平成27年12月委員会会議会議録

更新日:2016年3月15日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

   平成27年12月18日(金曜日) 午前9時27分 開会

                  午前10時36分 閉会

2 会議の場所

   大阪府公館

 

3 会議に出席した者

教育長向井 正博
委員小河 勝
委員立川 さおり
委員井上 貴弘
委員竹若 洋三
教育監和田 良彦
教育次長橋本 正司
教育センター所長津田 仁
教育総務企画課長水守 勝裕
人権教育企画課長松本 昇
教育振興室長中野 伸一
教育振興室副理事古川 知子
高等学校課長橋本 光能
支援教育課長藤井 清
保健体育課長植山 勝秀
市町村教育室長浦嶋 敏之
小中学校課長坂本 暢章
地域教育振興課長津田 清
教職員室長河西 陽三
教職員企画課長白居 裕介
教職員人事課長後藤 克己

4 会議に付した案件等

◎ 議題1 知事からの意見聴取に対する回答の承認について

◎ 議題2 平成28年度「府立学校に対する指示事項」及び「市町村教育委員会に対する指導・助言事項」について

◎ 報告事項1 平成27年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査における大阪府の結果概要について

 

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

 竹若委員を指定した。

(2) 11月27日の会議録について

 全員異議なく承認した。

(3) 議題の審議等

 

◎ 議題1 知事からの意見聴取に対する回答の承認について

【議題の趣旨説明(教育総務企画課長)】

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成27年9月定例府議会に提出された次の議案について、大阪府教育委員会事務決裁規則第5条に基づき教育長が代決により異議がない旨を回答した。この代決を、大阪府教育委員会事務決裁規則第7条第2項に基づき承認する件である。

 ○予算案

  1 平成27年度大阪府一般会計補正予算(第4号)の件

 ○事件議決案

  1 指定管理者の指定の件(教育委員会所管施設)

 ○条例案

  1 非常勤職員の災害補償に関する条例及び非常勤職員の災害補償に関する条例及び職員の再任用に関する条例の一部を改正する条例一部改正の件

  2 大阪府認定こども園の認定の要件並びに設備及び運営に関する基準を定める条例一部改正の件

 

【質疑応答】

なし。

 

【採決の結果】

賛成多数により原案どおり承認した。

(賛成者 向井教育長、小河委員、立川委員、井上委員、竹若委員)

 

◎ 議題2 平成28年度「府立学校に対する指示事項」及び「市町村教育委員会に対する指導・助言事項」について

【議題の趣旨説明(高等学校課長・小中学校課長)】

標記における「取組みの重点」について、決定する件である。

 

【質疑応答】

(向井教育長) 文部科学省の動きや、世の中の動き、また大きな課題となっている事項について、来年度の大阪府教育委員会の基本的なスタンスということで、学校現場まで徹底させるため、毎年度お示しさせていただいているものである。

(竹若委員) 府立学校に対する指示事項と市町村教育委員会に対する指導・助言事項の両方に、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律を踏まえた、合理的配慮」という言葉が出てくるが、教育長がおっしゃるように学校現場へ周知徹底しようとすれば、「合理的配慮」がどういうことなのか説明がいると思うが、現場への説明はどうするのか。

(橋本高等学校課長) 合理的配慮は個々のケースで様々なので一概には言いにくいが、教職員向けの研修資料を府立学校用に作っていて、これを周知している。ここに大事な観点等を記載しているので、これは参考にしていただけるものと思っている。

(竹若委員) 「合理的配慮」と言うのは簡単だが、実際に現場で対応していくときに、解釈の仕方によっては不安がある。「合理的配慮」について、対応しやすいような資料があれば、という思いがある。現場の意向も考えていただき、推進いただきたい。もう一つ、2−5ページの、英語教育の「CAN−DOリスト」だが、それぞれの高校において、子どもの実態に合わせて、学年の発達段階に応じて学習到達目標を設定していくとのことだが、各校のデータを府教委で一括して把握できているのか。

(橋本高等学校課長) CAN−DOリストについては国が方針を示しており、これを踏まえて我々も雛形を各校に示している。英語力のハイレベルなものから基礎のところまでいくつか雛形を示しており、各校はこれを見て、自校の生徒の英語力の状況に応じて、これを参考に作ってください、ということをお示ししている。

