おおさかの環境2010 大阪府環境白書 「巻末資料」

更新日:2020年2月20日

 おおさかの環境2010 大阪府環境白書 


 6 環境用語解説

(あ)

アスベスト

 アスベスト(石綿)は、天然の繊維で、熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくいという特性をもち、経済性にも優れ、建築材料、産業機械、化学設備などに幅広く利用されている。

 主な用途としては、紡織品、摩擦材、石綿板紙、石綿スレート、電気絶縁材、石綿セメント製品、断熱・防音材(吹付けアスベスト等)等に使用されてきたが、アスベストは、一旦環境中に飛散するとほとんど分解・変質しないため蓄積性が高く、多量の吸入により、肺がん、悪性中皮腫等の病気の原因になるとされ、現在では、原則として製造等が禁止されている。

 (え)

エコカー

 低公害車をはじめとして、排出ガス性能に加え、地球温暖化防止の観点から二酸化炭素排出量の少ない自動車をいう。

エコドライブ

 おだやかなアクセル操作をしたり、自動車に不要な荷物を積まないなど、環境にやさしい運転のこと。自動車の燃料消費量を削減することで、大気汚染の原因となるNOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)、地球温暖化の原因となるCO(二酸化炭素)の排出が抑制できる。

(お)

屋上緑化

 建築物の屋上に植栽基盤を作り、植物を植えて緑化すること。スペースの限られた都市部における緑化手法であるとともに、ヒートアイランド現象の緩和策の一つとしても注目されている。また、癒しの空間、コミュニケーションの場としても活用されている。建築物の耐荷重に配慮した軽量土壌などの資材や植栽、防水、防根、排水といった様々な工法や技術が開発されている。

温室効果ガス

 大気を構成する気体であって、赤外線を吸収し再放出する気体。この濃度の増加が地球温暖化の主原因とされており、京都議定書では、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六ふっ化硫黄の6物質が温室効果ガスとして削減対象となっている。

(か)

化学的酸素要求量(COD)

 海域等の水の汚れの度合を示す指標で、水中の有機物などの汚濁源となる物質を、過マンガン酸カリウム等の酸化剤で酸化するときに消費される酸素量で表したもの。単位は一般的にmg/Lを用い、この数値が大きいほど水中の汚濁物質の量が多いことを示す。

環境影響評価

 事業の実施に伴う環境への影響について、あらかじめ調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正な配慮を行うこと。

環境マネジメントシステム

 環境に与える負荷を継続的に低減するため、事業者が自主的に環境方針や環境目標等を設定し、その達成に向けて取り組むことを「環境マネジメント」といい、それを推進するための体制や手順等を「環境マネジメントシステム」という。

環境リスク

 環境の汚染や変化が、人の健康や生態系に影響を及ぼす可能性のこと。

 なお、化学物質に係る環境リスクの評価は、その危険・有害性の程度と暴露量(吸ったり食べたり触れたりして体の中に入り込む量)とを併せて行われる。

 リスク=危険・有害性×暴露量

(き)

揮発性有機化合物(VOC)

 揮発性があり大気中で気体状となる有機化合物の総称。塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤などに使用され、トルエン、キシレン、酢酸エチルなど多種多様な物質が含まれる。浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因物質となる。

(く)

グリーン電力証書

 太陽光などの再生可能エネルギーによって発電された電気の「環境付加価値」を証書化したもの。

グリーン配送

 物品の輸配送に環境への負荷の少ない車(低公害車、ガソリン自動車、LPG(液化石油ガス)自動車、大阪府が指定したディーゼル車など)を使用すること。

クールスポット

 緑地・水辺等の設置により、日光の遮蔽や葉部による蒸散冷却作用等で地表面等の温度が周辺部より低くなり、体感温度も低くなる空間。

(こ)

コージェネレーション

 一つの燃料源から二つの異なるエネルギー(電気エネルギーと熱エネルギー)を同時に供給すること。電力のみを発生させている発電設備では、原動機から出る熱を捨てていたが、コージェネレーションシステムでは、電力供給と同時に、捨てられていた排熱を効率よく回収し、給湯、蒸気、空調等のエネルギーとして有効に利用している。

