部落解放大阪府民共闘会議、同教育部会 4.ジェンダー平等教育(回答)(1)

更新日:2023年4月10日

(1)  (2)  ※2ページに分割して掲載しています。

団体名部落解放大阪府民共闘会議、同教育部会

回答骨子

(要望項目)ジェンダー平等教育
1【新型コロナウイルス感染拡大に関連する課題解決】女性に対する差別的な構造が浮き彫りになり、結果女性の自死が増えている。働き方・暮らし方の根底に、幼少の頃から長年にわたり形成された固定的な性別役割分担意識やアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)などを性別に関わらず、なくしていくとりくみを大阪府として具体的にすすめること。
(回答)
 大阪府では、コロナ禍が特に女性に対して、雇用・収入の減少や社会とのつながりの希薄化など、さまざまな側面で深刻な影響を及ぼしていることを受け、2021(令和3)年4月より、相談の間口を広げる取組としてSNS相談を本格実施しました。さらに、2021(令和3)年7月より、不安や悩みを抱えたり、生活に困窮している女性に対し、カウンセラーによる相談や生理用品等の生活用品の提供を受けられる支援事業を実施しています。
 また、2021(令和3)年3月に策定した「おおさか男女共同参画プラン(2021−2025)」を子ども向けに分かりやすく解説する教材を作成しました。
 引き続き、府民向けセミナーや市町村職員、教職員、企業人事担当者等に対する研修会を実施することに加え、今後は、大阪府教育庁と連携し、本教材の学校現場等での活用を通じ、固定的な性別役割分担意識やアンコンシャス・バイアスの解消に向けた取組を進めてまいります。
(回答部局課名)
府民文化部 男女参画・府民協働課

(要望項目)ジェンダー平等教育
2【ジェンダー平等教育の推進】女性差別撤廃条約の基本理念をふまえ、国の「第5次男女共同参画基本計画」「大阪府男女共同参画推進条例」「おおさか男女共同参画プラン」(2021-2025)の重点目標の具体的取組にある「子どもの頃からの教育及び意識啓発の推進」をすすめること。そのために大阪府ジェンダー平等教育基本方針を策定すること。「小・中学校及び府立学校における男女平等教育指導事例集」(03年7月)に記載した「男女平等教育を推進についての基本的な考え方」の周知徹底のため指導・助言すること。
(回答)
 府教育庁では、男女が、互いにその人権を尊重しつつ、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮して多様な生き方を選択できる社会の実現をめざして、あらゆる場において、ジェンダー平等に向けた意識変革を進めるため、社会的・文化的につくられた性差観を克服することが求められており、学校教育においても積極的な取組みが必要であると認識しているところです。
 さらに、学校におけるジェンダー平等教育の推進にあたっては、「女子差別撤廃条約」の基本理念を踏まえるとともに、1999(平成11)年6月に施行された、「男女共同参画基本法」、2002(平成14)年4月に施行された「大阪府男女共同参画推進条例」及び2021(令和3)年3月に策定された「おおさか男女共同参画プラン(2021-2025)」などを各学校において具体化し、人権意識に基づいたジェンダー平等教育の推進を図ることが重要であると考えております。
 また、「おおさか男女共同参画プラン」(2021-2025)にある「子どもの頃からの教育及び意識啓発の推進」を踏まえ、デートDV等、女性に対する暴力等の今日的課題への対応も視野にいれ、教育内容・指導方法の充実を図ることが大切であると考えており、府教育庁としましては、ジェンダー平等教育の推進に際しての基本的な考え方についても明示した「小・中学校及び府立学校における男女平等教育指導事例集」をすべての公立学校に配布し、各学校に対して、学校活動のあらゆる場面で活用するように指導するとともに、その趣旨の徹底をしているところです。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)ジェンダー平等教育
3【隠れたカリキュラムの点検】各種名簿の混合化や並び方、基準服など実態把握と、就学前の幼稚園等も含め学校園での「隠れたカリキュラム」の点検をおこなうこと。学校園での生活・行事・進路指導などを性別役割分担意識にもとづいておこなわないよう指導すること。また、ジェンダー平等教育の推進状況を把握するための具体的な調査を毎年、大阪府すべての学校園においておこなうよう指導すること。
