尺度遺跡(しゃくどいせき)

更新日:2017年3月30日

所在地:羽曳野市蔵之内(くらのうち)

種類:集落跡

時代:古墳

調査期間:平成27年 11月から12月

主な遺構:竪穴住居、溝など

主な遺物:須恵器、土師器など

尺度遺跡(しゃくどいせき)は、従来より弥生時代以降の遺跡と考えられてきましたが、その実態が明らかになってきたのは最近のことです。中でも平成8年度の南阪奈道路(みなみはんなどうろ)建設に伴う尺度遺跡(しゃくどいせき)の調査では、古墳時代初頭の豪族居館(ごうぞくきょかん)と考えられる方形区画(ふうけいくかく)が発見されたことは注目に値します。

今回、動物愛護管理センター(仮称)整備事業にともない、発掘調査を行いました。その結果、6世紀後半を主体とする古墳時代後期の遺構が発見されましたので紹介します。

現地は羽曳野丘陵から東に向かってのびる微高地で、幅1メートル、長さ230メートルの範囲を調査しました(写真1)。重機のあたりが微高地の先端です。奥の高架道路が南阪奈道路(みなみはんなどうろ)、正面やや右に二上山(にじょうざん)が見えます。

【写真】調査区の全景しゃしん

■写真1 調査地東半分の様子(西から)

微高地の先端では竪穴住居が2棟発見されました(写真2)。調査幅が狭いため、全体を明らかにすることはできませんでしたが、ほぼ同じ場所で建て替えられています。後に造られた写真中央の住居は、方形住居で一辺約5.8メートルと考えられます。住居内には周溝(しゅうこう)をめぐらせ、柱の穴が確認できました。この住居の柱の穴は、一番奥と手前左のもので、直径20センチメートルくらいです。

【写真】発見された竪穴住居

■写真2 微高地の先端で発見された竪穴住居

今回の調査では、微高地を横断する南北方向に掘られた溝が発見されました。竪穴住居の西で発見された溝(写真3)は、幅2.4メートル、深さ0.85メートルを測ります。微高地の中ほどで発見された溝(写真4)は、幅2.0メートル、深さ1.9メートルを測ります。断面の形は逆台形で深く掘られています。土の堆積状況をみると、溝が掘られた当初は水が流れていたようですが、最終的には人為的に埋められています。溝の用途は不明ですが、これを解明することが今後の課題です。

【写真】竪穴住居の西側から発見された溝

■写真3 竪穴住居の西から発見された溝(南東から)

【写真】びこうちの中ほどから発見された溝

■写真4 微高地の中ほどから発見された溝

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教育庁 文化財保護課 調査事業グループ

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