令和元年11月委員会会議会議録

更新日:2019年12月10日

大阪府教育委員会会議会議録

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1 会議開催の日時

   令和元年11月15日(金曜日)   午前10時00分 開会

                         午前11時20分 閉会

2 会議の場所

  委員会議室(府庁別館6階)

3 会議に出席した者

教育長酒井 隆行
委員竹若 洋三
委員井上 貴弘
委員岩下 由利子
委員良原 惠子
委員岡部 美香
教育監向畦地 昭雄
教育次長水守 勝裕
教育センター所長山上 浩一
教育総務企画課長仲谷 元伸
人権教育企画課長          水田 克史
教育振興室長村田 純子
高等学校課長大久保 宣明
高校再編整備課長大武 基
支援教育課長黒田 一人
市町村教育室長坂本 俊哉
小中学校課長桝田 千佳
教職員室長田村 真二

4 会議に付した案件等

◎ 議題1  知事からの意見聴取に対する回答の承認について

◎ 議題2  令和2年度大阪府公立高等学校の募集人員について

◎ 議題3  令和2年度大阪府立知的障がい高等支援学校職業学科(本校)及び大阪府立高等学校に設置する
         共生推進教室の募集人員について

◎ 議題4  中学校チャレンジテストの見直しについて

◎ 議題5  大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく令和元年度
                  実施対象校について

5 議事等の要旨

(1)  会議録署名委員の指定 

  竹若委員を指定した。

(2) 9月18日の会議録について

 全員異議なく承認した。

(3)  議題の審議等

◎ 議題1 

【議題趣旨説明(教育総務企画課長)】
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた令和元年9月定例府議会に提出された次の議案について、大阪府教育委員会事務決裁規則第5条に基づき教育長が代決により異議がない旨を回答した。
この代決を、大阪府教育委員会事務決裁規則第7条第2項に基づき承認する件である。

○予算案
1 令和元年度一般会計補正予算(第2号)の件(教育委員会関係分)

〇条例案
1 大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例制定の件
2 大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例制定の件
3 職員の給与に関する条例一部改正の件
4 大阪府認定こども園の認定の要件並びに設備及び運営に関する基準を定める条例一部改正の件
5 大阪府立学校条例一部改正の件


【質疑応答】
なし 

【採決の結果】賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)

◎議題2 令和2年度大阪府公立高等学校の募集人員について

【議題の趣旨説明(高等学校課長)】
標記について、府内公立中学校卒業見込み者数等の動向を踏まえ決定する件である。ただし、併設型中高一貫校である府立富田林高等学校にあっては、併設中学校からの内部進学者数によって、最大3名の増員を行うことがある。

【質疑応答】
(岩下委員)通信制の入学者数の件であるが、昼間部が昨年度に比べ10人増、夜間部が10人減ということで、人数的には変わってないと思うのだが、今までここ数年間で、通信制の入学者数にはどのような変化があるのか教えてほしい。

(高等学校課長)大阪の公立高校で通信制の課程を設置しているのは、ここで示している桃谷高校1校である。ただし、桃谷高校の通信制の課程には、主に平日の夜間と日曜日に、いわゆるスクーリングと呼んでいる面接指導を行う日夜間部と、主に平日の昼間にスクーリングを行う昼間部、二つの部がある。
この二つの部のうち、近年の傾向では、昼間部の希望者が非常に多く、逆に日夜間部の希望者が減っているという状況にあり、就学セーフティーネットの役割を担う通信制の課程の本来の意義からすると、募集よりも多くの志願者が昼間部に集中するというような傾向について何とかしたいという思いがあった。
ただ一方で、学校の施設設備の状況から一定リミットがあり、これまで増員を躊躇していたが、ご案内の通り、桃谷高校の1部2部について、大阪わかば高校で引き続き募集することを決めていただいた。そのような施設設備の状況の改善、通信制から見ると改善があったので、今後、昼間部の人数については、可能な範囲で増員にしていきたいと考え、その一環で、今年度このような形で、募集増を諮っている。

