特色ある学校づくり「大阪府立貝塚高等学校」(きょういくニュース 第242号 4ページ)

更新日:2022年6月1日

大阪府立貝塚高等学校

所在地:大阪府貝塚市畠中1丁目1番1号
電話番号:072-423-1401
ホームページ:大阪府立貝塚高等学校(外部サイト)

 貝塚高等学校は、昭和16年(1941年)に、大阪府泉南郡貝塚実業学校として創設され、その当時から「質素堅実」「敬愛互助」の校訓を掲げてきました。当時の泉州地域は、繊維工業を中心に産業が発達しており、地域産業の担い手の育成を期待されての開校でした。その後、昭和24年(1949年)に大阪府立貝塚高校となり、全日制普通科だけでなく、農業科(のちの園芸科)や、全国的にも珍しい隔週定時制の家政科を併設し、地域に根ざした多様な学びを実践してきました。
 平成16年(2004年)に総合学科がスタートするとともに、普通科、園芸科、隔週定時制の家政科は順次その歴史を閉じ、現在、全日制総合学科の高等学校となっています。
 平成18年(2006年)からは、知的障がい者自立支援コースを設置しています。平成27年(2015年)には、隔週定時制時代に使用していた本館を建て替えて、正門付近も新しくなりました。
 令和2年(2020年)には創立80周年を迎えました。

校舎外観の写真
新しくなった本館と正門
マスコット2体の写真
スクールマスコット「かい君とシェル子ちゃん」

教育目標など

 本校は、地域のニーズやグローバル化する社会の要請に応えるべく、次の4点を教育目標に掲げ、地域を支え次代をリードする人材の育成、卒業時の進路希望の実現率100%をめざします。

  1. 多様な学びを通して能力を伸ばし、自らの将来を展望して、目標達成に向かう自己実現力を育む。
  2. 急速に変化する社会の中で、広い視野を持って、自らの役割を見出し、活躍できるよう「自主、自律、創造」の力を育む。
  3.  知識や経験を身につけることで様々な困難に立ち向かっていく自信と誇りを持つとともに、 他者を理解し、協働できる寛容な心を育む。
  4.  学校と地域が教育資源と社会資源を相互活用することで交流を推進し、一層地域に信頼され愛される学校をめざす。

「多様性」

 本校のポイントは、総合学科ならではの「多様性」です。この多様性には2つの意味があります。

(1) 多彩な選択科目に裏付けられた「学びの多様性」
 幅広い選択科目の中から生徒が自ら選択し、学ぶという、生徒の個性を生かした主体的な学習を重視しています。 本校では、生徒一人ひとりの興味関心や進路選択に合わせて科目が選べるよう、科目をグループ化した9つの「パック」を設定しています。(「農業」、「保育」、「福祉」、「情報ビジネス」、「食」、「看護・医療」、「理数」、「文系進学」、「総合」)
 「農業」、「保育」、「食」は、農業科・家政科があった本校の強みを生かした分野です。

ポスターを作成する生徒の写真
「情報ビジネス」パック
多文化研究:調べたことをまとめています
化学実験をする生徒の写真
「看護・医療」パック
化学:化学反応の量的関係の実験
沐浴実習をする生徒の写真
「保育」パック
子どもの発達と保育:沐浴実習

(2) 様々な生徒が学ぶ「個性の多様性」
 本校生の将来の進路希望は、大学・看護学校・専門学校・就職など、多岐に渡ります。それぞれのパックで学んだことを生かして、それらを実現できるのが本校の強みです。1年次から充実したキャリア教育を実施するとともに、学んだことを積極的に発表する機会を多く設けることで、進路を実現につなげています。
 本校には知的障がい者自立支援コースも設置しています。多様な生徒たちが、お互いの個性を認め合い、相手を尊重する気持ちを大切にして、ともに学び、ともに育つことを大切にしています。人権学習にも体系的に取り組んでいます。

教室の風景写真
自立支援コース生とともに学ぶ様子
サポートの教員がついています
講演会の写真
人権学習の講演
テーマ「性の多様性」
キャリア教育の全体写真
キャリア教育
大学や専門学校の先生による支援
調理の体験写真
キャリア教育
専門学校の先生による体験授業

スライドの様子生徒による報告舞台上に並ぶ生徒たちの写真劇の写真
展示作品の写真展示作品の写真

上段:「貝高フェスタ」での発表の様子
下段:展示もあります

農業の授業

 本校は、総合学科の多彩な学びの中で、専門教科「農業」を学ぶことができる、本府に2校しかない学校の1つです。1000坪の広さの実習農場が、学校から800mくらい離れた「飛び地」にあります。
 農業の授業は、野菜や草花の栽培、加工、販売の実習に加え、調理の専門学校と連携した「エコフィードプロジェクト」や、貝塚市の「花いっぱい運動」のプロジェクトにも取り組んでいます。これらの実習は、社会に出たときに必要なコミュニケーション力の育成にも役立っています。
 令和4年2月には、JA共済の地域貢献活動の一環として、JA大阪泉州からパイプハウス(ビニールハウス)の寄贈を受けました。現在、水ナスやトマトなどの栽培に活用しています。
 農業科の取組みは「地域を支え次代をリードする」という本校の目標の実現に大きく貢献しています。地域の幼稚園児を招待しての芋ほりや、本校で栽培した農作物や草花などを近隣の方々に販売をする「A−のう祭」などのイベントもあります。「貝塚高校生が育てた野菜だからぜひ買わせてほしい」と毎年お越しになる方もいらっしゃいます。
 今後も地域に愛される貝塚高校をめざしていきます。

パイプハウスの外観写真
寄贈を受けたパイプハウス
パイプハウス内のトマト
トマトの植え付け
パイプハウス内のナス
水ナスの植え付け
屋外で農作業する生徒たちの写真
農場での授業(野菜栽培)
パイプハウス内の生徒たちの写真
A-のう祭(準備風景)


(教育振興室高等学校課)

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このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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