部落解放同盟大阪府連合会 要望書

更新日:2021年12月28日

要望受理日令和3年7月9日(金曜日)
団体名部落解放同盟大阪府連合会
取りまとめ担当課府民文化部 人権局 人権擁護課
表題大阪府2022年度予算編成にあたって
部落差別解消・人権行政の推進に関する要望書

要望書


2021年7月9日

大阪府
知事  吉村 洋文 様

大阪府教育庁
教育長  橋本 正司 様


部落解放同盟大阪府連合会
執行委員長 


大阪府2022年度予算編成にあたって
部落差別解消・人権行政の推進に関する要望書


 部落差別の解消と部落問題の根本的解決、人権が尊重された社会の実現へ、人権施策等の推進にご尽力されておられますことに感謝申し上げます。
 あわせて、新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ」という。)の感染予防とまん延防止へ、大阪府知事が陣頭指揮を執って取り組みを進めておられますことにつきましても、あらためまして敬意を表します。
 しかしながら、皆様もご承知のように、コロナ感染等を起因とした差別と人権侵害の問題は、ワクチン予防接種をめぐっても拡大し、深刻化してきているのではないでしょうか。感染症対策と同時に感染症にかかる差別と偏見をなくす取り組みを進めることの重要性は、ハンセン病問題などの解決にむけた取り組みと教訓等から学ぶことができるものと考えます。
 1年半に及ぶコロナ禍の拡大により、人と社会との関係が「分断(遮断・分裂)」されたりして、大きく、深く傷ついてしまいました。他方で、福祉と医療・保健(公衆衛生)が、人々の暮らしの安心・安全を守る、必要不可欠な社会基盤であることがあらためて明確になりました。「差別を禁止し人権を守る」ことを位置づけた感染症対策で「もやいなおし」すべきです。感染者及び感染回復者等が差別されることなく、地域で安心して治療・生活できるような「地域福祉活動」の再編も求められるところです。
 さて、私どもは、この間、インターネット上における部落差別の解消をはじめとする人権侵害をなくす取り組みの推進と充実・強化を求めてきました。
 貴庁におきましては、一昨年「大阪府差別解消に関する有識者会議」での論議から、インターネット上の部落差別など人権侵害の解消策にむけた提言が取りまとめられました。大阪府議会においても昨年12月20日、政府等に対してインターネット上の人権侵害を解消するための法整備を求める意見書を提出することを議決。そして今年7月2日、吉村洋文大阪府知事が上京され、武田良太総務大臣ならびに上川陽子法務大臣と「インターネット上の人権侵害事象に対処するための提案」を手交し、実効性のある対策の早期実現を要望されました。
 提案書の冒頭で「表現の自由は憲法に明記された基本的人権の中でも最も重要とされる権利の一つとして最大限尊重されるべきものであり、インターネット上の表現行為についても同様」としつつ、「表現の自由の名のもとに他人の人権を侵害することは、到底許されるものではない」と強調しています。私どもとしましても貴庁の提案に大いに賛同するものでありますし、貴庁として「他者の人権を侵害する表現の自由を許さない」取り組みを積極的に推進されることを強く望むものであります。
 大阪府内の被差別部落の所在地情報(被差別部落とみなされる地域等も含む。以下「所在地情報」という。)が、ネット上で流布・公開されたまま野放し状態に変わりがないからであります。「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」では、興信所や探偵社等を対象に差別調査行為を規制しています。ネット上で不特定多数が所在地情報を容易に収集することが可能となっていること自体、当該地域の住民・関係者等が知らない、気づかれないまま、忌避や排除行為の要因・背景となる偏見や差別意識等を増幅されたりする恐れがあること。それが、日々刻々と、進行・拡散してしまっている危険性、事の重大性について、思いをはせていただきたいものであります。
 つきましては、2022年度予算編成にあたって、貴庁として部落差別解消行政及び人権行政の推進と充実を求めるため、下記のとおり、要望いたします。