(岩下委員)ありがとうございます。持論であるが、今後、不登校の生徒が増えたり、AIによる教育が進むと思う。また、スポーツ選手は、高校生でもかなりレベルが上がると、今後合宿や遠征が多くなっていくと思う。フィギュアスケートで有名な紀平選手も通信制に通っていると聞いたことがある。オリンピックで高校生がいい成績を取ればきっとかなりの宣伝になって、変化が出てくると思う。
そこで、大阪府は、桃谷高校に力を入れているが、何か特色やPRについてどのような形でされているのか、分かる範囲でお聞かせ願いたい。

(高等学校課長)通信制の特徴としては、今のご指摘いただいた通り、様々な事情や理由から、いわゆる通うタイプの学校、全日制や定時制といった学校でない、そういう学習スタイルを望んでこられるというような方が、当然ターゲットというか、求める生徒像ということになる。今、諮っているのは中学校卒業者で、新入生の募集として諮っているものであるが、通信制の課程でも編転入生の募集を同時にしており、様々な形で中学校だけでなく、例えばいろんな事情で府内の高等学校から転校を希望する生徒、あるいは一旦、退学をし、編入学を希望する生徒もいる。そういった方々にもこの桃谷高校のいろんな取り組みが伝わるように、いろんな場面で広報はしている。

(岩下委員)ありがとうございました。

(井上委員)毎年出てくるものなので確認だが、計画進学率はどのように算出しているのか。

(高等学校課長)平成17年度からこの93.9%という数でやってきている。当時検討した内容として、中学校の校長が実施する進路希望調査の中で、実質進学希望率がこの93.9%に近い値であった。以前は92.3%で数値を置いていたと思うが、クリエイティブスクールという多部制単位制の昼間の高校を作った際に、それを進学希望率に近い93.9%に引き上げた。そういう経緯がある。
その後この10年以上の間、推移を見る中で、残念ながら進学率がこの93.9%を超えた年はない。ただ、今までのところ固定するのではなく、実績を踏まえて、毎年確認をしているというのが実情である。

(竹若委員)生徒数の減少というのはもうこれはずっと避けられない問題で、毎年こういったことをしていかなければならないのかと思う。
資料の2−10を見たときに、例えば普通科の学校名がここに書いてあるが、地域によって生徒数の減少が偏ってくるのかなというように思う。
香里丘、枚方津田や狭山、泉大津、信太、高石などの泉北あたりの学校が上がってくるというというのは、やはり地域の生徒数の実情を勘案しているのか。

(高等学校課長)平成26年度以降、府内全域を通学区域としているので、広くは府内全体で見ることになる。とはいえ、今ご指摘の通り、やはり地域によって生徒の減り方というのは偏りがあることを踏まえ、一定そのような事情も勘案しながら、募集減の学校については個別に検討をしているところ。

(竹若委員)また、工業に関する学科の減員について、工科高校の将来ということを考えるにあたって、このような状況を見たときに、工科高校の魅力について情報発信をしながら実績も上げていく必要がある。この点は今後の課題として、また考えていきたいと思う。

【採決の結果】賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)

 

◎議題3 令和2年度大阪府立知的障がい高等支援学校職業学科(本校)及び大阪府立高等学校に設置する共生推進教室の募集人員について

【議題の趣旨説明(支援教育課長)】 
標記について決定する件である。

【質疑応答】なし

【採決の結果】賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)

 

◎議題4 中学校チャレンジテストの見直しについて

【議題の趣旨説明(高等学校課長・小中学校課長)】
標記について、決定する件である。

 【質疑応答】
(教育長)中学校チャレンジテストの見直しについては、非常に議会でも議論になっているし、府民の皆様の注目もあると思う。
今回、議題4のタイトルは中学校チャレンジテストの見直しについてとなっているが、実はその内容は小学校の学力向上策も含んでいる。その点はお含みおきをいただきたい。
私から、一点事務局に確認をしたい。今回の特に評定の公平性の担保というところについて、マイナーチェンジと言うか、ルールの変更を行っているわけだが、この変更を行うにあたって、中学校の現場の声というのをどのように聞いたのかということを紹介してください。

