでの間、府において独自の助成制度を考えてください。
  ※例えば、腎炎、ネフローゼ(1次性を除く)、1型糖尿病、先天性心疾患、マッキューン・オルブライト症候群等、どの病気も20歳で治癒することはなく長期の療養が必要で、医療費負担の重さが治療の抑制や、それに伴う病状の悪化を促進する可能性があります。そのため何としても生涯にわたる医療費助成が必要です。例えば透析への移行など、病気の進行にともなう障害の重度化を阻止するためにも、安心して切れ目なく治療を続けられるような医療費公費負担が必要です。
 c)2004年11月26日に成立した「児童福祉法の一部を改正する法律」により、「小児慢性特定疾患治療研究事業の実施要綱」を定め、2005年4月1日より適用されましたが、そのうち、対象患者の認定基準が法改正以前より厳しくなり、大阪府下での小児慢性特定疾患研究治療研究事業承認者数が極端に減少したため、不承認者の医療費が増大し、治療中断など多くの問題を生み出しました。大阪府は認定基準の緩和をされるよう国に対して要望してください。

5、防災緊急対策
 1)防災対策について
  a)障害の特性に応じた安否確認、情報提供、避難誘導、避難所のシステムを確立してください。
  b)大阪府は、市町村が実施する避難行動要支援者の支援策に関する助言や府内市町村間の連携・調整を行うとともに、必要な事項は指導してください。
  c)難病患者の災害対策として静岡県や岡山県など多くの自治体により作成されている「難病患者向け災害対策マニュアル」や、避難時に役立つ「災害時医療手帳」の作成に取り組んでください。
  d)災害対策基本法の改正による、新たな大阪府の防災対策の取り組みを教えてください。
  e)大阪府と大阪難病連と緊急災害対策について連絡体制のネットワークを作り、問題点の把握と情報開示を定期的に行ってください。
 2)内部障害者及び慢性疾患患者について
  a)人工透析患者の透析施設および通院手段の確保。また、近隣での施設が確保できない場合は移動手段と宿泊先の確保を図ってください。
  b)慢性疼痛などの長期慢性疾患患者が普段の医療が継続して受けられるような体制を図ってください。例えば、オピオイド薬や生物学的製剤など管理が厳しく大量備蓄の難しい治療薬に関して、どこで、どのようにしたら入手できるのか対策内容を聞きたい。
   ※特に、オピオイド薬は医師の意見も異なり、医師によって処方してくれないことも懸念、災害時のストレスによる悪化を避ける事が必要です。
  c)災害時、医療機関に行けない場合や、帰宅困難になった時の薬の処方について
   イ)前回、処方箋のコピーまた、スマホなどによる処方箋の画像等を薬局や病院に示すことで処方できると回答いただいておりますが、各自治体で本件の対応について共有されているのか教えてください。
     ※インスリン、抗リウマチ薬(免疫抑制剤)、痛み止め(各種)、生物学的製剤(数種)
     ※関節リウマチ患者本人が使用しているものは独自のもので代替が出来ません、その上での対処方法の検討が必要です。
   口)災害時に、処方可能な薬局、病院の情報は提供されるようになっているのでしょうか。

6、難病・慢性疾患患者と家族の社会的よりどころとなり、当事者による総合的な相談や啓発活動などの拠点となる難病センターを早期に設置してください。
  ※大阪難病連ではこのような難病センターをめざしています。
  ・患者や家族の体験を活かし交流し励まし合って闘病意欲を高めることができる
  ・明るく社会復帰を目指すことができる
  ・医療や福祉の専門家と相談ができる
  ・研究への協力、情報収集、啓発活動ができる
  ・大阪府民の医療福祉の向上に寄与する拠点になるところ

7、新型コロナウイルス対策について
 a)疾患の急な重症化への対応はもちろん、定期的な通院や入院が必要な難病・長期慢性疾患の患者の診療が制限を受けることは、命の危険に直結します。どのようなステージにおいても命の危険に直結する医療に制限がかかることの無い医療提供体制を計画、構築、実施してください。
   また新型コロナウイルス感染症に対応できる保健所を府下全市に設置するとともに、保健師を早急に増員してください。
 b)病状が変化しやすく、重症化しやすい難病患者がコロナウイルスに感染した場合は、症状が軽くても直ちに入院させ、自宅療養は絶対に行わないようにしてください。
 c)難病・長期慢性疾患患者には、医療上の理由からもワクチンの接種をされない方やできない方が少なからずいます。行動制限の緩和はそれらの患者に感染リスクを高めることになるので、検査の無料実施や助成などの支援を実施してください。また、ワクチン接種ができない患者やこども、その家族などへのハラスメントや差別がおきないようにしてください。
 d)難病患者や長期慢性疾患患者など、基礎疾患をもつ患者が安心してワクチン接種や検査や治療を受けられ、基礎疾患に対する治療や療養生活と両立できるよう、学会等の専門家や主治医等の協力を得ながら、患者への知識の普及と指導、助言が確実に実施されるようにしてください。
 e)ワクチン接種や検査や治療のための移動手段を保証し、また自宅での検査が行えるようにしてください。