基本要求項目

(1)部落差別解消に向けた施策等の推進に関して
1>大阪府知事を先頭に「インターネット上の人権侵害事象に対処するための提案」を総務省及び法務省に提案されたところである。大阪府として今後、どのような取り組みを考えておられるのか、要望行動での関係省庁の対応等をふまえ、見解等を明らかにされたい。
2>ネット上で大阪府内の被差別部落の所在地情報(被差別部落でない地域も含まれる)が野放し状態になっている問題に関して、大阪府としてどのような対応策を講じられるのか。「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」の改正なども視野に入れて、不特定多数への被差別部落の所在地情報の公開・流布を制限する方策を検討されたい。
3>部落差別の解消の推進に関する法律が制定されて5年目を迎えている。近年、行政職員が部落差別行為を行った差別事象が発生・発覚している。中には初期対応のまずさから、真相の糾明が遅々として進まない事態も生じた。
  一方、民間企業でも、職場内のハラスメント行為と部落差別行為が複合して発生した事象も明らかになっている。
  ご承知のように、インターネット上では部落差別を助長する言動が、SNS等を通じて拡散してしまっている現状がある。
  その中でも、大阪府内の被差別部落(とみなされた地域も含む)の所在地情報が流布・公開されている現実がある。
  所在地情報等がネット上で公開された当該の自治体が法務局(法務省)に対して削除要請を行っているが、削除されたケースもあれば、依然として削除されていないケースもある。そのちがいは何なのかを分析することが必要である。
  以上、部落差別解消推進法の成立以降、この5年間に発生・発覚した部落差別事象に関して、当該の自治体や民間レベルでの取り組みなども集約し、分析を深められたい。
4>大阪府内の被差別部落の所在地が、動画サイト上で公開されている問題に関して、大阪府として○○ならびに□□に対し、対象となる動画の削除を求めるよう強く要請されたい。
5>「大阪府人権問題に関する府民意識調査」結果から、同和問題をはじめ人権問題についての学習経験の優位性がみられる。この5年間で大阪府の職員(教職員を含む)を対象とした部落問題研修の実施状況を明らかにされたい。あわせて調査結果をふまえ、初等教育だけでなく中等教育や高等教育、社会教育や成人教育、生涯学習など、これからの社会を築くのに必要とするあらゆる学習機会において、部落差別解消のための教育・啓発の充実・強化が求められると考えるが、大阪府ならびに大阪府教育庁としての基本見解を明らかにされたい。
6>上記に示した今日的な部落差別の現状に関する分析を深めるため、また「部落差別解消推進法6条の調査に係る調査研究報告書(法務省)」及び「大阪府人権問題に関する府民意識調査」結果等で明らかになった課題や問題点等をふまえて、同和問題解決推進審議会を再開され、部落差別解消推進法の趣旨・目的等をふまえた施策のあり方を検討されたい。
7>大阪府内の被差別部落等の所在地情報を取得し、ネット上で公開・拡散されている問題をはじめネット上における差別・人権問題を世に問うため、府内自治体が実施しているモニタリング活動をサポートする方策を講じられたい。

(2)人権施策推進基本方針の改定と具体化にむけて
1>大阪府人権施策推進審議会(以下「人権審」という。)の審議委員等の意見等をふまえ、昨年度実施の「大阪府人権問題に関する府民意識調査」の分析をより一層深められたい。
2>「大阪府人権施策推進基本方針」改定へ審議等が積み上げられているところだが、同基本方針を具体化していくため、どのような手立て等を講じられるのか見解を示されたい。
3>ネット上における差別や人権侵害、誹謗中傷、コロナ禍にかかる差別・人権侵害など新たな人権課題に対応した人権擁護の取り組みを充実・強化することが重要と考える。三重県教育委員会のネットパトロールや、アプリでの通報システムの取り組みを参考に、大阪府として具体的な防止策を検討、講じられたい。大阪府民のいのちと人権を守るために人権相談を担う人材育成及び相談体制の充実・強化などのあり方について、人権審で審議を積み上げられたい。

(3)とある企業がサイト上に差別的文書を掲載し、朝鮮半島にルーツをもつ者に対する人種差別を繰り返していた問題に関して
1>当事者団体などによるあいつぐ抗議等により、このほど差別的文書を削除されることとなったが、大阪府としての見解を明らかにされたい。
2>大阪府「人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」をふまえ、差別的文書の内容、及びサイト上に掲載していたこともあわせて、同条例に抵触するものと考えるが、大阪府としての見解を示されたい。
3>大阪府民等に対して教育・啓発等の取り組みを推進すべきと考えるが、大阪府としての方策を明らかにされたい。
4>ネット・サイト上におけるヘイトスピーチ規制にむけて大阪府としての方策を明らかにされたい。特に大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例の審査会のとりくみ・成果をふまえ、府の条例強化・改正にむけ人権審での検討・審議を積み上げられたい。