(高等学校課長)私どもと中学校の校長先生方との接点として、入学者選抜の実施要項に定める進学指導協議会というような場を、オフィシャルに設けている。これはそれぞれの地域の中学校の校長先生の代表で組織される会であり、まずこの進学指導協議会で、ざっくばらんなご意見をこの間伺ってきたところである。一方で市町村の教育委員会、教育長をはじめ、指導を主管している指導課長の会、これが9月以降、数回にわたって開催されたので、そういったところでも広く意見はいただき、いくつかの例は今資料の4−3ページに示している。また、入学者選抜の実施要項の説明会で各中学校の進路指導のご担当の先生が集まる機会があり、そのような会においても、ただいま説明した見直しの案を示し、意見を伺っている。

(小中学校課長)補足として、この間チャレンジテストについてはいろいろな意見もあることから、中学校長会の代表の先生方にも長い間ご意見をいただいてきた。

(岡部委員)一点お願いと、それから一点質問がある。まず資料4−4の学力向上についてだが、学力の向上という場合に、点数が取れるように向上させても、学んだことが実際の生活に活かせるかどうか分からないという状態の学力になってしまっては意味がないが、そういったところをどこで確認するのかというところを聞きたい。
今、大学入試でも大分議論になっているが、テストに、実践に生かせるかとか記述式をどうするかという要素を入れていくと、評定の公平性というのがなかなか保てなくなる。評定の公平性を保とうとすると、きちんと点数が出るというところにならざるを得ないが、そうすると、実際生きる力に結びついているものとなるのかというのが難しくなる。その点も加味しながら、学力の向上の中に、どのように生活に結びつけていくという点を考慮しているのか伺いたい。まずそれを伺ってからもう一つお願いの方を言わせていただきたい。

(小中学校課長)公平性については点数が一番わかりやすい部分であるが、点数だけではなくて、本当の子どもたちが生きる力を、中学校卒業してからも高校それから社会で生かされていくようにという観点をどのように入れていくかというところについては、本当に常に悩みながら問題作成等をしている。
現行のチャレンジテストについては、基礎・基本的な部分と、それから、今話題になっているが記述式を入れている。考えさせる部分についても、割合、採点等も、万全を期しながら、本当に子どもたちが何を考えているのか、どういうふうに生きる力に生かしていくのかというのも工夫して入れている。それと併せて簡単なアンケート調査もしている。今後は、この間の議論を受け、テストでは全体の平均点に目がいってしまいがちであるが、現行のテストでは、子どもたち一人一人に着目し、どこができているところなのか、逆にどこが課題なのか、子どもたち自身注目できるように、また先生方もそこに注目して指導していけるように、子どもたちの経年変化を把握することを考えていきたい。
併せて、小学校に新たに提案しているが、先ほども申したように、生きる力に結びつく非認知能力についても、学習したことを、自分の生活にどう生かしていこうとするのか、そういうことはどんな状態であるのかを見ることができるもの、それから土台となるその言語能力というところについて、この()小学校でも中学校でも課題となっている。そのあたりを見ることができるようなものとか、それから教科を超えて大切なところをどの教科でも見ていくという研修等をずっと行っている。やっていることに対して見取ることができるようにするにはどんなものがあるのか、中学校と小学校ではずいぶん内容が変わってくるかもしれないが、経年で見ていけるようなものということを考えている。

