府民の声 公表（詳細）
テーマ |
教育施策に関するもの |
府民の声 |
府内市町村の教育行政に携わる者です。 ニュースで見ましたが、知事が幼稚園から大学までの一斉9月入学を提言しておられました。 私は9月入学そのものに反対ではありませんが、日本全体がコロナによる混乱に陥っている今、行うべきではないと考えます。 社会全体の根本的な変革が必要になり、そのための十分な検討･検証が必要な上、さまざまな法令改正をはじめ国や自治体における膨大な事務、莫大な費用負担が生じます。今、国や自治体にそのような余力がありますか。 また、倒産や失業など生活困窮者が増えることは間違いなく、この混乱期に社会全体においてもそれに対応する余力があるでしょうか。 学校現場も経験のない事態に混乱しています。教員の働き方改革さえままならない中、今大きな変革を行うことは、学校をさらに疲弊させ、医療崩壊のみならず教育崩壊を引き起こしかねません。 4月から、現場では試行錯誤しながら、学校再開に向けて家庭学習等の環境を整えるための取り組みが始まっています。学校再開を楽しみに真面目に取り組んでいる子どもたちも少なくありません。 9月入学はそれらの努力を無にすることと同じです。 9月入学はグローバルスタンダードといいますが、5ヶ月遅らせてではなく7ヶ月早めてでなければグローバルスタンダードからはさらに遠のきます。日本の子どもたちだけ世界より就学年齢が丸1年遅れてしまう。また、カレンダーを他国に合わせるのがグローバルスタンダード?違いますよ。教育の中身で世界に負けないことと、日本ならではの価値や魅力も今後は必要です。 10年前と今では大きく状況が違います。そして、コロナ収束後の世界は、さらに大きく物事の在り方が変わると思われます。目指すべきは9月入学ではなく、早期の学校再開と、感染の第二波、第三波に備えたICT教育環境の整備です。労力と資金をそこに使っていただきたい。9月入学は一時的な問題の先延ばしに過ぎません。 |
カテゴリー |
教育・学校・青少年 |
受付日 |
2020年5月7日 |
公表日 |
2021年2月19日 |
