大阪府中小企業団体中央会 要望書

更新日:2022年3月31日

要望受理日令和3年10月7日(木曜日)
団体名大阪府中小企業団体中央会
取りまとめ担当課商工労働部 中小企業支援室 経営支援課
表題中小企業施策の充実強化に向けた要望

要望書

中小企業施策の充実強化に向けた要望(第63回中小企業団体大阪大会)

総合
1.新型コロナウイルス感染拡大により冷え込んだ景気を回復させるため、経済が成長軌道に乗るまで消費税を5%に減税し、消費需要を喚起すること。
2.新型コロナウイルスの影響長期化に伴い、依然として厳しい経営状況にある中小企業の事業継続のため、新たな支援金制度の創設など大胆な支援策を展開すること。また、それらが中小企業へ迅速に広く行き渡るよう、民間委託のみではなく中小企業を熟知した経済団体の活用を促進するとともに、引き続き、国や地方公共団体における体制整備、強化を図ること。
3.民間企業や団体等における新型コロナウイルスのワクチン職域接種は、ワクチン接種の加速化と、将来の定期接種等の強化のためには必要であるが、現行の制度においては、実施要件や運営に係る費用負担等が障壁となり、中小企業や中小企業組合における職域接種の実施には限界があることから、実施要件の緩和や運営費の助成など、必要となる支援措置を早急に講じること。
4.感染症対策、グリーン化やデジタル化等への対応が求められるウィズコロナ・ポストコロナ時代の新しい経済社会に対し、中小企業が持続的に成長できるよう国において産業政策ビジョンを作成し、その中で業種別の振興策を提示するとともに、必要な支援策を講じること。
5.組合等の連携組織を通じて中小企業の活性化に取り組んでいる中小企業団体中央会に対し、中小企業等協同組合法第74条に規定された事業を円滑に行うことが出来るよう財政措置を講じること。また、中小企業等協同組合法を改正し、中小企業団体中央会に対する都道府県の財政措置を明記すること。
6.次世代への円滑な事業承継が行えるよう事業承継支援策の拡充を図るとともに、事業承継に係る支援策の周知を強化すること。また、事業承継診断等により掘り起こされた事業承継支援ニーズ情報を中小企業等支援機関が共有し、効果的に活用できるよう支援体制の強化を図ること。
7.国及び地方公共団体は、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」に基づき、官公需対策を拡充・強化するとともに、随意契約の対象として官公需適格組合を明記し官公需発注機関に広く周知するなど、官公需適格組合に対する発注の増大を図ること。また、中小企業への随意契約の活用を促進するために、少額随意契約の適用限度額を大幅に引上げること。
8.2025年大阪・関西万博開催においては、中小企業が持つ独自のアイデアや技術力をアピールできるよう、中小企業や中小企業組合がパビリオン出展など幅広い方法で、過度な負担なく参画できる機会を設けるとともに、参画要件を早期に明確化すること。また、今後、万博開催に向けて、会場整備や運営における調達案件の発注に関しては、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」の理念を尊重して、幅広い分野で中小企業、中小企業組合及び官公需適格組合に発注すること。

金融
1.新型コロナウイルス対策において、政府系金融機関(日本政策金融公庫、商工組合中央金庫)が本来の設置目的である中小企業のセーフティネット機能が十分に果たせるよう、支店や出張所、相談窓口の増設など、体制強化を図ること。
2.日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」(国民事業)について、次の改善措置を講じること。
 (1)特別利子補給制度の実施期間を延長すること。
 (2)特別利子補給制度の上限額を8000万円に引き上げること。
 (3)利子補給期間を3年に限定せずに全融資期間とすること。
 (4)個人事業主以外の中小企業者、小規模企業者も要件なしで特別利子補給制度を適用対象とすること。
3.新型コロナウイルス感染症による影響の長期化で債務の返済が困難となっている事業者の事業再生や事業再構築に向けた措置として、新型コロナウイルス感染症特別貸付等の借入債務について、事業者の返済能力に応じた債務の減免を行うこと。

税制
1.新型コロナウイルス感染症で大きく被害を受けた中小企業に対して、法人税の引き下げを行い、赤字でも納付義務のある法人住民税を免除すること。さらに、一定期間の売り上げが前年または前々年同期に比べ50%以上減少した事業者に対しては、当該感染症対策として支給される補助金、助成金の益金不算入及び非課税措置(法人税、所得税)を講じること。
2.令和3年度に創設されたカーボンニュートラル投資促進税制、またデジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制については、中小企業・小規模事業者が活用するにあたり、その実情に即した方法で適切な情報提供を行うこと。また、中小企業・小規模事業者及び組合が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、当該減価償却資産の合計額300万円を限度として全額損金算入できる「少額減価償却資産の特例」については、期間制限の撤廃と対象設備の上限枠の見直しを図ること。
3.事業承継税制の特例措置について、特例承継計画及び個人事業承継計画の提出期限及び相続・贈与に係る適用期限を、それぞれ5年間延長すること。また、中小企業・小規模事業者等の負担を軽減するためにも、それぞれの承継計画申請等の手続きの簡素化を図ること。
4.令和5(2023)年10月に予定されている適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)導入については、中小企業・小規模事業者が負担する消費税に大きな影響を与える恐れがあることから、以下の措置を講じること。
 (1)新型コロナウイルス感染症の拡大が中小企業・小規模事業者の事業継続に多大な影響を与えていることから、コロナ禍による経済活動の要請や制約等がなくなるまで適格請求書等保存方式の導入を延期すること。
 (2)中小企業・小規模事業者は、資金面や人材面など業務のデジタル化について課題を多く抱えていることから、電子請求書を容易に取り扱うことができる環境整備を早急に推進すること。
 (3)免税事業者が適格請求書等を発行できないことに伴い、取引から排除されることや不当な値下げ圧力等により経営状態が圧迫されることのないよう全ての事業者を課税事業者とし、小規模な事業者については申告を不要とする制度を創設すること。

