大阪府広域自治制度に関する研究会
第11回会合 (H20.7.31) 論点整理
1 財政調整制度のあり方について
(1)中間州の設定
- 道州を財政力等によって、強力(富裕)州、中間州、弱体(困難)州に分け、
中間州を制度の基準に考えることが妥当ではないか。 - 中間州は財政力指数で言えば0.5 前後、ひとり当たりの地方税収額の指数でいうと
90(全国平均=100)くらいを目安に考えることが可能。 - 基本的には、財政調整制度の制度設計をできるだけシンプルにし、
強力州と弱体州の間の調整を国ではなく、中間州が担うという考えでよいのではないか。 - そのためには中間州がマジョリティを形成し、相互の協力・協調関係を構築する必要がある。
- 関西は日本の中で重要な役割を担う中間州としての責任を果たす必要がある。
特に大阪府には、関西がその中間州となるべく各府県をまとめる立場にある。
(2)制度設計の考え方
- まずは税源移譲によって中間州の財政力を高め、
道州としての役割を財政的に自立して担うことができるようにする必要。
財政調整の対象は基本的には、強力州と弱体州に限定する。 - 国税(または地方との共同税)を原資に、各道州のひとり当たりの平均税収額まで保障するというやり方や、
消費税を国と地方の共同税とし、弱体州への配分比率を上乗せするというようなやり方もある。
(3)市町村間の財政調整
- 市町村間の財政調整においても、中間的な市町村が中心となって調整を担うということも考えられなくはないが、
現実には、市町村の数がなお多く、その組織力や財政力にもバラつきが大きいため困難ではないか。 - 現行の都道府県と市町村の関係を踏襲し、垂直調整を考える方が良いのではないか。
- 但し、弱体州には財政力の低い市町村が多く、道州が市町村に対して垂直的な調整を行うとすれば、
それも含めて道州間の財政調整を行うため、その規模を膨らませる可能性がある。 - 自助努力で運営する基準・範囲を明確にし、その範囲に納まる自治体が多数を占めるような仕組みにする必要。
(例:財政力指数が0.3から0.6 の市町村には実質的に差はないと考え、対象とはしない。)
2 税源のあり方について
- これまでの議論のとおり、国・道州・市町村の役割分担を明確にし、
それぞれの所要額を明らかにした上で税源の確保を考えることが基本。 - 先ずは市町村の役割に応じて、市町村から税源を配分し、
さらに道州・国の役割に応じて税源を確保していくという考え方でよい。 - 課税自主権は原則、各道州や市町村が自由に行使できると考えてよいが、
道州レベルでは法定外税を乱発すると、諸外国との交流を損なう可能性もある。
3 道州の執行機関・議会のあり方
≫ 現行の二元代表制について
- 二元代表制を採用している国は少なく、そのなかでも日本のそれは特異な仕組みとなっている。
すなわち、首長と議会の権限に重なる部分があり、
議会の権限を首長がひとりで代行できるがごとき制度となっている。 - 道州制の導入後、自治体の規模は相当大きくなることを考えると、
現行制度のままでは首長に権限が集中し過ぎるきらいはある。
≫ 望ましい制度のあり方
- 道州の執行機関・議会のあり方は道州ごとに異なる形でもよい。
考慮すべき事項をにらみながら、どういう仕組みがより良いのか各道州が政策的に判断する。 - 憲法93 条に規定する長と議員の直接公選さえ守れば、
そのほかは道州または市町村が自由に構成しても構わないのではないか。
(1) 現行制度を踏襲
(2) アメリカの大統領制に近い役割分担型の二元代表制
(3) 首長は象徴的な存在で、実際の行政運営は議会が担う議員内閣制的な制度
など様々な選択肢がある。 - 地方自治法に相当する法は、道州ごとに策定すればよい。
その際、道州の規範は出来る限り基本的な部分にとどめ、
各市町村がそれぞれの地域の事情に応じて執行体制をつくることができるようにすべき。
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政策企画部 企画室連携課 連携グループ