(回答)
 ジェンダー平等教育を推進することは非常に重要であると認識しております。そのため、府教育庁としましては、「大阪府男女共同参画推進条例」(2002(平成14)年4月施行)の趣旨を踏まえ、すべての教育活動において、固定的な性別役割分担意識を助長する場面がないかを常に点検するよう、「男女平等教育指導事例集」、「府立学校に対する指示事項」及び「市町村教育委員会に対する指導・助言事項」において示すとともに、府立学校校長会、市町村教育委員会人権教育主管課長会をはじめとする研修会等において指導しております。
 府立高校のジェンダー平等教育の推進状況につきましては、毎年状況調査を行い、把握に努めるとともに、小中学校につきましては、毎年、ヒアリング等の機会を通じて市町村教育委員会から直接聞き取り調査を行っているところです。
 また、未就学児が通う幼稚園等についても、「大阪府男女共同参画推進条例」の趣旨を踏まえ、人権問題全般にわたる研修などを通じ、ジェンダーにとらわれない視点に立った取組が進められるよう理解と協力を求めるとともに、府が実施する「幼児教育人権研修」等の機会を活用することにより、職員の意識の高揚に努めています。
 今後とも性別役割分担意識の点検について指導するとともに、ジェンダー平等教育の推進状況の把握に努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 私学課
福祉部 子ども室 子育て支援課

(要望項目)ジェンダー平等教育
4【不必要な男女別調査】各種調査における男女別統計の意義や必要性を見直し、不必要な男女別調査・統計の廃止にむけとりくみ、市町村教育委員会にもはたらきかけること。また、国に全国学力・学習状況実態調査の性別欄の廃止を求めること。なお、性別が必要な調査等の場合には「性別」ではなく「性自認」または「性別(性自認)」とするなど十分な配慮をおこなうこと。
(回答)
 大阪府学校保健統計については、1948(昭和23)年から実施し、本府の学校保健行政の推進並びに学校保健活動上、有効に活用されてきたところですが、学校保健の考え方が、集団を対象とした学校保健から個人を対象とした学校保健に変革してきたこと、また、文部科学省の実施する学校保健統計(サンプリング調査)により、全体的な傾向を把握できることなどから1997(平成9)年から廃止しております。
 今後とも、個別の保健調査が必要な場合には、その調査の意義や目的を踏まえつつ、必要でない男女別統計については除外するよう配慮してまいりたいと存じます。
 また、性別が必要な調査等については、調査の趣旨や内容等に応じて適切に対応するなど、十分な配慮を行うよう指導してまいります。
 市町村教育委員会に対しては、研修やヒアリング等の機会を通じて、固定的な性別役割分担意識に基づく不必要な男女分けがないか、学校の環境や教職員の言動の見直し、また、各調査においては、その調査の意義や目的を踏まえ、必要でない男女別統計については行わないよう助言してまいります。
 多様な性があることから、全国学力・学習状況実態調査の性別欄は、不必要である旨を、あらゆる機会を通じて、国に申し入れを行っているところです。
 また、参加主体である市町村に対し、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について」2015(平成27)年に基づき、各校において性別の記載について適切に対応するよう市町村を通じて、各校へ周知しております。
 引き続き、国に対して申し入れを行うとともに、子どもたちが安心して調査に参加できるよう努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 保健体育課

(要望項目)ジェンダー平等教育
5【セクシュアル・ハラスメント防止】教育現場におけるセクシュアル・ハラスメントを防止するために、以下のことにとりくむこと。
 (1)17年に改訂された「教職員による児童・生徒に対するセクシュアル・ハラスメント防止のために」(セク・ハラ防止ガイドライン)について、改訂のポイントも含め周知させるとともに、QA集を新しい指針にあわせた改訂にし、実効あるものとなるよう大阪府教育庁として指導すること。
(回答)
 セクシュアル・ハラスメントは、児童生徒の心を傷つけ、その後の成長に避けがたい影響を与えるものであり、個人の尊厳や人権に対する侵害行為で、決して許すことのできない行為であると認識しております。
