同和対策審議会答申(昭和40年8月) 結語

更新日:2023年6月21日


 

結語

- 同和行政の方向 -

 同和問題の根本的解決にあたっては、以上に述べた認識に立脚し、その具体策を強力かつすみやかに実施に移すことが国の責務である。したがって国の政治的課題としての同和対策を政策のなかに明確に位置づけるとともに、同和対策としての行政施策の目標を正しく方向づけることが必要である。そのためには国および地方公共団体が実施する同和問題解決のための諸施策に対し、制度的保障が与えられなければならないが、とくに次の項目についてすみやかに検討を行ない、その実現をはかることが、今後の同和対策の要締である。
(1) 現行法規のうち同和対策に直接関連する法律は多数にのぼるが、これら法律に基づいて実施される行政施策はいずれも多分に一般行政施策として運用され、事実上同和地区に関する対策は枠外におかれている状態である。これを改善し、明確な同和対策の目標の下に関係制度の運用上の配慮と特別の措置を規定する内容を有する「特別措置法」を制定すること。
(2) 同和対策は、今後の政府の施策の強化により新しい姿勢をもって推進されるべきであるが、このためにはそれに応ずる新たな行政組織を考慮する必要がある。政府の施策の統一性を保持し、より積極的にその進展をはかるため、従前の同和問題閣僚懇談会をさらに充実するとともに施策の計画の策定およびその円滑な実施などにつき協議する「同和対策推進協議会」の如き組織を国に設置すること。
(3) 地方公共団体における各種同和対策の水準の統一をはかり、またその積極的推進を確保するためには、国は、地方公共団体に対し同和対策事業の実施を義務づけるとともにそれに対する国の財政的助成措置を強化すること。この場合、その補助対象を拡大し、補助率を高率にし、補助額の実質的単価を定めることなどについて、他の一般事業補助に比し、実情を配慮した特段の措置を講ずること。
(4) 政府による施策の推進に対応し、これを補完し、かつ可及的すみやかにその実効を確保するため、政府資金の投下による事業団形式の組織が設立される等の措置を講ずること。
(5) 同和地区内における各種企業の育成をはかるため、それらに対する特別の融資等の措置について配慮を加えること。
(6) 同和問題の根本的解決と同和対策の効率的な実施のためには、長期的展望の下に、総合計画を策定し、環境改善、産業、職業、教育などの他面にわたる具体的年次計画を樹立すること。(以上)

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府民文化部 人権局人権擁護課 人権・同和企画グループ

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