(岡部委員)経年変化を見ていくというのはとても大事なことである。生活状況調査も一緒に実施するということで、そういった量的な調査資料はとても大事だと思うが、常にすべての学校でするとちょっと学校側が疲れてしまう。課題があるとか、ここを伸ばしたという学校に、あるいは1年ごとに違う学校にという形でいいと思うが、どんな課題があるか、個別に質的調査をするという形でアクションリサーチなど入れていくと、それぞれの学校のそれぞれの子どもたちの個別の課題にできるだけ近い形になっていくし、先生方がテストの内容を受けて、どういうふうに授業改善に結びつけていったらいいかという具体的なところが分かると思う。今申し上げたように、常にすべての学校で実施すると先生方も子どもたちも疲弊してしまうので良くないが、それぞれ1年に何校かという形でそういう調査も入れていくと良いのではないか。
それが一点お伺いしたいところだったが、もう一つはお願いである。
先ほどのエビデンスベースドで評定を出していくという形で、それはもう行政としては当然の話だとは思うが、それがどこに生かされるかというのが一番重要なところで、もちろん子どもたちの生活の向上、学力の向上、そして先生方の授業改善に結びつけていかれるのは当然のことだと思うが、それがちょっとずれて、学校に投入される資本が変わってくるであるとか、先生方の給料に反映するとか、そういったことが決して無いように、そういったところにエビデンスベースドというのが使われないような方向でぜひこのテストを生かしていただければと思う。

(竹若委員)評定の公平性に関しては、現場の方にきっちりと説明をしていくということを特にお願いしておきたい。先だって校長会での役員とお話をする機会があった。役員の方は趣旨が解っていたが、現場の一人一人の先生方が十分解っていない部分があって、説明に困惑している校長もいると聞くので、まずは公立の中学校長会全体に趣旨をしっかりと徹底させていくことをやっていただければ、せっかく作っていただいた制度がより良いものになっていくと思うので、よろしくお願いしたい。
それから小学生のチャレンジテストについて、令和3年から実施ということで、これから制度設計をお願いするわけだが、議会でもこのことに関わっていろいろ議論が生まれ、教育長も答弁の中で、制度に完璧なものはないけれども、より良いものを求めてやっていくと答弁されたのが非常に印象に残っている。
私は、この小学生のチャレンジテストは非常に有益なものになるだろうと思う。
一つには、小学校の先生方が全国の学テで初めて小学校6年生の問題を見ると、どうも自分の授業を振り返っているつもりでも、なかなかそこに到達していない授業展開だろうとそう考えている。
そういった中で、令和3年から5年、6年に限ってこういうテストをしていくということは、何よりも、小学校の先生方の授業力の向上に一番繋がるだろうと思っている。自分なりに、または学年なりに授業展開を考えているといっても、やはり、狭い範囲の中でしか展開できてない状況があるだろうと思う。そういう中で、府全体でテストを進めていったとき、すぐには結果は出ないかもしれないが、少なくとも3年、5年繰り返すことによって、必ずや効果が出てくるだろうと思うので、この制度設計を、きっちりと不満が出ないようにお願いしたい。
それから個人的には、同じやるならば、小学校各学年で実施できればと思っている。
例えば、小学校1年生で1年間習った学習内容を、2年生に上がった春先にどれだけ学習が到達できたのかという調査をする。その結果を、夏休み等の時間を使って、補うことができる。同じように2年生で習ったことを3年生で、3年生で習ったことを4年生で。費用のこともあるし、市町村の教育委員会がするべきことかもしれないが、制度設計の中にそういったことも含めて、将来的に、大阪の小学校の子どもたちが、学年が進行するに従って、その都度、学習がどの程度到達できているかという点検もできるような内容を是非お願いしたい。これから大変だと思うが、一つよろしくお願いしたい。
それからもう一点。小学校で評価をもらって、中学校へ上がって、中学校で受ける評価で歴然とした違いがあるときに、子どもも保護者も非常に大きなショックを受ける。
そうして考えたときに、小学校の評価というのは非常に難しいわけだが、府立学校の選抜に関わる公平性の担保の制度を作った、そういったことが、小学校のチャレンジテストにも活用できれば、中学に上がった段階での評価の違和感というものがなくなってくると思うので、そういったことも含めて、お考えいただければありがたい。

