平成21年11月20日(金曜日)
午前9時30分 開会
午後0時30分 閉会
大阪府教育委員会委員会議室
委員長 | 生野 照子 |
委員長職務代理者 | 小河 勝 |
委員 | 川村 群太郎 |
委員 | 隂山 英男 |
委員 | 中尾 直史 |
教育長 | 中西 正人 |
教育監 | 田中 保和 |
教育次長 | 向井 正博 |
教育総務企画課長 | 藤井 睦子 |
教育振興室長 | 楠野 宣孝 |
高等学校課長 | 津田 仁 |
支援教育課長 | 村上 慶太郎 |
市町村教育室長 | 藤村 裕爾 |
小中学校課長 | 角野 茂樹 |
児童生徒支援課長 | 梶谷 尚義 |
地域教育振興課長 | 太田 浩二 |
教職員室長 | 角 善啓 |
教職員人事課長 | 橋本 正司 |
第1号議案 | 平成22年度大阪府公立高等学校及び大阪府立工業高等専門学校の募集人員について |
第2号議案 | 平成22年度大阪府立たまがわ高等支援学校の募集人員について |
報告事項1 | 新たな連携型中高一貫教育の対象地域について |
報告事項2 | 平成22年度当初予算要求について |
第3号議案 | 大阪府公立学校教員の懲戒処分について |
第4号議案 | 大阪府公立学校教員等の懲戒処分について |
(1) | 会議録署名委員の指定 | ||
隂山委員を指定した。 | |||
(2) | 前回の会議録について | ||
全員異議なく承認した。 | |||
(3) | 議案の審議等 | ||
◎ | 第1号議案 平成22年度大阪府公立高等学校及び大阪府立工業高等専門学校の募集人員について | ||
【議案の趣旨説明(高等学校課長)】 | |||
府内公立中学校卒業見込み者数の動向を踏まえ、標記募集人員を定める件である。 | |||
I | 昼間の高等学校(全日制の課程及び多部制単位制I・II部、ただし、府立工業高等専門学校を含む。) | ||
1 | 受入れ計画 | ||
(1) | 府内公立中学校卒業者数は74,370人(前年度比3,557人増)と推計。 | ||
(2) | 計画進学率93.9%、他府県等への進学者2,800人(前年度比100人減)として、公私分担比70:30により公立受入れ数を46,930人とした。 | ||
(3) | 「高校就学セーフティネット」の観点から、(2)の公立受入れ数に960人を加え、さらに他府県等からの進学者を加えて、募集人員を48,640人(前年度比3,440人増)とした。 | ||
(4) | 募集学級数は、1,216学級(前年度比86学級増)とした。 | ||
・府立高等学校の全日制の課程において、普通科を90学級増、総合学科を1学級増。 | |||
・大阪市立の高等学校の全日制の課程において、商業に関する学科で3学級減、工業に関する学科及び英語科でそれぞれ1学級減。 | |||
(5) | (3)の募集人員とは別に、知的障がい生徒自立支援コースの募集人員を33人(前年度に同じ。)とした。 | ||
2 | 学科の改編及び募集停止 | ||
・大阪市立天王寺商業高等学校の英語科を募集停止する。 | |||
II | 多部制単位制III部 | ||
(1) 募集人員 240人(前年度に同じ。) | |||
(2) 募集学級数 6学級(前年度に同じ。) | |||
III | 定時制の課程 | ||
(1) 募集人員 1,960人(前年度に同じ。) | |||
(2) 募集学級数 49学級(前年度に同じ。) | |||
IV | 通信制の課程 | ||
・募集人員 650人(前年度に同じ。) | |||
【委員の質問及び意見】 | |||
川村委員 | 募集人員を増やした学校はどこか。 | ||
津田高等学校課長 | 島本、北淀、吹田東、池田、渋谷、池田北、豊中、桜塚、刀根山、箕面等である。 | ||
川村委員 | 全体で86学級増やすということだが、もっとはっきり分かるようにしてほしい。 | ||
中尾委員 | 市立では5学級減っているから、実際には府立で91学級増やすということだろう。教員は146人増ということだが、それは非常勤講師を含めての数か。 | ||
津田高等学校課長 | 常勤のみである。 | ||
川村委員 | 予算はどの程度増えるのか。 | ||
橋本教職員人事課長 | 146人で約12億円くらいである。 | ||
中尾委員 | 私は公立と私立の両方の校長を経験しているが、保護者から見ると私立も教育委員会が所管していると思っている。それはともかく、公立と私立の双方でセーフティネットを構築するなら、公私トータルでどのような方策をとるのかという視点で打ち出さないといけない。保護者や中学校の先生も苦慮しているが、相談にのれない。ぜひ考慮をお願いする。 | ||