(し)

ジクロロメタン(CH2Cl2

 揮発性有機化合物で芳香臭のある無色透明の非引火性・不燃性の水より重たい液体。トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンの代替物質として溶剤に用いられるほか、ウレタン発泡助剤や冷媒等に用いられる。皮膚に触れた場合、刺激を感じるとともに薬傷を負うことがある。また、蒸気に麻酔作用があり、短時間に多量の蒸気を吸引すると急性中毒をおこす。

自然海浜保全地区

 貴重な自然海浜を保全し、その適正な利用の促進を図るため、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づき指定される地区。地区内においては、工作物の新築等の行為を届出制とするなどにより保全等を図っている。府では、岬町の小島地区及び長松地区の2地区を指定している。

新エネルギー

 「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」において、「新エネルギー利用等」として規定されており、1太陽光発電、2太陽熱利用、3風力発電、4廃棄物燃料製造、5廃棄物発電、6廃棄物熱利用、7バイオマス燃料製造、8バイオマス発電、9バイオマス熱利用、10温度差エネルギー、11雪氷熱利用、12クリーンエネルギー自動車、13天然ガスコージェネレーション、14燃料電池をいう。

 (せ)

生活排水処理率

 生活排水を適正に処理している人口(水洗化・生活雑排水処理人口)が全人口に占める割合。

生活排水処理率

生物化学的酸素要求量(BOD)

 河川等の水の汚れの度合を示す指標で、水中の有機汚濁物質が微生物によって分解されるときに必要とされる酸素量から求める。単位は一般的にmg/Lで表し、この数値が大きいほど水中の有機汚濁物質の量が多いことを示す。

  (た) 

ダイオキシン類

 ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)の総称であり、PCDDは75種類、PCDFは135種類、コプラナーPCBは十数種類の異性体が存在する。これらは、物の燃焼の過程や農薬の製造等において非意図的に生成し、毒性は、急性毒性、発ガン性、生殖毒性、免疫毒性など多岐にわたる。

 ダイオキシン類の量は、最も毒性の強い2,3,7,8,-TCDDの毒性を1として、他の異性体の毒性の強さを換算した毒性等価係数(TEF:Toxic Equivalency Factor)を用いて、毒性等量(TEQ:Toxic Equivalency Quantity)として算出される。

(ち)

地球温暖化

 二酸化炭素などの温室効果ガスの大気中への蓄積が主原因となって地球全体の気温が上昇すること。地球温暖化が進行すると、平均海面水位の上昇、異常気象の増加、生物種の減少、感染症の拡大など、人や環境への様々なリスクが増大することが予測されている。

(て)

低公害車

 既存の燃料(ガソリン・軽油)を使用する車と比較して、排出ガスがないか又はその量が相当程度少ない自動車を指し、燃料電池自動車や天然ガス自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車などがある。

低騒音舗装

 空隙率の高い多孔質なアスファルト混合物を表層に用いた舗装。タイヤと路面間で発生する騒音を中心に、自動車騒音を3〜4デシベル低減させる効果がある。また、空隙を通した排水によって路面に雨水が溜まらないため、走行時のハイドロプレーン現象や水飛沫によるスモーキングを防止する効果もある。

 (な)

鉛(Pb)

 方鉛鉱などとして産する青白色の軟らかい固体金属で、鉛板・鉛管として用い、蓄電池の電極、放射線遮蔽板などにする。まためっきやはんだなどの材料に用いる。

 かつては、印刷業、蓄電池製造業、鉛鉱山などで見られたが、過剰に摂取すると臓器不全などの疾患を引き起こす。

(に)

二酸化窒素(NO

  空気中や燃料中の窒素分の燃焼などにより発生した一酸化窒素が、大気中の酸素と反応して生成される。高濃度で呼吸器に悪影響を与えるほか、酸性雨や光化学スモッグの原因となっている。主な発生源は、自動車、工場の各種燃焼施設、ビルや家庭の暖房機器など広範囲にわたる。

(ね)

燃料電池(FC)

