平成25年6月委員会会議会議録

更新日:2013年7月26日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成25年6月21日(金) 午前11時08分  開会
                午前12時09分  閉会

 2 会議の場所

  大阪府公館

3 会議に出席した者

委員長隂山 英男
委員中尾 直史
委員立川 さおり
委員木村 知明
教育長中原 徹
教育監津田 仁
教育次長藤井 睦子
教育総務企画課長見浪 陽一
教育振興室長和田 良彦
高等学校課長丸岡 俊之
支援教育課長水守 勝裕
市町村教育室長吉美 学
教職員室長山本 讓

4 会議に付した案件等

第1号議案 大阪府立高等学校における知的障がいのある生徒の教育環境整備方針の改定について

2号議案 平成26年度大阪府公立学校入学者選抜方針等について

報告事項1 府立知的障がい支援学校の児童生徒の在籍者数の増加への当面の対応について

 

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

中尾委員を指定した。

(2) 前回の会議録について

全員異議なく承認した。

(3) 議案の審議等

◎ 第1号議案 大阪府立高等学校における知的障がいのある生徒の教育環境整備方針の改定について

【議案の趣旨説明(支援教育課長)】

平成26年度に開校する府立泉北・泉南地域高等支援学校(仮称)の共生推進教室を、府立信太高等学校に設置することとする。

また、現在、府立久米田高等学校に設置している、府立たまがわ高等支援学校の共生推進教室を平成26年度入学生より府立泉北・泉南地域高等支援学校(仮称)の共生推進教室とする。

◎ 第2号議案 平成26年度大阪府公立学校入学者選抜方針等について

【議案の趣旨説明(高等学校課長)】

1 大阪府公立高等学校の入学者選抜について、選抜方法等の基本方針を定める。

〔主な改定事項〕

     (1) 前期入学者選抜(全日制の課程普通科)の実施校に、募集人員が80名に満たない全日制の課程専門学科を併置する高等学校を加える。

     (2) 大阪府立柏原東高等学校で実施する連携型中高一貫教育に係る入学者選抜に志願することができる者の在籍する中学校に、柏原市立桜坂中学校を加える。

     (3) 大阪市立桜宮高等学校において、新たな学科が設置されることに伴う変更を加える。

 2 府立今宮工科高等学校、府立淀川工科高等学校及び府立茨木工科高等学校に、新たに「工学系大学進学専科(仮称)」を設置する。

 3 大阪府立知的障がい高等支援学校職業学科入学者選抜について、基本方針を定める。

〔主な改定事項〕

大阪府立知的障がい高等支援学校職業学科の入学者選抜を実施する設置校に、大阪府立泉北・泉南地域高等支援学校(仮称)を加える。

4 大阪府立視覚支援学校、大阪府立聴覚支援学校並びに大阪府立支援学校高等部及び幼稚部の入学者決定について、基本方針を定める。

 

【委員の質問及び意見】

(中原教育長) 2点補足がある。第2号議案の2−1項の1の「主な改定事項」欄の(1)について、先ほども説明があったが、要するに夕陽丘高校の音楽科と東住吉高校の芸能文化が40人一クラスである。普通科も専門学科も通常は80人以上で前期試験が行われるが、この学校はたまたま専門学科が40人だったので、40人だけの前期選抜しかできないということであった。中学生も早く進路を確定したいということで、前期を受験してきますので、80人の枠が満たされるまで、夕陽丘であれば、40人を音楽科で合格し、40人を普通科で合格させるというもの。もう1点は、資料の1で、大学進学をめざす専科を作る工科高校を3校選んだが、その名称を「大学進学専科」とすることでいこうと考えている。初めは事務局の案として「工学探究専科」という名称が出てきていたが、わかりにくい名前であった。これまでは、名前としてわかるものを嫌う傾向があったが、生徒や保護者の方々が一見して分かる名称にしないと不親切だろうということで、工学の大学進学をめざす専科ということが理解してもらえる名称とした。「(仮称)」としているのは、現在、文科省に最終確認しているため。

