設置理念に則ったピースおおさかを取り戻す会 要望書

更新日:2021年9月30日

要望受理日令和3年7月13日(火曜日)
団体名設置理念に則ったピースおおさかを取り戻す会
取りまとめ担当課商工労働部 雇用推進室 労働環境課
表題吉村大阪府知事は大阪地裁の決定に従い、7月16日から18日まで開催の「表現の不自由展かんさい」の会場貸出中止を撤回されたい!

要望書

吉村洋文大阪府知事さま

吉村大阪府知事は大阪地裁の決定に従い、7月16日から18日まで開催の「表現の不自由展かんさい」の会場貸出中止を撤回されたい!

 7月16〜18日に大阪市で予定されている「表現の不自由展かんさい」は、展覧会会場である府の所有である大阪府立労働センター「エル・おおさか」の指定管理者から、6月25日に突然、「安全を確保することは極めて困難」との理由で利用承認を取り消されました。
 そこで、「表現の不自由展かんさい」実行委員会は、「混乱を防ぎきれないほどの危険性はない」として、6月30日に大阪地方裁判所に、施設の利用を求める訴えを起こすとともに、予約取り消しを無効とするよう執行停止を申し立てました。
 大阪地方裁判所の森鍵一裁判長は、9日、「憲法の保障する集会の自由、表現の自由の不当な制限につながる」「施設利用を拒みうるのは警察の警備などによってもなお混乱を防止できないなど特別な事情がある場合に限られる」と、実行委員会の申し立てを認め、施設を利用できるようにする決定を出しました。
 一方、施設側は、この決定を不服として、大阪高等裁判所に即時抗告すると聞いています。
 施設を所有する府のトップである吉村洋文知事は、「行政として表現内容に立ち入って評価するつもりはない」としつつ、「安全な施設管理運営が難しい」との理由で利用承認取り消しは「賛成」の立場だ。「違法でない限り、展覧会を不快に思う方々が様々な活動をすることもまた自由だ」と抗議活動に理解を示しています。(朝日新聞7月6日)。

 大阪府立労働センター条例によると、
第三条
1 センターを利用しようとするもの(以下「利用申込者」という。は、あらかじめ知事の承認を受けなければならない。
2 知事は、前項の規定により利用の承認を受けようとするものが次の各号のいずれかに該当するときは、センターの利用を承認しないことができる。
一 利用申込者がセンターの建物又は設備を損傷し、又は汚損するおそれがある場合
三 センターの利用が集団的、又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織の利益になる場合
 とあります。

 吉村知事は、判決後のインタビューでは、こう語っています。
「指定管理者が判断することになると思いますが、この決定自体には内容に不服がありますので、抗告することになると思います」
 施設側は大阪高裁に即時抗告する方針です。(毎日新聞)

 実際は知事の権限で取り消しが行われるのにも関わらず、施設側といって自らの責任を一歩引いて発言することは許されません。
 また、吉村知事は、大阪市の市長時代の2018年、サンフランシスコ市に建てられた第二次大戦中に日本軍の性奴隷を強いられた女性たちの像をめぐって、「両市の信頼関係を破壊」したとして、60年以上続いたサンフランシスコ市と大阪市の姉妹関係を議会の反対を押し切って、一方的に解消した経緯があります。このこと自体、市長という特権を乱用した許しがたいことですが、今回の処置に関しても、「平和の碑少女像」や「天皇の戦争責任を問う」展示に対して「行政として表現内容に立ち入って評価するつもりはない」と言いつつ、これらの展示に疑義を唱える個人的信条をもとに、知事という職権を利用し、展示会場の貸し出しを拒否したとも考えられます。
 類似の政治的信条をもって行われているいろんな妨害行為によって、各地で困難に直面している「表現の不自由展」ですが、この度の郵便封筒の件によって、名古屋市の主催者への十分な説明もなく、中止を余儀なくされていることなどが、拍車をかけ、このような妨害行為をすれば、自分たちの主張が通るという右翼団体の成功体験に加担するような吉村知事の発言は、公の行政をつかさどるものの職権乱用であって、許されざるべきことです。
 大音量で、地域住民にまで、迷惑をかけることが違法でないといえるのですか?
 このような、妨害行為を認めること自体が、まさにこの吉村知事の姿勢、判断そのものが、条例にあるような「集団的、又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織」の不自由展に対する妨害を容認し、利することになるのではないでしょうか?
 吉村大阪府知事におかれましては、直ちに、大阪高等裁判所への抗告を取り下げ、「表現の不自由展かんさい」が、安全な環境のもとに行われるように、施設管理者と主催者側の打ち合わせを保証し、違法な妨害をさせないために、適切な措置を図られたいと思います。
 それが大阪府の行政の長としての吉村知事の責任ある対応だと思います。

2021年7月13日(火)
設置理念に則ったピースおおさかを取り戻す会

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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