 水素と酸素を反応(水の電気分解の逆の反応)させて電気エネルギーを取り出す装置であり、水以外のものを排出せず、クリーンなシステムである。

(は)

バイオマスエネルギー

 飼料作物、樹木、家畜の糞、食品廃棄物、下水汚泥など生物に由来する有機物で、エネルギーとして利用できるものをいう。再生可能な資源であり、地球温暖化対策として注目されている。古くから使われている薪や炭のほか、家畜の糞尿から製造したメタンガスや、サトウキビから製造したエタノールなどがある。

 バイオマスは、バイオ(生物)とマス(量)を合わせた用語。 

(ひ)

ヒートアイランド現象

 経済社会活動や人口の都市域への過度の集中により、冷暖房などによる人工排熱の増加や、水面・緑地の減少、道路舗装・建築物の増加など地表面被覆の改変が進み、都市部における熱収支が変化し、都市に熱がたまり気温が郊外に比べて高くなる現象をいう。

ビオトープ

 野生生物の生息空間を意味するドイツ語で、いきものの繁殖地やねぐらだけでなく、隠れ場や移動経路も含んだ一定の空間的広がりをもった概念。都市化の進展とともに失われつつある身近な自然を都市の中に確保し、創造していくことがまちづくりの新しい課題になっている。

微小粒子状物質(PM2.5)

 浮遊粒子状物質(SPM)のうち、粒径が2.5μm以下のものをいう。

 微小なため肺や気管等の深部に沈着して高濃度で呼吸器に悪影響を及ぼすおそれがある。

 ※「浮遊粒子状物質(SPM)」を参照。

ひ素(As)

 金属光沢があり、灰色で、鶏冠石、石黄、硫砒鉄鉱などに硫化物として含有されている非金属元素。砒素中毒になると全身発疹、高熱、食欲不振等の症状を呈す。

(ふ)

ふっ素(F)

 蛍石や氷晶石、りん灰石などの鉱石に化合物として含まれ、自然界に広く存在する。飲用水としての過剰な摂取による斑状歯の発生が知られているが、適量の使用によっては、虫歯予防にもなるとされている。

 工業用としては、ガラス加工や電子工業などで使用されるほか、ふっ素樹脂などにも用いられる。

浮遊粒子状物質(SPM)

 大気中に浮遊する粒径10μm(1μmは1000分の1mm)以下の粒子状物質。

 微小なため大気中に長時間滞留し、肺や気管等に沈着して高濃度で呼吸器に悪影響を及ぼすおそれがある。発生源から直接大気中に放出される一次粒子と、ガス状物質が大気中で粒子状物質に変化する二次生成粒子とに分類される。

  特に小さい(粒径2.5μm以下)粒子をPM2.5という。

 ※「微小粒子状物質(PM2.5)」を参照

フロン

 正式名称をフルオロカーボン(炭素とフッ素の化合物)と言う。そのうち、CFC(クロロフルオロカーボン)とHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)はオゾン層破壊物質である。これらの物質は、化学的に安定で、無毒性・不燃性であることから、洗浄剤、冷媒、発泡剤等に広く使用されていたが、CFCは1995年末で生産が全廃され、HCFCは2004年以降生産量を削減し、2020年までには全廃されることとなっている。

 HFC(ハイドロフルオロカーボン)はオゾン層を破壊しないため、一般的に代替フロンと呼ばれて使用されているが、PFC(パーフルオロカーボン)とともに、地球温暖化の原因物質であり、京都議定書での削減対象ガスに指定されている。 

(ほ)

ほう素(B)

 主としてほう砂や灰硼石などの鉱石に化合物として、自然界に広く存在する。

 工業用としては、ガラス原料やほうろう、陶磁器のうわ薬として使用されるほか、ほう酸として医薬品、めっき添加浴剤、防腐剤としての用途がある。

 農産物に必須の元素であるが、高濃度の摂取により、嘔吐、腹痛、下痢をもたらす。 

ポリ塩化ビフェニル(PCB)