(竹若委員) 学校によって温度差があるし、到達度も差が出てくると思う。大阪の高校の教育全体について、子どもたちの英語力をここまで引き上げたい、という府全体の目標設定も必要かと。それと関連して、小学校の英語が教科として位置付けられてくるので、小学校6年間、中学校3年間、高校3年間、という12年間の大阪の英語力の構築を考えていかねばならない。そういうことをリンクさせた目標設定というのも、今後考えていかねばならないのでは。要望しておきたい。

(井上委員) この府立学校に対する指示事項と市町村教育委員会に対する指導・助言事項は、このあと冊子化するとのことであるが、かなり膨大な時間を使って、しっかり作っており、現場の先生に使われることが大事である。どういうルートで配布されるのか。学校の先生全員に配布されるのか。

(橋本高等学校課長) 府立学校に対する指示事項は、校長に2回説明する。重点の説明を1月5日に行い、本編ができた段階で再度行う。校長・准校長にしっかりと主旨を伝えた上で、教職員全員分を学校に配付する。校長は、職員会議等でこれを配って、説明する。

(井上委員) 重点事項を説明した後、校長は学校の先生全員に説明して、また冊子ができた後に、再度説明を行うのか。

(橋本高等学校課長) 重点のみで説明を行うことは義務付けていない。

(井上委員) 先生方がしっかり読んでいるかどうかの確認はするのか。

(橋本高等学校課長) 確認まではしていない。方法については校長に委ねている。主旨は徹底していただくようにお願いしている。

(井上委員) せっかく時間とお金をかけて、いいものを毎年作っている。現場の先生に対して、配って読まないということを疑うのは良くないとは思うが、全員で同じ方向を向いて教育活動をやっていかなければならないので、徹底してもらう方法を校長に考えていただくべきでは。

(橋本高等学校課長) 今でも配りっぱなしではなく、必ず時間をとって説明してほしいと言っているので、そこを再度徹底したい。

(井上委員) ある意味、会社でいうところの経営方針みたいなものと思う。企業では、今年の経営方針、取組みの重点はこうだというのを決めて、社長が説明したら、普通は各部、各課で、部・課長は細かく説明して、そこで議論するもの。そのようなことをやらないと、せっかく作ったけど配りっぱなし、というのは一番よくないと思うので、そういう工夫をしていただきたい。市町村教育委員会に対する指導・助言事項はどういうルートで配付されるのか。

(坂本小中学校課長) 市町村教育委員会に対する指導・助言事項なので、市町村教育委員会はこれを踏まえて、市町村教育委員会ごとに新たな指示事項を作る。毎年、早く示してほしい、と要望がある。今回の重点事項等も踏まえて、市町村教育委員会で内容を考えていただけるものと思う。

(井上委員) この指導・助言事項そのものは、市町村教育委員会には配付されるが、現場の先生には配付されないのか。

(坂本小中学校課長) あわせて配っていただけるものと思っているが、府教委が直接縛っていない。

(井上委員) 配られるかどうかの判断は市町村教育委員会ということか。

(坂本小中学校課長) 府教委からは、各小中学校には1部お届けする、という形。

(井上委員) 先生方は参照できるということか。

(坂本小中学校課長) はい。

(竹若委員) 各学校には、府教委から1冊各校に配られる。それに基づいて、市町村教育委員会では各校長を集めて説明する。それとあわせて、各市町村教育委員会が出す指示事項があるので、各校ではそれを増刷し、教員一人一人に手渡した上で、学校の経営方針を説明する前に、府教委の指導・助言事項、それを受けての市町村指示事項をきちっと説明するということで、徹底してやっている。浸透していく度合いは多少の差はあるかもしれないが、そういう形でやっている。

(津田教育センター所長) 府立学校への説明だが、校長にこれを説明し、校長は学校経営計画を作る。重点目標を、方針を踏まえて柱立てをする。それを府教育委員会で再度、課題に触れていますね、とかの話し合いをして、府が示すものと、学校の課題等をミックスしながら学校経営計画を作っていく、という形でおとしこんでいくものになっている。

