障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議 議事要旨2日目(1)

更新日:2023年4月10日

第1日目

第2日目(1) 第2日目(2) 第2日目(3) ※3ページに分割して掲載しています。

団体名障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議
応接日時令和3年11月4日(木曜日)10時00分から17時00分まで
応接場所大阪赤十字会館3階 301会議室
参加者

団体側
 ・会長他 51人

府側
 ・政策企画部      6人
 ・福祉部       43人
 ・健康医療部   32人
 ・教育庁      4人

議事要旨

【午前の部】
 政策企画部、福祉部、及び健康医療部関係の要望項目(13項目)について、本府から下記回答骨子のとおり回答し、その後、質疑及び意見表明があった。
【午後の部】
 政策企画部、福祉部、健康医療部及び教育庁関係の要望項目(22項目)について、本府から下記回答骨子のとおり回答し、その後、質疑及び意見表明があった。

回答骨子

午前の部

介護に関する要求項目

 (要望項目)
1.今回の報酬改定の課題
(1)「福祉と雇用の通勤・就業支援制度」について、府内全市町村で実施されるよう、国に対して重度訪問介護等、個別給付制度の利用を含め、更なる推進策を求めていくこと。
 また、府内市町村の実施・検討状況を集約し、就業支援では利用料負担を求めないことなど、先進的な事例を周知し、府独自の支援策も講じながら全市町村での早期実施を働きかけること。
(回答)
 令和2年度に国において、「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」が地域生活支援事業として、令和3年度には、地域生活支援促進事業として、個別事業化されたところであり、今後ともサービスを必要とする障がい者に適切に提供されるよう市町村に働きかけてまいります。
 大阪府としては、重度障がい者等の就労中における介助については、本来ナショナルミニマムで実施する性質のものであり、自治体に過度な負担が生じることのないよう全国一律の制度として法定給付化されることが望ましいと考えられるため、財源は国の責任において確実に措置するよう、引き続き国に働きかけてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

(要望項目)
1.今回の報酬改定の課題
(2)大学修学支援事業について報酬の引き上げ、交通費の別途保障を国に強く求めていくこと。
 また府内市町村での大学修学支援の実施状況を把握し、市町村に対して教育部局と連携して事前に利用予定者を把握し、大学入学時から直ちに利用できるよう調整することを働きかけること。
(回答)
 「重度訪問介護利用者の大学修学支援事業」は、大学等が、本事業の対象者の修学にかかる支援体制を構築できるまでの間において、大学等への通学中及び大学等の敷地内における身体介護等を提供するものとして、平成30年度より地域生活支援促進事業として設けられました。
 大阪府としても、市町村に対し、当該事業の周知を今後とも行ってまいります。
 また、通勤・通学等の際の移動の支援について、国に対して支援を行うべき主体の明確化とその支援策の制度化が必要であること等の提言を行っており、今後も引き続き必要な要望・提言を行ってまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課(斜字部分の回答)
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課

(要望項目)
2.新型コロナウイルス問題による介護の課題について
(1)コロナ禍により日中活動が休業、縮小通所となった場合、あるいは障害者・家族が感染、濃厚接触となり通所自粛となり、本人が居宅で過す場合において、相談支援等とも連携してスムーズに介護の支給決定変更(代替サービスの付加)を行うよう、市町村に対して強く働きかけること。
(回答)
 国通知「新型コロナウイルス感染症に係る障害福祉サービス等事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」において、新型コロナウイルス感染症の患者等への対応等により、一時的に障がい福祉サービス等事業所の人員基準を満たすことができなくなる場合等が想定されるが、障がい福祉サービス等報酬、人員、施設・設備及び運営基準等については、柔軟な取扱いが可能とされています。
 なお、具体的な取扱いについては、障がい福祉サービス等の提供の継続性の観点から、サービス事業所の設置地域で感染が確認されており、職員や利用者に感染するおそれがある場合等のサービス事業所での支援を避けることがやむを得ないと市町村が判断する場合に利用者の居宅等において健康管理や相談支援等のできる限りの支援の提供を行ったと市町村が認める場合には、通常提供しているサービスと同等のサービスを提供しているものとして、報酬の対象とすることが可能とされています。
 大阪府においては、従前より国通知を踏まえた適切な運用を行うよう、市町村に助言を行っておりますが、引き続き市町村に対し働きかけてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