【医療関係】

1、2015年に医療保険改革関連法が成立しましたが、この法は難病患者の療養生活を圧迫するものです。
 次の項目については、国に直ちにやめるよう要望し、大阪府で、早急に実施してください。
 a)70歳以上の高齢者の医療費を1割に戻してください。
 b)漢方薬、風邪薬、目薬、湿布薬などは治療に必要な薬です。保険外しは止めてください。

2、法制定された国の難病対策でも充分でない下記項目について大阪府で実施してください。
 a)指定難病の更新手続きを簡素化してください。
 b)「臨床調査個人票」の文書料は医療機関ごとに違いますが、2000円以上については大阪府で負担してください。
 c)指定難病の更新の際に必要な住民票と課税証明書は自己負担では無く公用でとれるように府下市町村に指示してください。
 d)一部負担額に対する減免規定を激甚災害だけでなく、失業・病気・事故などで所得が大幅に減少した場合にも適用するようにしてください。
 e)ゲノム医療が進むなか、遺伝教育を小学校・中学校・高等学校と進めてください。また多様性を尊重する人間教育を進めてください。
 f)ロイス・ディーツ症候群は小児慢性特定疾病ですが、指定難病としてはマルファン症候群に含まれる疾患として認定されています。ロイス・ディーツ症候群が指定難病一覧に記載されていないこと、ロイス・ディーツ症候群が指定難病であることを担当者や患者に周知徹底されていないこと、重症度基準がマルファン症候群とは違う点があることなどの点から、ロイス・ディーツ症候群として指定難病となるよう希望しているところですが、大阪府においても早急にご対応いただきますようお願いいたします。

3、医療費公費負担の拡大を
 難病法の成立に伴い、患者の本人負担の医療費が大幅に引き上げられましたが、難病患者は、生涯、医療費を払い続けなければなりません。下記事項について国に強く要望するとともに、大阪府独自でも実施してください。
 a)難病の診断過程におきましては複数の大病院に直接受診することが通例であり、そのことを配慮して、紹介状がなくても保険外併用療養費を徴収せず、また初診時選定医療費の追加は行わないでください。
 b)重症度分類で軽症者を外すのではなく、全ての指定難病の患者を医療費助成の対象にしてください。
  ※経済的な理由により軽症者が治療中断や休止となれば、再び重症化する可能性があります。例えば、パーキンソン病患者のうち、ヤールの判定1・2度の患者は医療費助成の対象にされていません。この人たちも徐々に病気が進行することは避けられず、医療費などの面ではヤール3・4度の人達と同じような経済的、精神的、肉体的負担を受けています。ぜひ、重症度分類を撤廃し、医療費助成の対象としてください。
 c)患者数が多いからと指定難病から外すのではなく、難病の要件を満たしている疾患は助成対象にしてください。
 d)関節リウマチでは進行とともに痛みと変形が生じ、仕事はおろか家事や子育てもままなりません。現在では生物学的製剤を発症当初に使用することで痛みと変形を抑えることが可能となり、生物学的製剤を使用することで働き続けることができる方もおられますが、高額なため使用困難となっています。生物学的製剤の使用を医師より勧められた発症当初の患者に、大阪府独自で医療費の助成を実施してください。
 e)1型糖尿病の合併症の重症化防止のため医療器具等の高額化が進んでおります。低所得者に対しては(合併症の重症化すると正規労働が困難になる事が多い)大阪府として医療費の一部助成をしてください。

