第11回 大阪府広域自治制度に関する研究会 資料3−1

更新日:2016年8月17日

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全国知事会第13回道州制特別委員会資料
平成19年10月30日

道州における税財政制度に関するプロジェクトチームの検討状況について

1 構成県

宮城県、東京都、富山県、京都府、和歌山県、兵庫県、島根県、広島県、香川県、徳島県、佐賀県(座長)

2 開催状況

平成19年3月8日 幹事会(PT会議を幹事会に変更)
平成19年6月4日 PT会議
平成19年8月28日 幹事会(PT会議を幹事会に変更)
平成19年10月12日 幹事会
平成19年10月30日 PT会議

3 概要

道州制における税財政制度については、どのような道州制を前提とするかによって、その内容が変わってくることから、検討を行うに当たっては、前提とする道州制の姿を仮置きする必要がある。
国と地方の役割分担をはじめとする道州制の基本的な制度設計に関わる事項については、道州制特別委員会本体や道州の組織・自治権に関するプロジェクトチームで検討されるべきものであるが、これと並行して税財政制度の検討を進めていることから、別添の税財政PT会議資料(検討資料1)の考え方に基づき、佐賀県で、2つのタイプの道州制の制度設計(仮置き)を作成し、それを議論の素材として、道州制における税財政制度についての議論を行っている。
具体的には、国と地方の役割分担に応じた自主性・自立性の高い地方税財政制度を構築するという観点から、

  1. 地方の役割に見合った地方税収を確保するとともに、自立性が高く偏在性の少ない地方税体系を構築するため、国と地方の税源配分を抜本的に見直し、国から地方への大幅な税源移譲を行うこと。
  2. 国から地方への税源移譲とそれに伴う税源の偏在是正は不可分であり、道州制においても、地方自治体の歳入を一定程度均等化するための財政調整が不可欠であることから、地方自治体間の人口、人口規模、面積などの違いを考慮して自治体間の公平性を確保するための新たな財政調整システムを構築すること。

について、議論を行っている。
この中では、特に、国による垂直的財政調整の取扱いや財源保障のあり方について、議論があるところであり、

  • 国による垂直的財政調整を行わないという考え方と、国による垂直的財政調整が必要ではないかという考え方
  • 各道州の人口1人当たり税収額の格差をなくすことを基本に人口規模や面積などを勘案して調整を行うことにより一定の税収額を保障するという考え方と、個別の財政需要を勘案すべきであるという考え方

がある。
この点については、地方自治体の財政的自立性をどこまで追求すべきか、財源保障のレベルをどの程度のものにすべきかといった観点から、更に議論を深めていくこととしている。

4 参考資料(10月30日第2回税財政PT 検討資料)

検討資料1 検討の前提とする道州制の基本的な考え方及び税財政制度の検討の方向性について
検討資料2 行政制度のアウトライン
検討資料3 税財政制度のイメージ

(検討資料1)検討の前提とする道州制の基本的な考え方及び税財政制度の検討の方向性について

1 検討の前提とする道州制の基本的な考え方

(国と地方の役割分担等)

(1)国の役割を、外交、防衛等、国が本来果たすべき役割に限定し、内政に関する事項については、原則として地方の役割とする。地方の役割とされたものについては、地方が決定権を持ち、企画立案から執行までを一貫して地方が行う。
(2)地方の自立的な運営を裏付ける税財政制度を構築する。

ア 国と地方の役割分担を明確にする。地方の役割とされた事項については、州又は市町村が責任をもって担い、国(市町村にあっては国又は州)の関与を受けないことを基本とする。
イ 国と地方の役割分担については、地方を優先する。州と市町村の役割分担については、市町村を優先する。
ウ 単に、規模が大きい、州の区域を越えるなどといった理由で、内政に関する事項を、国の役割とすることはない。
エ 国の役割については、法律で限定的に列挙する。
オ 国の役割とされたものについては、国が直接企画立案、執行することを基本とする。行政サービスの質の確保や効率性の観点から、必要最小限の範囲で地方に委託して実施することは考えられる。(例:戸籍、旅券、国政選挙など、市町村の住民登録、地方選挙などと関連する事務)
カ 地方の役割とされた事項について法令を定める場合は、その内容は基本的事項にとどめ、具体的な内容については地方の条例に委ねる。
キ 地方の役割に見合った地方税収を確保するため、税体系を抜本的に見直すとともに、国から地方への大幅な税源移譲を行う。また、税源移譲に伴う地方税の偏在を是正するため、新たな地方間の財政調整のしくみを構築する。

