令和5年7月26日 戸越銀座商店街連合会 東京都品川区
戸越銀座商店街連合会(以下、戸越銀座商店街)は東急池上線の「戸越銀座駅」に接する、全長約1.3kmにわたる東京で一番の長さを誇る商店街です。
戸越銀座商栄会商店街振興組合、戸越銀座商店街振興組合、戸越銀座銀六商店街振興組合の3つの商店街振興組合で構成されています。約350店が軒を連ね、 平日の通行量は2万人以上、さらに土・日は国内外からたくさんの人々が訪れ、食べ歩きや買い物を楽しんでいます。
これまでに「とごしぎんざブランド事業」など、全国のロールモデルとなる様々な活性化策を打ち出してきた戸越銀座商店街では、新しい時代の商店街として今後さらに組織力を高めていくために、デジタルトランスフォーメーション(DX)に挑戦しています。
同商店街の課題は、高齢化や人材不足、多数の組合員との合意形成において重要となる確実で迅速な連絡手段がないこと。そして従来のアナログな通行量調査では、正確なデータとしてプロモーションなどに反映が難しいことです。
これらの課題を地元IT企業と共有するところから、DXの取組みは始まりました。令和元年に品川区からの助成金を得て、商店街とIT企業が独自開発した電子回覧板とAIを活用した人流測定がスタートしました。
電子回覧板を実施する上でハードルとなったのが、組合員の高齢化とITスキルの差でした。せっかくの便利ツールも利用されてこそ。「最初に一軒一軒店舗を回り、丁寧に周知しました」と戸越銀座商店街連合会の亀井哲郎さんは当時を振り返ります。現在では組合員の8割がアプリをダウンロードし、日々活用しています。
人流測定では、4台のAIカメラを3つの商店街に設置。エリア毎・24時間365日の正確なデータを収集できるようになりました。データは週に1度、電子回覧板で組合員に配信され、各店舗のマーケティングなどに活用されています。
また、この人流データをもとに「密カレンダー」としてデジタルサイネージで表示するなど、新型コロナウイルス感染症流行下でも密回避ができ、安心して来街してもらえる環境を作ることができました。現在も、混雑状況の可視化により、来街者に快適な買い物を楽しんでもらうことに大いに役立っています。
令和4年末からはさらに電子回覧板と人流測定を利用し、「まちカレンダー」という企画にも取り組んでいます。毎日リアルタイムな各店舗のお得情報や新商品のお知らせ、求人、地域の話題まで、幅広く発信しています。
現在商店街の公式LINEのともだち登録数は3,000人を超えており、まちカレンダーの情報を見た利用者からは「お得に買い物ができて嬉しい」など評判も上々で、リピーターも増加しています。加えて、同商店街では新たに、電子回覧板と人流測定、まちカレンダーを活かした「防災まちづくり」を進めています。
「地域の中心にあるからこそできることを考え、これからも『商店街』として存続していくためには、いかに地域に貢献できるかということに尽きると思います」と語る戸越銀座商店街連合会の亀井さん。商店街発のDXは、地域に有用なツールとして広がっています。
戸越銀座商店街オフィシャルWebサイトはこちら(外部サイトを別ウインドウで開きます)
「まちカレンダー」コンテンツ閲覧ページ(スマホでの閲覧推奨)はこちら(外部サイトを別ウインドウで開きます)
多くの来街者で賑わう戸越銀座商店街
(左側画像)戸越銀座商店街の4カ所に設置されているAIカウンター内蔵カメラ
(右側画像)デジタルサイネージに流れる混雑時間のお知らせ
回覧版アプリ画面のスクリーンショット
(左側画像)1週間ごとに配信される人流測定結果
(右側画像)電子回覧板のお知らせ
このページの作成所属
商工労働部 中小企業支援室商業振興課 商業振興グループ
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