 PCBは、不燃性で絶縁性が高く化学的に非常に安定であるなど有用な物質として絶縁油、熱媒体、ノーカーボン紙、インク等の用途があった。しかし、カネミ油症事件の原因物質で、新しい環境汚染物質として注目され大きな社会問題となったため、昭和47年に製造中止となっている。 

(ま)

マニフェスト制度

 廃棄物処理法においては、不法投棄等の不適正処理を防止し、排出事業者責任に基づく適正な処理を確保するため、産業廃棄物を排出する事業者が、廃棄物の種類・数量や運搬業者名・処分業者名等を記載した管理票(マニフェスト)を交付し、廃棄物の処理の流れを自ら把握・管理することが義務づけられている。

 家電リサイクル大阪方式・家電リサイクル法や自動車リサイクル法、土壌汚染対策法においても別途同様の制度がある。

(め)

面的評価

 騒音に係る環境基準の改正(平成11年4月施行)に伴い導入された、道路に面する地域における騒音の評価方法。個別住居等ごとに騒音予測を行い、沿道における環境基準を達成した住居等の戸数とその割合により評価する。

(も)

藻場・干潟

 藻場とは大型水生植物が群落状に生育する場所の総称をいう。また、干潟は海と陸の境にあって、満潮時に水没し、干潮時には干出する砂泥の堆積した平坦な場所。酸素と太陽光と栄養分が豊富であるため、多様な生物が生息するとともに、海水浄化に重要な役割を担っている。


アルファベット略語

APEC環境技術交流バーチャルセンター(APEC−VC)

 APEC加盟国・地域が、インターネット上に環境技術情報を提供し、交流するウェブサイトで、1995年のAPEC大阪会議において採択された共同プロジェクトの一つ。

 日本では、翌1996年にAPEC環境技術交流促進事業運営協議会を設立、1997年にAPEC−VCを開設した。2005年、大阪産業大学内のNPO「オーエスユーアジア環境技術および先端技術交流支援センター」が同協議会の運営を引き継ぎ、現在に至る。

 2005年7月現在、12カ国・地域がそれぞれAPEC−VCを開設しており、独自の環境技術情報サイトの構築とともに、APEC域内の環境技術情報をネットワーク化している。


BOD(Biochemical Oxygen Demand)

  「生物化学的酸素要求量」を参照。


COD(Chemical Oxygen Demand)

 「化学的酸素要求量」を参照。


FCV(Fuel Cell Vehicle)(燃料電池車)

 燃料電池(FC)で発電しながらモーターを回して走行する自動車をいう。

 燃料として水素を利用するので、通常の自動車のように排ガスやCOを出すこともなく、出るものは水だけで、騒音も小さいことから、究極のエコカーといわれている。


LED(Light Emitting Diode)(発光ダイオード)

 電流を流すと発光する半導体の光源であり、近年の青色LEDの開発・製品化により、現在では様々な色を再現する事ができるようになった。

 また、白熱灯の約1/8の消費電力であり、かつ長寿命であるため、省エネルギーや廃棄物の観点からも、環境負荷の少ない光源である。


LEV−7(Low Emission Vehicle −7)(低排出ガス車)

 一般に市販されているガソリン車、ディーゼル車及びLPG車の中で、「京阪神七府県市自動車排出ガス対策協議会」が、国の定める規制値より厳しいNOやPM等の排出ガス指定基準に適合すると認めた自動車をいう。


PCB(Polychlorinated Biphenyls)

 「ポリ塩化ビフェニル」を参照。


PM2.5(Particulate Matter 2.5)

 「微小粒子状物質」を参照。


SPM(Suspended Particulate Matter)

 「浮遊粒子状物質」を参照。


VOC(Volatile Organic Compounds)

 「揮発性有機化合物」を参照。 

モットちゃんとキットちゃん

▼裏表紙


おおさかの環境2010 大阪府環境白書

このページの作成所属
環境農林水産部 脱炭素・エネルギー政策課 戦略企画グループ

ここまで本文です。


ホーム > 環境・リサイクル > 環境・脱炭素一般 > 大阪府環境白書関連 > おおさかの環境2010 大阪府環境白書 「巻末資料」