(向井教育長) 井上委員の指摘は一番大事なところと思っている。

(立川委員) 前に活用のしやすさということで、関連資料をリンク、ジャンプできるようにしてほしいと要望した。27年度分は目次からそのページにとぶ、というのはあるが、関連資料がどこか、というのがない。冊子に関連する資料を一つ一つ、ガイドラインや関連資料をまた探さないといけないという状況なので、ペーパーは熟読、活用されると思うが、便利さ、活用のしやすさと言う点で、関連資料のリンクは是非、実施してほしい。

(橋本高等学校課長) 工夫する。

(立川委員) 府立学校への指示事項も、市町村教育委員会への指導・助言事項についても。可能な限り、手間はかかると思うが、私もチェックするときに、どの資料か、というのがすぐ見れない状況なのでお願いしたい。指示事項の2−9ページの【いじめの防止】のところで、「5つのレベルに応じた問題行動への対応チャート」が関連資料に入っていない。「子どもを守る被害者救済システム」が何箇所か出てくるが、平成25年6月改定と平成27年4月改定が混在しているので、最新版でお願いしたい。最後に、2−16ページ、安全で安心な学びの場づくりで、防災関係は手厚く関連資料が記載されているが、(29)【学校の体育活動中の事故防止の取組み】の関連資料が付いてない。府教委として、学校危機管理マニュアルみたいなものは作っているのか。他府県ではそういうものを作っている。防災も含めた、学校における事件・事故全般、いじめがあったときの危機管理とかをまとめた冊子。寝屋川市は作っている。(29)の記載だけが今回新たに加わったということで、それは良いことだが、もう少し手厚く関連資料をつけてほしいと思う。文部科学省も、いろいろ関連する良い資料があり、動画で「学校における体育活動中の事故防止のための映像資料」も参考になるので入れてほしい。

(植山保健体育課長) はい。年度当初に出す通知では、文部科学省の関連資料を記載したりしている。

(立川委員) 本編の方でいろいろ出てくるとは思うが。市町村教育委員会に対する指導・助言事項の、2−25ページ、いじめ防止のところの【問題行動への対応】で、「子どもを守る被害者救済システム」が入っていないので、入れてほしい。

(向井教育長) 今お聞きしたご意見は検討させていただき、入れさせていただく。

(立川委員) 可能な限りお願いしたい。

(竹若委員) 市町村教育委員会に対する指導・助言事項の、2−24ページの【読書活動の推進】で、「学校図書館担当職員の配置促進に努める」とあるが、これは市町村に対する努力義務ということか。

(坂本小中学校課長) はい。努力義務である。法的にもそうなっている。

(立川委員) 府立学校に対する指示事項で、商工労働部が作っている「働く若者のハンドブック」というものがあり、それがキャリア教育か中退防止に入るのかはわからないが、いいものなので、活用できるように、入れてもらえると、そういう冊子があるということを気づきやすいと思うので、入れていただきたい。

(向井教育長) はい。

(立川委員) 非常に活用しやすい。アルバイトの際や、中退や就職する生徒に活用できる素晴らしい冊子なので、現場で活用できるように、記載をお願いしたい。

 

【採決の結果】

委員の意見を踏まえた修正を事務局に一任し、その他の箇所については原案どおりとすることを、賛成多数により決定した。

(賛成者 向井教育長、小河委員、立川委員、井上委員、竹若委員)

 

◎ 報告事項1 平成27年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査における大阪府の結果概要について

【報告の趣旨説明(保健体育課長)】

標記について報告する件である。

 

