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全国知事会(平成19年12月19日)資料
平成19年5月30日、地方分権改革推進委員会の「地方分権改革推進に当たっての基本的な考え方」において、国の地方支分部局等の廃止・縮小の方針が示され、同委員会は、地方分権改革の重要課題として国の地方支分部局の整理に取り組む姿勢を、明確に打ち出した。そして、6月5日に行われた地方分権改革推進委員会と地方六団体との意見交換会では、丹羽委員長から、地方支分部局の整理についての考え方を提示するよう要請されたところである。
地方六団体及び全国知事会は、かねてより、国の地方支分部局の整理は、地方分権改革と国・地方を通じた行財政改革の双方を実現させる手段として、第二期地方分権改革において最重点で行われるべき課題の一つである旨を主張してきた。7月25日には全国知事会として、9月18日には地方六団体として、それぞれ同委員会に対し、「地方支分部局の整理に関する基本的な考え方」を提示し、地方支分部局の整理を推進するよう要請したところである。その一方で、国の地方支分部局に関する情報が極めて乏しいため、詳細な情報提供を求めたものである。
これを受け、同委員会では、各府省に対し調査を行い、10月10日に調査結果を公表するとともに、地方六団体及び全国知事会に対し、各論に立ち入った具体的な見直しの検討を行い、同委員会に提案するよう改めて文書による要請があった。
我々としては、この要請を真摯に受けとめ、限られたデータなど様々な制約がある中において、各分野別プロジェクトチーム(PT)で精力的に検討を重ねてきたところである。
今般、各PTからの検討案が示されたところであり、今後これをもとに取りまとめを行い、全国知事会として提言していくこととする。
(1)地方支分部局の整理に関する基本的な考え方
全国知事会においては、去る7月25日に「第二期地方分権改革」への提言を取りまとめ、「地方支分部局の整理に関する基本的な考え方」を示した。さらには、地方六団体としても、9月18日に、「地方支分部局の整理に関する基本的な考え方」を取りまとめたところである。これらで示した基本的な考え方をベースにした、地方支分部局の整理の基本的な考え方は以下のとおりである。
ア 地方支分部局の事務・権限等については、まず、その必要性について十分な精査を行い、不要な事務・権限等は廃止したうえで、さらに仕分けを行い、民間でできること、民間が行うに相応しいことは民間に委ねることとする。このような事務・権限等の精査を行い、なお実施すべきものについては、地方分権の視点から、地方が行うべきもの、地方でできることは地方で行うという考えのもとで、国と地方の役割分担の明確化を図ったうえで、地方に対して事務・権限等とそれに必要な財源とを一体的に移譲すべきである。(なお、この場合の「権限」とは、
地方支分部局の事務執行の権限だけでなく、中央府省が有する地方支分部局の事務に関する企画立案等の権限も含まれる。)
イ 地方支分部局については、アの基本的な考え方に基づき、さらには国と都道府県の二重行政の解消等による行政のスリム化を図る観点から、以下の基本方針に従って、廃止、縮小すべきである。
○都道府県単位の地方支分部局については、原則廃止
○ブロック単位の地方支分部局については、地方でできるものは廃止
○ただし、以下の組織については、合理化を図ったうえで残す
ウ 地方支分部局の廃止、事務・権限等の地方への移譲に伴う国の職員については、まず、組織・事務の徹底した合理化を進め、その上で、地方として、必要な人員の受け入れについて、協力をするものとする。
(2)留意事項
上記の基本的な考え方に基づき、各地方支分部局を整理するものであるが、
といった前提のもとで、可能な限り、詳細な見直し案を検討するものである。
国の地方支分部局のあり方について、各PTごとに検討した結果は、以下のとおりである。
1 福祉分野PT
2 環境分野PT
3 産業分野PT
4 まちづくり分野PT
5 教育分野PT
6 災害その他分野PT
7 災害その他・環境・産業・まちづくり分野PT
【以上、別紙1参照】
(1)移譲すべき業務に係る職員数の試算
今回の検討対象の地方支分部局の職員数(国家公務員)は、地方分権改革推進委員会の調査によれば95,901人(ブロック単位機関23,262人、都道府県単位機関72,639人)であるが、そのうち地方に移譲すべき業務に係る職員数は最大で約75,000人(ブロック単位機関約15,000人、都道府県単位機関約60,000人)であり、廃止すべき国の関与関係業務に係る職員数は約1,000人となった。
地方に移譲すべき業務に係る職員数は、移譲の検討を具体的に進めるに際して、地方側と十分な協議を行いながら、詳細に検討していくべきであるが、二重行政の解消による業務の見直しや、徹底的な組織等の見直しなど大幅な合理化を図ることを前提に、一定の条件のもとに試算を行った場合には、必要な職員数は約55,000人(ブロック単位機関約11,000人、都道府県単位機関約44,000人)という計算となる。
【別紙2参照】
なお、これに加え、地方に移管しないものを含め、地方支分部局を整理・合理化することによって、さらなる大幅な人員の削減が可能であると考えられる。
(2)移譲すべき財源の試算
上記(1)によって試算した職員数に必要となる人件費相当額と、現在、地方支分部局で実施している事業の移管に伴い必要となる事業費相当額を、一定の条件のもとに試算すると、人件費は約7,000億円(合理化による試算の場合は約5,100億円)、事業費は約2兆6千億円となる。
【別紙3参照】
※地方支分部局の現行の機関総数3,242 機関(ブロック単位92、都道府県単位3,150)
うち、廃止(統合含む)対象2,581 機関(ブロック単位48、都道府県単位2,533)
(図表略)
(注)