4、難病医療機関の整備を
 a)府下難病患者の療養受給の実状をよく把握し、難病指定医、指定難病医療機関の指定を行ってください。
 b)大阪府難病診療連携拠点病院は、次のことを積極的に行ってください。
  ア、難病の診断を正しく行う医療の提供
  イ、遺伝学的検査及び遺伝カウンセリングの実施
  ウ、他院への紹介
  エ、府民に対する情報提供
 c)大阪府下腎疾患患者の全面的な実態調査を実施し、近年、増加が著しい糖尿病や生活習慣病を含めた腎不全対策について研究してください。
  ※府下の腎疾患患者の実態調査は、昭和51年に阿倍野区をモデル地区として実施され、それ以降全く行われていません。糖尿病や生活習慣病から腎不全になる患者は増加しており、その対策は急務です。
 d)心臓病児、1型糖尿病、関節リウマチ、マルファン症候群等の患者が安心して歯の治療が受けられるよう、歯科医療機関に対して具体的に治療実施可能な疾患について調査し、疾患別地域別に公表してください。また、不足している地域について増強してください。
  ※心臓病児は心内膜炎等の細菌感染防止のため、虫歯の予防が大切で、虫歯治療にも抗生物質を服用する等の注意が必要な場合があります。重度の心臓病児の場合、近くの一般の開業医では治療を断られるケースもあります。また、1型糖尿病の場合、歯周病に罹患する確率が高く、早期発見が重要です。
 e)緊急時に大動脈瘤破裂が迅速に治療できる救急体制を整えてください。
  ※東京都では、緊急大動脈疾患に対しより効率的な患者搬送システムを構築し、時間依存性の本症への迅速な外科治療等の実施体制を設け、死亡例を減少させ都民の健康維持に寄与することを目的とする「急性大動脈スーパーネットワーク」が2010年11月から運用されています。迅速に治療できる施設は限られています。急性大動脈疾患に対し循環器内科と心臓血管外科が協力して緊急診療体制をとり、大阪府全域を網羅し効率的に患者受入れを可能とする救急体制の確立をお願いします。
 f)大阪府内の大動脈瘤破裂や解離を減らすための啓発に取組んでください。
 g)2018年12月に「脳卒中・循環器病対策基本法」が成立し、2019年12月に施行されました。
   大阪府においても「循環器病対策推進計画」を早急に策定し、府内医療ネットワークの強化と、一般市民への啓発を行ってください。その中で、急性大動脈疾患やマルファン症候群などについても知っていただく機会を作ってください。
 h)大阪府から指定された難病診療連携拠点病院に「東洋医学科」を開設し、医療に対して保険適用できるようにしてください。
 i)通院が困難な難病患者が、在宅でも専門治療や看護が受けられる制度を早急に確立してください。
  ※安心して療養生活ができるように、公的病院が各地域の基幹病院として保健所、民間病院などと、ネットワークを組み訪問診療、訪問看護の体制の確立を早急に図ってください。
   医師、看護師、保健師、ホームヘルパー、ガイドヘルパーなど在宅療養に必要なスタッフの増員をしてください。

5、リハビリに関して
 a)「難病患者リハビリテーション料に規定する疾患」について、疾患別リハビリテーションの標準算定日数を超えてリハビリができるように、医療機関への周知を徹底してください。
 b)医療保険による維持期リハビリを継続してください。
 c)65歳になっても介護保険に移行させないでください。
 d)難病治療とリハビリテーションが受けられ、長期に療養できる病床を専門病院に確保してください。リハビリを必要とする患者から医療リハビリを取り上げ「退院強要」を行うことは再び機能低下を招くだけに絶対に行わないでください。
  ※神経ベーチェット病をはじめ、多くの神経難病患者が在宅で充分な治療や看護を受けられず、不安な毎日を送っています。また、高齢化や核家族化が進むなかで、介護の問題も深刻です。
   行き届いた看護体制のもとで、専門治療とリハビリテーションが受けられ、退院を強要される心配のない、長期療養施設を確保してください。
 e)リハビリを必要とする対象者に対して今の医療制度の中でどのような手立てがあるのか、現状の使える制度について聞かせてください。

6、ハイリスク分娩にかかる妊娠から分娩までの費用軽減等について下記事項を国に要望するとともに、国で施策が講じられるまでは大阪府で実施してください。
 a)例えば1型糖尿病は小児慢性特定疾病として20歳までしか医療費助成が受けられません。ハイリスク妊娠における特別な医療の必要性を考慮して、妊娠判明から分娩までの医療費を1割負担に軽減してください。
 b)ハイリスク妊婦検診及び、分娩が可能な医療機関を増やしてください。
  ※本来、産科は全額自己負担が原則ですが、慢性疾患をもった妊産婦などが安全に出産できるようにと「ハイリスク妊娠管理料」などの保険点数が加算されるようになり、慢性疾患をもった妊産婦の出産・子育ての経済的な負担がより重くなっております。少子化対策、子育て支援の観点から施策を慢性疾患患者にも等しく公平に及ぼすためにも費用軽減策を実施してください。

