賃上げ一時金調査  平成26年  【春季賃上げ】(分析最終報告)

更新日:2014年5月28日

平成26年春季賃上げ 妥結状況(分析最終報告)

 大阪府総合労働事務所は、今年の府内労働組合の春季賃上げの妥結状況等をまとめました。

【加重平均(組合員1人あたり平均)】 【妥結額対前年度比較集計(※):319組合】 【調査時点:5月14日現在】

  ◇ 妥結額           6,183円 (前年:5,203円)

  ◇ 賃上げ率         2.12% (前年:1.83%)

  ◇ 妥結額増減額・率    980円増 ・ 18.8%増

 【調査結果の特徴点】
  ・ 全体妥結額が、前年を大きく上回る。
  ・ 産業別では製造業、非製造業ともに前年より大幅な妥結額の増加が見られる。製造業においては、20%を超える増加率となった。
  ・ すべての企業規模で妥結額が前年を上回り、企業規模が大きいほど増加率は大きい。

(※)「妥結額対前年比較集計」とは、妥結額が把握できた531組合のうち、「組合員数」、「平均賃金」及び「前年(H25)の調査結果(妥結額)」が明らかな319組合において加重平均集計・対前年比較を行ったもの
 

【1】 調査対象及び集計方法

  本調査は、府内に所在する約2,000組合を調査対象として実施し、5月14日までに妥結額が把握できた531組合について、下記図のとおり2通りの集計条件(「全体集計」及び「妥結額対前年比較集計」)により、それぞれ集計を行いました。
 
【集計条件及び集計組合数について】
集計条件及び集計組合数についての解説図

○ 本調査では、前年からの妥結額の動きを正確に把握するため、妥結額対前年比較集計319組合(妥結人数:110,097人)の妥結状況等について対前年比較・詳細分析を行いました。

○ また、参考として、本年調査における妥結水準(加重平均)を示すため、全体集計395組合(妥結人数:150,375人)の妥結状況等についても併せて掲載しました。
 
 

【2】 経済背景と要求・交渉経過

(1)背景

 「内閣府月例経済報告(平成26年2月)」では、「景気は、緩やかに回復している。先行きについては、輸出が持ち直しに向かい、各種政策の効果が下支えするなかで、家計所得や投資が増加し、景気の回復基調が続くことが期待される。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、消費税率引上げに伴う駆け込み需要及びその反動が見込まれる。」と、分析しています。また、「経済の好循環実現に向けた政労使の取組について(平成25年12月20日)」において、「政府による好循環実現に向けた環境整備の下、労使は、各企業の経営状況に即し、経済情勢や企業収益、物価等の動向も勘案しながら十分な議論を行い、企業収益の拡大を賃金上昇につなげていく。」との共通認識を示しました。

(2) 経営側の主張

 (社)日本経済団体連合会は、今次労使交渉・協議について、「今次の春季労使交渉・協議は従来以上に社会的な意義が高まっている。企業労使には、自社のおかれている状況などを踏まえるのはもちろんのこと、日本経済再生の一翼を担っているとの気概を持ちながら、さらなる成長に向けた対応を含め、より幅広い視野に立って議論を深めていく姿勢が求められる。」「労使間での意見交換を通じ、自社が置かれている経営の状況、とりわけ人件費の原資たる付加価値をいかに増やしていくのかという点について、共通の理解を深めていくことが求められる。」とし、「業績が好調な企業は、拡大した収益を設備投資だけでなく雇用の拡大、賃金の引き上げに振り向けていくことを検討することになる。その際、賃金の引き上げについて、ここ数年と異なる対応も選択肢になり得よう。」と予測しています。[「2014経営労働政策委員会報告」(平成26年1月)]

(3) 労働側の主張

 連合は、「賃金カーブ維持分を確保し、所得と生活水準の低下に歯止めをかける。加えて、景気回復と物価上昇局面にあることを踏まえて、経済成長と所得向上を同時に推し進め、デフレからの早期脱却をめざすとともに、低下した賃金水準の中期的な復元・格差是正、体系のゆがみ等の是正に向けた取り組みを推進する。」「規模間格差や男女間格差の実態把握とその是正をはかることや、正社員と非正規社員との均等・均衡処遇の実現をはかるために、個別銘柄の賃金水準を重視した取り組みを進める。」また、中小企業の取組においては、「賃金の底上げおよび生活の基礎である月例賃金の引き上げにこだわり、賃金カーブ維持分の確保のみならず、賃金引き上げを積極的に求めていく。」としています。[連合:「2014春季生活闘争方針」(平成25年12月3日)]
 また、国民春闘共闘委員会は、「すべての組合が、『ベア要求』を掲げ、『ベア獲得』にこだわり、すべての労働者の賃上げをめざし、たたかいを展開する。」「統一賃金要求目標(時間額120 円(11.7%)以上、月額1万6,000 円(5.3%)以上)最低賃金要求目標(時間額1,000 円、日額8,000 円、月額17 万円)を統一の最低賃金要求目標額として提起する。」などと主張しました。[「2014国民春闘方針」(平成25年11月28日)]

(4) 交渉経過

 交渉日程では、各産別傘下の大半の組合が3月上旬までに要求提出を終え、金属労協の集中回答日である3月12日中心に回答の引き出しを行いました。その後、中小組合においても交渉が本格化し、現在も交渉が継続されています。
 
 

