令和3年1月4日 吉村知事年頭あいさつ

更新日:2023年4月10日

 職員の皆さん、新年あけましておめでとうございます。
 本来であれば、議場も使ってということですが、このコロナ禍という中で、テレビでの新年のあいさつとさせていただきたいと思います。

 昨年は新型コロナウイルスとの闘い、感染症の対応に明け暮れた1年でもありました。府民の皆さんの命を守るという我々大阪府庁にとって最も大切な使命を果たすために、職員の皆さんそれぞれの持ち場持ち場で対応いただいたことに感謝申し上げたいと思います。
 また、年末年始においても、昼夜を分かたず、健康医療部のメンバーには、本当にしっかり対応してもらいました。府職員の皆さん、健康医療部の皆さんが命を守る活動に従事してくれているということに、まずは感謝を申し上げたいと思います。
 また、医療従事者の皆さんをはじめ、多くのエッセンシャルワーカーの皆さんに、私たちの暮らしは支えられています。感謝を申し上げたいと思います。
 未知のウイルスとの闘いは続きます。感染症対策をしっかりやりながら、社会経済活動を維持していく、社会経済活動も、府民の皆さんにとって、暮らしを守る、命を守ることにつながります。非常に難しい舵取りではありますが、本年も、府民の皆さんの暮らしと命を守るために、職員の皆さんと一丸になって取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 また、昨年秋には住民投票におきまして、大阪市民の皆さんに大きな決断をしていただきました。都構想は否決となりましたが、大阪府・大阪市一体になって、大阪の成長戦略を実行していく、これが非常に重要だと思っています。府市合わせと揶揄された時代に戻せという民意ではないと思っています。大阪府市の力を発揮して、大阪全体の成長を実現させていくということに今年も力を入れていきたいと思いますので、この点についても、皆さんのご協力をよろしくお願いします。
府市一体化、そして広域一元化をより強固なものにしていく、そして、コロナ禍においても乗り越えられるような、副首都・大阪、成長できる大阪の基盤を実現させていきたいと思いますので、よろしくお願いします。副首都・大阪の実現をこれからもめざしていきます。

 また、感染対策ですが、この間、かかりつけ医による診療・検査体制の充実、それから、大阪コロナ重症センターの運用を含めた病床の確保ということにも努めてまいりました。医療提供体制のさらなる充実、そして、高齢者施設のクラスター対策に取り組んでいきたいと思います。 
あわせて、大きく打撃を受けています中小企業の経営者の皆さん、飲食店の皆さんに対する経営支援や、そして失業された方への再就職の対策を今進めているところですが、大阪府としての役割を果たし、大阪の経済を支え、雇用を守るということに取り組んでいきたいと思います。
また、コロナ禍におきまして、児童虐待、それから、生活困窮、DV、そういった不安な生活を過ごす中で、問題化してくる課題に対しても、相談体制の充実を含めて取組んでいきたいと思いますので、皆さん、よろしくお願いします。

 本日、菅総理から、緊急事態宣言を検討するという年頭の記者会見も行われました。これは、首都圏の話でありますが、大阪においても、医療体制は非常にひっ迫した状況が続いています。そして、感染者の急拡大は、なんとか皆さんの協力をもって抑えることができていますが、いつ感染拡大が起こるか分からない状況でもあります。この危機的な状況を乗り越える、ひと冬を乗り越える。そして、春からはワクチン接種も始まります。この体制をしっかりとって、今年を、希望の見える年にしていきたいと思います。

 そして、その中で、いのちと向き合っていく、これをテーマとしました大阪・関西万博、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博、これはまさにコロナを乗り越えた新しい大阪のシンボルとなるものでもあります。昨年12月にはBIE総会で登録申請書が承認され、基本計画も策定されました。空飛ぶ車や新しい技術であったり、あるいは命に関する様々な技術であったり、そういったことにどんどんチャレンジして、ワクワクするような万博を作っていきたいと思います。そしてそれを次の世代にもバトンタッチしていく。上を向いて歩こうと言ってもらえるような大阪をめざしていきたいと思います。

 そして、国内外の観光需要は今はコロナ禍にあってなかなか厳しい状況ではありますが、日本そして大阪の魅力というのは、世界に知られたものとなっています。このコロナ禍を抑える関西国際空港における水際対策をしっかりした上で、安全・安心な受入環境整備、そして万博に向けたターミナル改修、そういったものを促進してまいります。そして、世界遺産であります百舌鳥・古市古墳群、それから万博記念公園等の府内各地の観光資源の魅力に磨きをかけていきたいと思います。
 さらに、コロナを乗り越えた後、再びインバウンドの飛躍的拡大につなげていくためには、世界と互角に競争できる規模・機能を有する世界最高水準のIRの導入をめざしてまいりたいと思います。これから国の認定等が始まりますが、国の認定を勝ち取って、そして世界最高水準のIRを誘致してまいりたいと思います。