【質疑応答】

(井上委員) 楽しく運動ができるような指導、方法を広げていくことが大事。20mシャトルランとかあまり楽しくないと思うので。楽しく体を動かすということを、子どもたちが体験できるようなことをやっていくのが大事。と同時に、私の個人的な経験として、神戸市出身だが、「スポーツ賞テスト」というのが当時あって、三種目か五種目で良い記録を出すとバッジをくれて、そのバッジを一生懸命集めた。50mとかソフトボール投げとか、一生懸命練習した記憶がある。測定をするときに、一定以上の点数をとったらバッジをあげるとか、ご褒美を、シールでも何でもいいので。そういうのをやると、意図的に大阪府が数値を上げる、という批判を受けるかもしれないが、そうではなくて、子どもたちに運動に取り組むインセンティブをしっかり与えてあげるということで、来年度は難しいかもしれないが、再来年度に向けて、予算化できないか。ご褒美、シールのような仕掛けと、あと、あこがれみたいなものが必要かなと思っていて、たまたま横浜市教育委員会の人と話したが、横浜市では、大人はオリンピックに意識が高いが、子どもまで意識がいっていないと言われていた。私は東京に住んでいるが、至る所に、オリンピック、オリンピック、となっていて、学校にも垂れ幕とかポスターが貼ってあって、子どもたちも何か運動やろうかな、と、あこがれが持てるような環境になっている。大阪で東京オリンピックと言っても、子どもたちも中々ピンとこないかもしれないが。何か、たとえば一流のアスリート、体育大学の学生に来てもらって指導してもらうとか、もっとわかりやすく、大阪出身のアスリートの方々に学校を何校か回ってもらうとか。あの選手かっこいいな、とか、あのギタリストかっこいいから僕もギター始めようかな、と同じような感覚で、あこがれから始めて、やってて楽しい、いろいろ仕掛けを作って広げていこう、一定の基準まで行ったら、良くやったね、と、子どもが喜ぶような仕掛け作りみたいなことをやれば、もっともっと運動に取り組む子供が増えるかな、と思う。特に最近、ロコモティブシンドロームで、高齢者の方が歩けなくなることが多い。運動習慣がない人が多い。歩けないと社会コストがすごく大きい。どこの市町村も30代、40代の人に運動させようと、一生懸命いろいろ考えているが、30代、40代、メタボのおじさん達は、なかなか運動しない。では根本的な原因は何かというと、子どものころに、運動をしっかりしていない。運動習慣がないと、急に30歳、40歳、ましてや60歳にもなって運動しろといっても、やらない。小学校や中学校で、体を動かすことは楽しいな、という感覚を持っておけば、20代でブランクがあったとしても、また30代、40代で体を動かすということになると思うので、子どもたちの体力向上ということだけでなく、大阪府全体、府民の健康増進ということを視野に入れて、楽しくやっていくということと、あこがれを持てるような仕組みと、ご褒美という仕組み、是非とも考えてほしい。

(植山保健体育課長) 今おっしゃったプロスポーツのトップアスリートだが、府民文化部の文化・スポーツ課で、「トップアスリートふれあい事業」というのをやっている。トップアスリートが、チームや個人といろいろあるが、小学校や地域を訪れ、子どもたちと触れ合うという事業をやっている。そういう人たちの協力も得て、全部は難しいがやっていきたいと思っている。あと、子どもたち、嫌いな種目もあるとは思うが、各校で1年生から6年生、中学3年生まで、毎年こういう調査、子どもたちの体力の状況調査をやっているが、ひいては子どもたちが楽しくできるような方に持っていけないか、これから市町村教育委員会にもお願いしていかなければ、と思っている。ご褒美については学校ごとにいろいろ考え方があるので、すぐにはできるかどうかはわからないが。

(井上委員) 個人的な経験だが、一生懸命バッジを集めていて、学校の先生が「速くなってきた」と言って褒めてくれたのを、いまだに覚えている。子どもたち、バッジでもシールでも何でも。その考え方が正しいか、という議論はあるかもしれないが。子どもは単純なもので前向きになったりするかなと思うので、一案として。

(植山保健体育課長) 市町村教育委員会のご意見もお聞きしたい。

(小河委員) 何度かお話したが、やはり、自然な流れとして、幼児教育がとても大事と思う。議題2の市町村教育委員会に対する指導・助言事項でも、最後の方に幼児教育の重要性が書かれている。この間もテレビを見ていて、具体的なデータは定かでないが、驚いたのは、東京学芸大学の先生が報告しておられたが、自然な遊びと、特定の訓練をやった子と、体の発達の具合がどう違うかを論じておられていて、自然な遊びをたっぷりやりこんだ子の方がはるかに高い。パブリックな基本方針を論じる上で、とても重要だと思う。そういう意味で、大阪の子どもたちの心身、特に体の発達。井上委員がおっしゃったとおり、心と体の発達は不可分と思うが、体の発達は、喜び、楽しさ、それにけん引されてどんどん進んでいく。その進み方は、総合的に進んでいく。神経系統から、筋肉、全身が、バランスよく育っていく。「遊びの中で獲得していく力というのが決定的に大きい」とおっしゃっておられて、データがあまりにも違いがあったので驚いた。まさにそういう面から考えると、幼児たちが、思い切り、安全に遊べるフィールドを行政的にちゃんと作っていくというのが、我々の大きな課題ではないかと感じており、ぜひ実現したいと委員就任以来やってきたので、よろしくお願いしたい。

