おおさかの環境2010 大阪府環境白書 「第2章 大阪府の環境の状況と施策」

更新日:2016年11月24日

おおさかの環境2010 大阪府環境白書 


豊かな自然との共生や文化が実感できるまちに

都市と自然が共生する魅力ある地域づくりなど

 自然や歴史・文化、景観は、地域の魅力を決めるバロメーターであり、府民、事業者、民間団体、行政といったすべての主体の協働のもと、これらを守り、育て、活用して、都市と自然が共生した個性的で魅力あふれる地域の実現を目指します。

種の多様性の保全

 府域には1万種を超える生物が生息・生育していると予想され、中には、北摂山系に棲む特別天然記念物のオオサンショウウオや淀川のわんどに棲む天然記念物のイタセンパラなどもいます。種の多様性の保全のため、イタセンパラなどの希少種の保護・増殖技術の開発や淀川のわんどにおける密漁などに対するパトロールなどの保護活動を行っています。

画像です。淀川のわんど

淀川のわんど

〇ビオトープの保全・創出

 いきものが生息する空間(ビオトープ)を確保し、創造するため、湿地の保全を進めるなどビオトープの保全・回復・創出や、ビオトープの基本的な考え方、適用事例を紹介し、普及・啓発に努めています。

貴重な自然の保全

 府域に残された貴重な自然環境を有する自然環境保全地域やミドリシジミ類の蝶(通称ゼフィルス)、ラン科植物など貴重な動植物が生息・生育する緑地環境保全地域について適正な保全・管理を図っています。

森林環境の保全

 地球温暖化防止や生物多様性確保など、森林の公益的な役割に対する府民の期待が一層高まっていることから、治山事業や造林事業などの森林整備対策を推進する一方、アドプトフォレストによる企業参加の森づくりや、おおさか「山の日」を通じて府民協働による森林整備を進めるなど、多様な主体の連携・協働による森づくりを推進しています。
 また、生駒山系花屏風構想の取組みを推進しています。大阪の市街地から見渡せる生駒山系を屏風に見立て、府民との協働で花木や紅葉の美しい樹木を植樹し、府民に愛される自然資源として整備することにより、森林への関心を高めるとともに、放置森林問題への理解を深めてもらいます。

画像です。植栽活動の様子

植栽活動の様子 

自然環境の保全と創出

〇自然公園の整備・管理

 明治の森箕面国定公園、金剛生駒紀泉国定公園などの自然公園における自然景観、生態系の保全や“自然とのふれあいの場”の創出のため、自然公園施設の整備・管理を行っています。

〇「共生の森」づくりの推進

 府民やNPOなど多様な主体との協働により、大阪府堺臨海部の廃棄物最終処分場(堺第7−3区)での大規模な森林・ビオトープ空間などの自然環境の創出再生を目指した「共生の森」の整備に向け、森づくり活動などを進めています。

自然環境とのふれあいの場の活用

〇オアシス整備事業・いきいき水路整備事業

 地域の貴重な環境資源であるため池を、水と緑に包まれたオアシスとして総合的に整備するなど、地域の快適な環境づくりを推進しています。
 また、農業用水路の改修においても、防災対策を実施するとともに親水護岸や水生植物帯などを設け、周辺小学校の環境学習の場としての活用など、地域が一体となった水辺環境づくりを推進しています。 

画像です。オアシス整備事業 狭山副池(大阪狭山市)

オアシス整備事業 狭山副池(大阪狭山市)

画像です。小学生による活動の様子 長瀬川(八尾市)

小学生による活動の様子 長瀬川(八尾市) 

緑豊かなまちづくりの推進

 「みどりの風を感じる大都市」の実現に向けた今後のみどり施策の推進方向や実現戦略を示すため、「みどりの大阪21推進プラン」及び「大阪府広域緑地計画」の2計画を統合し、「みどりの大阪推進計画」を平成21年12月に策定し、府民が実感できるみどりづくりに取り組んでいます。
 周辺山系やベイエリアの豊かな自然が街をつつみ、それらの自然が河川や道路を軸として街へと導かれ、そして街の中でも都市公園をはじめとする緑の拠点が緑道や街路樹などでつなげられている「みどりのネットワーク」を形成します。
 特に、「みどりのネットワーク」において、効果的にクールスポットを形成するため、海と山が近接し、海陸風が吹いている大阪の地形特性とみどりが持つクーリング効果を活かして、河川や道路などの空間、その周辺をみどりでつなぐことによる「みどりの風の軸」の形成を目指します。
 そのため、主要道路や河川を軸に、実感できるみどりを増やすため、沿線の民有地を含めた区域を「みどりの風促進区域」として定め、軸となる道路等への緑化の重点化、沿線の民有地における都市計画上の規制緩和等による緑化誘導、府民や企業等との協働等による緑化の推進により、都市施設等と民有地とが一体となった緑化空間を重点的に創出します。
 また、民有地のみどりの保全、創出のため、建築物緑化促進制度の推進や、助成事業による新たなみどりの創出に努めています。