(木村委員) この名称は、市立の都島工業高校や高専のように、レベルの高いところの受験をめざすというイメージ作りのためという部分もあるかと思うが、40人という募集枠が適切な判断なのでしょうか。

(中原教育長) 今の生徒数を見て横滑りさせているのでは専科を作る意味がないが、入学してくる生徒の学力や希望から、もう一歩踏み出して頑張ろうという生徒の人数として40人というのが今の分析結果である。

(中尾委員) 入学者選抜の話だが、将来子ども達をどのような人材に育てるのかというビジョンが必要。現在、国際社会で活躍する技術者は大学卒業レベルの知識を学ばないと対応できない。そのため、高等学校から高専に行き、大学院へ進む等色々な進路のパターンがある。工科高校の場合は技術と技能があるが、特に技能は変わってきている。3Dプリンターによって金型を印刷するように作ってしまう技術があり、今後、東大阪などで実際に金型を作っている仕事がどんどん変わってくるようになる。将来どのような人材を育てるのかを考え、そのような人材を育てるにはどのような生徒が必要なのか。また、その中でどのような学校の特徴を出していくのかを考えていかないと、入学者選抜だけで40人という話になっているが、果たしてどうなのかという思いがある。何度も言うが、320人の中の40人となると特別扱いの生徒ということになると思う。8クラスの中での1クラスということで、上手くいくのかどうか。他の専科を絞ってでも1クラスを2クラスにしていくということも考えられる。定員の問題も含め、将来像を考えての選抜方針を打ち出すべきであると思う。再編整備や大阪市との統合問題も含め一度大きな観点で整理してほしい。

(中原教育長) 今の現状では工科高校の就職率は非常に良く、むしろ困難校といわれている普通科高校が苦しんでいる。学校現場だけでニーズを調べることには無理があるので、事務局においても、企業への聞き取りを行っているが、その情報は工科高校にも適用していきたい。教育委員のみなさんにもマーケットがどのような人材を必要としているのか等情報収集のサポートをしていただきたい。

(中尾委員) 生徒と保護者の進路に対する考え方は変わってきつつある。大学に入るだけでよいのではなく、そのうえで、何ができるのかということが求められるようになってくる。そうすると、我々の学校はこのような進路を保障しますということが一番のポイントとなってくる。最終的には社会に役立つ人材を育てていくという考え方が大切である。

(中原教育長) 今までは学校と企業の連結の部分が弱くて、実際にどのような人材なら雇ってくれるのかという話をしてこなかった。こちらからは要望するだけで、企業からは抽象的な人材像だけが示されてきた。具体的にどのような資格や学力を身につけた人材が必要なのかを議論してこなかった。また、明確に答えてくれる人は少なく、データ集めに苦戦している。データをどのようにカリキュラムに落としていくかはアイデアが必要となり非常に大変な作業になっている。その点は教育委員みんなで進めていかないと簡単な作業ではないとの実感を持っている。

(立川委員) 工学系大学進学専科と総合募集とを第1志望と第2志望とすることができるとはどのような意味か。

(丸岡高等学校課長) 資料1の一覧の右側で、例えば淀川工科高校の場合で言えば、機械系、電気系、メカトロニクス系は総合募集としてくくって募集している。総合募集に応募する生徒と、大学進学専科に応募する生徒それぞれが第2希望を書くことができる。第1希望、第2希望の考え方は、あくまでも第1希望で定員に満たなかった場合に第2希望の方が合格する可能性があるというもの。

(中尾委員) 保護者や生徒に対して、我々の学校はこのような大学への進学をめざすということを示さなければならない。将来のあるべき姿を考えておかないと、説明会等でPRができないということになる。

(丸岡高等学校課長) 大学進学の実績としては、関大・立命等を含めた私学への実績があるが、それを強化し、市立大学や府立大学も視野に入れていかねばならないと考えている。その上で、今も一部の大学とは包括協定を結んでいるが、個別に工科高校と大学との協定を結んで、大学の出前授業などの交流をしていく必要があると考えている。

