第11回 大阪府広域自治制度に関する研究会 資料1

更新日:2016年8月17日

大阪府広域自治制度に関する研究会
第10回会合 (H20.7.1) 論点整理

1 道州制下における大都市制度のあり方について

(1)大都市のみを特別な調整の対象とする理由は?

  • 道州と市町村の関係はイコール・パートナーが原則。また市町村間に差はない。
  • 大都市であれば事業規模も大きく、また高度な施策の実施も可能であり、
    都市圏の広がりも空間的に大きなことから、道州との総合調整は重要な課題となる。
  • そのため、政令市のような大都市については、一般の市町村よりも密度の濃い計画段階からの調整システムや、
    事務事業の広域的な共同処理を可能にする執行主体の設置などが必要となる。

(2)道州と大都市との政策の整合性確保

≫ 道州と大都市の政策を整合させる仕組み

  • 現行自治法レベルの仕組みにこだわる必要はない。
    また、道州と政令市が広域にわたる総合的な計画を共同して作成するようなあり方は現実には難しい。
    また、同意に至った計画がただちに法的拘束力を持ち、違約した場合は法律に基づく処分の対象になる
    ということにもならないのではないか。
  • むしろ、
    ・ 計画・戦略間の総合調整
    ・ 計画を具体化する段階での調整
    ・ 事業実施レベルでの調整、個別事業の許認可
    ・ 紛争が生じた場合の第三者による処理制度
    ・ 裁判
    など様々なレベルの調整があり、この調整プロセスへの参画だけは義務づけられているというイメージではないか。
  • 調整の過程は出来る限りオープンにし、相互に代案を出しながら「すり合わせ」で解決していくことが望ましい。

(3)そのほか

  • 大都市の取り扱いは難しいので、人口30 万人程度の基礎自治体になるよう分解してはどうかとの議論がある。
    道州と市町村の関係、市町村相互の関係を考えたときに、そのほうが扱い易いのではないか。
  • これまでの議論では、大都市を含む市町村自らの意思と責任で担うと判断した事務については、市町村に委ねる。
    但し、道州は関与も支援もしないことが基本。その延長で考えれば、政令市の規模やあり方を一方的に改変する
    という考えは馴染まないのではないか。

2 国の具体的な姿について

(1) あるべき国の姿

≫ 国直轄事業負担金のようなあり方はあってはならない。

  • 基本的には国土交通省を解体し、また農業土木系も含めて道州か市町村が担うということになれば、
    国直轄事業負担金のような問題は起こらないと認識。仕組み自体を無くすべき。
  • 道州と市町村の間で同様の制度を再生産してはならない。
  • 例えば、道州税として森林保護税を徴収し、中山間部の市町村に交付金として集中的に投下するようなあり方は
    考えられるのではないか。その際、徴税手続や交付額については道州と市町村が一緒になって決定していく仕組み、
    また交付額は客観的・外形的に明白な制度が必要になる。

≫ 国の地方支分部局の権限・財源とともにヒトも道州へ移管することになるのか。

  • 単に国の行財政改革を進めるために、国の支分部局の職員を全て道州へ移管するというのは疑問。
  • 国の仕事の内容やその進め方とも関係し、国の地方組織を完全になくすことは出来ないのではないか。
  • 道州の幹部職員を霞ヶ関からの出向者で占めるようなあり方は許してはならない。
    一方、国・道州・市町村間のコミュニケーションを進め、互いの調整をやり易くするためにも、
    人事交流は(対等な機関相互のものとして)積極的に進める必要がある。

(2)タテ割りの行政組織の克服

≫ 道州制の導入によって、現行の都道府県にあるようなタテ割りの行政組織は克服できるのか。

  • 道州になっても分担管理型の組織構造が残り、多少の「タテ割り」は生じるのではないか。
  • どのように政策の枠組みを決定していくのか、その仕組みが重要。道州であれ、市町村であれ、
    より住民に身近なところで政策について議論ができること、
    企画立案から実施までひとつのパッケージとして責任をもって決めることができる。
    それが道州制の意義ではないか。
  • 但し、実施に係る事業体のようなものは、切り離して考えてよい。国、道州、市町村それぞれのレベルで、
    独立行政法人や企業体など別の組織が実施を担うこともあり得る。
  • 技術系の専門職員など、小規模な自治体では単独で任用が困難な人材については、
    プールして活用するような組織を別に設けることも考えられる。

3 道州と一般の市町村との役割分担の調整

≫ 市町村の権限・財源をいたずらに大きくすることにならないか

  • 国も道州も軽くするというイメージで議論を進めてきたが、そうすると市町村は身動きがとれないほど
    重く・大きくなるという事態は考えられないか。
  • 市町村に事務を押し付けて交付税を支給するという従来のようなやり方ではなく、
    市町村自身が身の丈に合わせて、自らの責任で仕事を担うというのがあるべき姿。

≫ 国・道州・市町村間の役割分担の調整システム

  • 市町村自身がその意思で事務の選択を行うことを原則としつつ、市町村が選択をしなかった事務をどうするか、
    市町村の連合組織、道州、道州の連合組織、国と担うべき主体をどうするのかという議論を重ねていくシステムが必要。
  • 市町村相互、または市町村と道州の間に整合性(統一性)が必要な施策については、
    道州が市町村に一定の方針を押し付けるのではなく、市町村と道州が一緒に共通政策をつくる、
    そのためのルールを確立することで調整が可能ではないか。

このページの作成所属
政策企画部 企画室連携課 連携グループ

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