 このため、教育現場におけるセクシュアル・ハラスメント防止に向けて、国からの通知や資料をふまえ、2017(平成29)年5月に「教職員による児童・生徒に対するセクシュアル・ハラスメント防止のために」を改訂し、その趣旨を教職員・児童生徒・保護者に対して周知しているところです。
 また、2017(平成29)年5月に改訂した「教職員による児童・生徒に対するセクシュアル・ハラスメント防止のために」を「小・中学校長人権教育研修」等の研修で周知するとともに、「教職員による児童・生徒に対するセクシュアル・ハラスメントを防止するためにQA集」の記載事例をもとに教職員研修を実施したところです。
 加えて、2020(令和2)年10月に担当指導主事連絡会を実施し、各学校において、すべての教職員に指針を周知の上、教職員一人ひとりが自らの言動を見直し、セクシュアル・ハラスメントに対する認識を深めつつ、全校をあげてセクシュアル・ハラスメント防止に取り組むよう指導・助言したほか、研修等の様々な機会を通じて、周知に努めているところです。
 府立学校につきましては、2013(平成25)年度から、生徒へのアンケート「安全で安心な学校生活を過ごすために」を実施し、2020(令和2)年より、「セクシャル・ハラスメントに関するアンケート」を実施しています。教育相談の窓口を周知するとともに、いじめ、セクシュアル・ハラスメント、体罰等について実態の把握に努めております。
 今後とも、学校におけるセクシュアル・ハラスメントを防止するために、あらゆる機会を通じて、府立学校及び市町村教育委員会を指導してまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課

(要望項目)ジェンダー平等教育
5【セクシュアル・ハラスメント防止】教育現場におけるセクシュアル・ハラスメントを防止するために、以下のことにとりくむこと。
 (2)「『セクシュアル・ハラスメント防止のために』―障がいのある幼児・児童・生徒の指導や介助等における留意点−」「児童生徒健康診断の実施におけるセクシュアル・ハラスメント等の防止について」の活用状況を明らかにし、周知徹底のため指導すること。
(回答)
 セクシュアル・ハラスメントは、児童生徒の心を傷つけ、その後の成長に避けがたい影響を与えるものであり、個人の尊厳や人権に対する侵害行為で、決して許すことのできない行為であると認識しております。
 府立学校においては、セクシュアル・ハラスメント相談窓口を担当している教職員を対象に、学校におけるセクシュアル・ハラスメントの未然防止と、万一、生起した際の相談体制の在り方や救済・ケアについての対応力及び相談能力の向上を図るため、「セクシュアル・ハラスメント相談窓口担当者研修」を実施いたしました。
 今後とも、2007(平成19)年度に改訂した「体罰防止マニュアル」及び「セクシュアル・ハラスメント防止指針」の趣旨徹底を図り、子どもを暴力から守るための各校の取組みや研修がさらに充実するよう、府立学校及び市町村教育委員会に働きかけてまいります。
 健康診断の実施におけるセクシュアル・ハラスメントの防止については、毎年周知するとともに、実施状況について把握しているところです。
 今後とも、学校におけるセクシュアル・ハラスメントを防止するために、様々な機会を通じて、府立学校及び市町村教育委員会を指導してまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
教育庁 教育振興室 保健体育課

(要望項目)ジェンダー平等教育
5【セクシュアル・ハラスメント防止】教育現場におけるセクシュアル・ハラスメントを防止するために、以下のことにとりくむこと。
 (3)20年から府立学校に通う子どもたちに実施している「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」の結果など検証するとともに、2次被害等がないか配慮すること。
(回答)
 被害を受けている生徒を守ることと併せて、教職員等のセクハラの未然防止や意識の向上につなげるため、昨年度より「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」を実施しています。本アンケートについては、二次被害等が生起しないよう、配付する際には「回答をしたくない(出したくない)場合は提出する必要がない」旨を説明するなどの配慮を行うよう周知しています。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)ジェンダー平等教育
