平成11年度大阪府統計年鑑 第７章　水産業（解説）

平成11年度大阪府統計年鑑

概況

　本府の漁業は、瀬戸内海に属する大阪湾の東半分を主要漁場とし、主として内湾性の魚介類を漁獲対象として営まれる沿岸漁業である。
　大阪湾は淀川、大和川をはじめ、多くの河川が流入し、飼料生物は豊富で、瀬戸内海の中でも上位にランクされる生産性の高い漁場となっている。また、南北に連なる海岸線は、府内９市３町にまたがっている。
　主な漁獲物は、魚類では「このしろ」、｢いわし類｣が中心で、それ以外では、｢いかなご｣、｢まあじ｣、その他の水産動物類では｢えび類｣、｢しゃこ｣、｢たこ類｣となっている。
　また、漁港は平成10年３月末現在で12港、そのうち第1種が10港、第2種が2港となっている。

海面漁業経営体・使用漁船数

　平成10年11月１日現在で実施した第10次漁業センサスの調査結果速報によると、府内における海面漁業経営体数は、870経営体で、これを市町別にみると、岬町が165経営体で最も多く、次いで泉佐野市、大阪市、阪南市、岸和田市の順となっている。
　また、経営組織別にみると、個人経営体が828経営体で、全体の95. 2％を占めており、以下、共同経営が41経営体(構成比4. 7％)、漁業生産組合が1経営体(同0. 1%)となっている。
　経営体が調査期日前1年間に使用し、調査日現在も保有している漁船の総隻数は、1241隻で、その内訳をみると、無動力船が11隻(構成比０．９％)、船外機付船が128隻(同10.3％)、動力船が1102隻(同8 8.   8 % )となっている。
　動力船についてトン数規模別にみると、５〜10t(構成比40.4%)が最も多く、次いで、1〜3t(同27. 9%)、３〜5t(同15. 0％)、1 ｔ未満(同2. 3%)の順となっている。

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海面漁業漁獲量

　平成10 年の総漁獲量は1万8729tで、これを市町別にみると、岸和田市が１万3153t(構成比70.2％)で最も多く、次いで、泉佐野市1792t(同9.6%)、岬町1204t(同6.4%)となっており、この２市1町で全体の86.2%を占めている。
　また、漁業種類別にみると、２そうまき巾着網が9922t(構成比53.0％)、ひき回し船びき網4950t(同26.4％)、小型底びき網2241t(同12.0％)の順となっており、この3漁業で全体の91.4％を占めている。
　魚種別では魚類が1万7537t(構成比93.6%)と漁獲量のほとんどを占めており、以下、その他の水産動物類1176t(同6. 3％)､貝類14t(同0.1％)の順となっている。魚類のうち「このしろ」が8155tで最も多く、全漁獲量の43.5%を占めている。

内水面漁業漁獲量

　平成10年の内水面漁業漁獲量は8tで、魚種別にみると、「あゆ」8ｔのみである。

内水面養殖業収穫量

　平成10年の内水面養殖業収獲量は423tで、これを養殖魚種別にみると、｢ふな｣が388t(構成比91. 7％)で最も多く、以下、｢えび類｣7t(同1.7%)、｢こい｣4t(同0.9％)の順となっている。