【3】 調査結果の詳細分析【妥結額対前年比較集計:319組合】

(1)妥結額の推移 

【P5(表1)参照】 表1 [Excelファイル/19KB] 表1 [PDFファイル/23KB]

本年調査では、妥結額6,183円(前年:5,203円)と、対前年比980円増・18.8%増となり、前年を大幅に上回る結果となりました。

(2)企業規模別妥結状況

【P5(表2)参照】 表2 [Excelファイル/19KB] 表2 [PDFファイル/23KB]

 企業規模別の妥結額、賃上げ率における対前年比較では、
「299人以下」が、前年比690円増・14.8%増 (26年:5,353円 25年:4,663円)
「300から999人」が、前年比808円増・16.6%増 (25年:5,676円 24年:4,868円)
「1,000人以上」が、前年比 1,041円増・19.6%増(25年:6,359円 24年:5,318円)と、全ての企業規模で増加が見られますが、特に「1,000人以上」の組合で19.6%と大幅な増加が見られます。

(3)産業別妥結状況

【P6・P7(表3‐1・2)参照】 表3‐1 ・2 [Excelファイル/132KB] 表3‐1 ・2 [PDFファイル/108KB]

 産業別における対前年比較では、製造業が6,180円(前年:5,125円)と1,055円増・20.6%増、非製造業が6,187円(前年:5,270円)と917円増・17.4%増となり、製造業及び非製造業とも増加しています。

 なお、妥結額が前年を上回った業種は、今回、分析対象(集計組合3以上)としている全18業種のうち8割以上の「機械器具(+30.3%)」、「非鉄金属(+35.9%)」、「卸売・小売業(+27.7%)」等の16業種で、下回った産業は、「建設業(−19.5%)」、「情報通信業(−3.6%)」の2業種となっています。

 特に、妥結額の対前年比増減率が大きい5業種における詳細の分析結果は、次のとおりです。

◆妥結額が前年を上回った16業種のうち、対前年比増加率が大きかった4業種について

業種

集計組合数(件)

前年比

主な特徴点

全体

(内訳)
妥結額増減数

金額
(円)

増減率
(%)

飲食店・宿泊業

 +1,619

+39.1

 分析対象組合数が少なく、一概に好不調の判断は難しい。なお、大手企業で大幅なプラス妥結となっている組合があることから、全体として大幅なプラス妥結となっている。

±0

非鉄金属

15

13

+1,734

+35.9

 多くの組合でプラス妥結傾向であるに加え、大手・中堅組合での大幅なプラス妥結もあり、全体として非常に好調と推測できる。

±0

 機械器具

65

50+1,796  +30.3 プラス妥結組合数が多く、尚且つ1,000円以上の大幅なプラス妥結となっている組合が半数近くを占めていることから、業種全体として非常に好調と推測できる。
±010
卸売・小売業

28

22

+1,402

+27.7

 前年はマイナス妥結であったが、1,000円以上の大幅なプラス妥結の組合が多いことに加え、大幅なプラス妥結となっている組合も半数近くあることから今年は回復傾向と推測できる。

±0

◆妥結額が前年を下回った2業種について

業種

集計組合数(件)

前年比

主な特徴点

全体

(内訳)
妥結額増減数

金額
(円)

増減率
(%)

建設業

-1,198

-19.5

 分析対象組合数が少なく、好不調を判断し難い。

±0

情報通信業

11

-224

-3.6

 組合によってバラツキがあり、好不調の判断が難しい。

±0


 

【4】 労働組合の声

 調査段階における調査対象産別の春季賃上げ状況は、次のとおりでした。

・「定昇維持のみならず例年以上の妥結結果を得た。」
・「世間のベア獲得への気運が高まったこともあり、ベア獲得に向けた粘り強い交渉の結果、中小においても一定のベア獲得が見られた。」

・「加盟労組が中堅・中小がほとんどで、経営難の企業もあり、非常に厳しい交渉を強いられ、回答内容も伸びていない。」
・「業種柄、賃上げが非常に厳しく、賃上げ世相とは無縁であった。」
・「大企業の交渉は例年より好調であったが、中小企業では依然厳しく、企業規模による交渉状況の差があった。」

・「定昇のみもしくは昨年並みの妥結状況であるが一時金要求で引き続き交渉を続ける。」「ベアより一時金と制度要求で交渉を進めている。」

【まとめ】
 企業規模を問わず一定の交渉の成果が出た組合がある一方、業績が不振な業界や中小企業の組合を中心に、交渉が難航した組合も見られました。また、夏にかけて他の要求目標を掲げ今後も交渉を続行する組合も見られます。今年春季賃上げは全体として大幅なプラス妥結となっていますが、業種や企業規模によっては厳しい交渉となった組合もあるようです。
 

発表資料のダウンロード

【全体版】  平成26年春季賃上げ妥結状況(分析最終報告)p1-14 [PDFファイル/561KB]

【概要版】  平成26年春季賃上げ妥結状況(分析最終報告)p1-4 [Wordファイル/120KB]
        平成26年春季賃上げ妥結状況(分析最終報告)p5-7 [Excelファイル/147KB]

        平成26年春季賃上げ妥結状況(分析最終報告)p1-7 [PDFファイル/2.07MB]

【参考資料】  平成26年春季賃上げ妥結状況(分析最終報告)p8-14 [Excelファイル/186KB]
        平成26年春季賃上げ妥結状況(分析最終報告)p8-14 [PDFファイル/187KB]

 

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室労働環境課 地域労政グループ

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