知事と環境農林水産部との議論(概要)

更新日:2023年5月25日

日時  平成20年5月30日(金曜日)14時から14時30分

場所  第一委員会室
 
 
【環境農林水産部】
(「廃棄物処理対策整備推進事業費」について説明)
 先の本会議では議会から環境農林水産部はPT試案に対して「白旗をあげた。部も部長も必要なし」と厳しいご指摘を受けた。部としては、知事の方針と府民のための事業確保のバランスをどう取るか、苦慮してきた。
 4月23日のPTとの議論でも4項目に精査し、議論させていただき、そのうち3項目は概ね調整できている。残る1項目だけはまだ結論にいたっていない。他の部局の事業のように華やかなものではないが、この事業については、額は少ないものの全市町村に関わる事業であり、府民への影響も大きい。また、ひいては地球温暖化への影響もある。こういう重要なものについてはきっちり筋を通して議論させていただきたいという考え方をもっている。部としてはこの予算をつけていただくことで、知事の方針に沿って、府の果たす役割を明確にしていきたいと考えている。

【知事】
 環境農林水産部が白旗をあげたとは全く思っていない。きっちり精査していただき、主張するべきところは主張していただいていると考えている。議論の前提としては、今回の財政再建は最終ゴールではないということ。府のあり方を見据えて、大阪をもう一度復活させるために、市町村との役割を今一度はっきりさせ、さらに関西がまとまった道州制も将来的に見据えたものでなければならないと考えている。大阪だけで考えていてもすべてはできない。全部局に関係するわけではないが、市にやってもらわないといけないものについては交付金のような形で渡すべきではないかとの議論になっている。府の役割は調整や行事役。そもそもこの廃棄物処理対策事業は本来市町村のやるべきことではないのか。

【環境農林水産部】
 まずは排出者の責任。それを市町村が計画にしたがって処理していく。大阪府の責任は法律上定められていない。

【知事】
 老朽化による改修が近いうちに必要とあるが、それはどれくらいの目処か。

【環境農林水産部】
 あと2年後くらいではないか。

【知事】
 2年後くらい先に大規模改修が必要だとすると、その費用はどれくらいなのか。

【環境農林水産部】
 前回は20億円程度であるが、精査が必要だが今回は概ね25億円くらいではないか。

【知事】
 その負担は市町村なり、排出者なりにまかせるということになるのか。それはまちがいないか。

【環境農林水産部】
 前回も一部負担しており、府は一切負担なしということは言い切れない。市町村としっかり協議してからの話になる。かなり負担が減ることは確かであり、ゼロになる可能性もある。会社の経営状況やミールの販売価格の動向など、きっちり精査し、この1年間市町村や事業者と協議して決めたい。

【知事】
 自分の判断として府は、お金の面では関与すべきではないと考えている。府はダム、道路、連続立体交差事業など府域内でしなければならないことがたくさんある。市町村要望の事業、市域にまたがっている事業、大規模な工事などがあり、府としてはそちらにお金をかけていかなればならない。市は、市としての役割を果たしていただかないといけない。そこを曖昧にしてきたから現在の状況になっているのではないか。調整役はやるべきだが、財源については、交付金などで市町村にお金を渡していくものが今後でてくるので、この件に関しては、市町村で負担していただきたいという話をしていきたいと考えている。調査費については、市町村は何らかの負担があるのか。

【環境農林水産部】
 大阪市55%、府22.5%、その他市町村22.5%の負担割合になっている。

【知事】
 大阪市はほぼ倍くらいの負担か。

【環境農林水産部】
 250万円くらいの負担。

【知事】
 自らの排出処理の問題であり、市町村で費用をまかなってほしいということについては、市町村はどういった反応なのか。

【環境農林水産部】
 大阪市が先導し、大阪府が主導して、市長会等を巻き込んで作ったスキーム。言い出し役がやめるということは「梯子を外す」ように捉えている。岸和田市も全市町村の分を受け入れており、市のことも考えてほしいというスタンスである。

