第1章 環境配慮制度の概要
1.2 建築物環境配慮指針の概要
条例では、建築主が建築物の環境配慮を適切に実施するための建築物環境配慮指針を知事が策定し、建築主は、これに基づいて、建築物の環境配慮のための適切な措置を講ずるよう努めなければならないこととしている。
建築物環境配慮指針では、建築物の環境配慮を行う事項や、建築物の環境配慮措置の評価などについて規定している。建築物環境配慮指針の概要は、以下のとおりである。
(1) 建築物の環境配慮を行う事項
建築物の環境配慮を行う事項 | 内容 |
1 エネルギーの使用の抑制 | ・建物の熱負荷抑制 ・自然エネルギーの利用 ・設備システムの高効率化 ・エネルギーの効率的な運用 |
2 資源及び資材の適正な利用 | ・水資源の保護 ・低環境負荷材の利用 |
3 敷地外の環境への負荷の低減 | ・大気汚染の防止 ・騒音・振動・悪臭の防止 ・風害、日照阻害の抑制 ・光害の抑制 ・ヒートアイランド現象の抑制 ・地域インフラへの負荷抑制 |
4 室内環境の向上 | ・音環境の向上 ・温熱環境の向上 ・ 光・視環境の向上 ・ 空気質環境の向上 ・ 室内空間の機能性、快適性の向上 |
5 建築物の長期間の使用の促進 | ・ 耐久性・信頼性の確保 ・ 用途変更や設備更新への対応性の確保 |
6 周辺地域の環境の保全 | ・ 生物環境の保全と創出への配慮 ・ まちなみ・景観への配慮 ・ 地域性・アメニティへの配慮 |
(2)建築物の環境配慮措置の評価
建築主は、延面積が5,000平方メートルを超える建築物の新築や増改築をする場合、大阪府建築物環境配慮評価システムにより、建築物の環境配慮措置を自己評価することとしている。
評価の概要は下記のとおりである。
評価の方法 | 評価の内容 | |
大阪府の重点評価 | 省エネルギー対策 | 設備システムの効率化 |
エネルギー消費の実態把握 | ||
緑化 | 緑地の確保 | |
ボリュームある緑化 | ||
建築物表面及び敷地の高温化抑制 | 日射反射率、長波放射率の高い建物外皮材料の選定等 | |
保水性や透水性、日射反射率、長波放射率の高い敷地被覆材の選定等 | ||
Casbee-新築(簡易版)※ | (1)建築物の環境配慮を行う事項に示す項目の全般的な評価 ※(財)建築環境・省エネルギー機構発行の建築物総合環境性能評価システム「Casbee-新築(簡易版)」を基本にしている。(Casbeeについては、12Pの「Casbeeの概要(参考)」を参照。なお、詳細については、大阪府が別途作成している「建築物の環境配慮制度の解説」を参照していただきたい。) |
なお、建築主は建築物環境計画書の届出義務があり、府は建築物の環境配慮措置の評価結果を含め、届出の概要を公表することとしている。
□大阪府建築物環境配慮評価システムの評価シートのイメージ
●「大阪府の重点評価」のイメージ
○総合評価
評価欄の☆の総数を表記。(例:☆を付与された評価項目が4項目の場合・・・☆☆☆☆と表記)
○用途・地域区分
建築物の用途や立地する地域により、評価する項目(2から6項目)を定めている。
(例:優先対策地域以外に立地する住宅の場合は、2.緑化(1)(2)の2項目が評価項目となる。)
○評価項目
評価項目について各々一定の基準を満たした場合に、優良な取組みとして評価し、☆を与える。
○参考項目
Casbee-Hiの評価の有無や、導入した先進的な技術などの記述欄を設け、顕彰の際や他の建築物の参考資料などとして活用する。
●Casbee-新築(簡易版)の評価イメージ
このページの作成所属
都市整備部 住宅建築局公共建築室計画課 計画グループ
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