(要望項目)
2.新型コロナウイルス問題による介護の課題について
(3)感染・濃厚接触となったヘルパー・スタッフは一定期間、就業制限せざるを得ず、その間の人手不足を補うことが非常に困難な場合は、外部応援職員の派遣を積極的に運用すること。また、法人やクラスターの規模によっては、あるいは単身・家族同居の障害者では外部応援職員がレッドゾーンに入って協力することも必要となるため、それを可能とする仕組みを再検討すること。
(回答)
 新型コロナウイルス感染症に係る社会福祉施設等への応援職員派遣は、感染リスクの低い施設での支援が原則ですが、クラスターが発生した施設等(居住系・入所系)からレッドゾーン(施設内療養をされる陽性の利用者等がおられるエリア)への派遣相談が寄せられております。
 そのため、本府としては、これまで通り感染リスクの低い施設への派遣の原則は基本としつつ、一歩進め、助け合いのしくみの中で、レッドゾーンへの派遣にご協力いただきやすい環境について検討し、レッドゾーン派遣前の抗体検査の実施、派遣後に応援職員が過ごせるホテルの確保(最長2週間)など、応援職員に少しでも安心して協力いただくための補助制度を拡充し、令和3年9月8日より募集を開始しております。
 本スキームは、各法人の共助による助け合いのしくみであり、クラスター発生の蓋然性の高い施設等への派遣を前提としていることから、訪問系の事業所まで運用を拡充することは難しいですが、法人内における居住系・入所系の応援派遣の結果、同法人内の訪問系や通所系等に職員が不足する事態が発生した場合においては、玉突き支援として本スキームを通じての応援職員派遣の調整を進めることが可能です。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課

(要望項目)
2.新型コロナウイルス問題による介護の課題について
(4)障害者は基礎疾患等のある方も多いため、感染時は障害部局と保健部局が連携して速やかに入院できるよう協力を徹底すること。病床逼迫によりどうしても入院できない場合は、宿泊療養ホテルを介護者付きでも利用できるよう、障害部局・衛生部局・危機管理で直ちに具体化すること。
 また家族同居で家族が感染した場合等では、濃厚接触となった障害者が陰性である場合は、別の場で安全に過ごせるよう、宿泊できるホテル(イエローホテル)を確保し宿泊費も補助すること。
(回答)(斜字部分の回答)
 家族が感染した場合等においても、障がい者に対する必要なサービスの確保については、支援の実施主体である市町村が、個々の状況に応じ適切に対応されるよう市町村に働きかけてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課

(要望項目)
2.新型コロナウイルス問題による介護の課題について
(4)障害者は基礎疾患等のある方も多いため、感染時は障害部局と保健部局が連携して速やかに入院できるよう協力を徹底すること。病床逼迫によりどうしても入院できない場合は、宿泊療養ホテルを介護者付きでも利用できるよう、障害部局・衛生部局・危機管理で直ちに具体化すること。
 また家族同居で家族が感染した場合等では、濃厚接触となった障害者が陰性である場合は、別の場で安全に過ごせるよう、宿泊できるホテル(イエローホテル)を確保し宿泊費も補助すること。
(回答)(斜字部分の回答)
 新型コロナウイルス感染症患者については、管轄の保健所長が病状や環境を考慮のうえ、療養方針の決定を行っています。保健所から入院の申請があった場合は、府入院フォローアップセンターにおいて、基礎疾患の有無や酸素飽和濃度など患者の症状、病床の状況などを踏まえ、広域的に入院調整を行うこととしています。
 入院を必要とする患者については、引き続き、府入院フォローアップセンターと保健所が連携・協力し速やかに適切な医療機関に入院できるよう、取り組んでまいります。
(回答部局課名)
健康医療部 保健医療室 感染症対策支援課