労働
1.雇用調整助成金については、新型コロナウイルス感染症の収束後も中小企業の経営環境が改善するまで特例措置を延長すること。また、その財源の措置については、コロナ対策ということを十分に踏まえ、予備費や一般財源を積極的に投入するなどし、中小企業を取り巻く経営環境が十分に回復していない状況では、中小企業の経営を圧迫することのないよう安易に雇用保険料率の引き上げを行わないこと。
2.働き方改革についてはコロナ禍により厳しさを増す中小企業の経営実態に十分配慮し、過度な負担を強いることのないよう引き続き慎重に取り組むこと。特に今年度から中小企業にも適用されることとなった同一労働・同一賃金については、正社員と非正規雇用労働者の「不合理な待遇差」の意義が分かりにくいため、中小企業が適切に取り組めるよう情報提供や支援を確実に実施すること。また、テレワークについてはコロナ後の社会においても中小企業が多様な働き方を労働者に提供し、人材確保につなげられるよう引き続き支援の拡充を図るとともに、テレワークが難しい業種については、現場の実情に沿った形で進められるよう支援を実施すること。
3.最低賃金については早急に一律の引き上げを行うのではなく、長引くコロナ禍で厳しい経営環境下にある中小企業の実態に配慮し、まずは賃上げ可能となる環境整備のための各種支援策を早急に実施すること。
4.外国人技能実習生、特定技能外国人労働者とも新型コロナウイルス感染対策を徹底した上での早期に受入を再開すること。また技能実習修了後、帰国困難となった外国人を引き続き中小企業で受け入れができるよう、在留資格のスムーズな移行や就業機会を提供する中小企業への支援を実施すること。
5.社会保険料については、中小企業の経営実態等に配慮し、事業主に対する社会保険料負担がこれ以上過度にならないよう、公費負担の割合を増やすなど抜本的な見直しを行うこと。

商業・流通
1.新型コロナウイルス収束前は、中小観光関連事業者(旅行業、宿泊業、飲食業、運送業、小売業など)に対し、時短協力金等の更なる増額を行うなど、長期的継続的な支援を行うとともに、新型コロナウイルス収束後は、振興策の再構築・強化を行い、経営回復に向けた本格的な支援を行うこと。
2.新型コロナウイルス感染拡大防止対策で、外国人観光客が来日しない状況が続いている。訪日観光は、中小企業事業の活性化や地域経済の振興にもつながるなど、地域経済に重要な役割を果たすと考えられるため、新型コロナウイルス収束後は、直ちに外国人観光客の受け入れを再開することができるよう体制を構築すること。
3.流通構造の変化によって、厳しい経営環境にある中小流通業、中小卸売・小売業の経営の安定化を図るため、次の措置を講じること。
 (1)流通構造の変化と新型コロナウイルスの蔓延により、今後さらにIT化・デジタル化が進む中で、中小卸売業・小売業それぞれが発展できるよう支援策を講じること。
 (2)流通業務市街地整備法は、現在の商業環境に齟齬をきたしているため、業種制限を廃止し、卸商業団地の空き店舗対策を後押しすること。
4.優越的地位の濫用や不当廉売、不当表示などの違反行為に対して、引き続き積極的かつ迅速に対処すること。優越的地位の濫用については、大規模小売業・フランチャイズシステム、不当廉売については、酒類・ガソリン・家電について、業種別ガイドラインが策定済であるが、まだ策定できていない業種についても、速やかにガイドラインを策定すること。

工業・環境
1.新型コロナウイルスの影響で厳しい経営環境にある中小企業の設備投資を支援するため措置された「ものづくり補助金」の特別枠を継続・拡充すること。また、国は新分野展開や、業種・業態転換、事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等を支援するため「事業再構築補助金(中小企業等事業再構築促進事業)」を実施しているが、応募に該当しない企業が多いため、その基準を見直すとともに、今後、多くの中小企業が事業再構築に取り組んでいけるようきめ細やかな支援策を講じること。
2.地球温暖化は気温の上昇だけでなく、海面の上昇から熱波、大雨やそれによる洪水、干ばつ等の気候変動を引き起こすなど、深刻な影響を及ぼすと言われており、地球規模の喫緊の課題であることから、省エネルギー対策に取り組む中小企業や組合に対する支援策を強化・拡充すること。
3.近年、我が国における社会経済活動が拡大し、国民生活が物質的に豊かになる一方で、廃棄物の排出量の高水準での推移、最終処分場の残余容量のひっ迫、廃棄物の焼却施設からのダイオキシン類の発生、不法投棄の増大等、廃棄物をめぐる様々な問題が指摘されており、廃棄物の排出量抑制や適正処理の推進が重要な環境課題となっていることから、それらに取り組む中小企業や組合に対する下記支援策を強化・拡充すること。
 (1)産業廃棄物の削減及び処理に対して、処理体制の整備及び支援制度の拡充を早急に行うこと。
 (2)廃プラスチック有効率を高め、海洋プラスチック等の適正処理に中小企業も取り組むべきであるが、その為の支援事業もしくは補助金制度を予算措置すること。
 (3)アスベスト含有廃棄物及びPCB廃棄物については、処理費用が高額であるため事業者が処理費用を負担できず、建築物の解体や建て替え、保管中の廃棄物の処分等の大きな阻害要因となっているため、廃棄物の保管及び処理に係る費用を全額補助する制度を予算措置すること。
 

令和3年9月13日

大阪府知事 吉村 洋文 殿

大阪府中小企業団体中央会
会長

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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