第40回人権啓発詩・読書感想文入選作品 読書感想文の部門【中学校(中学部)の部】 P.52

更新日:2022年3月31日

「普通じゃない」はおかしい                                  交野市立第四中学校 2年 高谷 楓乃

 この本は、主人公のめぐが生徒手帳に赤毛証明という印を押されたことから、「普通とは何か」について考えていく物語だ。
 私は、この本を読んであることに気付かされた。
 それは、人によって「普通」の定義が違うということだ。私は、よく「普通」という言葉を使うが、「普通」に入る境界線はどこに引かれているかがわからなかった。
 しかし、この本を読むと、「普通」に入る境界線はとても曖昧で、人によって違うとわかった。
 なぜこのことに気付いたかというと、本の中の登場人物それぞれが自分自身の「普通」を持ち、それを誇っているからだ。
 また、このことに気付いたからこそ、私の間違いにも気付くことができた。
 それは、髪を赤く染めている、小学校中学年くらいの女の子を見たときのことだ。その女の子を見たとき、私は、「なんで髪を染めているのだろう」「髪を染めるなんて、普通じゃない」と思った。
 しかし、それは間違いだとわかった。私が通う学校には、髪を染めてはいけないという校則がある。つまり、髪を染めたら、学校の中では「普通じゃない」ということだ。しかし、その女の子にとっては「普通」かもしれないのだ。勝手に私が「普通じゃない」と決めつけてしまうのは間違いだと思った。
 このときの私は、私の「普通」を他人に押し付けて「普通」か「普通じゃない」かを判断していた。
 私のように、思い込みで人を判断している人はたくさんいると思う。しかし、私がこの行為を間違っていると気付けたように、思い込みで人を判断している人も、きっかけさえあれば気付けると思う。私の場合は、この本だった。
 こうやって、思い込みで人を判断することがなくなればいいと思う。
 この社会では、髪の色のことでたくさんの人から差別される人は少ないと思う。だからこそ、髪の色が黒色でない人は、周囲からは認められるものの、学校などの公共の場ではルールに縛られ、心の中で迷いが起こるのだろう。
 髪の色の違い、肌の色の違い、言語の違い、宗教の違い、性同一性障害者。人それぞれにこのような違いがあって、それを認められる社会。これを多様性社会と呼ぶ。いろんな髪の色があっていいじゃないか。一人一人が違うことが、当たり前じゃないか。私はこう考える。
 結局、めぐは「普通とは何か」の答えを「自分らしいありのままの状態のこと」とした。「普通に生きる」ということは、「自分らしく生きる」ということだ。
 私の「普通」は何だろう。これから、たくさんの人とふれあい、話しあっていくだろう。その中で、答えを見つけていけたらいいなと思う。
 でも、これだけはわかった。
 「普通じゃない」は、おかしい

「赤毛証明」 
作 光丘 真理
くもん出版

 

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府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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