中西教育長 | セーフティネットについては、公私あわせて府民に明らかにするという視点で議論してきた。今回も公立960人増と私立の低所得層無償化という方向性を打ち出したが、具体的にはこれからの予算編成作業の中でやっていくことになる。授業料の無償化についても早くアナウンスしていきたいが、国の制度がまだ固まっていない。また、私学については府県間の違いもあり、トータルコーディネートをする機能がない。教育委員会が関与できないので、むずかしい。 | ||
生野委員長 | 数年先の展望をもとに組み立てていく必要がある。ところで、外国人生徒の推移についてはどうか。 | ||
津田高等学校課長 | 外国での滞在年数に応じて、募集人員の内数ということで対応している。トータルでは収まっているが、若干内数を超えるところもある。昨年から今年にかけては横ばいで、今年はこの募集枠で収まる見込みである。 | ||
生野委員長 | 帰国生徒への配慮は必要。大きな課題になると思うので、募集の中でもよく検討してほしい。 | ||
中尾委員 | 生徒の学力と学級増とは必ずしもマッチしていない。各学校でどのような特色でどう受け入れるか、公私が切磋琢磨して指導力を高めていってほしい。 | ||
津田高等学校課長 | 公私ともにセーフティネットを構築していくべく、今後、しっかりと対応していきたい。 | ||
【採決の結果】 | |||
原案どおり決定した。 | |||
◎ | 第2号議案 平成22年度大阪府立たまがわ高等支援学校の募集人員について | ||
【議案の趣旨説明(支援教育課長)】 | |||
平成22年度大阪府立たまがわ高等支援学校の募集人員を定める件である。 | |||
1 | 大阪府立たまがわ高等支援学校本校の募集人員を64人(前年度に同じ。)、学級数を8学級(前年度に同じ。)とする。 | ||
2 | 大阪府立高等学校内に設置する共生推進教室の募集人員を12人(前年度3人)、学校数を4校(前年度1校)、学級数を4学級(前年度1学級)とする。 | ||
【委員の質問及び意見】 | |||
生野委員長 | 募集人員はハード面での制限があると思うが、ニーズについてはどうか。 | ||
村上支援教育課長 | ご指摘のとおりニーズについては高まっており、昨年度も募集人員64人で倍率は1.31倍であった。 | ||
生野委員長 | 共生推進教室についてはどうか。 | ||
村上支援教育課長 | 第1学区から第4学区まで高等学校の通学区域に1校ずつ設置することとした。共生推進教室は就労支援に力を入れており、自立支援コースとともに、ニーズを見ながら展開していきたい。 | ||
中西教育長 | 4つの共生推進教室でたまがわの実習をしていくが、さらに力を入れて取り組んでいきたい。 | ||
【採決の結果】 | |||
原案どおり決定した。 | |||
◎ | 報告事項1 新たな連携型中高一貫教育の対象地域について | ||
【報告の趣旨説明(高等学校課長)】 | |||
新たな地域での連携型中高一貫教育の導入をめざし、対象地域を柏原地域とするとともに、対象校を府立柏原東高等学校、及び柏原市立の6中学校として事業を進めることについて報告する件である。 | |||
【委員の質問及び意見】 | |||
隂山委員 | 私学の中高一貫校のような、教科課程の特例措置などはできないのか。 | ||
津田高等学校課長 | 若干の選択科目の変更等はできるが、高校での教科課程を中学校に落とすようなことはできない。併設校と比べ大胆に変更することは認められていない。 | ||
隂山委員 | 現在はいろいろなタイプのものができているが、その実態はよく分かっていない。府としても中学校と連携しながらどうリードしていくかのシンクタンクの役割が求められている。また、新しいことが求められているのに、教職員が古いままでいいのかということもある。大阪教育大学を巻き込んで、府全体のフレームづくりができないかと思う。教育学校というのは現場離れしているものである。府の中にシンクタンク機能ができるよう検討をお願いする。 | ||
川村委員 | 保護者の立場からすると、卒業したときに良かったと思ってもらえる学校にすることが大事。その意味では絶対に大学と連携していかなければならない。今は無駄が多い。一貫というのは一つの流れの中でつくらないといけない。 | ||
小河委員長職務代理者 | 一貫校というのは、やはりゆとりがあると思うし、いろいろな教科指導もできる。制度の枠をどう打開していけるか。外国も含め教育制度全体の調査分析を進めていかないといけない。従来と違う問題がいっぱい出てくると思う。 | ||
生野委員長 | 重点事業でしっかりと予算を確保し、スタートしていってほしい。 | ||
小河委員長職務代理者 | 中学校の教員をしていての実感だが、中学校の教員は小学校教育の認識が不足している。小学校段階でもテストの意義などを体験的に経験していないと、中学校に行って通用しない。学力状況などを把握しておかなければならない。小学校から中学校、中学校から高校と見通しを持って取り組む必要がある。 | ||
