平成元年度大阪府統計年鑑 第22章　衛生（解説）

　昭和63年の医療施設総数は１万1518施設で、前年に比べ215施設の増加である。これを種類別にみると、病院総数は625施設で、そのうち一般病院が583施設（構成比93.3％）で大半を占め、以下、精神病院41施設、結核療養所１施設の順となっている。なお、人口10万対の病院数は7.1、一般病院で6.7、1施設当たりの人口は、病院総数で１万4002人、一般病院で１万5010人である。また、一般診療所数は6719施設で、前年に比べ89施設の増加、人口10万対の一般診療所数は76.8で、１診療所当たりの人口は1302人である。歯科診療所数は4174施設で、前年に比べ111施設の増加、人口10万対の歯科診療所数は47.7で、１診療所当たりの人口は2097人である。
　全施設の病床数は12万9068床で、前年に比べ7208床（5.9%）の増加である。人口10万対の病床数は1474.9床で、全病床数のうち93. 8％が病院、6.2％が一般診療所の病床である。また、一般診療所の病床を含めた一般病床が80.0%で最も多く、以下、精神病床が16.7％、結核病床が2.7％の順となっている。

　昭和63年中の本府の死亡数は5万704人、10分22秒に１人亡くなったことになる。人口千対の死亡率は5.9で全国(6.5)でも低い方である。
　主要死因別の順位をみると、第１位は悪性新生物１万4657人(構成比28.9)、以下、心疾患１万217人(同20.2％)、脳血管疾患6127人(同12.1%)、肺炎及び気管支炎4254人(同8.4％)、不慮の事故及び有害作用1575人(同3. 1％)の順となっている。

　本府における公害問題は、昭和40年代に深刻な様相を呈するようになったが、事業者および関係者の理解と協力のもと、各種の公害防止対策を推進してきた結果、全般的には改善の傾向がみられるようになってきた。
　しかしながら、窒素酸化物による大気汚染、一部の河川や大阪湾の水質汚濁などが解決すべき課題として残されている。さらに、交通公害問題や近隣騒音問題など日常生活に起因する都市・生活型公害や廃棄物問題などが重要な課題となっている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　なお、63年度の本府及び市町村に寄せられた公害苦情件数は5226件で、騒音が最も多く2149件（41.0％）、次いで大気汚染が1001件（19.2％）となっている。