【知事】
 このスキームがなくなれば、あるいはのらなければ、各市町村がそれぞれで処理しなければならないということになるのか。

【環境農林水産部】
 自前で焼却できる又はそのほうが割安ということであれば、自ら処理することになる。一方、施設を持っていないところは外の自治体にお願いするということになるが、悪臭や搬送の問題もあり非常に難しい。

【知事】
 府が抜けても市町村は自らの行政需要に基づいてやらざるを得ないのではないのか。

【環境農林水産部】
 自前でやるとみなの足並みがそろわなくなり、量が確保できなくなる。設備更新もできなくなる。府としては、市町村の負担も減り、リサイクルもできる絵を描いた上で、道筋をつけた上でアドバイスしていくべきではないかと考えている。

【知事】
 これまでの市町村との関係もあるかと思うが、府は広域自治体としてやるべきところはきちんとやっていると思う。今回の調査も市町村の負担でやっていただき、府はそのノウハウなどを提供していくのが本来の姿ではないか。財源が限られており、あれもこれもできない。きちんと府と市町村の役割を明確にしたうえでコーディネート役、まとめ役になるべき。

【環境農林水産部】
 PTとの議論では、過去の経過から府の負担が高すぎるのではないかというものであった。我々もそう思っている。決して過去の制度を守ろうというのではなく、市町村を超えて、スーパーや市場も負担をしてもらうべきではないかとも考えており、それは間違いない方向である。さらに魚あらが高騰しており、負担がかなり軽減できると考えている。一時的な負担についても、PFI方式を採用すれば単年度の負担も抑えられる。そういう方向を目指したい。ただし、現時点で府は一切負担しないということになれば調整がしにくい。できるだけ負担を下げる努力はするが「ゼロにする」ということはやめていただきたい。

【知事】
 調整がまとまらないと困るのは市町村ではないのか。

【環境農林水産部】
 おそらく市町村は過去の枠組みを尊重せよというであろう。しかし、それは変えていくということである。府はこういう財政状況であり、本来市町村の仕事でもある。また、事業者にも、施設整備にもう少し関与できないかなど、そうした問題提起をしていける。ただし、府の負担をゼロにすることだけはやめていただきたい。

【知事】
 今までの枠組みを継続したままでの改革はなかなかできない。金額の多寡ではない。府は府としてやるべきことはやっている。コーディネート役として調整不可能なところをやるとか、業界との折衝などは府しかできないことだと思う。今一度、市町村に対してこの部分については、権限の中でお願いできないか。金額の問題ではない。

【環境農林水産部】
 排出事業者の今の負担は非常に低いレベルだと思っている。食品リサイクル法の規定でスーパーなども法的にどんどんリサイクルをしていかなければならず、是非協力してほしいと考えている。今の枠組みを守ることは合意できると思っている。

【知事】
 基礎自治体である市町村は、それだけの責任をもってこの仕組みを維持するそういう決意をもってもらいたいと思っている。

【環境農林水産部】
 現在は、リサイクルの仕組みができているが、解体すると大きな市では自前の施設があれば自分で処理する。しかし小規模な市町村は外にもっていくことになろうが、それは多分受け入れないだろう。結局、自分のところで無理して焼いていくことになる。非常にバラバラになってしまう。

【知事】
 市町村同士の受け入れの調整をやれないのか。自前で処理している市町村に対しても府は様々な施策を講じているわけであり、そこでバランスをとりながらできないか。

【環境農林水産部】
 岸和田市は、府が関わっていることで一ヶ所で処理することを了解してくれている。システムが無くなると各市町村で処理することとなり、各市で問題が生じる。

【知事】
 各市で困るなら、岸和田市へのお願いなどは市長会などでやるのではないのか。

【環境農林水産部】
 金銭面だけ考えれば離脱する可能性がある。今の枠組みは安定した枠組み。府の負担を減らす、排出者を巻き込む、全体として市町村の負担も減らせないか考えている。決して現状の延長上では考えていない。

<以上>

※聞き取りにくい箇所があったため、発言内容は一部不正確なところもありますが、ご了承下さい。

このページの作成所属
財務部 行政経営課 企画調整グループ

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