○ 地方整備局及び北海道開発局の検討においては、道路及び河川について、真に国が責任を持つべき範囲について明確になっていないため、本来であれば分類は不可能であるが、便宜的に、道路については全ての一般国道を地方に移譲する仮定のもとに、河川については単一の都道府県で完結する河川の全てを移譲する仮定のもとに分類した。
なお、高速自動車国道に関する組織は国に残すべきであるが、部署等が不明のため、便宜的に地方に移譲する仮定のもとに分類した。
○ 地方整備局及び地方航空局の検討においては,空港の設置・管理について,各空港が果たしている役割・機能を踏まえた再整理がなされておらず,国際的及び広域的かつ基幹的な国内外の航空ネットワークを形成する空港の範囲が明確になっていないため,第二種A空港については全て地方に移譲する仮定のもとに分類した。
※地方支分部局の現行の職員数95,901名(ブロック単位23,262名、都道府県単位72,639名)
移譲対象業務に係る職員数75,010名(ブロック単位14,801名、都道府県単位60,209名)
(合理化後に移譲する試算の場合55,106名(ブロック単位10,710名、都道府県単位44,396名)
(図表略)
(注)
○ 地方移譲対象業務に係る人数の検討に当たっては、地方分権改革推進委員会から提供のあったデータをもとに、各地方支分部局の組織ごとの業務の仕分けを行い、(1)地方との二重行政の解消や関与の廃止等により消滅する事務、存続すべき事務については、(2)国に残すべき事務、(3)地方に移譲すべき事務のうち権限移譲によって新たな事務が発生するもの、(4)地方に移譲すべき事務のうち既に地方でも同様の業務を行っているもの、(5)地方に移譲すべき事務に係る内部管理・総務関係業務に、それぞれを分類し、そのうち地方に移譲すべき事務((3)、(4)、(5))に係る職員数を、さらに合理化して地方に移譲するという考え方から積算している。
○「合理化削減」は、合理化による職員削減数を試算したものである。
○「国残留」には、国に残すべき事務に係る職員数と、今回は具体的な検討まで行わなかった国庫補助負担金業務に関わる職員数も含まれる。
○ 地方分権改革推進委員会からのデータの各組織において、複数の業務が存在している場合、主たる業務によって判断することを基本にしているが、明らかに別々の業務が混在している場合は、適宜、職員数を分割して分類した。
○ 地方整備局及び北海道開発局の検討においては、道路及び河川について、真に国が責任を持つべき範囲について明確になっていないため、本来であれば分類は不可能であるが、便宜的に、道路については全ての一般国道を地方に移譲する仮定のもとに、河川については単一の都道府県で完結する河川の全てを移譲する仮定のもとに分類した。
なお、高速自動車国道に関する組織は国に残すべきであるが、部署等が不明のため、便宜的に地方に移譲する仮定のもとに分類した。
○ 地方整備局及び地方航空局の検討においては,空港の設置・管理について,各空港が果たしている役割・機能を踏まえた再整理がなされておらず,国際的及び広域的かつ基幹的な国内外の航空ネットワークを形成する空港の範囲が明確になっていないため,第二種A空港については全て地方に移譲する仮定のもとに分類した。
〔別紙3〕事業経費の移譲額(補助事業分を除く)の試算(概算)
※地方支分部局の現行の事業経費111,831億円(ブロック単位59,504億円、都道府県単位52,327億円)
うち、地方へ移譲する事業経費25,940億円(ブロック単位522億円、都道府県単位25,418億円)
(図表略)
(注)
○ 国庫補助負担金の整理合理化と合わせて検討されるべき国庫補助事業分については、今回は除外している。
○ 内訳の人件費の金額が不明なもの、国直轄事業費に含まれる地方負担分が不明なものが多くあり、また、各業務ごとに経費が算出されずに事業もしくは会計ごとの決算額しか示されていないため、各事業費と事業を執行・管理する組織の関係が不明であることなどの理由から、今回の事業費の積算は、かなりの部分が類推に依らざるを得なかった。
○ 人件費が事業費の中に含まれるもので、その内訳が不明なものについては、人件費単価を840万円(「平成18年地方公務員給与の実態」調査結果(総務省)等から都道府県一般行政職平均値の期末勤勉手当、共済負担金を含めた給与等単価を試算したもの)と想定して計算している。
○ 国直轄事業費に地方負担分も含まれているものについて、その内訳が不明なものについては、事業費の3割を地方負担分として想定計算し、地方への移譲額から除外している。
○ 地方分権改革推進委員会からのデータでは、各業務ごとに経費が算出されずに事業もしくは会計ごとの決算額しか示されていないため、事業を執行・管理する組織(職員数)を類推し、地方移譲対象の職員数の割合によって事業費を推計している。
○ 地方整備局及び北海道開発局の検討においては、道路及び河川について、真に国が責任を持つべき範囲について明確になっていないため、本来であれば分類は不可能であるが、便宜的に、道路については全ての一般国道を地方に移譲する仮定のもとに、河川については単一の都道府県で完結する河川の全てを移譲する仮定のもとに分類した。
○ 地方整備局及び地方航空局の検討においては,空港の設置・管理について,各空港が果たしている役割・機能を踏まえた再整理がなされておらず,国際的及び広域的かつ基幹的な国内外の航空ネットワークを形成する空港の範囲が明確になっていないため,第二種A空港については全て地方に移譲する仮定のもとに分類した。
○ なお、本文の、移譲業務に対応する職員数を基にした人件費相当額の積算に当たっては、人件費の単価を、「平成18年地方公務員給与の実態」調査結果(総務省)等を用いて、都道府県一般行政職平均値の期末勤勉手当、共済負担金に、退職手当も含めた約930万円とした(光熱水費、ネットワーク使用料、事務机、パソコン等の運営経費は含まず)。
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政策企画部 企画室連携課 連携グループ
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