平成5年度大阪府統計年鑑 第13章 金融(解説)

更新日:2013年2月12日

平成5年度大阪府統計年鑑

概況

 平成4年度の日本経済は国内景気の調整色が一段と深まる中、金融緩和政策が継続され、年度中3 次にわたり公定歩合の引き下げが実施された。この結果、公定歩合は2. 5%と史上最低水準にまで低下した。
 一方、マネーサプライ【M2(現金要求払い預金と定期性預金の和)+CD(譲渡性預金)】については、平均残高で、9月に統計開始(昭和42年)以来、初の前年割れを記録するなど低迷状態を続けた。
 金融自由化については、昭和60年7月「市場アクセス改善の為のアクションプログラムの骨格」において、大口定期預金金利規制の緩和及び撤廃、MMC、CDに関する規制の緩和について具体的なスケジュールが打ち出され、それに沿って自由化がすすめられてきた。平成4年度では6月に小口MMCの最低預入金額が廃止され、期日指定定期預金を除く規制定期が廃止された。また、流動性預金において新型の貯蓄預金が導入された。さらに短期金融市場では、7月に手形先日付取引が開始されたほか、1年物ユーロ円金利先物が上場された。
 一方、金融制度改革に関しても、業態別子会社方式による業務の相互参入を柱とする金融制度改革法が6月に成立した。
 証券取引では、大阪証券取引所で昭和63年9月から、先物取引(日経225先物)、平成元年6月からはオプション取引(日経225オプション)がスタートした。

預金

 預金については、昨年度に比べて実質で4.4%減少した(大阪銀行協会社員銀行)。最近の伸び率をみると昭和63年度の25.4%増をピークに平成2〜4年度は1. 7%増、2.6%減、4.4%減と低調な伸びとなっている。

貸出

 貸出金利の大幅な低下(全国銀行の新規貸出約定平均金利 平成4年初6.45%→平成5年3月4. 53%)にもかかわらず、金融機関貸出が低迷状態を続けたことが今次金融緩和局面での大きな特徴となった。

株式市場

 株式市場は、年初、第3次公定歩合引き下げやニューヨーク株式の最高値更新などを背景に大幅高で始まったが、2月に入り証券不祥事や決算対策売りなどが重なり厳しい相場展開となった。4月には第4次公定歩合引き下げにもかかわらず、250種修正株価平均が1万9000円台を割り込んで、5年半ぶりの低水準にまで落ち、売買高も昭和33年7月来の低水準を記録するなど急減した。その後も低迷を続け、8月には本年最安値の1万5537円を記録した。9月には2万円台に回復したものの、一進一退で推移しながら年末にかけては景気の先行き懸念が強まって軟調を重ね、大納会も低調裏に終了した。
 こうした中、年間の売買高は121億株で、前年比9.7%の増となったものの、昭和63年の約1/3程度の売買高にとどまった。
 市場開設5年目をむかえた日経225先物市場は、厳しい取引状況となり、年間の総取引高は1193万単位(前年比44.9%減)、取引契約金額は219兆8716億円(同59.0%減)とほぼ前年の半分の市場規模にとどまった。
 また、4年目をむかえた日経225オプションも前年比でマイナス21.8%となる926万単位の取引きとなった。

企業倒産

 平成4年の企業の倒産件数は府内で1914件(前年比36.8%増)、負債額1兆3915億円(同12.1%減)となった。
 ※負債1000万円以上、内整理その他を含む。

このページの作成所属
総務部 統計課 分析・利活用促進グループ

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