(要望項目)
4.介護保険との併給課題について
(1)各市町村で介護保険との併給に際して、既に廃止されている平成12年の国通知のまま誤って運用し、障害福祉サービスの利用が不当に制限されていないか調査し、その結果について公表し、不適切なものについては早急に改め、併給前の生活を保障するよう市町村に働きかけること。
(回答)
 国適用関係通知「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」において、市町村は、介護保険の被保険者である障がい者から障がい福祉サービスの利用に係る支給申請があった場合は、個別のケースに応じて、当該障がい福祉サービスに相当する介護保険サービスにより適切な支援を受けることが可能か否か等について、申請に係る障がい福祉サービスの利用に関する具体的な内容(利用意向)を聴き取りにより把握した上で、適切に判断するものとされています。
 大阪府においては、従前より国適用関係通知を踏まえ、必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能か否か等を適切に把握するとともに、介護保険の給付だけでは適切な支援が受けられない場合は、当該部分について個別ケースごとに実情を十分聞き取った上で適切な自立支援給付の支給決定を行うよう、市町村に助言を行っておりますが、引き続き市町村に対し働きかけてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課
福祉部 高齢介護室 介護支援課

(要望項目)
4.介護保険との併給課題について
(2)介護保険併給時に「従来通りの介護が受けられない」「生活パターンを変えなければならない」等のトラブルが発生していることから、府市の介護保険・障害福祉担当、ケアマネジャーや相談支援、介護事業者が、「障害状況が変わらなければサービスの引き下がり等の不都合を生じてはならない」ことを理解し、トラブルを未然に回避できるよう、介護保険と障害福祉制度や理念の違い、障害特性等を理解できる研修を実施し周知徹底すること。
 ついては、大阪市で作成した上記の研修資料、ケアプラン作成における留意事項通知等を参考にして、府でも同様の資料を作成し各市町村・事業者に周知すること。
(回答)
 国適用関係通知「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく自立支援給付と介護保険制度の適用関係等に係る留意事項等について」において、「市町村においては、当該介護給付費等を支給する場合の基準を設けている場合であっても、当該基準によって一律に判断するのではなく、介護保険サービスの支給量・内容では十分なサービスが受けられない場合には、介護給付費等を支給するなど、適切な運用に努められたい。」
 また、「障害福祉サービス利用者が要介護認定等を受けた結果、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額の範囲内では、利用可能なサービス量が減少することも考えられる。しかし、介護保険利用前に必要とされていたサービス量が、介護保険利用開始前後で大きく変化することは一般的には考えにくいことから、個々の実態に即した適切な運用をお願いしたい」とされています。
 大阪府においては、従前より国適用関係通知を踏まえ、必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能か否か等を適切に把握するとともに、介護保険の給付だけでは適切な支援が受けられない場合は、当該部分について個別ケースごとに実情を十分聞き取った上で適切な自立支援給付の支給決定を行うよう、研修等を通じて助言を行っておりますが、引き続き市町村に対し働きかけてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課
福祉部 高齢介護室 介護支援課

(要望項目)
4.介護保険との併給課題について
(2)介護保険併給時に「従来通りの介護が受けられない」「生活パターンを変えなければならない」等のトラブルが発生していることから、府市の介護保険・障害福祉担当、ケアマネジャーや相談支援、介護事業者が、「障害状況が変わらなければサービスの引き下がり等の不都合を生じてはならない」ことを理解し、トラブルを未然に回避できるよう、介護保険と障害福祉制度や理念の違い、障害特性等を理解できる研修を実施し周知徹底すること。
 ついては、大阪市で作成した上記の研修資料、ケアプラン作成における留意事項通知等を参考にして、府でも同様の資料を作成し各市町村・事業者に周知すること。
(回答)
 介護支援専門員(ケアマネジャー)は、障がい者が介護保険サービスを利用するにあたっては、介護ニーズだけでなく個々の障がい特性に応じたきめ細かなアセスメントが求められるため、介護保険サービスをはじめとした保険・医療・福祉サービスを含め、総合的な視点からケアプランを作成する必要があります。
 特に、これまで障がい福祉サービスを利用されてきた方が、65歳になって介護保険サービスと障がい福祉サービスを併用する際、2つの制度の違いから利用者が疑問に思ったり、困ったりするといったことがあるため、介護支援専門員の研修時には、障がい者の介護保険利用における障がい福祉サービスとの適用関係のほか、障がい特性や障がい者施策についての理解促進を図っているところです。
 また、国の要綱で定められている介護支援専門員の研修カリキュラムに加え、障がい者に係る様々な知識を習得するため、障害者総合支援法や障がい福祉サービスの利用に関する講義を行っており、障がい者が介護保険を利用するにあたって、これまで利用されてきた障がい福祉サービスが継続的に利用できるよう、研修を通じて周知しております。
 今後とも、介護支援専門員が障がい福祉サービスや障がい者への理解を含め、適切なケアマネジメントを実践していけるよう、研修の充実に努めてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 高齢介護室 介護支援課