5【セクシュアル・ハラスメント防止】教育現場におけるセクシュアル・ハラスメントを防止するために、以下のことにとりくむこと。
 (4)ジェンダー平等教育の推進等、ハラスメントの根本的解決にむけた対策を大阪府・大阪府教育庁として講ずること。
(回答)
 子どもたちに対するセクシュアル・ハラスメントが生起した場合は、府教育庁に速やかに報告し、被害にあった子どもの心のケアを最優先して取り組む等、被害者の立場に立って事象の解決を図るよう指導してまいります。さらに、再発防止に向けては、事象が生起するに至った経緯や背景を詳細に分析し、研修の実施など具体的な取り組みを推進するよう努めてまいります。
 今後とも、学校におけるセクシュアル・ハラスメントを防止するために、あらゆる機会を通じて、府立学校及び市町村教育委員会を指導してまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
教育庁 市町村教育室 小中学校課

(要望項目)ジェンダー平等教育
6【被害者救済システム】性暴力をはじめハラスメントや体罰を受けた子どもたちへ「子どもを守る被害者救済システム」の広報と、さらなる充実に努めること。また、それに関する研修について充実させること。
(回答)
 「被害者救済システム」については、性暴力や教職員によるセクシュアル・ハラスメント、いじめ等の被害にあった児童生徒や保護者等からの相談を民間権利擁護機関が受け付け、第三者的立場から解決に向けた支援を行うシステムであり、子どもの人権侵害の適切な対応と未然防止のため、政令市、私立学校も対象に加え、継続しています。
 また、生徒指導担当指導主事会においてリーフレットを配布し、「被害者救済システム」の職員から具体的な支援内容について説明する等、各市町村教育委員会の指導主事に周知するとともに、府教育庁のホームページでも、保護者をはじめ、広く府民に周知しています。
 加えて、2018(平成30)年度から子ども専用ダイヤルとして、発信者に通話料がかからないフリーアクセスの回線を設置し、子ども向けに周知用のカードを配付して、子ども自らが相談をしやすい体制を整備し、市町村教育委員会を通じて、各校への周知に努めています。
 府立学校においては、セクシュアル・ハラスメント相談窓口を担当している教職員を対象に、学校におけるセクシュアル・ハラスメントの未然防止と、万一、生起した際の相談体制の在り方や救済・ケアについての対応力及び相談能力の向上を図るため、「セクシュアル・ハラスメント相談窓口担当者研修」を実施いたしました。
 今後とも、2007(平成19)年度に改訂した「体罰防止マニュアル」及び「セクシュアル・ハラスメント防止指針」の趣旨徹底を図り、子どもを暴力から守るための各校の取組みや研修がさらに充実するよう、府立学校及び市町村教育委員会に働きかけてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)ジェンダー平等教育
7【あらゆる暴力を許さない社会づくり】配偶者、恋人等からの暴力、セクシュアル・ハラスメント、性犯罪、買売春、ストーカー行為などの暴力は、人権侵害であるという認識を深めるための教育をすすめ、あらゆる暴力を許さない社会づくりにむけとりくむこと。
(回答)
 配偶者等からの暴力(DV)や、セクシュアル・ハラスメント、性犯罪などの暴力は、人権を著しく侵害するものであり、このような暴力は決して許されるものではありません。
 大阪府では、大阪府男女共同参画推進条例、おおさか男女共同参画プラン(2021−2025)及び大阪府配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する基本計画(2017-2021)に基づき、配偶者等からの暴力を許さない、安全で安心して暮らすことのできる社会の実現に向けた取組を推進しています。
 今年度においても、「女性に対する暴力をなくす運動」期間(11月12日から25日)に、太陽の塔、天保山大観覧車、ドーンセンター等の府内施設において、女性に対する暴力根絶のシンボルカラーであるパープルにライトアップするとともに、若年層の性暴力被害をテーマにしたセミナーの開催などの啓発活動を実施予定です。
 今後とも、市町村や関係団体等と連携し、府内全域で配偶者等からの暴力を許さない府民意識の醸成等に取組んでまいります。