中尾委員 | まったく同感。理数離れの原因として、小学校の先生に文系の人が多いことが考えられる。中学校との交流を図らなければならない。将来の最終の着地点をどう見るかが大事である。公立の中高一貫校はつくらないのか。 | ||
中西教育長 | 今回この件の名称を変えたのも、世間に向かってこれで中高一貫教育と言えるかという疑問があったためである。中身も含め、もう少し具体的に検討していきたい。 | ||
小河委員長職務代理者 | 相当グランドデザインをしっかりしていかないといけない。今の問題はこれまで国が縛ってきた制度を根本的に変えていく改革である。幅広い論議をしていく時間が必要である。 | ||
川村委員 | どんな文系、理系を育てたいかである。理系的な子が受験、受験で追いまくられて能力が生かせない就職をしていることがある。先々、シンクタンクとしてしっかり論議していかなければならない。 | ||
隂山委員 | 突き詰めていくと、指導要領の問題に行き着く。軌道修正もいきなりするといけないので、部分修正になっている。その点、私学は死活問題。指導要領の問題というのは教科書、教材の問題になってくる。立命館では教材を作って副教材として使っているが、外部委託をしている。その余力を持っているのは大教大しかない。ぜひそこは我々も考えていきたい。 | ||
田中教育監 | 今回、柏原でこれを実施するのは、これまでも大教大と連携してきているという実績を見てのことである。 | ||
隂山委員 | 一般性のある教材の検討をお願いする。大教大と上手に連携していってもらいたい。 | ||
小河委員長職務代理者 | 従来の制度とバッティングする場面が絶対あると思うが、あえて、そこを積極的に越えていく姿勢が大事である。 | ||
川村委員 | 企業でも悩むのは改革のときである。中高一貫教育の改革をするなら、通常業務を担当している人とは切り離して、教育長の下にプロジェクトチームをつくるべきである。専任化しないといけない。府教委はその頭脳があると思う。 | ||
隂山委員 | 立命館では、高校生を琵琶湖の付近の大学内で勉強させている。文科省に確認したら問題ないということであったが、府立校も府大の中に校舎があっても面白い。大和川高校の取組みもぜひ進めていってほしい。 | ||
◎ | 報告事項2 平成22年度当初予算要求について | ||
【報告の趣旨説明(教育総務企画課長)】 | |||
平成22年度大阪府教育委員会当初予算要求の概要(平成21年11月20日時点)等について、報告する件である。 | |||
【委員の質問及び意見】 | |||
小河委員長職務代理者 | 中尾委員とも議論していたが、高校について、文系、理系の分け方でいいのか、世界の流れに逆行している気がする。 | ||
隂山委員 | 国も府もお金がないのだから、お金のかからない学力向上策を考えるべき。実績を上げたところにお金を使うべきである。成果を出したところにお金を使わないといけない。それと、資料3について、授業改善が一番に出てきているが、本当に授業改善で学力が向上するのか疑問である。結果的に重要なのは教材である。例えば、高度な漢字力があるところは、成果も出ている。学校に応じた教材づくりがあると思う。そう簡単に、ヒト、モノ、カネを渡すべきではない。成果を出したところにお金を集めて、その上で一般化していくべきである。 | ||
小河委員長職務代理者 | 中学校の学力向上については、まだ成果は出ないと当初から言っていた。やはり全体的な流れとして、3年はかかるだろう。漫然とやっていて、成績が上がるという思いは間違いである。 | ||
隂山委員 | しかし、今年の学力テストを見ると、1年で成果が上がっているところもある。学校現場は頑張っているが、成果がずっと出ないというのは怖い。成果が出る方向にシフトしないといけない。 | ||
小河委員長職務代理者 | マンツーマンで教えているところもあるが、効果的でない。原因究明と打つ手を変えていくことが大事である。 | ||
中西教育長 | 事務局の中でも議論したが、冬休み中に支援プロジェクトを導入したところを集めて研修をし、そこで進んでいる成果を共有しようと考えている。全体に広げられるよう、意思統一していきたい。 | ||
隂山委員 | 逆説的に言うと、「モジュールをやっていればいいんだ」という思い込みをされることが怖い。自立化を促さないといけない。「3年後に成果が出る」とい言うと、「3年後でいいんだ」となってしまう。 | ||
小河委員長職務代理者 | その点については、両面の考え方がある。中学校では、間違ったところを修正することが大事なのに、そこをとばしている。一つ一つ丁寧に、先生方がシステムとしてやっていくことが大事。特に中学校は教科担任制だから、組織的に動いていかなければならない。 | ||