7、妊婦検診について、自治体によって対応にバラつきが見られます。大阪府は国の施策として妊娠から出産までの全ての検診を完全無料化することを要望してください。

8、難病関係機関の充実を
 a)難病指定医を対象とする難病研修会を実施してください。その中で、患者自身の参加、発言を企画してください。
 b)大阪難病医療情報センターを府の機関として位置づけ、相談日を月曜から金曜にして、スタッフの増強、待遇の改善を相談事業とともに訪問事業、在宅難病者への訪問看護事業を行ってください。

9、大阪難病連への支援・その他
 a)大阪難病連や加盟団体が新センターでは収容できない大規模な催しを行う場合、(概ね100人超)、助成金を支給してください。あるいは、無料会場を提供して下さい。
 b)大阪難病連や加盟団体が実施する医療講演会・勉強会・相談会の案内を大阪府の難病ポータルサイトはもとより、インターネットをされない方達を差別化するのではなく、他の方法も考えて頂きたい。

10、肝炎対策について
 1)「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業」について
  a)肝がん・肝硬変で入院する予定の患者に対して、本制度を説明した説明書を入院手続きの際に、必ず手渡されるように、肝硬変や肝がんの入院治療を行っているすべての医療機関に徹底してください。
   ※なお、全国B型肝炎訴訟弁護団が調査したNDB資料によると、B・C型肝炎による非代償期肝硬変・肝がんの入院患者数は14,423人となっています。(2020年)
  b)本制度の指定医療機関登録数は、2021年8月末時点で92か所と少なく、全国B型肝炎訴訟弁護団が調査したNDB資料によると、235の医療機関で肝硬変・肝がんの治療が行われています。入院・通院治療を行っているすべての医療機関が登録されるよう府のとりくみを促進してください。
  c)厚生労働省は2021年4月から「肝がん重度肝硬変治療研究促進事業」の制度改正を行い、肝がんに対する分子標的治療薬の通院での治療について、本制度の対象に含めました。当該治療を行う医療機関に、本制度の改定を周知し、治療対象患者が本制度の受給申請を行うように促してください。
 2)肝機能障害者に対する身体障害者手帳の交付実績を明らかにして下さい。
   肝機能障害該当患者に、手帳交付・福祉医療制度提供内容をわかりやすく説明する資料を医療機関窓口に掲示するように取り組んでください。
 3)肝炎に対する正しい認識の啓発、PR活動を行ってください。
  a)「健康手帳エル」の記載内容に「肝炎ウイルス感染者に対する偏見差別防止」の項を設け、厚生労働省研究班による「集団生活の場における肝炎ウイルス感染予防」のための手引き・ガイドラインが作成されたことを明示する、また治療法についても医療費助成対症療法の掲載を網羅するよう改訂してください。
  b)「世界肝炎デー・日本肝炎デー」(7月28日)とその前後に設定される「肝臓週間」を実効あるものにするために、肝疾患診療拠点病院などと協力し、啓発・講演活動を積極的に行ってください。
    また、二次医療圏ごとに、保健所・市町村保健福祉センターと協力し肝炎デー啓発イベントを行い、肝炎ウイルス検査受診促進と肝炎ウイルスキャリアの専門医療機関受診を促す集中期間として「肝臓週間」を活用してください。
 4)肝炎ウイルス検診と陽性者「フォローアップ事業」について
  ア)特定感染症検査等事業・緊急肝炎ウイルス検査事業と各市町村が行う健康増進事業で実施される肝炎ウイルス検診の受検者は、市町村間の格差が著しい。当該医師会、市町村と連携し、受検者数の地域格差を是正すること。
    特に市町村で行われる特定健診時に肝炎ウイルス検診を同時に行われるよう、各市町村の実態も把握し、特定健診・がん検診と同時に受検勧奨されるように、特定検診問診票に過去の「肝炎ウイルス検診」受検の有無欄を設け、受検確認できるように取組んでください。
    また、大阪府が行う、特定感染症検査等事業・緊急肝炎ウイルス検査事業、各市町村が行う健康増進事業、それぞれで実施される肝炎ウイルス検診の受検者数を、それぞれ開示してください。そして、各市町村において、40歳以降5歳きざみ(5歳ごと)の年齢に到達する人で、まだ肝炎ウイルス検診を受検したことがない人に対して、肝炎ウイルス検診を受検するように「個別勧奨」を実施してもらうように、大阪府から各市町村にはたらきかけを行ってください。
  イ)ウイルス性肝炎患者等重症化予防推進事業で、本年4月から開始された「定期検査費用助成」について、B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス陽性者に周知されるように取り組んでください。また、本制度が、年3回実施されるように国に働きかけて下さい。
    肝炎ウイルス陽性者に対し、「健康手帳エル」を届け、受診の確認と適切な医療を受療しているか、きちんと確認作業がどのように行われているか、明らかにしてください。
  ウ)「健康手帳エル」の内容を治療法の進歩、肝炎対策などの制度改正にあわせ改訂し、必要部数を市町村保健センター、肝疾患相談支援センター、肝炎専門医療機関などに配布して下さい。
  エ)肝炎医療コーディネーター養成研修参加者が、各市町村間で格差が生じないように、市町村、肝炎医療専門機関・肝炎医療協力医療機関、薬剤師会に働きかけてください。