 府教育庁としては、小中学校においては、2003(平成15)年7月に作成した、「男女平等教育指導事例集」において、「女性に対する性暴力等の防止」を基本の柱に位置づけ、性暴力等の防止と克服は男女共同参画社会をめざしていく上での重大な課題のひとつとして、この認識を深めるための事例を掲載しております。
 また、2021(令和3)年4月に文部科学省が作成した、「生命(いのち)の安全教育」については、小中学校校長・教頭研修および5月、10月の市町村教育委員会担当指導主事連絡会で周知するとともに、その活用推進と併せて研修を行ったところです。
 府民文化部が作成、配付したデートDV防止DVDについては、府立学校人権担当者対象の人権教育研修においても、その活用推進と併せて研修を行ったところです。
(回答部局課名)
府民文化部 男女参画・府民協働課
教育庁 市町村教育室 小中学校課 
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)ジェンダー平等教育
8【DV防止】改正「DV防止法」「大阪府配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する基本計画(2017-2021)」に続く22年からの計画にむけて見直しをはかること。また、大阪府作成のデートDV防止のリーフレットやDVD等、また改訂「教職員向けDV被害者対応マニュアル」とその概要版の活用をすすめること。DVの加害者を出さないために、加害防止にむけた教育・教材の構築にとりくむこと。
(回答)
 次期「大阪府配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する基本計画」については、今年5月に大阪府男女共同参画審議会に諮問を行い、現行計画に基づく取組の進捗状況や、課題点等の評価・検証を行っています。今後、審議会での答申を踏まえ、次期計画の策定に取り組んでまいります。
 大阪府では、デートDVの防止に向け、これまでも教職員向けの研修会、若年層に対するリーフレットやDVDによる啓発を実施してきたところです。今年度においては、「面前DV」をテーマにした研修会を開催するとともに、デートDV防止啓発リーフレットを中学校、高等学校及び大学等へ配布する等、府民意識の向上に取り組んでいます。
 「教職員向けDV被害者対応マニュアル」については、2017(平成29)年の改訂時にデートDVに関する教育現場の対応方法や関係機関との連携などの説明を追加し、概要版と併せ、府内小・中・高等学校等での周知・活用が図られるよう、関係会議等を通じ依頼しています。
 また、DVの加害対応に関しては、「女性に対する暴力に関する専門調査会」での議論に基づく国の動向等を注視しつつ、府では、女性相談に加え、男女共同参画の観点から男性相談員による男性のための電話相談を実施するとともに、市町村における男性からの相談に適切に対応できるよう、DV対応等を含む男性相談マニュアル及び男性相談員育成プログラムの周知・活用を実施しています。
 今後とも、DV防止に向けた府民への啓発等に取り組んでまいります。
 府教育庁としては、2003(平成15)年7月に作成した、「男女平等教育指導事例集」において、「女性に対する性暴力等の防止」を基本の柱に位置づけ、性暴力等の防止と克服は男女共同参画社会をめざしていく上での重大な課題のひとつとして、この認識を深めるための事例を掲載しております。
 また、府民文化部が作成、配付したデートDV防止DVD及び2021(令和3)年4月に文部科学省が作成した、「生命(いのち)の安全教育」については、市町村教育委員会担当指導主事連絡会等で周知するとともに、府立学校人権担当者対象の人権教育研修においても、その活用推進と併せて研修を行ったところです。また、生徒指導担当者に対しても同様に、活用推進と研修を行うこととしています。
 さらに改訂された「教職員向けDV被害者対応マニュアル」とその概要版についても、市町村教育委員会担当指導主事連絡会等で周知及び活用についての研修を行ってまいります。
(回答部局課名)
府民文化部 男女参画・府民協働課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)ジェンダー平等教育
9【労働者教育】キャリア教育の推進にあたって大阪府の実態に合わせ、子どもたちが夢や希望をもてるような人権尊重・ジェンダー平等・労働者の権利の視点にたった労働者教育としての「キャリア教育」を推進すること。
(回答)
