大阪府肢体不自由児者父母の会連合会 要望書

更新日:2023年7月5日

要望受理日令和5年5月16日(火曜日)
団体名大阪府肢体不自由児者父母の会連合会
取りまとめ担当課府民文化部 府政情報室 広報広聴課
表題令和5年度 要望書

要望書

2023年5月16日


大阪府知事 吉村 洋文 様

大阪府肢体不自由児者父母の会連合会 会長

令和5年度 要望書

 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 平素は当会に格別のご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。また、障害福祉施策向上のために鋭意に取り組んで頂いておりますこと深く感謝いたします。
 新型コロナウイルス感染症は4年目に入り、感染症法上の位置付けが2類相当から季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げられることになりました。それにより、どの医療機関でも受診できるようになるのは安心なことではありますが、基礎疾患のある重症心身障害児者や医療的ケアの必要な障害児者が感染した場合、高齢者と同様に重症化のリスクは高く、今後も慎重に行動しなければなりません。
 これまで、新型コロナウイルス感染症から子どもを守らなければならない、自分も感染してはいけないというストレスを抱えながら、高齢の親が重い障害のある子どもを介護する日々が続き、身も心も疲れきっています。
 そのような状況のなかで、当会は障害児者が、生まれ育った地域で安心して充実した生活が送れるよう、またその親・家族が安心して介護ができるよう活動を続けていかなければなりません。今年度も下記のとおり要望いたします。

【福祉関係】 
1.重症心身障害者(医療的ケアを含む)のグループホームを整備してください。
 障害者のグループホームは、株式会社等の参入もあり、数は増えてきていると感じていますが、全介助の重症心身障害者(医療的ケアを含む)のグループホームはほとんどありません。親自身が介護を必要となり在宅での介助は限界にきています。早急に検討してください。
 府営住宅や空き家を障害者用グループホームとして使用可能とのことですが、重症心身障害者が暮らすには、スプリンクラー、段差の解消等バリアフリー化するための改装が不可欠です。府として助成をお願いします。

2.ショートステイを整備してください。
 相変わらず、重症心身障害者や医療的ケアの必要な方はショートステイをなかなか利用できない状態が続いています。
 「福祉型強化短期入所サービス費の加算」については、そのサービスのメリットを、個々の事業所へ丁寧に説明して、事業所の医療的ケアの方を受け入れることへの不安を払拭させてください。
 また、障害児者に対応できる看護師不足も問題です。看護協会や看護専門学校などに働きかけ、障害児者の医療的ケアを理解し対応できる看護師を育成する取り組みを進めていくようお願いします。

3.移動支援事業の市区町村格差をなくしてください。
 例えば、施設入所者の移動支援について、府の運用の考え方として「市町村の判断により、地域移行の促進、外出機会の確保の観点等から、地域の特性及び個々の利用者の状況や支援の必要性に応じて、移動支援の利用をできるものとする」とされていますが、市区町村により解釈に差があると感じています。入所施設からの余暇活動に対しても利用可のところや、帰省時のみ利用可、まったく利用不可と様々です。しかし、社会参加や余暇活動の機会がほとんどないのが実情です。
 いかなる場合であっても「外出機会の確保」は必要です。社会参加や施設外の余暇活動を含むとして柔軟な対応をするように各市区町村へ指導し、大阪府内どこに住んでも同じサービスが受けられるようにしてください。

4.医療型障害児入所施設(重心施設)を各福祉圏域につくってください。
 入所施設から地域移行を進められていますが、重症心身障害児者、特に医療的ケアの必要な方の受け入れが地域には皆無です。医療型障害児入所施設は24時間支援が必要な拠点として、絶対に必要です。法人からの相談を待つのではなく、府が中心となり最低でも福祉圏域に一か所は整備を進めてください。

5.公共施設のトイレに「大人用介護ベッド」の設置を義務づけてください。
 大阪府の公共施設においては、ガイドラインに関係なく、大人用介護ベッドの設置を義務づけるようにしてください。改修工事ではベッドが設置できない場合は、救護室等におむつ交換ができる場所を確保してください。また、介助をするため便座サイドの可動式手すり、両サイドにスペースを設ける等の整備、トイレ表示と共にベッド表示の必要も周知徹底してください。

6.補装具の耐用年数の対応の格差をなくしてください。
 「補装具の耐用年数を一律に適用することなく、個々の障害者の実情に沿った対応を行うように方針が示されております」とのことですが、市区町村の担当者で対応に格差が生じています。「耐用年数に達していません」と理由だけで却下される場合もあり、上記の方針を周知徹底してください。
 また、介護ベッド等、既製品でも使用可能な物は介護保険のようなレンタル制度を府として整備してください。一般のレンタルは高額で障害年金だけでは利用できません。

【教育関係】
1.医療的ケアの必要な児童の通学支援事業について
 「医療的ケア児の通学支援事業」について、利用者の数が増えているのは把握しておりますが、現在、希望者が何人いてまだ利用できてない方が何人おられるか人数を教えてください。利用したいが、看護師確保ができず利用が難しい方がおられます。
 ホームページで「好事例」を発信されていますが、各支援学校に直接説明を行なっておられるのでしょうか。ホームページ掲載だけでなく丁寧な説明をお願いします。
 また、当日、体調不良等で欠席の場合のタクシーキャンセル料が大きな負担になっています。この事業を躊躇せざるを得ません。                
 以上

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

ここまで本文です。


ホーム > 令和5年度の団体広聴一覧 > 大阪府肢体不自由児者父母の会連合会 要望書