(良原委員)2点ある。学力向上について、小学校の統一テストについて生活状況調査と書いてある。子どもの学力や子ども自身を総合的に理解してサポートしていくためには、とても大事なことだと思うが、具体的に生活状況調査というのはどのような内容を現時点で考えているか。あと、国語算数だけではなくて理科が入っているが、社会理科ではなくてなぜ理科なのかというところを、教えていただきたい。

(小中学校課長)生活状況調査については、今の全国学力・学習状況調査等では、まさに生活、例えば、朝ご飯を食べているかとか、夜どのくらい寝るか、家に帰ってからどのくらい勉強しているかという項目はある。それに加えて、子どもたちの心の状態であるとか、学校でもいろんな問題が起きているがどんな気持ちでいるか等、いろいろ多方面から見えるように、それがデータとして返ってきたときに、先生方が指導に生かせる、また家庭でも子どもたちの状況が分かるようなものをというので、制度設計で、同じことをやるのではなく、せっかくなので学校、家庭で生かしていけるものということで、制度設計を考えているところ。いずれにしろアンケートになるので、子どもたちが自分の直感で書けるような中身にしたいと思っている。
それから教科について、社会について、4年生までの中で社会が出てくるのは3年生、4年生で、それまでは生活科ということで教科を超えたものである。社会も4年生までは地域教材というものが主になっている。例えば 、“わたしたちのまち 吹田市”や“阪南市”であるとか、地域の話になっているので、府として統一したテストとするのは難しいと思っている。まだ制度設計中であるが、社会科で大事な力、例えば、地図を見て取ることや、いろいろな統計を見るとか、そういうことは非常に大事なので、そういうものを入れていけるようにならないかと考えている。せっかくやるのであれば、点数だけ見るものではなく、子どもたちが大切な力を持てるようなものができないかということは考えているが、現時点では社会は、そういう理由で入れていない。

(井上委員)いくつか教えていただきたい。4−4の(2)学力向上についての四つ目のところに、「すでに市町村で実施されているテストとのすみわけ」と書いてあるが、小学生向けにこういう学力向上のためのテストを実施している市町村はどれ位あるか。

(小中学校課長)現時点では22(※実際には21)の市町村がやっているが、内容、学年もバラバラになっているため、市町村にこの案を示し、今後考えていきたいと思っている。

(井上委員)今後考えていきたいというのは、すでに実施されているテストをやめて、これから実施する府の統一のテストに乗り換えてくださいという意味か。

(小中学校課長)そこは市町村の判断にはなってくるが、まずは府のやるテストがどんなものなのかという、制度設計を早く示すことが必要になる。テストを実施している市町村でもそれぞれ目的がいろいろある。小学1年生から中3まで統一で実施しているところもあれば、小学校低学年だけ実施しているところ、それから小学校高学年になってから実施しているところなどがある。テストを実施しているのは22(※実際には21)なので、府の全市町村の半分位であるが、それ以外に、これから実施を考えているところがある。目的はそれぞれであり、府のテストがどのようなものであるかによって実施を考えたいという意見がほとんどなので、制度設計を今年度中に急いでいるところである。

(井上委員)二つ目が4-5の4教科、チャレンジテスト実施教科以外の4教科の評定のところだが2の「確認」というところでは、テストをやらない4教科以外の評定の平均の範囲は一旦出し、3のところでは、テストが行われる5教科の評定平均を足しこんで幅をもう一度新たに設定して範囲内に入るかどうかを判定するというこのプロセスが理解しにくいので、説明していただきたい。

