大阪府同和対策審議会答申(平成13年9月) 第2章第1節  事業等の終了

更新日:2023年6月21日

1 個人給付的事業、物的事業等の終了

 

  府は、個人給付的事業については、平成4(1992)年及び平成8(1996)年の府同対審答申を踏まえ、28事業のうち奨学金などの人材養成や自立促進を目的とする事業を除く14事業について、平成4(1992)年度から平成12(2000)年度にかけて廃止するなどの見直しを行ってきたが、残された奨学金や公共職業訓練施設における職業能力開発促進のための奨励金等の14事業については、当初の目的を達成したことや一般施策が充実したことなどに伴い、廃止すべきである。

  なお、奨学金については、国において同和対策事業の奨学金制度が廃止の見込みであるが、本制度がこれまで同和地区出身者の進学機会の確保と進学を奨励する機能を果たし、学歴構成の格差是正に大きく貢献してきたことを踏まえ、平成14(2002)年度以降においては、日本育英会や大阪府育英会の奨学金制度などの積極的な活用を図り、進学の機会を奪われることのないようにすべきである。また、同和地区においては、一般施策の奨学金制度などの利用例が少なく、その制度内容や手続が十分に周知されていないため、これらの制度が有効に活用されるような仕組みづくりが必要である。

 

  物的事業については、昭和44(1969)年の府同対審答申を踏まえ、市町に対し、財政負担を軽減し、円滑な事業実施を図る観点から、原則として国、府あわせて8割の高率補助を行い、積極的に事業の推進に努めてきた。また、「同和問題の解決に基本的な役割を果たすことから、その早期完遂に努める必要がある」との平成4(1992)年の府同対審答申を踏まえ、府においては「物的事業の早期完遂を図るための進行管理方策」を策定し、市町が法期限内に実施を予定している事業について登録を行い、その完遂に向け進捗状況を把握してきた。

  この結果、大半の市町において物的事業が完了しており、3市において数億円程度の事業が用地買収の難航等により実施の見込みが立たず、平成14(2002)年度以降に一般施策を活用して事業を進める状況にあることから、市町に対する原則8割の高率補助は廃止するとともに、完遂に向けての物的事業の進行管理はその目的を達成したものとして、平成13(2001)年度末をもって終了すべきである。

 今後、府においては、「地対財特法」失効後に市町が一般施策として実施する上記物的事業については、国制度の補助採択等について積極的に働きかけるなど、事業が円滑に実施できるよう配慮する必要がある。

 

なお、既に実施したこれらの事業に関する府からの償還補助については、償還終了

年度まで継続する必要がある。

 

 また、校区に同和地区を有し、府独自の教職員の加配措置等を行ってきた学校(いわゆる同和教育推進校)については、国において教育課題に対応した一般施策としての教職員配置改善計画が整備されてきた状況を踏まえ、府が独自に措置してきた同和加配はこれを終了すべきである。今後はこの国制度の活用を図るとともに、教育課題に対応して必要に応じてその充実を国に働きかけていく必要がある。なお、その際には、これまでの成果が損なわれることのないよう配慮する必要がある。

 

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府民文化部 人権局人権擁護課 人権・同和企画G

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