中尾委員 | PDCAを何回も回し、システム化していくことである。思わしくない結果には、いろんな理由がある。例えば、遅刻、着メロ、整理整頓、チャイムが鳴ったらすぐに座るなど、きっちりやったところは、ちゃんと成果が上がっている。私の学校でも中学1年から漢字検定を受けさせているが、大事なのは成功体験を感じさせることである。そういう成果が見えるようになって、システム化してきた。表彰なども良いと思う。 | ||
小河委員長職務代理者 | 文章力が変わってくると、理解力が変わってくる。数学と国語の両方をきっちりとやっていけるかが今年の課題。両方かみ合って成果が出てくる。 | ||
隂山委員 | 成果を出したところをしっかりとフォローし、評価することである。 | ||
中尾委員 | 事業計画をしっかりと立てておく必要がある。Pがしっかりしていなければ、DCAがうまくいかない。それと、予算のことだが、課題から入っているが、本当は「これは無くさなければならない」というところから始めないと、新しいことができない。思い切って、やめるところはやめるべきである。また、考えるべきは中期計画である。タイムスケジュールをつくって、しっかりと管理していく必要がある。 | ||
中西教育長 | 「大阪の教育力」向上プランをつくって進捗管理をしており、そういう仕組になりつつある。 | ||
田中教育監 | 各学校においても自己評価を出している。 | ||
川村委員 | 我々としては、評価していかないといけない。積極的に取り組んだ市町村はどこかとか、モデル事業についてはどうだったかとか、検討すべきである。どこまで目標を達成し、成果を出したか明らかにすべき。効果のないものはすぐにやめればいい。そうしないとインフラ整備もできない。予算についても全体的に減らさないといけないのだから。それと、税収についても下がっているだろう。民間の売上げも3割も下がっているのに、5%減というのはどこかずれていると思う。教育だから通っているようなものである。 | ||
中尾委員 | 人員を半分にするというくらいでないと、減らない。それと、少数精鋭というのは優秀な人を選んで組むのではなく、人を減らせば精鋭になるものである。 | ||
川村委員 | 教育委員会の予算要求が通ったと喜んでいてはいけない。減らしてやっていかないといけない。 | ||
中西教育長 | 5%減は全庁的なフレームであり、95%が人件費になっている。地方財政の難しいところで、定数についても標準法の規定もあり、わずかな残りで何ができるかと知恵を絞っているところ。大枠の仕組みについては、ご理解いただきたい。 | ||
隂山委員 | 教師一人ひとりのマンパワーは、しっかりと発揮されているだろうか。「10時間の授業を7時間でできるか」ときくと、実は皆「できる」と言う。いい授業をしようとすれば、自己増殖するものである。「金がない、人がいない」という発想をやめなければならない。昔は誰もが国の成り行きを真剣に考えていたが、今はみな自分たちの目先のことしか考えていない。教職員の給料はまだいい方である。教職員が頑張らないとこの国はダメになる。民間企業でもそうだろうが、頑張っているところがあるから、そこに希望を見出すことができる。発想の転換をしなければならない。 | ||
小河委員長職務代理者 | 学力については、精神論ではなく、具体的にどうして上がったのか、なぜ上がらないのかの究明が大事。実績を上げているところを紹介して、報告する場を設けることである。荒れていた学校が荒れなくなったどころか、学力が上がっているところもある。具体例を見るようにしていってほしい。 | ||
中尾委員 | 教員が「それだったら、見に行こうか」というふうにならないといけない。変わってきている学校は、校長も何かしているはずである。 | ||
中西教育長 | 節目、節目で報告させてもらう | ||
生野委員長 | スタートと並行して、中身をどう熟していくかが大事である。しっかりと取り組んでいってほしい。 | ||
委員長から第3号議案以降の議案については、個人の情報等を含むものであることから非公開としてはとの動議があり、採決の結果、全会一致で非公開とすることを決定した。 | |||
(傍聴人及び報道関係者、関係者以外の者 退席) 以下非公開の審議に係る部分につき省略 |
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教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ
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