(高等学校課長)これまでも5教科で9教科を確認するというルールでやってきたところであるが、この制度を入れる際に、いわゆる5教科と実技の4教科の相関については、ずいぶんデータを確認しながらその関係について検討してきた。当然であるという意見もあるが、非常に高い相関がまずある。そういったことに基づいてこれまで5教科で9教科を確認していたが、一方でやっぱり中学校現場の先生方から、テストを実施しないものまで、テストで縛ることの合理性について指摘する声が上がっていたということもあって、現在実施していた5教科で9教科を縛るということは、一旦考えなおしてみようとなった。
ただ、やはり何がしかのルールが必要という中で、現場の先生方が苦慮されている声を聞くと、例えば、チャレンジテストで非常に高い成績を取る中学校があったとして、チャレンジテストでやっている5教科は高い一方で、体育や音楽といった科目がそれと同じように高いかというとそうでない場合がある。そうなると、本来の目標準拠評価で、例えば体育で3がつくような生徒がいたとして、チャレンジテストのルールで縛られて、それを4や5にしなければならないということの不合理が出てくる。逆にチャレンジテストで非常に点数の取れない生徒がいる中学校があったとして、その中学校では確かに5教科の成績は低いが、体育をやらせてみると府内平均ぐらいは平気で取るという場合もある。そういった現場の声をお聞きすると、一定の幅を持って、中学校が付けられるようにするというようなことが適切なのではないか。
一方で、これまでもそうだったが、極端な評価を是正するというような目的からすると、どこかでそのラインを引かなければならないというような中で、府内の平均それからこれまでと同様に5教科の評定の平均という二つの範囲の幅に拡大することによって、極端な評価は是正し、なお中学校における実態ともそう遠くないものができるのではないかと、そういう検討の中でこの案が出てきた。
ただ、先ほども言っていただいたように、もちろん100点満点であるとは思っていないが、一定何がしかのルールを決めるということの中で、この3の手順が案として出てきたというもの。

(井上委員)中学校の先生の話を聞いて、現場の理解を得るということは非常に大事だと思う。ただ、サービスの提供者とサービスを受ける側と考えると、サービスの提供者側である先生の方の理解を得るのは当然だが、生徒側というか保護者側の意見を聞くというのも大事と思う。積極的に意見を発信する人というのは、何かすごく特定の考え方を持った方である場合もあるので、なかなか遍く、広く、保護者の方々の意見を聴取するのは難しいと思うが、やはり保護者の視点は入れなければならないと思う。
先ほどの2と3のところも、これも学校の先生からすると、良いのかもしれないが、保護者の方々に説明するときは先ほどのような説明をしないと、普通に聞くと、2と3のルールのところがなかなか理解できないだろうと思う。
また、私の親戚が大阪府内の中学校に通っているが、チャレンジテストの説明を先生から受けたけど、ちょっとよく分からないとのことであった。その子のお母さんが聞いてもよくわからないと私に連絡があって、聞いてみると、その説明が的を射ていないものだったということがあった。すべての先生がそうということではないが、その先生もやはり理解をしてなかったということもあった。その先生については、後々聞いてみると、チャレンジテスト自体反対と考えている先生だったということで、もともと制度について理解しようとしてなかったということもあったようである。このような極端な意見も出てくるし、保護者側からすると非常に不安になると思うので、現場の先生の意見を聞き、理解をしていただいてテストをしっかり進め、活用することは大事だと思うが、先生側の視点だけに立たないで、一歩引いて、保護者側がどう考えるだろうかということを念頭に置いて、運用と説明を進めていただきたいと思う。

(高等学校課長)これまでも府内統一ルールについては別途リーフレットを作成して、府内の生徒向けに毎年配布してきたが、今のご指摘の点も踏まえ、この新たなルールを決めていただいた後には、実施までにまだ日にちもあるので、十分にそのような視点で保護者、生徒の皆さんに伝わるように工夫する。

