太田遺跡

更新日:2017年3月30日

遺跡名:太田遺跡

所在地:八尾市太田四丁目

種類:集落跡

時代:弥生時代から中世

調査期間:平成24年12月

主な遺構:河川堆積

 

太田遺跡は八尾市の南西部に位置する遺跡です。八尾市とその南側に接する藤井寺市のとの境には大和川が位置していますが、現在の大和川の流れは、江戸時代(18世紀はじめ)に人工的に作り出されたものです。

この大和川付け替え以前、付近は南側の丘陵・台地から北の沖積地へとなだらかに低くなる地形が広がっていました。ただし、地形を細かく見ると回りよりわずかに高い場所と低い場所が入り組んでおり、集落や水田、畑などの耕作地などが土地の条件に応じて、利用されてきました。

太田遺跡をはじめとする周辺の発掘調査によって、この周辺には旧石器時代から現代まで多くの遺跡が見つかっています。

今回の調査は、現在の大和川河川敷内の工事に先立つもので、河川敷内に調査区を設定しました。

掘削の結果、現地表面から2メートル程度までは細かい砂、その下に粗い礫が0.2から0.5メートル程度堆積し、さらにその下に厚さ1メートル以上の粘土層が確認されました。

細かい砂と粗い礫層からは現代の遺物が出土したため、これらについては、現在の大和川による堆積と考えられます。

一方、粘土層からは明確な遺構や遺物は検出されませんでしたが、河川内で厚く粘土が堆積する状況は考えにくいことや、周辺の調査成果との比較から、この層は大和川付け替え以前の堆積と考えられます。

今回の調査では、明確な遺構や遺物は確認されませんでしたが、大和川の河川敷の調査はまれであり、断面観察の結果、周辺の遺跡の状況を考える上で有効な情報がえられました。

【写真】太田遺跡の調査地周辺の風景

(写真1)太田遺跡調査地周辺

太田遺跡調査区断面

(写真2)調査区断面

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教育庁 文化財保護課 調査事業グループ

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