〇民間施設等のみどりづくり

 緑化スペースの確保が困難な都市部の緑化の推進を図るため、地域のモデルとなる公共性・公開性のある民間施設の接道部・屋上・壁面などの緑化や学校の運動場を芝生化するなどの地域緑化活動に対して助成をおこなっています。また、地域の人々が協働して行う緑化活動などへの樹木の配付や、学校や道路等の緑化への活用を目的とした、小中学校での花苗育成活動の支援(みんなで育てる花いっぱいプロジェクト)など多様な都市緑化の普及・啓発に努めています。

〇都市公園の整備・管理

 都市内の身近な緑地であり、自然の拠点である都市公園の面積は、平成20年度において、4,541haで、府民1人あたり5.2m2となり、全国平均の9.5m2を下回っています。このため、環境学習や憩い、やすらぎの場や、生きものとふれあえる場の創出のため、都市公園の整備・管理を行っています。

農空間の保全と活用

 農空間の持つ防災、景観形成、環境保全などの公益的機能を保全していくため、平成20年4月施行の「大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例」に定める農空間保全地域制度に基づき、農業者、府民が一体となった農空間の保全と活用に取り組んでいます。

〇農空間保全地域制度の推進

 都市農業と農空間の公益的機能の発揮、府民の健康的で快適な暮らしの実現、安全で活気と魅力に満ちたまちづくりを目標に、多くの府民が公益的機能を実感し、その恩恵を享受できるよう、遊休農地の利用促進を図ります。このため、農道や用水路などの整備により、耕作条件の改善を図るとともに、遊休農地の貸し借りによる農地の利用促進など、農空間の保全と活用を進めていきます。 

画像です。学習農園づくり 喜志地区(富田林)

学習農園づくり 喜志地区(富田林)

 美しい景観づくりの推進 

〇美しい景観への関心づくり

  府民の積極的なまちづくりへの参加を促し、魅力あるまちづくりを進めるため、まちづくり功労者の表彰などを実施しています。

 また、個性あふれる美しい景観づくりを推進するため、「大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)」を設け、景観上優れた建築物やまちなみを表彰しています。

淀屋橋 odona

「淀屋橋 odona」(第29回大阪都市景観建築賞 大阪府知事賞)

 さらに、府内にある美しいまちなみを改めて見つめなおし、守り育てるため、また、国内外から大阪を訪れる人々に感動を与えるような、景観上優れたまちなみなどを広く知ってもらうため、「大阪まちなみ百景」の選定を行い、ホームページを通じ、広く紹介しています。 

〇景観づくり活動の展開

 地域に愛され、大切にされる美しい道路づくり、川づくり、海岸づくりを目指し、快適な道路や河川・海岸環境を創出するため、大阪府では市町村と協力して、地元自治会や企業などの団体が、自主的に行なう清掃や緑化などのボランティア活動を支援する『アドプト・プログラム』を実施しています。

人と野生鳥獣との共生

 人と野生鳥獣が適切な関係を構築し共存できるよう、「第10次鳥獣保護事業計画」に基づき、鳥獣保護区の指定、傷病鳥獣の救護、狩猟や有害鳥獣捕獲の適正な実施を指導するなど野生鳥獣の保護管理に努めています。また、生態系等に被害を与える外来生物(アライグマ等)の防除を推進しています。

歴史的文化的環境の形成

〇歴史的文化的遺産の保存と活用

 史跡・建造物・美術工芸品などの歴史的遺産を指定し、整備、修理や防災事業に助成しています。また、開発などにより埋蔵文化財が失われないよう調整し、発掘調査などの措置を講じた上で、資料の保存と活用を図っています。

〇歴史的文化的遺産にふれる場と機会づくり

 豊かな文化的環境の創造に資するため、弥生文化博物館(和泉市)、近つ飛鳥博物館(河南町)、日本民家集落博物館(豊中市)で、様々な資料や情報を収集・展示し、講座、体験学習などを多彩に行っています。また、近つ飛鳥風土記の丘では、豊かな自然の中に残された多くの古墳をご覧いただけます。また、狭山池博物館(大阪狭山市)では、狭山池ダム建設工事に伴う調査で発見された「1400年間の歴史を刻む堤体断面や東樋・木製枠工」などの貴重な土木遺産を展示・紹介しています。

私たち一人ひとりができること
  • 一人一鉢、花や木を育てましょう。
  • 自然の中で生きている虫や草花などは採らずに観察するだけにしましょう。
  • 山、川、海などにごみを捨てないようにしましょう。●ハイキングなどで持っていった物はすべて持ち帰りましょう。
  • 家のまわりやまちに緑をふやしましょう。
  • 地域の景観づくり、まちづくりに積極的に参加しましょう。
  • 外来生物を屋外に放すことは止めましょう。


  ▼すべての主体が積極的に参加し行動する社会に


 おおさかの環境2010 大阪府環境白書

このページの作成所属
環境農林水産部 脱炭素・エネルギー政策課 戦略企画グループ

ここまで本文です。


ホーム > 環境・リサイクル > 環境・脱炭素一般 > 大阪府環境白書関連 > おおさかの環境2010 大阪府環境白書 「第2章 大阪府の環境の状況と施策」