(要望項目)
4.介護保険との併給課題について
(2)介護保険併給時に「従来通りの介護が受けられない」「生活パターンを変えなければならない」等のトラブルが発生していることから、府市の介護保険・障害福祉担当、ケアマネジャーや相談支援、介護事業者が、「障害状況が変わらなければサービスの引き下がり等の不都合を生じてはならない」ことを理解し、トラブルを未然に回避できるよう、介護保険と障害福祉制度や理念の違い、障害特性等を理解できる研修を実施し周知徹底すること。
 ついては、大阪市で作成した上記の研修資料、ケアプラン作成における留意事項通知等を参考にして、府でも同様の資料を作成し各市町村・事業者に周知すること。
(回答)
 毎年度、介護サービス事業者を対象として集団指導を開催し、利用者本位のサービス提供となるように、利用者と事業者の対等な立場の構築、利用者の立場の理解、利用者の立場に立ったサービス提供が重要であることを周知しているところです。
 また、大阪府ホームページに「自立支援給付と介護保険制度の適用関係について」を設け、厚生労働省からの通知を掲載し、事業者への周知を行っています。
(回答部局課名)
福祉部 高齢介護室 介護事業者課

(要望項目)
5.長時間介護・移動支援の支給決定時間数、制限問題
(1)国のQ&A通知をふまえ、夜間支援等ではコールに対応する待機時間(手待時間)は労働時間であり、手待時間分も必ず支給決定するよう市町村に働きかけるとともに、支給量が確実に上積みできるよう、国に対しても国庫負担基準での夜間支援分の上乗せを要求すること。
(回答)
 国通知「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A Vol.1の問40の回答の中で、「夜勤を行う夜間支援従事者には、労働基準法(以下「労基法」という。)第34条の規定に基づき、適切な休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないが、当該夜間支援従事者が夜間及び深夜の時間帯に休憩時間を取得する場合であっても、実態としてその配置されている共同生活住居内で休憩時間を過ごす場合は、夜間支援等体制加算(1)の算定に当たっては、利用者に対して夜間及び深夜の時間帯を通じて必要な介護等の支援を提供できる体制を確保しているものと取り扱って差し支えない」としています。
 なお、同通知において、実作業は発生しておらず仮眠などを取っている時間であっても、事業所内に待機し、緊急の場合などで作業が発生した場合には対応することとされている時間(いわるゆ「手持時間」)は、労働から離れることを保障されているとは言えないため、休憩時間には当たらず、労働時間として取り扱わなければならないこと等としています。
 大阪府においては、夜間支援等について、国通知を踏まえ、引き続き適切な支給決定を行うよう市町村に働きかけてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課(斜字部分の回答)
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課

(要望項目)
5.長時間介護・移動支援の支給決定時間数、制限問題
(3)移動支援の各市町村における不当な利用制限の撤廃に向けて、状況を継続して把握するとともに、「起点・終点による利用制限」「宿泊旅行でのホテル内介護」などについて、早期に是正するよう、市町村に対してより一層強く働きかけること。
(回答)
 移動支援事業につきましては、平成24年3月に市町村と府が共同で作成した「移動支援事業に係る運用の考え方」を標準的なものとしながら、事業の実施主体である市町村により、地域の実情や支援の必要性等を踏まえて実施されているところです。
 市町村において移動支援事業が適正に実施され、府域全体でのサービス提供の質の向上が図られるよう市町村担当者説明会で働きかけるとともに、平成24年度以降、毎年「運用の考え方」の運用状況を調査し、その結果を市町村に情報提供しています。
 今年度についても同様の調査を行うとともに、「運用の考え方」にない項目についてもアンケートを行い、その結果を市町村に情報提供する予定です。
 また、毎年年度末に府から市町村に通知している「障がい者総合支援制度等の円滑な実施のための留意事項について」の内容に、平成28年度より移動支援事業も加え、制度については、事業の目的に沿った利用者主体のよりよい制度となるよう見直されている事例などを参考に、必要に応じて検討するよう、またその運用にあたっては、事業の利用を希望する方の心身の状況や、利用についての意向等を十分に把握した上で支給の決定を行うよう通知しています。
 さらに、平成30年度障がい福祉サービス等報酬改定で、重度訪問介護等の外出時の支援において「原則として1日の範囲内で用務を終えるものに限る。」とする規定が廃止された趣旨を踏まえ、本事業においても、一律に、宿泊を伴う旅行等を対象外とすることなく、宿泊施設内での介護も含め、個々の利用者の必要性に応じて、市町村で判断し、支給決定を行うよう通知しています。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課