(4)男女平等社会の実現にむけて
1>コロナ禍による社会矛盾が、女性やひとり親世帯等に集中してあらわれている。大阪府が実施した2020年夏の「新型コロナウイルス禍が女性に及ぼす影響について」緊急アンケートで明らかになった課題の解決にむけて、どのように取り組むのか具体的な支援策を明らかにされたい。
2>「大阪府配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する基本計画(2017から2021)」が改定の時期を迎えている。2019年に大阪府が行った「男女共同参画社会に関する府民意識調査」では、DV被害者が、「相談するほどのことではないと思ったから」という回答が48.5%もみられる。現基本計画に関してどのような検証・評価を行うのか回答されたい。
3>男女平等教育や男女共同参画の大切さを子どもの頃から理解することができ、男女共同参画に対する正しい理解を教育の場で浸透させることができるように、大阪府男女参画・府民協働課が作成された教材を学校現場等で積極的に活用されたい。

(5)高校教育における人権教育の充実・強化に関して
1>府立高校(後期中等教育)の統廃合を含む再編整備が進められているが、支援・配慮を要する生徒の学習権保障、セーフティネットとしての高校教育のあり方に関して、大阪府教育庁としての見解を明らかにされたい。
2>(1)3>の項目と関連して、府立学校・私立学校等における同和教育(部落問題学習)の充実・強化を図るための方針と計画とともに、教職員に対する同和問題研修を強化するための方針・計画を作成されたい。各校で具体化した取り組みを積極的に推進、あるいは働きかけを強化されたい。
3>就職を希望する生徒の人権を尊重した教育活動を強化する観点から、「複数応募制」導入の際には「キャリア・カウンセラーの配置など進路指導・進路支援体制の充実・強化」「キャリア教育(人権保障としてのワークルール教育含む)の充実」を一体的に整備することを大前提とされたい。卒業後のフォローアップに関しても、OSAKAしごとフィールドはじめ府内各地の若者サポートステーションなど府商工労働部や大阪労働局と連携して情報提供されたい。
4>単位制高校(公立・私立)や定時制高校の生徒を対象にした就職サポート・マッチング(公正な採用選考の取り組み含む)の実態について把握され、分析等を深められたい。

(6)「コロナ感染対策(差別の禁止、予防、検査、治療等)」に関して
1>コロナに感染し、専門治療にかかることなく自宅療養で回復した者が、後遺症などの心配もあったので保健所に相談すると「自分で病院を探してください」と言われた。また自宅の近所にある病院に電話で問い合わせをしたところ、いずれも受診拒否された。
  府民のいのちと暮らしを守る公衆衛生の要ともいえる保健所の対応に問題はなかったか、そしてコロナ回復者への受診拒否は差別につながるものと考えるが、大阪府としての見解を明らかにされたい。
2>コロナ禍に係る差別や人権侵害等の現実を大阪府として集約されたい。具体的にコロナ感染者や回復者の受診拒否、エッセンシャルワーカーや飲食店等に対する誹謗中傷、医療や福祉施設、学校等へのいやがらせや風評被害などの事象を、府内自治体はもとより医療・福祉機関等の協力を得て集約し、深く分析することが必要と考えるが、大阪府の見解を明らかにされたい。
3>ワクチン予防接種に係る差別や人権侵害が生起するなど、新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ」という。)の感染拡大に係る差別・人権侵害が拡大している問題に関して、大阪府としての基本見解を明らかにされたい。コロナ禍に係る差別・人権侵害等について府内自治体などの協力を得て集約し、新たな感染症にも対応するために「コロナ差別禁止条例(仮称)」の制定を検討されたい。
4>認定NPO法人ふーどばんくOSAKAには、コロナ禍により一時的・緊急的な食糧支援を求める者からのSOSが多数寄せられている。居住する自治体に相談しても「食支援」を公的支援として位置づけていないなど自治体によってバラツキが明らかになった。この問題に対して大阪府としての見解を示されたい。
5>コロナ禍が長期化することに伴い、進路(進学や就職)や学習、クラブ活動などの教育活動等での不安や悩みなど、メンタルケア等のサポート体制が必要と考えるが、見解を明らかにされたい。
6>ご承知のように、コロナ禍が長期化する中、地域において孤立化している高齢者が増加している。高齢者の孤立・孤独の解消に向け、大阪府として各自治体レベル、あるいは地域社会レベルでの街かどデイハウスなどの居場所づくり事業を積極的にサポートする手立てを検討されたい。
7>現在、大阪府、各市町村においてワクチン接種がすすめられているが、ワクチン接種を希望しながらも接種会場まで移動がひとりで行えない人、パソコンなどによる申請ができない人、その他、障がいにより情報が行き届いていない方達等に対してワクチン接種の情報を届け、接種が行えるよう大阪府・市町村としての取り組み状況、具体的な支援策を明らかにされたい。