(中尾委員) 私が言っているのは進学をめざすターゲット。私学の説明会は既に始まっている。7月の公立高校の入試説明会に間に合うのか。

(丸岡高等学校課長) 4月に委員会会議でご議論いただいた後、教育委員会とそれぞれの対象校にプロジェクトチームを設置し、具体的な中身と、どのような特色を作っていくかということを検討している。7月末に実施予定の公立高校進学フェアにはカリキュラムの概要等について、一定示せるよう用意をしていく。

(中原教育長) 市立大学、府立大学に向けて努力するということではなく、それをめざす学科となる。

(中尾委員) 市立大学や府立大学をめざすなら、言い切った方が良い。そうしなければインパクトがない。

(木村委員) 都島工業は高専に編入して、そのあと、府立大学などに進学している例があるが、そういったことも一つの選択肢にすると道が広がりやすい。そのようなルートがあることを知らない人も多いので示していくべき。

(丸岡高等学校課長) 府立の工科高校でも高専に編入した後に、大学へ進学している生徒がいるので、更にそのようなルートの明示をしていきたい。また、高専に関しては、大阪エリア以外へも対象を広げて展開していきたい。

(中原教育長) 委員のみなさんの感覚は僕も持っていて、名前についても「工学探究専科」という名称では何をしているのか分からないとなった。中尾委員の言うように思い切って言うべきである。PRという意味でも名前は重要となる。

(中尾委員) とりあえずではなく、3年後、6年後にこうなっているという絵が必要である。その時には、「市立大学や府立大学であれば10名進学させる」など、ある程度ターゲットを決めて向かっていくべきである。その意味でも定員について40名で少なければ、3年後には80名にすることも検討すべき。

(木村委員) 2クラスあった方が、クラスの入れ替え等があり良い。

(中尾委員) 1クラスにすると、担任や友人との人間関係が変わらない。

(木村委員) 40名の中で文理の区分けをどうするのかという問題も出てくる。

(立川委員) 私も40人より80人の方が良いと思う。

(丸岡高等学校課長) 工科高校では、これまでも大学への接続という取組はあったが、進学に対応した選択科目を設定することで一定の学習内容を保障してきた。しかし、機械や電気を学ぶとなると一定の専門の単位数が必要となることから、進学のための選択科目だけで対応するのは難しいという中、今回の学科設置という考え方になった。工業としての科目は最低限取得しなければならないが、その上で大学進学に対応したカリキュラムの設定をしていくことになる。

(立川委員) 40人程度で始めることが良いという判断となるのか。

(中原教育長) ある程度中学校からの学習の蓄積がなければ、3年間だけで市立大学や府立大学に合格するのは難しい。それらの事を考えた時に現実的な数字として、40人でもついてこれない人が出てくるかもしれないというのが今の状況。中尾委員のおっしゃる通り言い切ることで40人では足りないという状況になるのかもしれない。ネーミングにしてもPRにしてもカリキュラムの中身にしても、今までの役所の文化からすると大胆な話になるが、私学や塾では当たり前となるような大胆さを持っていきたいと思う。

(藤井教育次長) 今の大学進学の実績を見て40人を設定している一方で、残りの280人については高校を出て就職をしたいというニーズもあることから、今の時点では40人という設定をしている。今後、総合募集で入学してきた子どもの中で、大学に行きたいという子どもが増えてくるかのニーズも見て考えていく。

(中原教育長) そのニーズを引き起こすように野心的に動きましょうということでよいか。

(恩知高等学校課参事) この専科は府立大学や市立大学、あわよくば大阪大学をめざす、しっかりそこへ行かせる学校でなければならないと思っている。選抜を活用してそのような進路実現を可能にする子どもを集めなければならないと考えている。今の総合募集では、進学か就職かを入学してから決めることになっているが、中学3年の段階で既に大学へ行くと決めている子どもを集める。また、普通科へ行くが、高校2,3年で理系を選んで工学部へ行こうと思っている子どもがたくさんいるが、それなら大学4年間で工学の勉強をするよりも、7年のスパンで工学を勉強したいと思う到達度の高い子ども達をリクルートして、育成していく学科であるべきと考えている。