(州内の行財政制度のあり方)

(3)州内の地方自治制度、選挙制度、州と市町村の役割分担等は、それぞれの州において定める。
(4)州内市町村の安定的な財政運営を確保するための方策は、それぞれの州において定める。

ア 地方の役割とされた事項のうち、州の役割とするものについては、市町村優先の原則に基づき、州と州内の市町村が協議のうえ定めることとし、州の役割とすることにされた事項については、各州の条例で定め、それ以外の事項については市町村の役割とする。
イ 市町村の役割とされた事項について、州は条例により基準等を定めることができるが、その内容は基本的事項にとどめ、具体的な内容については広く市町村の条例に委ねる。
ウ 市町村の役割とされた事項に関する事務の補完は、市町村の組合で行うか、近隣の市町村への委託を基本とする。
エ 州内のことは州内で決めるという観点から、市町村間の財政調整の方法については、州と州内の市町村が協議して決める。

(全国的な統一性の確保)

(5)内政分野に係る全国的な統一性の確保は、一次的には州が担う責務とする。
(6)内政分野に係るものも含め、対外交渉は国が一元的に担う。

ア 単に、規模が大きい、州の区域を越えるなどといった理由で、内政に関する事項を、国の役割とすることはない。(再掲)
イ 地方の役割とされた事項について法令を定める場合は、その内容は基本的事項にとどめ、具体的な内容については地方の条例に委ねる。(再掲)
ウ 地方の役割に関わるものであっても、通商交渉、漁業交渉、地球温暖化対策の国際交渉などについての意思決定は国が行う。

2 税財政制度の検討の方向性

(1)税源移譲

道州制においては、道州が地域の特性に応じ、自己決定と自己責任のもとで政策展開できるよう、国と地方の役割分担に応じた、自主性・自立性の高い地方税財政制度を構築しなければならない。
地方の役割に見合った地方税収を確保するとともに、自立性が高く偏在性の少ない地方税体系を構築するため、国と地方の税源配分を抜本的に見直し、国から地方への大幅な税源移譲を行う。

(2)財政調整

国から地方への税源移譲とそれに伴う税源の偏在是正は不可分であり、道州制においても、地方自治体の歳入を一定程度均等化するための財政調整が不可欠である。
このため、地方自治体間の人口、人口規模、面積などの違いを考慮して、自治体間の公平性を確保するための新たな財政調整システムを構築する。
ただし、国の地方に対する義務付けや関与をなくす(少なくとも大幅に縮小する)ことや、国から地方への大幅な税源移譲を行うことから、財政面における国の関与は大幅に縮小することになる。

(検討資料2)

行政制度のアウトライン(Type H)

  • 可能な限り国、州、市町村の役割を切り分け、それぞれのもたれあいの関係をなくす。
  • 国、州、市町村それぞれの役割とされた事項については、それぞれが決定権を持ち、企画立案から管理執行までを一貫して担うことを基本とする。
  • 内政に関する事項については、地方の役割とすることを基本とする。全国規模や全国統一的に行う事務、高度な試験研究等は、地方自治体が共同で担う。
  • 国から地方、州から市町村への補助金等は廃止する。

行政制度のアウトライン(Type M)

  • 国と地方の共管事項がある。共管事項については、国が制度設計や企画立案し、地方が執行する。
  • 共管事項以外については、国、州、市町村それぞれが決定権を持ち、企画立案から管理執行までを一貫して担うことを基本とする。
  • 内政に関する事項であっても、全国規模、全国統一的に行う事務、高度な試験研究等は、国の役割とする。
  • 国から地方、州から市町村への補助金等が残る。

(検討資料3)

税財政制度のイメージ(Type H-1)

  • 地方が担う役割に見合う地方税収を確保するように国と地方の税源配分を抜本的に見直す。
  • 新・地方共有税(仮称)の配分を通じて地方間の財政調整を行う。補助金等は廃止する。

税財政制度のイメージ(Type H-2)

  • Type H-1をベースに税収総額を変えずに所得税を減税して消費税の税率を5%から10%に変更

税財政制度のイメージ(Type M)

  • 地方が担う役割に見合う地方の税収を確保するように国と地方の税源配分を抜本的に見直す。
  • 国地方共同税(仮称)で、共管事項の財源確保、地方の税収の総額確保、地方間の財政調整を行う。補助金等が残る。

このページの作成所属
政策企画部 企画室連携課 連携グループ

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