 府教育庁としましては、2005(平成17)年4月に策定した「キャリア教育を推進するために(キャリア教育指針)」において、学校におけるキャリア教育については、児童生徒の発達段階、進学・就職などを問わず、また性別、国籍、出身地、障がいの有無、経済状況などの外因に関わらず、すべての子どもたちを対象として行うよう示しております。
 そのため、これまで各中学校区に対しては、キャリア教育全体指導計画の作成の際には、「大阪府人権尊重の社会づくり条例」や「大阪府男女共同参画推進条例」をはじめとする国の法律や府の条例、及び「人権教育推進プラン」や「第4次大阪府障がい者計画」などの推進計画の基本理念を踏まえることはもとより、特に支援を要する子どもたちに対しては、きめ細やかな指導ができるよう指導計画を工夫するよう求めております。
 取組みを進めるにあたっては、規範意識やコミュニケーション能力等、幅広い能力の育成を図るとともに、固定的な性別役割分担意識にとらわれない考え方をもち、人権尊重の意識を高めていくことができるように指導することが重要であると認識しております。
 具体的には、キャリア教育の視点に立った系統的な進路指導の取組みを推進するために、「進路指導のための資料第47〜55集」(2013〜21(平成25〜令和3)年3月)には労働法等についての学習プログラム案や学習例を掲載するとともに、厚生労働省発行の「知って役立つ労働法」、「働く若者のハンドブック」を活用するよう、小・中学校に配付し、市町村教育委員会を指導しているところです。
 また、2011(平成23)年3月に策定した「大阪府キャリア教育プログラム」を活用した、府内小・中学校におけるキャリア教育の取組みを推進するために、2012(平成24)年4月に「キャリア教育の進め方サポートブック」、2019(平成31)年4月に「大阪府キャリア教育リーフレット(1)キャリア教育を充実させるために」、2019(令和元)12月に「大阪府キャリア教育リーフレット(2)キャリア教育の充実に向けて-キャリア・パスポートの活用−」を小・中学校に配付するとともに、2012(平成24)年度より「キャリア教育指導者養成研修」を実施し、その普及に努めているところです。
 2020(令和2)年度から、「2025年日本国際博覧会協会教育プログラム」を活用し、社会を構成する自立した主体となるために必要な知識について理解を深めるとともに、実社会における課題の解決に向けて探究的な学習に取り組んでおり、その成果の普及を図っております。令和3年度は、府内で、計26校(小学校4校、中学校21校支援学校1校・政令市、私立を含む)にて実施しています。
 今後も、キャリア教育指針の趣旨を生かすとともに、児童生徒が、望ましい勤労観・職業観を身に付け、自らの権利とともに他者の権利も尊重する姿勢を育てていくための取組みを進めるなど、より一層の充実に努めてまいります。
 府立学校に対しては、府商工労働部と連携し、2011(平成23)年3月に、16才からの“シューカツ”教本「キャリア教育&就職支援ワーク集」を配信し、各校がキャリア教育の充実を進められるよう支援しております。
 今後も、働く人の視点に立ち、キャリア教育の取組が充実するよう努めるとともに、生徒が将来働く際に必要な労働法の周知に努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)ジェンダー平等教育
10【「性的指向・性自認」(SOGI)】「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関わる府民の理解の増進に関わる条例」などをふまえ、性の多様性についての理解を深めること。基準服や体操服等の着衣、更衣室、トイレなどの教育環境の整備や、教育実践の推進・教材開発など、教育のあらゆる場面でSOGIに関して子どもたちの人権が守られるてだてを講ずること。また、部活動等においてもSOGIに関して子どもたちの人権が守られるよう、大阪府教育庁「性の多様性を理解するために」の冊子など活用を関連団体にはたらきかけること。
(回答)
 性的マイノリティの人権問題についての社会の理解が十分進んでいない中、府として性的指向や性自認を理由とした差別は許されないとの姿勢を示すとともに、性的マイノリティの人々に対する理解の増進を図るため、「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」を制定しました。
 大阪府では、性的マイノリティの人権問題をはじめとして、様々な人権問題についての啓発を推進することを目的に、人権白書「ゆまにてなにわ」を毎年度作成しています。