11、臓器移植について
 臓器移植法案が改正され、2010年7月17日からは、本人の臓器提供の意思が不明な場合にも、家族の承諾があれば臓器提供が可能となり、これにより15歳未満の者からの脳死下でご提供を受けて多くの方が救命され、社会復帰を果たされています。
 しかし、全体の臓器提供数を見ますと心停止下でご提供の減少も伴って、微増に留まっています。また、改正臓器移植法のもう一つの目標でありました子どもの臓器提供は徐々に増加し、昨年は6歳未満の臓器提供4例を含め19例と昨年より倍増しました。しかし全体では日本の現状は世界に比して少ない。この現状を改善するためには、行政が推し進める継続的な臓器移植推進活動が不可欠です。
 よって、ここに下記の項目を要望します。
 a)府内における臓器提供できる施設間でマニュアル作成とシミュレーション研修、院内コーディネーター等の養成等環境整備を行ってください。
 b)府内各施設での患者へのドネーション確認を行い、臓器提供の意思が尊重される体制を構築してください。
 c)臓器の提供に際しては、いささかもドナー・レシピエント双方の人権が侵されることのないよう、必要にして十分な配慮をしてください。
 d)国内の唯一のあっせん機関であります公益社団法人日本臓器移植ネットワークの整備のために、府としても積極的な提言、参画をしてください。
   また各市町村と連携した臓器移植推進体制を進めてください。
 e)移植医療全般についての啓発活動を、大阪府としても積極的に行ってください。
  ア)保険証、運転免許証の裏面に臓器提供意思表示カードがあります。臓器移植医療について、家族等と話し合ってお一人おひとりの臓器提供についての意思表示を推し進めてください。
  イ)保険証の更新時に臓器移植医療に関するリーフレットの同封を行い、臓器移植医療について、家族等と話し合いお一人おひとりの臓器提供についての意思表示を推し進めてください。また、その意思はいつでも変更できることをお知らせください。
  ウ)運転免許証においても、更新時に裏面の臓器提供意思カードの説明とリーフレットの配布を行って、理解を求めてください。
  エ)マイナンバーカードの発行時においても臓器移植医療に関するリーフレットの同封を行い、臓器移植医療について、家族等と話し合いお一人おひとりが臓器提供についての意思表示を推し進めてください。
  オ)脳死からの移植、腎臓の様に心停止後でも移植できるといったことについて府民の理解を深め、臓器移植医療の普及を進めるために、毎年臓器移植に関するシンポジウムを大阪府主催で開催してください。
  カ)大阪府内で各市町村が所有する公用車に臓器移植医療の理解を求めるためのステッカー等貼付してください。
 f)移植医療の対象となる可能性のある患者・家族に対して、移植医療のメリット・デメリット面の情報が十分に行き渡るようにしてください。
 g)教育においても必須科目として、いのちの大切さを教える授業を行ってください。その中で厚生労働省から発行されている冊子等を参考に臓器移植医療についても話題とし、学校での話し合い、家庭での話し合いを交互に繰り返し充実した「いのちの授業」を切望します。
 h)大阪府のホームページのトップにグリーンリボンマークを設け、府民の方がクリックすることで臓器移植医療の全般が分かるようにしてください。
   府内の市町村にも指導してください。また、公益財団法人大阪腎臓バンク、公益社団法人日本移植ネットワーク、府内の臓器移植関連施設等にリンクし、スムースな情報提供に寄与してください。
 i)大阪府が移植に関して行った事業(啓発も含む)を教えてください。
 j)大阪府が作成する災害に関する各種マニュアル及び指導要領に「障害者」へ添った項目をまとめ、周知徹底をねがいます。
  ・服用薬の確保が出来ているか、持参のない場合の取得方法手配
  ・体調の変化がないか
  ・水分補給が十分か
  ・食料に対してできる配慮が可能か
  ・感染症への対応がなされているか
  ・室内に犬、猫、鳥などが飼われていないか
  ・主治医(当該病院)との連絡体制が整っているか
  ・急患時の対応ができているか、当該病院への入院治療等が可能か

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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