(岡部委員)一点お願いを付け加えさせていただきたい。今、井上委員がおっしゃったことと少し関係するが、テストの教科が4教科とか、3教科とかで決まってしまうと、どうしてもそれが中心教科というイメージができてしまう。他にも教科があるけれども特に主要教科というふうに言われないような音楽であるとか美術であるとか、体育であるとか、そういったところに力を入れるということがどうしてもおろそかになってしまうということがある。それをどこかで担保できないか。全部を試験していくという方向に流れるとよくないと思うし、試験をするということは結局標準化に繋がっていくので、多様な子どもを育てていくというところが出来なくなっていってしまうという危険性もあるかと思う。そこで、テストで学力は向上させつつも、子どもたちの多様性をどこかで担保するという形で、例えば入試制度で多部制とかそういうところがある場合に、チャレンジテストの評定をどこまで生かすかという工夫で、いろんな生徒たち、子どもたちを担保していくこともできると思うので、テストはテストで制度設計をしていただきながら、それを生かすところをどこまでにするかというところで、子どもたちの多様性をどこかで担保していただければと思う。

(高等学校課長)今どうしてもこのチャレンジテストの実施あるいは実施しないというようなことに今日はフォーカスしているが、入試制度の中では生徒のその多様な力をいかに評価するかという観点でこの間改善に取り組んできた。大阪府ではいわゆる9教科全体の評定を、それぞれ中学校1年生から3年生まで均一にその重みを測って、選抜に活用させていただいている。加えて、それ以外の中学校での様々な取り組みや生徒たちのそれぞれの成果について自己申告票であったり、調査書の中で、選抜に生かせるような方向で検討してきたので、今のようなご指摘を大事にしながら、今後も改善に努めてまいりたい。

(岩下委員)中学のチャレンジテストに関して、学力が向上しているという結果が出ているので、いい形の方向に進んでいると思う。
ただ、非常に気になっているのは、このチャレンジテストの結果は、内申に関しては大きく影響はしていないということでよいか。
学校と保護者の方から、心配であるという意見が当初あったと思う。今回新しいルールにするわけなので、やはりご理解できてないと、さらに不安の声が大きくなってしまうこともあるし、そうなると学力向上が妨げられる可能性もあるので、内申と学校・保護者の声がどんな形で上がっているのか教えてほしい。

(高等学校課長)私どもとしては中学校での評価そのものにどういうふうに活用するのかというようなところまで具体的にお示しはしていない。ただ、当然こういうテストをしたら、中学校の先生方は当然、普段のご自身の授業の振り返りや、生徒個別の学力の定着状況等もきちんと見ながらご指導に活用しているものと思うし、聞いている話では一般的な実力テストと同じように取り扱っているという事例もあると聞いている。

(小中学校課長)あくまでも公立学校の選抜に用いるときにはこのルールでということがあるが、当然それと、普段の学校の評価とが違うなら、原因には何があるのかというところは考えなければいけない。もちろん、絶対評価、観点別評価になってくるが、評価の正しい進め方、それから学習指導要領が改訂されたので、観点も変わってくるというところもあるので、正しく子どもたちの力を、テストの点も含めて、正しく見取っていくような研修というのをあわせて行っているところ。これは入学者選抜のルールとしては、内申書はこのルールに則ってということなので、そのルールということでご理解いただきたい。

(教育長)貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。ご指摘があった点も踏まえつつ、また特に現場、保護者の皆さんに丁寧に説明をするということと、朝令暮改とならない程度に改善すべき点が出てくればまた改善するというような制度を目指すということで進めてまいりたい。

【採決の結果】賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)

 

◎議題5 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく令和元年度実施対象校について

【議題の趣旨説明(高校再編整備課長)】

 標記について、以下のとおり決定する件である(令和元年8月に公表した案から変更なし)。

1令和元年度の方針

令和元年度は、工科高校及び国際関係学科における改編に着手する。

2実施対象校

○ 改編する工科高校
・茨木工科高校
・西野田工科高校
・城東工科高校

○ 国際関係学科の改編
<国際文化科への改編>
・旭高校
・枚方高校
・花園高校
・長野高校
・佐野高校
・千里高校
・住吉高校
・泉北高校

<グローバル科への改編>
・箕面高校
・和泉高校 

【質疑応答】なし

【採決の結果】賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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