(要望項目)
6.盲ろう者の通訳・介助者派遣制度等について
(2)盲ろう者の高齢化が進み、車いす利用や移乗介護のニーズも増えていることから、府として事故を未然に防いでいくために、高齢化対応での二人派遣の適用、派遣時間数(年1,080時間)や日中活動内での通介利用の拡大にふみ込むこと。従来、通介派遣は自薦中心で脆弱性も現れていることから、本人−通介者任せとすることなく、OJTの導入も併せ通介研修の一層の充実、個々の障害状況・通介状況の変化、ひやりはっとを把握できる仕組みを急ぎ構築すること。
(回答)
 盲ろう者通訳・介助者派遣事業は、盲ろう者の地域での暮らしに不可欠であることから、大阪府の一人あたりの派遣時間の上限(年1,080時間、月90時間)を全国最高水準としているところです。
 通訳・介助者の派遣については、「1枚の利用券に対して、1人の通訳・介助者を派遣する。ただし、1回当たりの通訳・介助者の派遣時間が概ね1時間30分を超え、かつ、通訳しようとする情報の量が多いと認められる場合は、1枚の利用券に対して、2人の通訳・介助者を派遣することができる」と定めているところです。
 国に確認したところ、「地域生活支援事業の派遣事業の目的は、あくまでも意思疎通支援を行うことであるため、身体介護のみを行う盲ろう者通訳・介助員の派遣は適切でなく、認められない」とのことから、現行の2人派遣の要件を直ちに改正して拡大することは考えておりません。
 また、盲ろう者の高齢化等の課題に対応するため、大阪府障がい者施策推進協議会意思疎通支援部会盲ろう者通訳・介助等ワーキンググループ(以下、「ワーキング」という。)での決定をふまえ、令和元年度より盲ろう者通訳・介助者養成研修の「移動介助実習」に「車いす講習」を導入したところです。
 さらに、歩行に困難を伴うなど、介助に関し、特段の配慮が必要な場合の対応として、ワーキングの決定をふまえ、令和元年度より、盲ろう者通訳・介助者(以下、「通介者」という。)の登録調書に介護福祉士及び介護職員初任者研修修了などを記載する欄を設けて把握することとし、これらの者を優先的にコーディネートすることとしております。
 通訳・介助者の選任については、盲ろう者が通訳・介助者派遣事業利用登録を行う際、十分なヒアリングを行い、その結果を基にした個々の利用者の状況やニーズを反映した通訳・介助者の選任を行っております。
 また、盲ろう者自らが通訳・介助者の選定をすることができるとも定めておりますが、当該利用者はその依頼内容を報告しなければならないとしており、盲ろう者の実情や支援内容等については把握できるような仕組みとしております。
 加えて、通訳・介助者に対しては、事故が発生した場合は、通訳・介助者に事故報告書等の提出を求めてきましたが、今年度よりその様式を定め、「事故につながりかねなかった出来事」についての報告も求めるとともに、通訳・介助中の事故及びひやりはっと情報を収集・分析し、通訳・介助者へ情報共有することとしました。
 さらに、盲ろう通訳・介助者として登録後、一度も活動しなかった者及び最後に活動した日の翌日から3年間、活動実績のない者を対象に、今後の活動についての意向等を確認するアンケート調査を実施し活動の意思のある者に対して、養成研修等で習得した技能等の保持状況を確認する現任実習を実施する予定です。
 今後とも引き続き安心・安全な通訳・介助の実施に向け必要な対応を行ってまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 自立支援課