(向井教育長) 客観的な数値は出てはいるが、これがすべてではない。基本的な能力、私も器械体操をやっていた。ゴールラインは少し違うが、どの項目も関係のある数値。各市町村は、たとえば水泳に限定して、水泳だけ50m泳げるようにと目標をたててるなど、いろいろとやっている。その辺の情報はまだ全部は把握していないが。

(竹若委員) 最終的には、健康寿命ということを考えたときに、幼少時、小中学校、高校と、継続してやっていかないといけない。調査対象の小5、中2以外の学年の実施率が低い。これは、やらされ感しかないから、小5、中2のデータしかない。ここを超えようと思えば、総合教育会議でも言ったが、高校で、体育研究会というのがある。中学校、小学校にもある。その組織を、所管課がどう機能させるか、が大きい。バッジ、シールがいいかは別として、自分の、毎年の力が小学校6年間で伸びてきた、ということが非常に大きな誇りになる。研究会と言う組織をもう一度復活させる方策を練る必要があるのでは。そこへ、各市町村から担当の指導主事が入って、自分の市町村の学校現場を見たときに、担当の指導主事も考え直さなければならない。根本的に考えないと、大阪はいつまでもずっと同じレベルのまま推移するのでは。先生が転勤してしまったら、その学校の取組みは終わり。ではなくて、全体を考えたときに、どこに行ってもやらなければならないこと。そういう観点で研究会を活性化することを、是非次年度に向けて準備をいただく必要がある。先だって福井県の話をしたが、すごい。握力だが、福井県では、親子で家に帰ってじゃんけんをさせる。片腕で腕立て伏せしながら片手でじゃんけんさせる。お父さんお母さんができるようにプログラムを作っている。そういう小さなことだが、継続していくことが、握力の向上につながっている。あるいはボール投げ。最近の子どもたちは、ボールを投げる機会が少ない。アメリカンフットボールのボールを与えて、校舎と校舎の間にロープを張って的を作って投げさせる、そういう遊びをすると、その学校のボール投げの数値が上がる。ではそういう工夫はどこがするのかというと、研究会。研究会が情報を持ち寄って、よその学校の真似、市町村の真似をすることが大事では。いろいろな方法あると思うが、保健体育課には研究会の活用を考えてほしい。

(植山保健体育課長) 地域ごとに盛んなところとそうでないところがある。今回もいろいろ相談したりご意見いただいたりして考えているところ。地域全体でご協力いただければ効果もあがるかな、とは思っている。

(井上委員) 竹若委員、小河委員がおっしゃったことと関連して、かけっこ教室がはやっている。かけっこというのは習うものでは無いと思っていたが、自然の中、公園を子どもが、小学校低学年の子が走り回れる環境が少ない。親からすると、公園に親抜きで遊びに行かせるのが怖い。だから学校の閉じられた空間でかけっこ教室があれば、移動の際に事件・事故にあうリスクが少ない、ということで流行っている。小河委員がおっしゃったように、囲いがあるところ、自然の施設があれば一番いいとは思うが、現実的に難しい。昔は幼稚園でも小学校低学年でも、学校から帰ってきたら、かばんを置いてワーッと遊びに行く、それが一番いいとは思うが、そういうのがいろんな社会状況でリスクがあって、親も心配なので。学校の中でやっていくのが非常に大事。この間も池田市の小学校でかけっこ教室をやったが、200人ぐらい来てくれたが、そのときに聞くと、お母さん方も20代30代の方々だが、野山を駆け巡って走り方や体の動かし方を学んだが、今は女の子だけでなく男の子も、小学校低学年だけを遊びに行かせるのがすごい不安であり、学校という安全な中で運動を教えてくれるのはすごく有り難いとおっしゃっていた。放課後にやるのも良いが、本来は、学校の時間の中でしっかりやれば、不安も解消されて、子どもたちも小学校低学年、ひいては幼児からの教育につながっていく。小学校、中学校の運動能力の向上を、工夫をしてやっていくことが重要である。