 コロナ禍において、日本のデジタル化の遅れが露呈しましたが、社会の価値というものがコロナ禍で大きく変わってきました。新しいアイディアが生まれ、イノベーションを創出する、そういった必要性もより高く、求められるものになっています。コロナというピンチの状態を、新しい技術・デジタル化の課題も明らかになりましたから、そういったものをデジタル化に向けたチャンスととらえることも重要でないかと思っています。大阪府においては、昨年スマートシティ戦略部を立ち上げました。府庁一丸となって最先端技術を駆使したスーパーシティの実現をめざすとともに、市町村、それから企業の皆さんとも連携をして、行政のDXも含めた府域全体のスマートシティ化を進めていきたいと思いますので、各部局においては、この推進に協力をよろしくお願いしたいと思います。

 また、スタートアップは大阪の成長エンジンでもあります。特に健康医療関連産業については大阪の強みでもあります。その集積があります。大阪の強みを活かして、産学官のオール大阪の体制のもとで、スタートアップを支援していく、スタートアップが活躍しやすい環境整備を強力に進めていきたいと思います。

 そして、もう一つの柱であります、先物取引発祥の地としての大阪の強みを活用し、まさにエッジの効いた国際金融都市というものをめざしていきたいと思います。現状では、国際金融都市をめざすといっても、まだまだ低位にある、まともに相撲を取れる状況ではないという分析は私なりにきちんと把握しています。ですが、国においても国際金融都市をめざす、そして新たな万博、IR、うめきた、府市一体の成長戦略が実行できる今だからこそ、ハードルの高い挑戦にはなりますが、国際金融都市をぜひめざしてまいりたいと思います。大胆な規制緩和による「革新的な金融都市」の実現、そしてこれまでの大阪の強みでありましたデリバティブの分野に特化した取組みをめざしていきたいと思います。総合的なデパート型ではなく、ブティック型の国際金融都市をめざして、そして世界中からの投資を呼び込むということで、大阪をさらに飛躍させていきたい。それをもう一つの軸にしていきたいと思います。
これは長期的な取組みになると思います。一朝一夕でできるものではないとは思いますが、大阪の国際化、そしてこれから少子高齢化が進んでいく中で、どうすれば大阪が成長するだろうか、大阪の豊かさをさらに実現できるだろうかと考えたときに、やはりこういった新たな分野での取組み、そして経済の成長というものは不可欠であります。ぜひこれを実現していきたいと思います。

 大阪の大きな方向性として、成長、そして暮らしを守る福祉、様々な分野がありますが、しっかりと府民の生活と暮らしを守るということに力を入れていきたいと思います。そして、府市一体、府市がバラバラにならないような取組みもしっかりと進めていきたいと思います。
 そして、目の前にはコロナの感染拡大が広がっているという状況があります。非常に厳しい状況からのスタートになりますが、上を向いて歩いていく、希望の持てる年にしていきたいと思います。府職員の皆さんと一緒になって、取組みを実行していきたいと思いますので、よろしくお願いします。これからの大阪の新しい未来を作っていきたいと思います。

 府議会議員の皆さん並びに報道関係の皆さんにおかれましては、府民の福祉の向上と大阪のますますの発展のために、これまで以上のご支援・ご協力をいただきますようお願いいたします。
 私も知事・市長を経験しておりますが、市議会議員も経験して、この場にいます。議会の皆さんとは、二元代表制の中で、大阪が非常に厳しい状況にありますから、様々な議論を深めながらも、大阪の成長、大阪が一体となって進んでいくんだということにはぜひ力を貸していただきたいと思います。

 今年一年、府職員の皆さんと、課題からはじまる一年ではありますが、このコロナ禍を乗り越えて、希望の持てる大阪にしていきたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願いします。職員の皆さん、一年がこれから始まりますが、体に気を付けて、仕事をしていただきたいと思います。府庁の職員の皆さんは、民間企業であったり、活躍の場がたくさんある中で、府庁で仕事をされている、これは公共に尽くそう、大阪のために頑張ろうということで、職員になられたんだと思います。
 今、まさに非常に厳しい状況にあるコロナ禍の中で、一致団結して進めていきたいと思います。働きやすい職場を是非めざしてください。パワハラやセクハラは絶対あってはならないですし、僕も知事・市長をやってきって、職員の皆さんは本当にまじめで一生懸命職務に尽くされるというのはよく知っています。その中で、働きすぎてしんどくなってくるときは、上司にすぐ相談して働きやすい職場をめざしてもらいたいと思います。
 上司の皆さんは、府庁の職員は真面目な職員が多いと思いますが、人との関係のストレスであったり、セクハラ・パワハラといったストレスはものすごく強烈なダメージを受けます。一方で、府民のためになっているんだと思う仕事は、府の職員の皆さんは少々忙しくても、ものすごいパワーを発揮できる皆さんが集まっていると思います。その中で、特にそれぞれの部局長はマネジメントをしっかりしてもらいたいと思います。
 真面目な職員の方が本来の職務ではないことを指示されると、ものすごく精神的なストレスになります。そうではない、大阪府民の皆さんに尽くしているんだという思いであれば、本当に府の職員の皆さんは力を発揮すると思っていますので、ここは上司の皆さんは特にそういったことに注意をして、組織マネジメントをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
今年一年、なかなか厳しいところからの船出になりますが、このコロナ禍を乗り越えて、明るい大阪を作っていきましょう。職員の皆さん、今年一年よろしくお願いします。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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