おおさかユニオンネットワーク　要望書

要望書

２０２１年９月２８日

大阪府知事
　　吉村　　洋文　　様

おおさかユニオンネットワーク
　　　　　　　　　　代表

大阪教育合同労働組合
関西非正規等労働組合
管理職ユニオン・関西
新相互タクシー労働組合
ゼネラルユニオン
全国金属機械労働組合港合同
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
全日本建設運輸連帯労働組合近畿地区トラック支部
全日本港湾労働組合関西地方大阪支部
全日本港湾労働組合関西地方建設支部
天六ユニオン
なかまユニオン
福祉・介護・医療労働者組合
北摂地域ユニオン
南大阪労組連絡会
郵政労働者ユニオン近畿地方本部大阪府協議会
ユニオンおおさか
労働組合なにわユニオン

　貴職におかれましては、大阪府民の生活環境の向上、住民福祉の充実のためにご尽力されていますことに敬意を表します。
　私たちおおさかユニオンネットワークは、労働組合の共闘組織であり、加盟する各組合の自主性を尊重したうえでの相互交流、労働争議の支援活動、政治的社会的な課題での共同行動などを積み重ねてきました。結成してすでに３０年を超えました。また、組合大会をはじめ講演・学習会や各種会議でも「エル・おおさか」を頻繁に利用しております。
　さて、今回の申し入れの趣旨は、７月１６日から１８日にエル・おおさか９Ｆギャラリーにて開催された「表現の不自由展」についてであります。当初から右翼からの妨害や嫌がらせなどが予想されたため、エル・おおさかの担当職員や大阪府警も交えて対策や対応を協議してきたと主催者である実行委員会サイドからは聞いています。にもかかわらず、６月２５日突然にエル・大阪から「利用承認取り消し」の通知がありました。貴職もこの行為を「同意」されました。これに対して実行委員会は大阪地方裁判所に「処分の失効停止」を申し立て、地裁は７月８日に「予約取り消し無効」とする決定を下しました。このとき裁判所は展示会について「憲法で保障された表現の自由の一環として開催が保障されるべきものだ」とし、「警察の適切な警備などがあってもなお混乱が防止できないほどの特別な事情はない」と指摘したのです。しかし、エル・おおさかは大阪高等裁判所に即時抗告し、さらには最高裁判所に対しても特別抗告しましたが、いずれも高裁、最高裁から却下されました。
　一度は「利用承認」をしたものが、いくら右翼からの嫌がらせや脅迫じみた言動があったにせよ、突然の「利用承認取り消し」という行為に私たちは大きな危惧を感じているところです。ましてやエル・おおさかを会場として頻繁に利用している労働組合としては、今後の会場使用について「このようなことは再びあってはいけないこと」と危惧を強くしております。
　今回の事態のなかで公に報道されているだけでも、貴職は６月２５日にエル・おおさかが利用承認取り消しを行うやすぐさま翌２６日に「施設の管理・運営を考えると取り消すべきだ」と賛意を表明しています。また７月９日には大阪地裁による利用承認取り消し命令の撤回決定について「内容に不服がある。施設の管理者・所有者には裁量がある」と発言して、表現の自由を制限する利用承認取り消しを後押ししています。さらに７月１２日には「(大阪高裁への)即時抗告は当然だ」と発言しました。また、これら一連の過程のなかで、貴職の言動に対して追及する新聞記者に対して「じゃあ、(その記者の所属する)新聞社の会議室を使えば」と揶揄するような発言も行っています。この件に関するこれらの貴職の言動は、憲法に保障された表現の自由を徹底的に守るべき立場にある首長の言動として全くふさわしくないものであり、許すことができません。私たちは、今後も日常的にエル・おおさかを利用する立場として、運営責任は大阪労働協会にあるとしても、府立労働センターとしての最終責任を負うべき貴職のこのような言動がまかり通るなら、安心してエル・おおさかを利用することができません。今回の一連の貴職の言動についての謝罪を求めるとともに、今後このようなことが繰り返されないよう確約することを求めます。