(中尾委員) 入り口、校内、出口の3つを固めて回していくことが重要。まず、3年後の出口を固めなければならない。最初は入り口は期待値でいくしかないが、3年経てば実績が出る。実績が出れば更に良い生徒が多数集まることになり、入口が固まっていく。

(中原教育長) ここでの教育委員の思いが、事務局のメンバーに伝わって、事務局から学校長にメッセージが伝わっていくという順序なので、ここでコンセンサスを取りたい。

(木村委員) 現状は200名程度の進学者がいるが、元々この3校では大学進学を希望する生徒がどれ程いるのか。元々高卒で就職するつもりで、大学進学の意識が低い子どもが多いと思うが、入学後に推薦制度等を利用して進学できることが分かるというケースがあると聞く。そうすると、目標設定を明確にし、進学意識の高い子ども達を集めることで、現状の200名程度以上の子ども達が大学に行きたいとなると思う。3年後の進学率がどうなるかをイメージした時には、切磋琢磨できる数は少ないよりも多い方が良いことは統計的にも立証されていると思うので、拍車をかける意味でも明確なネーミングを付けて打ち出すことでメリットが出ると考える。

(隂山委員長) 教職員のレベルや施設がすごいと思わせるものがあれば、工科高校への求心力が高まると思うので財政的な措置も裏付けてもらって、しっかり進めていただきたい。

  

【採決の結果】

原案どおり決定した。

  

◎ 報告事項1 府立知的障がい支援学校の児童生徒の在籍者数の増加への当面の対応について

【報告の趣旨説明(支援教育課長)】

府立支援学校在籍児童生徒の増加に対する当面の対応について、以下のとおり委員会に報告する件である。

・府立知的障がい支援学校の児童生徒の在籍者数が増加していることから、北河内地域支援学校(仮称)、中河内・南河内地域支援学校(仮称)の開校後(平成27 年)も、当面、交野支援学校四條畷校を継続する。

・平成27 年4 月から、北河内地域、中河内・南河内地域、堺・泉北地域にわたる通学区域割の変更を行う。

 

【委員の質問及び意見】

(木村委員) 支援学校のディスカッションの中でも話が出ていたが、手帳のある方の割合はどの程度あるのか。

(水守支援教育課長) ディスカッション後に校長会の中にプロジェクトチームを立ち上げ、支援教育課も参加して、療育手帳をお持ちの生徒がどれ程いるのか等について調査しているところ。7月を目途に結果と今後の方向性を示していきたい。

(中原教育長) これからの支援学校はどこも生徒が増えていく可能性があって、どこまで拡大していくのかという議論の中で、例えば手帳を持っているかどうかを一つの入学要件とするなどの議論もある。もちろん手帳を作るのが嫌だという権利も認めなければならないので、その場合は何らかのテストが必要となってくるとは思っているが、そのような入学要件を課していくかどうかはこれから議論が必要かと思っている。

(立川委員) たまがわやとりかいに関しては、就職を目標にしていることから、手帳取得や別の公の認定等を一つの要件とすることは、法定雇用の問題もあることから就職を目指すためにもそのような設定にしていると思うが、それ以外の障がいの方がどれ程いるのかは、一人に係るコストも大きいことから、大事なことかと思う。

(木村委員) 本当に支援が必要な子ども達がどれ程いるのか。実際にそこまでいらない生徒がいるのかいないのか明確にすべき。本当に支援につながる子ども達にとってはそのような環境は必要な存在ですので。

(中原教育長) もともとインクルーシブという考え方はみんな一緒にということ。記憶があいまいだが、イタリアはほとんどインクルーシブでおこなっている。文科省に国としてインクルーシブという潮流に対してどのような考え方なのかを問い合わせると、両方併存しており、みんなで一緒に過ごすことが大切だということと、障がいの程度に応じて適切な施策をしていくことも大切だとし、その2つがインクルーシブだという分かりにくい説明を受けた。どこまでインクルーシブなのかという国としての定義を都道府県や市町村に任せているところがある。そのため、大阪府独自でバランスを取っていくこととなり、どこで線を引くのかを最終的には教育委員のみなさんに決断していただくこととなる。そのような問題意識があってデータ収集していることは理解していただきたい。

 

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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