 「ゆまにてなにわ」は、市町村などの行政機関をはじめ、学校や関係団体等にも広く配布し、人権研修の場などで啓発用資料として活用されています。また、企業等における教材としての活用やイベント時の配布に加えて、人権局のホームページにも掲載し、周知及び啓発に努めています。
 今後とも、関係部局等と連携の下、内容の充実に努めるとともに、市町村や関係団体等とも連携し、効果的な啓発活動の実施に努めてまいります。
 府教育庁としても、条例の施行を受け、学校においても性の多様性に関する理解を積極的に進めていくため、庁内にワーキンググループを立ち上げ、有識者も交えて検討を重ねた結果、教職員向けの啓発資料として、2020(令和2)年4月に「性の多様性の理解を進めるために」を府立学校及び各市町村教育委員会へ発出し、研修等を通して周知しているところです。
 引き続き、学校での取組の参考となるよう、ワーキンググループのアドバイザーや関係課所の意見を聞きながら、増補版の作成等資料の充実に努めてまいります。
 性的マイノリティの子どもたちについては、学校生活を送る上で特有の支援が必要な場合があることから、個別の事案に応じ、児童生徒の心情等に配慮した対応を行うことが重要であると認識しております。
 国からの通知・資料・府の条例の趣旨を踏まえ、教職員が児童生徒の不安や悩みをしっかり受け止め、児童生徒の立場から教育相談を行うことが必要であること、また、「性の多様性を理解するために」を活用し、学校の実態に応じて、性的マイノリティの人権も含めて教職員研修等と行い、理解を深めるとともに、児童生徒が正しく理解するよう、市町村教育委員会や府立学校に対して、指導しているところです。
 今後は、条例の趣旨に沿って、まずは教職員が性的指向及び性自認の多様性に関する理解を一層深め、児童生徒に対して、正しく理解するよう指導してまいります。また、ヒアリング等の機会を通じて、性的マイノリティの子どもたちの状況を把握し、子どもたちの人権が守られるように指導助言してまいります。
 また、府立学校の管理職を対象とした人権教育課題に関わる説明会の中でもSOGIに関わる研修に活用できるDVD等を周知しております。さらに、2013(平成25)年度から、生徒へのアンケート「安全で安心な学校生活を過ごすために」を年2回実施し、教育相談の窓口を周知するとともに、学校生活での不安な事や、いじめ、セクシュアル・ハラスメント、体罰等について把握に努めております。さらに、2014(平成26)年度から全ての府立高校で高校生活支援カードの実施をはじめたところです。
 今後は、このカードにより、これまでの学校生活において生徒や保護者が不安や困難を感じている等について、入学時の早い時期に学校が把握し、生徒が安全で安心な学校生活を過ごすことができるように努めてまいります。
 公立小・中学校の施設整備については、文部科学省から「施設整備指針」として、その整備の方向性が示されております。その指針に基づき、学校設置者である市町村が整備を実施することになっています。府教育庁では、「性的指向・性自認」(SOGI)に関して子どもたちがともに学べる環境の確保はとても重要であると考えており、これまでも学校の設置者である市町村に働きかけてきたところです。
 今後とも良好な教育環境の確保・整備の推進のため、各市町村に対し、国の「学校施設環境改善交付金」制度を有効に活用し、「性的指向・性自認」(SOGI)に関して子どもたちがともに学べる環境づくりができるよう引き続き働きかけて参りたいと考えております。
 府立学校における「性的指向・性自認」(SOGI)に関する教育環境の改善にかかる施設整備については、学校からの要望をお聞きし、関係課と連携しながら予算の確保に努めてまいります。
 部活動においても実態を踏まえ、人権に配慮し、かつ、その時々の児童生徒の状況に応じた対応がされるよう、冊子の活用も含め、関係団体に働きかけているところです。
(回答部局課名)
府民文化部 人権局 人権企画課
教育庁 人権教育企画課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 保健体育課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 施設財務課

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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