(小河委員) 話がとぶが、驚いたのは、港区の中学の生徒たちと話をしていて、赤とんぼを見たことがない。セミはいるが、赤とんぼは確かにいない。つまり、子どもたちは公園に行っても、ボール投げはするな、犬の放し飼いをして一緒に走るのも望めない、公園が仮にあっても、自然の中で遊ぶという空間とは全然違うという状況で、何のための自然なのかとも思うが、相当意識的な設計、たとえば、芝生化とかとても大事と思うが、まさに乳幼児こそ芝生の上で這うとかが、大事な感覚形成の時期と思う。乳幼児期の、少年期までの自然な育ちというものが、あとあとの伸びを大きく変えるスタートラインになると思うので、ここを変えない限り、後の方で変えるというのが非常に難しい。勉強も同じだが。最も効率よく合理的なやり方として、乳幼児期の計画的、政策的な手の打ち方というのを具体的に実行していくのが、一番解決策として大きい。相当効果的な方策というのはそのあたりではないかな、と思う。しっかり研究、調査して、今の子どもの育ちの世界、どういう実態でどういう問題があるのか、テレビとか、ゲームとか、閉じ込められた空間でじっとしている状況、あるいはスナック菓子を食べながら長時間過ごさざるを得ない子どもたちがかなり多いのでは、と危惧している。これは重大な社会問題である。

(向井教育長) そういうのを示す数字があまりない。

(小河委員) 調査して対策を打っていかないと。特に大阪、経済的にもすごいしんどい状況にある中で、子どもたち、次の世代を守るためにすごい大事な手の打ち方と思う。

(立川委員) 皆さんのおっしゃるのはそのとおり。総合教育会議の方でも、体力作りがメインだった。私も体を動かすのは幼児期から大好きだったので今も好き。小学校に入ったら苦手意識がある子がいるということで、大人の方が苦手意識を持っていたりとか、自分たちが自然に遊んで、縄跳びとかも自主的に勝手にやって勝手にできるようになってきたと、放っておけばできるんだというような、大人の方が、育つ環境の変化、というものへの意識を変えていかなければいけない。大人が、安全安心な場所で、楽しく遊べるという環境設定、毎日の10分、15分の時間の意識とか、環境も大事だが、10分でも公園に連れて行くというところから始まって、体を動かす楽しみを親子や地域で、大人も子どもも楽しめる、という、学校や教育コミュニティの中でやっていくことかなと思う。井上委員が、バッジがうれしかったという話だが、私も縄跳びが大好きで、何かできるようになると、縄の端にビニールテープを貼ってもらえる。最後は黒帯ではなくて、黒いテープ。いいものをもらうのも嬉しいが、紙のメダル、小さな賞状だけでも、今でも大事に持っているぐらい嬉しい。そして子どもが、少しできたことが、これをもらえた、集めようと、少しスモールステップで、達成感があって、また頑張ろう、と、喜びがある。そのようにスポーツテストも、できたら意欲的に学校でやれるような仕組み作りは大事。縄跳びのジャンプアップ大会に行かせていただいて、毎年恒例でやっているとのことだが、参加校が固定してきているとも聞いている。参加している生徒さんたちに聞くと、先生方、保護者が非常に燃えて、感動的な場面をたくさん見させていただいた。あの場面に行けば、やってみたい、となるが、なかなか参加の意欲を出し切れていないという点で、大会の良い場面を動画にするとか、広報というか、参加しやすいものにしてほしい。レベルが高すぎて、そこに追いつくまでの指導、どんなのかなと苦労話もいっぱいあると思うが、やはり指導者、先生方の意欲を高めていただいて。できる、できないは別として、そこで交流した生徒たちというのは、きっと、ずっと運動が大好きになっていく。

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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