ア 収入の推移
勤労者世帯の平成21年9月から11月の1か月平均(以下「1か月平均」という。)実収入は、1世帯あたり425,476円で、全国平均(474,199円)を下回った。前回調査の平成16年と比較すると、名目で(−)9.3%、実質で(−)8.8%に減少した。
昭和59年以降の、1世帯あたりの1か月平均実収入の対前回増加率の推移をみると、名目では平成6年まで、増加幅は縮小しているものの、増加となっており、実質でも平成6年までは対前回で増加となっていた。平成11年に名目、実質ともマイナスに転じ、平成21年も引き続きマイナスとなった。(図表2−1,2−2)
図表2−2 1か月平均実収入の推移(勤労者世帯)
昭和59年 | 平成元年 | 平成6年 | 平成11年 | 平成16年 | 平成21年 | |
実収入(円) | 359,483 | 440,815 | 518,039 | 512,916 | 468,956 | 425,476 |
名目増加率(%) | 27.0 | 22.6 | 17.5 | -1.0 | -8.6 | -9.3 |
実質増加率(%) | 5.5 | 15.0 | 4.8 | -3.1 | -6.0 | -8.8 |
消費者物価指数上昇率(%) | 20.4 | 6.6 | 12.1 | 2.2 | -2.9 | -0.6 |
イ 収入の種類別にみた1か月平均実収入の特徴
収入の種類別に、全国平均を100とした指数でみてみると、「世帯主の勤め先収入」が96.0、「世帯主の配偶者の勤め先収入」が69.5、「事業・内職収入」が77.7などと全国平均を下回っている。(図表2−3)
また、実収入に占める割合を見ると、「世帯主の勤め先収入」が80.7%となっている。
図表2−3 勤労者世帯の収入の種類別1か月平均実収入(全国と大阪府)
全 国 | 大 阪 府 | 指 数 | |||
実 数 (円) | 構成比(%) | 実 数(円) | 構成比(%) | (全国=100) | |
実収入 | 474,199 | 100 | 425,476 | 100 | 89.7 |
経常収入 | 464,079 | 97.9 | 419,547 | 98.6 | 90.4 |
勤め先収入 | 431,107 | 90.9 | 393,368 | 92.5 | 91.2 |
世帯主の勤め先収入 | 357,671 | 75.4 | 343,403 | 80.7 | 96.0 |
世帯主の配偶者の勤め先収入 | 56,405 | 11.9 | 39,174 | 9.2 | 69.5 |
他の世帯員の勤め先収入 | 17,030 | 3.6 | 10,791 | 2.5 | 63.4 |
事業・内職収入 | 2,556 | 0.5 | 1,985 | 0.5 | 77.7 |
他の経常収入 | 26,077 | 5.5 | 21,894 | 5.1 | 84.0 |
可処分所得 | 393,375 | 83.0 | 355,893 | 83.6 | 90.5 |
大阪府の勤労者世帯の可処分所得から消費支出を差し引いた黒字は、1世帯あたり62,179円(全国平均73,247円)となった。可処分所得に占める黒字の割合である黒字率は、17.5%(全国平均18.6%)である。
また、黒字のうちの金融資産純増が可処分所得に占める割合である金融資産純増率は、5.4%となった。
黒字率と金融資産純増率の動きをみると、黒字率は昭和59年以降、上昇を続けていたが平成16年に低下に転じ、平成21年も引き続き低下した。
一方、金融資産純増率は、昭和59年以降、平成元年、平成6年と上昇したが、平成11年では黒字率の上昇にもかかわらず低下となり、平成16年、平成21年も引き続き低下した。
大阪府の勤労者世帯の黒字率を、全国平均と比較すると、昭和59年、平成元年と全国平均を下回り、平成6年に全国平均を上回り、平成11年には全国平均より下回った後、平成16年には再び全国平均より高い値となったが、平成21年は全国平均より下回った。
金融資産増加率は、平成元年、平成11年には全国平均より下回った後、平成16年には全国平均より高い値となったが、平成21年は再び全国平均より下回った。
図表2−5 大阪府と全国の黒字率と金融資産純増率の推移(勤労者世帯)
(%) | ||||||
昭和59年 | 平成元年 | 平成6年 | 平成11年 | 平成16年 | 平成21年 | |
黒字率(大阪府) | 11.5 | 15.8 | 19.7 | 21.8 | 21.4 | 17.5 |
金融資産純増率(大阪府) | 4.8 | 10.5 | 14 | 10.9 | 10.1 | 5.4 |
黒字率(全国) | 13.8 | 16.2 | 19.6 | 22.4 | 20.3 | 18.6 |
金融資産純増率(全国) | 5.7 | 9.9 | 12.1 | 12.5 | 9.9 | 8.7 |
勤労者世帯を住宅の所有関係別に「持家」、「民営借家・借間」、「公営借家」、「公団・公社等借家」、「給与住宅」に分けて、その家計収支状況をみると、「給与住宅」世帯の1か月平均実収入が、413,551円(大阪府の勤労者世帯の平均を100とした指数113.8)と最も多く、1か月平均消費支出も330,220円(同112.4)と最も多い。
大阪府の勤労者世帯の平均を100とした指数で、費目ごとの支出額の大きさを住宅の所有関係別に比較すると、「保健医療」が最もばらつきが小さく、以下「被服及び履物」、「食料」、「家具・家事用品」、「光熱・水道」と続く。逆に最もばらつきが大きいのは「住居」で、以下、「教育」、「教養娯楽」、「交通・通信」、「その他の消費支出」となっている。
消費支出に占める各費目の割合をみると、「持家」世帯は、「教育」、「教養娯楽」、「その他の消費支出」に他の世帯よりも高い割合で支出している。「民営借家・借間」世帯は、「住居」へ最も大きな割合で支出している。
図表2−6 勤労者世帯の住宅の所有関係別の消費支出(平均=100)
持ち家 | 民営借家 ・借間 | 公営借家 | 都市再生機構・ | 給与住宅 | |
消費支出 | 102.9 | 92.5 | 83.9 | 103.4 | 112.4 |
食料 | 106.8 | 78.8 | 93.3 | 91.9 | 93.7 |
住居 | 19.0 | 340.0 | 180.5 | 274.7 | 121.8 |
光熱・水道 | 106.2 | 87.5 | 87.2 | 88.3 | 86.1 |
家具・家事用品 | 110.4 | 68.9 | 84.2 | 95.7 | 88.0 |
被服及び履物 | 109.8 | 72.7 | 68.5 | 95.1 | 119.2 |
保健医療 | 102.2 | 102.0 | 77.9 | 103.2 | 98.7 |
交通・通信 | 103.6 | 75.9 | 70.0 | 98.9 | 206.9 |
教育 | 121.0 | 45.5 | 58.3 | 84.3 | 72.2 |
教養娯楽 | 115.6 | 67.1 | 59.7 | 65.7 | 96.0 |
その他の消費支出 | 110.8 | 71.4 | 74.6 | 93.2 | 96.0 |
(再掲)移転支出 | 109.6 | 74.2 | 75.0 | 107.0 | 86.5 |
(再掲)教育関係費 | 120.7 | 52.3 | 51.5 | 74.6 | 76.1 |
(再掲)教養娯楽関係費 | 113.9 | 69.0 | 60.7 | 76.8 | 102.1 |
(再掲)情報通信関係費 | 104.9 | 88.5 | 87.3 | 95.6 | 96.0 |
(再掲)経常支出経費 | 100.7 | 99.9 | 90.0 | 107.1 | 101.5 |
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総務部 統計課 物価・家計グループ
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