(5)再発防止策について(提言)

更新日:2010年8月27日

4 本委員会としての意見・提言

(5)再発防止策について(提言)

ア 職員の意識改革

 理念だけではだめ、民間企業を参考に職員の意識改革プログラムをつくるべき。組織として、職員の目標を明確に示すことが必要である。
 府の職員として、誇りが持てる職場環境をつくる取り組みも意識改革につながる。
 研修や訓示では職員の意識には浸透しない。職場で、日頃の業務を通じて、繰り返し実践・指導することが必要である。
 一般職員の意識改革は当然のことながら、まず知事や幹部職員の意識改革が必要である。

イ 会計・予算制度

 公務に必要なお金を迅速に予算措置できるような予算システムの構築が必要である。  
 予算を年度内に使い切るという考え方を改めることが必要であり、余剰金が発生した場合には、翌年度にその全額を繰り越せるシステムを考えるべき。
 平成9年の反省を受け、融通性のある小口支払基金制度(10万円)が設けられたが、まったく機能していなかった原因を分析し、制度を修正すべきである。
 各職場には、公務に最低限必要不可欠な現金、帳簿類以外は置かないことを徹底する。
 各職場の金庫や書類のチェック結果を随時公表するとともに、異動時の引継ぎ書も同様に公表することが必要である。
 着服の温床となりがちな親睦会など、公務以外の業務を果たして職場に置くこと自体が適切なのか検討する必要がある。

ウ 検査・監査機能

 これまでの調査で、内部調査の限界が露呈されたことを踏まえ、外部から税務調査経験者、警察関係者、公認会計士、弁護士などの専門家を中心とした組織を設置し、調査すべきである。そして、調査の進捗状況とその結果を随時公表するようにすべきである。
 職場において、日常的に収支が明確になるチェック体制を構築すべきである。
 裏金を探すという見地からの検査・監査ではなく、税金の適正、公正な執行と、府民のために、より効果的な方法を探ることに重点を置いた方向で組織の充実強化を図るべきである。

エ 人事の活性化

 特定の人物が同一の業務に長期間かかわる人事は避けるべきである。特に、金銭出納業務は厳に避けるべきである。
 出先機関も含め、広範な人事交流をすることが必要である。
 職員の状況、意向をよく踏まえ、意欲を持って、その能力が十二分に発揮できる人事を行うべきである。

オ 内部通報制度

 本件に限れば、現在府が実施している制度は全く機能していない。また、職員にも信頼されていない。匿名での通報を可能とするなど、通報者の権利・利益が完全に保障され、仮に不利益があった場合でも異議申し立て等のためのシステムをきちんと整備した内部通報制度とすることが必要である。
 マスコミへの内部通報によって家畜保健衛生所の裏金が発覚したことから、外部による通報窓口を設置するとともに、その通報内容を議会等に公開すること。また、通報窓口を担当する弁護士等は、府や関係機関、公共事業受注企業などから完全に独立し、弁護士会などからの推薦を原則とする配慮が必要である。
 府庁内に目安箱を置き、箱の内部は外部の人間がチェックするようにする。
 今回のように、自主申告者を厳刑にすれば、内部通報をする者が出るはずがない。通報者の保護、処分軽減が可能な仕組みが必要である。

カ 議会の監視機能

 府から予算・決算資料の提出を受け、審議する議会による調査には一定限界があるが、直接調査した内容を府は速やかに議会に報告する制度が必要である。

キ その他

 職員の意識改革などをしっかり行えば、不正は起こさないだろうという性善説に立つのではなく、どの職員も不正を起こしうる可能性があるという前提で、不正行為そのものが不可能なシステムをつくるべきである。

このページの作成所属
議会事務局 調査課 政務調査第一グループ

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