(7)子どもの貧困解消に関連して
1>2016年に大阪府「子どもの生活に関する実態調査」をふまえた大阪府・市町村における調査結果を踏まえた対応、施策の効果測定を明らかにされたい。
2>コロナ禍において子どもやひとり親世帯の貧困状況の深刻化が懸念される中、前回調査実施から5年が経過し施策の効果測定も含めた観点から、また実態調査報告書分析まとめにも指摘されているように、あらためて定点観測も含め「子どもの生活に関する実態調査」を実施されたい。さらには近年、社会問題化している「ヤングケアラー」についても、あわせて実態調査をされたい。

(8)子どもの医療支援に関して(もしくは新しい法律に関して)
1>本年6月に可決された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」において、これまで努力義務にとどまっていた国や自治体の支援策が責務となった。大阪府としての基本見解を明らかにされたい。
2>医療的ケアを必要とする子どもの就学等にあたり、自治体によっては保護者の付き添いを義務とされているなどの格差があるといわれている。府内各自治体の現状を把握されるとともに、地域で共に学び育つ教育活動等の推進にむけて、大阪府としての支援方策を検討されたい。

(9)地域共生社会の実現にむけた包括的な支援体制の整備に関して
1>改正社会福祉法等をふまえて、今年度より「重層的支援体制整備事業(以下「体制整備事業」という。)」が創設・実施された。自治体の手上げによる任意事業でもある。わが方としては部落差別解消をはじめ部落問題・人権課題の解決を「地域共生社会の実現」に見出していくため、体制整備事業が被差別部落を素通りすることのないよう取り組むべきものと考える。この間の厚生労働省の見解、大阪府地域福祉支援計画等もふまえて、大阪府としての基本見解を明らかにされたい。
2>体制整備事業は「相談支援」「参加支援」「地域づくり」を柱に具体的な取り組みが行われる。下記の諸点について見解等を回答されたい。
 (a)体制整備事業の具体化にあたって、自治体圏域や日常生活圏域のみならず、小地域(小学校区)でも具体的な取り組みが推進されるべきと考えるが、大阪府の見解を示されたい。
 (b)府内各地の隣保館(隣保事業を実施する団体含む。以下「隣保館等」という。)は、地域住民の自立促進と福祉の向上をはじめ、対象地域内外の豊かな交流等を通した人権(教育)啓発を推進するコミュニティセンターとしての機能を有している。体制整備事業の実施にあたり、隣保館等は多機関協働の機関(団体)の一つとしても位置づけられるものと考える。人権相談や地域就労支援事業など総合相談事業交付金を活用した相談事業を受託する団体・機関等との連携等もあわせて、大阪府の見解を示されたい。
 (c)部落差別をはじめ様々な社会的な背景等が絡みあった結果、被差別部落には支援を要する住民が多数居住している。隣保館等による被差別部落及び周辺地域の住民を対象とした生活等の自立と自己実現を支援する取り組みが展開されている。その意味では「相談支援」を担う機関としての役割を有しているものと解することができるが、大阪府の見解を示されたい。
 (d)体制整備事業の「参加支援」に関して、支援を要する個人の参加を支援することだけでなく、同じ課題等を抱える当事者を組織化したり、孤立から脱却して他者と出会ったり、ふれあったり、交流すること。地域・イベント等での出番づくりなどの環境づくりも「参加支援」に含まれるものと考えるが、大阪府の見解を示されたい。
 (e)被差別部落とそうでない地域とのつながりづくり。被差別の人たちとそうでない人たちとの出会いと交流。様々な事情により社会的に孤立あるいは排除された状態にある者を社会的に包摂していく環境づくり。体制整備事業による「地域づくり」を推進する機関の一つとして、隣保館等の機能と役割を積極的に活用すべきと考えるが、大阪府の見解を示されたい。
3>市町村単体では十分対応できない者への相談・支援等に関して、大阪府としてどのような役割を果たされるのか示されたい。
4>体制整備事業の実施へ、各地域で支援を要する者の自立・自己実現へむけた活動を展開する民間団体とも緊密な連携や協働の取り組みなど、協力関係を築くべきと考えるが、大阪府の見解を示されたい。
5>「隣保館等が取り組んでいる人権課題解決の取り組みも地域生活課題の一つ」との旨を明らかにした厚生労働省の見解と、第4期大阪府地域福祉支援計画に盛り込まれた内容等をふまえて、地域共生社会の実現とともに地域生活課題の解決にむけた地域福祉の推進にむけて、隣保館の役割・機能を「地域福祉計画」に位置づけること。計画改定にあたっては被差別当事者の意見を十分反映することなど、今後改定に取り組む当該自治体の福祉部局及び人権部局に対して積極的に働きかけられたい。