権利の実現に関する要求項目

(要望項目)
1.府の差別解消条例、差別解消取り組みについて
(1)今年4月に事業者の合理的配慮が義務化されたが、差別の未然防止に向け、特に深刻な差別対応事例のある業種に対して、適切な合理的配慮の内容も示した研修・啓発活動を行うこと。また大阪府として府民に対する啓発を進めるとともに、市町村へも啓発活動の強化を指導すること。
(回答)
 大阪府障がい者差別解消条例の改正により、新たに事業者による合理的配慮の提供を義務化したことから、事業者への周知・啓発が重要であると認識しております。
 そこで事業者団体に向けては昨年度条例改正に伴って作成した条例改正を周知するためのチラシとともに、同じく条例改正に伴って改定した大阪府障がい者差別解消ガイドラインを配布することによって周知・啓発を行ってまいりました。その際には事業者団体から希望があれば出向いて説明を実施する旨をお伝えもしています。
 また、今年度、事業者を主な対象としたフォーラム及びワークショップを実施する予定です。フォーラムについては動画撮影し、ワークショップの資料と共に、事業者における研修で使用できるように後日「共に生きる障がい者展」のホームページ上で公表し、事業者だけでなく、広く府民への啓発を行ってまいります。
 市町村に対しても啓発物の配布による啓発を進めていくと共に、条例改正に関する研修を、支援地域協議会の設置促進のための働きかけとともに実施することで、より一層の理解の促進に向けて働きかけてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

(要望項目)
1.府の差別解消条例、差別解消取り組みについて
(3)府条例施行6年目を迎え、相談支援専門員の入れ替わり等、府の差別解消を担う人材の確保とスキルアップが大きな課題である。障害者の視点・立場に立った相談が進められるよう、研修を強化するとともに、事例検証型の合議体を年間複数回、開催すること。また改正差別解消法の施行に向け、附帯決議の内容も含め、府として体制拡充や更なる条例改正の検討を行うこと。
(回答)
 広域支援相談員は、障がい者等や事業者からの相談に直接応じるとともに、市町村の相談機関に対して必要な助言等を行っており、府の差別解消の取組みにおいて広域支援相談員の役割が重要であると認識しています。
 そのため、広域支援相談員は、相談事案に関し、事例毎の経過や対応をまとめた相談票等記録を作成し、組織内での情報の共有を図るとともに、定期的なミーティングによる事例検討など、広域支援相談員間の連携強化により、対応力の向上に努めてきたところです。また、障がい理解や人権に関する外部の研修にも、機会を捉えて参加する等、相談対応の質の向上に努めております。
 また、「助言・検証実施型」合議体における事例検討については、相談に関する現状の把握と整理がなされ、広域支援相談員への助言により、これまでも相談への対応力向上につながってきたところです。今後も開催することで、相談対応の質の担保が期待できると考えており、令和3年度については、少なくとも2回の「助言・検証実施型」合議体の開催を予定しています。
 今後もこれらの取組みを進め、広域支援相談員の相談対応の質の維持・向上に努めてまいります。
 改正障害者差別解消法については公布後3年以内の施行とされ、国及び地方公共団体の連携協力、差別を解消するための支援措置の強化等が盛り込まれていることから、国の動向を注視しながら、府として必要な対応について検討してまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

(要望項目)
2.住宅の入居差別について
 障害者の入居拒否、グループホームに対する入居拒否や追出し等の差別が相次いでいることから、差別解消と宅建業指導、安心居住担当が連携して、家主・宅建業者・保証業者等に対する啓発チラシやマニュアルを作成し、障害を理由に入居拒否してはならないことのみならず、典型的な差別事例と、どのような合理的配慮を提供すべきかを併せて示す実効性ある研修・啓発を進めること。
 また、実際に入居差別が発生した際には、府として調査・事業者指導を行うとともに、家主に対してもセーフティネット住宅等の啓発と併せ、障害者の受け入れを積極的に働きかけること。
(回答)
 障害者差別解消法では、障がいを理由として、正当な理由なくサービスを提供しないことを「不当な差別的取扱い」として禁止しています。
 また、大阪府では今年4月から「大阪府障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例」を一部改正し、事業者による合理的配慮の提供を義務化しました。
 条例の改正に伴って、その改正内容をお知らせするチラシを作成するとともに、大阪府障がい者差別解消ガイドラインを改訂し、これらを事業者団体等に配布することにより、周知啓発を進めています。
 また、建築部とも連携し、宅建事業者も参加する研修会等に出講し、法や条例の理念や事例等についての周知を行っています。
 今後とも誰もが暮らしやすい共に生きる社会を作ることを目指した取組みに努めてまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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