第10回 大阪府広域自治制度に関する研究会 資料1

更新日:2016年8月17日

大阪府広域自治制度に関する研究会
第9回会合 (H20.6.3) 論点整理

1 国・道州・市町村の役割分担について

(1)道州と市町村間の関係のあり方

≫ 市町村の政策や意思決定に道州がどのように関わるか。
  • 原則として市町村自治を前提に議論を進める必要。
  • 道州の条例・計画(の策定過程)に市町村がどのように参画するかを考えると同時に、
    市町村の条例・計画(の策定過程)に道州がどのように参画するかも考える必要がある。
  • 道州の政策決定プロセスに基礎自治体がどのように関わるかについて、個別の政策ごとに関わる方法と、
    基礎自治体の連合組織や統一組織のようなものが道州のなかに組み込む方法がある。
  • 逆に、市町村の総合計画を策定する審議会に道州の職員が参加をする、といった対応も考えられる。
⇒ 道州と市町村の双方向の議論の場を、道州制の制度上位置づけることが必要。

(2)全国的な共通性の必要な事務を如何に位置づけるか

≫ 「国の専管事務」と「全国共通事務」をどう整理するか。
  • 国でしか対応できないもののみを国に残すという考え方に沿って、国の専管事務は限定列挙をし、
    それ以外で全国統一した方が望ましいものについては、全国共通事務として整理すべきではないか。
  • 市町村や道州の執行可能な事務から考えていくと、外交であっても一部を道州が担う、
    つまり国の専管事務と考えられていたものが一部消滅していく。
    この考え方で議論すれば、国の仕事と思われていたものが大幅に変わる可能性がある。
  • 純粋な国の専管事務とは、国有財産管理くらいになるのではないか。
≫ 道州間の対応のバラつきは問題にならないか。
  • ひとつの事務に対して、すべき・すべきでないという意見が道州間で分かれれば、
    原則的にはその事務は全国共通事務とはならない。
    一方、現実には全国共通事務の土台は現行の法律制度でできているので、
    それを(道州間の)全国協議のなかで組み立て直すことになるから、大きな問題は生じないのではないか。
  • 道州間で利害が対立するものについては、多数決によって合意形成を図ることも方法のひとつではないか。
  • 北海道から沖縄まで全国共通というものについては、基本方針とか枠組みだけの共通政策を策定するのを原則とし、
    隣接する道州間で施策の整合を図るものについては、ある程度執行基準や執行手続を統一するというイメージではないだろうか。
≫ 道州間で同意できないものは、国の事務として託すことになるのか。
  • 道州間で協議が成立しないから、直ちにその事務を国が担うということではなく、
    幾つかの道州がその事務を担いたいと考える場合も想定できる。
    しかし、統一性のないことが住民にとって果たして良いものか。
  • 国の専管事務を限定列挙した場合、それに抵触するような形で国が地方に関与してきた場合、
    司法に判断を委ねる選択肢も用意すべきではないか。
  • 道州間の協議でまとまらないものは国に返す、という考え方は望ましくない。
    その一方で、国の手に負えないような事務ばかりを移譲されることも避ける必要がある。
    国の事務を何でもかんでも移譲することが、道州制の目的ではない。
    国が果たすべき責務は多くあるということも考える必要がある。
  • 国がすべきことを道州や市町村に押し付けるのは望ましくない。
    国の事務は企画立案から管理執行まで全て国が担う、という発想は重要。
    その点、「地方委託事務」は望ましいものではない。
⇒ 企画立案と管理執行は一体化した上で、国と地方の役割分担を考えるのが原則。
 また、国の責務として国が行う事務があってもよい。
≫ 道州(市町村)の事務として、一律に義務づけることはしないのか。
  • 国・道州・市町村間で適宜、役割分担を変えていくための協議の仕組みが必要になるのではないか。
    その仕組みに参加すること自身は義務となる。
  • 例えばある事務の執行基準について、市町村の自治に委ねるか、道州の範囲で基準を決定するか、
    あるいは国に委ねるかは、ボトムアップ型の積み上げで議論をしていくことになる。
  • 各市町村の競争となるのか、調和を図るのかは市町村の判断が優先される。
  • 実際には、現行の法律や義務付けがあり、一定の国民的なコンセンサスもあることから、
    現行制度を変えるときにボトムアップで決めていくという手続きになる。
  • 但し、国際社会のなかで取り決めが変わり、国から制度変更の提案を行う必要が生じたときにどうするか、
    という問題は残る
  • 警察や消防など危機管理に関わる事務は例外的に考えた方がよい。
  • 資料に河川管理の例が示されているが、従来型の発想のなかで国がこれまで担ってきた事務を、
    単に道州に移譲しているだけに思える。
    市町村を優先したボトムアップのなかで、河川管理の役割分担を決めていく、
    そういうダイナミックなイメージを示して欲しい。

(3)国・道州・市町村間の事務の再配分プロセス

  • まず市町村という身近な自治のなかで何を解決していこうとするのか、市町村の連携のなかで何が解決できるのか、
    それが出来ないときに道州がどう解決するのかを考えなければならない。
  • 道州の事務になるとしても、その事務を道州が囲い込むのではなく、オープンな調整システムを内在させることが必要。
  • 道州と国との関係でも同様。
    常に、市町村や道州の側から政策提案や制度改革の提案、企画立案と管理執行のあり方の
    組み換えができるような仕組みが必要。
  • 結果的には、資料のような事務配分になるだろうし、また、現状から変えていくということになるため、
    現実のステップとしてはそう難しくならない。
⇒ 現行法での枠組みを出発点に、国・道州・市町村間のオープンな調整システムを通じて、
事務の再配分や全国的な共通性の要否を決定するようなプロセスを想定する。

このページの作成所属
政策企画部 企画室連携課 連携グループ

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