(10)地域における雇用対策の充実・強化
1>昨年、日本規格協会(JIS)で定められた履歴書の様式例が全面削除されたことをうけて、今年4月、厚生労働省が参考となる様式を示した。一方、ネット求人・エントリーシートや選考時のアンケート(新たな社用紙問題)、オンライン面接やAI選考など、多様な就職マッチングが増えてきている中、公正な採用選考の取り組みにも影響が懸念される。大阪府としての見解を示されたい。
2>大手食品メーカー、M社の大阪工場のアルバイト採用面接で、応募段階で体重やウエストサイズ、既往歴などの記入を求めていたことが発覚した問題に関して。新規学卒者のみならず一般求人等における就職差別の撤廃、公正な採用選考の取り組みをどのように強化されるのか、大阪府としての考え方を明らかにされたい。
3>就職困難層の人たちを対象にした求職活動等における就職差別の撤廃と公正採用選考の取り組みを推進するため、OSAKAしごとフィールドなど公的機関等が実施する就職あっせんで、新規学卒者と同様の「就職受験報告書」の取り組みが実施できないか検討されたい。
4>多様化・複雑化した人権課題を抱えている者の就職に関わって、顔写真の掲載(みため差別)、学歴・履歴上の空白期間などが就労を阻害する要因の一つであることが懸念される。あらためて就職困難者の雇用を促進する、雇用に結びつけるための必要な支援方策を明らかにされたい。あわせて、府内自治体における地域就労支援センター等においてもハローワーク等と連携して対応できるよう図られたい。

(11)デジタル改革関連法の制定に関して
1>長期にわたるコロナ禍において、インターネットなどの情報通信技術を使える人と使えない人との間に生じるサービス利用申請等における格差はもとより、いろんな分野で環境整備など様々な課題が噴出していると考えるが、大阪府としての認識を明らかにされたい。今後、どのように取り組もうとされるのか示されたい。
2>今年3月からマイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになるなど利便性向上が啓発される一方、デジタル庁の設置、マイナンバーカードと預貯金口座との紐づけ検討、要保護個人情報の一元化などが懸念されている。府民一人ひとりの「個人情報の権利利益を保護」する観点から、自己情報コントロール権の保障にむけて積極的に啓発を強化されたい。
3>府内全自治体で導入・実施されている「登録型本人通知制度」の全府民加入を促進するため、大阪府としてもリーダーシップを発揮され、積極的に取り組みを推進されたい。

(12)大阪における今後の住宅まちづくり政策のあり方に関して
1>今年3月に出された大阪府住宅まちづくり審議会答申における「同和地区を含む旧地域改善向け公営・改良住宅を活用した街づくり」の具体化や他の市町にも発信するためにも、現地に赴いて地域が実践するまちづくりを把握されたい。

(13)中小・零細企業に対する支援に関して
1>中小・零細企業の相談支援を行う「Oneチームおおさか」において、約600件以上に及び個人・法人から、給付金等の申請などに関する相談が寄せられている。相談ではインターネットにおける申請や複雑な書類提出を理由にあきらめようとした零細事業者の課題が浮かび上がった。コロナの長期化で「息切れ倒産」「あきらめ廃業」を防ぐためにも、国や大阪府の支援制度に乗れず、相談すらできない零細事業に適した相談・支援制度のあり方を協議する場を設定されたい。

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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