おおさかの環境2010 大阪府環境白書 「第2章 大阪府の環境の状況と施策」

更新日:2016年11月28日

おおさかの環境2010 大阪府環境白書 


きれいな水、潤いとやすらぎのある水辺に

水循環の再生、水環境の保全など

 自然の大きな水循環は、水の汚れを浄化するとともに、豊かな水の流れを生み出します。水循環の再生や潤いとやすらぎのある水辺環境を保全・創造するために、水質の改善はもとより、より一層の水源のかん養や水の効率的な利活用などに取り組む必要があります。

河川の環境

 河川の水質は全体的に改善の傾向がみられます。河川の汚れ具合を示すBOD(生物化学的酸素要求量)の環境保全目標達成率は、平成21年度は82.5%と前年度に引き続き、調査開始以来最高の達成率となりました。

 府内主要河川のBOD(年平均値)の推移

画像です。府内主要河川のBOD(年平均値)の推移

海の環境

 海(大阪湾)の汚れ具合を示すCOD(化学的酸素要求量)の値は長期的には概ね横ばいで、依然として、環境保全目標未達成の地点があります。平成21年度のCOD環境保全目標達成率は40.0%でした。要因としては、河川などからの汚濁物質の流入に加えて、窒素・りんなどの栄養塩の流入による湾内での植物プランクトンの増殖がCODを増加させることが考えられます。

大阪湾のCOD(大阪府測定点・表層年平均値)の推移

画像です。大阪湾のCOD(大阪府測定点・表層年平均値)の推移

水循環の再生

〇雨水利用の促進

 雨水を活用したまちづくりを推進するため、「おおさかレインボウぷろじぇくと!」を推進し、平成17年度から3年間、府民、NPO等と協働で雨水利用のモデル事業を実施しました。現在は、モデル事業の成果を活用し、市民団体及び市町村等と連携を図り、雨水タンクの設置促進や出前講座の実施等、より広く府民への普及啓発を行っています。
 これらの取組みは、ホームページなどで広く情報発信し、雨水利用の普及啓発を進めています。

画像です。保育園での環境学習

保育園での環境学習

〇寝屋川流域水循環系の再生

 「寝屋川流域水循環系再生構想」(平成15年6月策定)を基に、寝屋川流域の水質・水量の回復を図るための短期的施策として、地域住民などとの連携により10年間で流域全体でのBOD5mg/Lを目標とする「第二期水環境改善緊急行動計画」(清流ルネッサンスII)を平成16年5月に策定しました。
 主な施策内容は、下水道の整備促進、高度処理の推進、合流式下水道の改善、下水高度処理水や他河川からの導水、多自然浄化、ヘドロの浚渫などです。

〇健全な水循環の構築に向けた取組み

 見出川において、水質の改善や、健全な水循環の再生をめざし、見出川流域水循環再生協議会(平成19年度設立:地元市民団体、小学校、学識経験者、行政等で構成)が中心となって、水循環再生計画を策定するとともに、清掃活動や普及啓発を実施しています。

画像です。見出川の清掃活動

見出川の清掃活動

水環境の保全

〇生活排水対策

 『洗剤 お風呂 洗い物 ちょっとの工夫できれいな川に』 台所、風呂、トイレなどから出る私たちの生活排水が河川や海を汚す主な原因となっています。
 このため、下水道の整備や合併処理浄化槽の設置促進などを進めるとともに、2月を生活排水対策推進月間と定め、各家庭での一人ひとりの取り組みを呼びかけています。
⇒(下欄)「私たち一人ひとりができること」参照。

くらしの汚れはどれくらい?

画像です。くらしの汚れはどれくらい?

 〇下水道の整備

 生活排水を適切に処理する主要な対策として、下水道の整備を推進しています。平成21年度末現在の下水道普及率は府内全体で93.7%となっています。

〇浄化槽整備事業の推進

 生活排水対策やトイレの水洗化による生活環境の改善に効果的な浄化槽の設置を促進するため、個人が浄化槽を設置する際の費用の一部を助成する「浄化槽設置整備事業(個人設置型)」及び市町村が主体となって各戸に浄化槽を設置し、住民から使用料を徴収して管理運営する「浄化槽市町村整備推進事業(市町村設置型)」を実施する市町村に対して、引き続き府費補助金を交付するなど、より一層の浄化槽整備を図っています。

〇大阪湾の再生

 「大阪湾再生推進会議」(国と関西10府県市等により構成)において策定された「大阪湾再生行動計画」に基づき、海の環境の回復に向けて、漁業者やNPO等と連携した「魚庭(なにわ)の海づくり大会」や藻場の造成等の取組みを実施しています。
 また、大阪湾の汚濁機構の解明や、多様な主体の参画による環境モニタリングネットワークの構築のため、産官学民が連携して「大阪湾再生水質一斉調査」を実施しています。
 さらに、将来を担う子どもたちに大阪湾の環境の大切さを引き継ぐことをテーマに、大阪湾沿岸23自治体で構成する「大阪湾環境保全協議会」において平成20年度に作成した「大阪湾かるた」等を用い、参加型の普及啓発事業を実施しています。

画像です。大阪湾かるた

大阪湾かるた

 

 たち一人ひとりができること

  • 食べ残しや飲み残しが出ないよう、料理は必要な分量を作り、食器には食べきれる(飲みきれる)分だけを入れましょう。
  • 食器や鍋の汚れは紙などで拭き取ったり、ヘラでかき取ってから洗いましょう。
  • 調理くずや食べ残しが流れてしまわないように水切り袋などを使いましょう。

    ▼化学物質を適正に取り扱うために 


 おおさかの環境2010 大阪府環境白書

このページの作成所属
環境農林水産部 脱炭素・エネルギー政策課 戦略企画グループ

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